自転車で気持ちよく、走っていたのに・・
なんか、走り心地がガタガタする。明らかにおかしい。。なぜだ?
・・タイヤがホイールから外れてる!!
「タイヤが外れる」は、自転車トラブルのひとつです。
かなり稀なので、本当に起きるの?と思われるかもしれませんが・・
私自身は実際に、1度経験したことがあります。
もしかしたら今まさに、あなたも悩んでいるかもしれませんね。
そしてタイヤが何の理由もなく外れる!というのはまず起きません。
外れるときは、なんらかの「原因」があるもので・・
そして原因があるなら、それに対応する「対処法」もあります。
なのでこの記事では、自転車のタイヤが外れるときの原因や対処法を解説していきます。
目次
「ビードがリムから脱落する」ことで外れる
自転車のタイヤは、なぜ外れる?
まずは、この「原因」から解説していきます。
自転車のタイヤは普通は、
こんな感じになっていて・・
そして外れるときは、
こんな感じで、ゴム部分がずるっとはみ出るように外れてきます。
場合によっては、もっと大きくがっつりと外れるかも知れませんし・・
外れ方によっては、チューブも外に出てきているかもしれません。
そしてこの状態は、具体的には・・
タイヤの「ビード」が、ホイールの「リム」から外れてしまう
ことによって起こります。
タイヤの「ビード」とは何か?については、
上の記事で詳しく解説しているのですが・・
ビードというのは、
こんな感じの、タイヤの「フチ」にあたる構造のことです。
タイヤにはこれが2本、1周にわたって有るわけですね。
そしてホイールの「リム」とは何か?については、
上の記事で解説しているのですが・・リムには、
こんな感じの「受け皿」のような構造があります。
そしてビードは、リムのこの受け皿部分にスッポリとはまり込むようになっています。
何100kmを走ろうが、地面からの衝撃を受けまくろうが外れないくらい、ガチガチに固定されるわけですね。
この固定はとても強力ですので、特に原因もなく外れることはまずありません。
なのでタイヤが外れた!という場合は・・
リムの受け皿部分にはまり込んだビードが、何らかの原因があって脱落した
具体的には、こういうことが起きているわけです。
じゃあ、ビードがリムから脱落する原因って何?
以下、解説していきます。
ビードがリムから脱落する原因は?
ビードがリムから脱落することは、普通はありません。
なのでこれが外れた場合は、なんらかの原因があります。
じゃあ、原因は何が考えられる?
- 空気圧不足
- 空気の入れすぎ
- タイヤの破損
- ホイールの破損
- 合わないタイヤを使っている
このあたりになってきます。
空気圧不足
「空気圧不足」は、ビード脱落の原因になります。
恐らく、これがいちばん多い原因でしょう。
自転車のタイヤには「適正空気圧」があり、タイヤごとに決まっているはずです。
そしてそれに足りるぶんの空気を、そもそも入れていなかったり・・
乗っているうちに、いつのまにか空気が抜けていたりすると空気圧不足は起こります。
そしてタイヤのビードは、リムにはまり込んで固定されているわけですが・・
ここは十分な空気圧があることによって、ちゃんと固定されるものです。
空気の圧力によって、固定される方向に力が掛かるわけです。
実際、パンクして空気がゼロになったタイヤなら、タイヤレバーでぐいっとすれば外れますが・・
空気が十分に入った状態だと、タイヤレバーを使おうが外すのは無理ですよね。
空気はそれだけ強力に、ビードを固定するわけです。
ということは、空気圧が足りないと、ビードはちゃんと固定されないことになります。
そしてその状態で走って、強い衝撃を受けたりすると・・
タイヤは、あっさり外れることがあるのです。
という感じで「空気圧が足りない」は、タイヤが外れる原因になりやすいです。
空気の入れすぎ
逆に「空気の入れすぎ」も、タイヤが外れる原因になり得ます。
タイヤの「適正空気圧」よりも、たくさん入れてしまった!みたいなケースですね。
ビードは空気圧の力によって、リムにはまり込むわけですが・・
空気を入れすぎると、この「空気圧の力」が強すぎる状態になります。
そして、ちょっと強すぎるくらいなら何てことも無いのですが・・
空気圧があまりにも高すぎる場合、「リムの耐久力」の限界を越えて押し出されることになります。
そうなると最終的には、タイヤは外側に向かって外れてしまいます。
リムは基本的に、外側に向かってタイヤが外れる構造ではありませんので・・
これが起こるときには恐らく、リムは壊れてしまっているでしょう。
空気の入れすぎによるタイヤの外れは、そう簡単には起きません。
相当なレベルの入れすぎによって、はじめて起きる可能性がでてくる、みたいな感じでしょう。
しかしもし、空気圧は高いほうが良い!みたいな感じで入れすぎていたとしたら・・
それがタイヤ外れの原因となることも、無いとは言えないと思われます。
タイヤの破損
「タイヤが破損」して、うまく固定できなくなっている・・
これも、タイヤがいきなり外れる原因のひとつです。
タイヤの破損というのは基本的に、「ビード」の破損ということですね。
タイヤはビード部分が、リムにがっちりはまり込んでいるわけですが・・
このビードが何らかの原因で壊れていれば、もちろんタイヤが外れる原因になり得ます。
ビードには「ワイヤー」や「ケブラー」といった、頑丈な素材が使われています。
なので、そう簡単に破損するものではないのですが・・
とはいえ初期不良や、突然の破損といった可能性はやはりあるものです。
なのでなぜか、タイヤがいきなり外れてしまったとき・・
タイヤのビードが、どこか破損してしまっていないか?
ここも見るべきポイントになってきます。
ホイールの破損
「ホイールの破損」も、タイヤが外れる原因です。
この場合はホイールの「リム」の破損ですね。
タイヤはビードが、リムにはまり込んで固定されるわけなので・・
このリム側が壊れた場合も、もちろんタイヤは外れることがあります
リムはきわめて頑丈で、そう簡単に壊れることはありませんが・・
あまりにもハードな使い方とか、事故といったアクシデントとかがあれば、壊れることはあるでしょう。
上述した「空気の入れすぎ」で壊れることもあり得ます。
そしてリムが大きく壊れてしまえば、タイヤは簡単に外れます。
なので、ここもチェックポイントのひとつです。
合わないタイヤを使っている
「サイズが合わないタイヤ」を使ってしまっている・・
ここも、タイヤが外れる意外な原因となります。
合わないタイヤなんて、使わないのでは?と思われるかもしれません。
確かに、サイズが何割も違うタイヤは装着不可能ですので、間違えようもありませんが・・
サイズが微妙に違うタイヤもあり、その場合は間違える可能性があります。
タイヤのサイズは、
上の記事で解説している「ETRTO」という基準を見ていれば、間違えることは無いのですが・・
このあたりを知らずに、ネットでこれが合うかな?と思うタイヤを買った場合・・
ピッタリのように見えて、実はほんのわずかなサイズ違いだった・・ということがあり得ます。
そしてその場合は固定力が低くなりますので、これもタイヤが外れる原因となってしまいます。
タイヤが外れたまま走ると、どうなる?
走っているうちに、タイヤが外れてしまった。。
でも目的地も近いし、直す工具も持っていないので、このまま走ってしまおう!
そんな感じでタイヤが外れたまま走ると、どうなるの?
タイヤが外れたまま走ると・・
結論から言うと、自転車が深刻に壊れることになります。
「パンクしたままの状態で走る」とどうなるか?を、
上の記事で解説しているのですが・・
タイヤが外れたまま走ると、パンクしたまま走るのと同じようなリスクがあります。
具体的には、
- タイヤが壊れる
- チューブが壊れる
- ホイールが壊れる
この3つが、同時に起きるような感じになります。
タイヤは正しく装着されている状態ではじめて、地面の衝撃をちゃんと吸収するもので・・
タイヤが外れてしまった状態では、うまく衝撃を和らげることはできません。
なので衝撃がホイールまわりすべてを襲い、壊れる原因となってしまうのです。
そしてタイヤが外れた場合はすぐ対処すれば、大したダメージも無く復活できるかもしれません。
しかしそのまま乗ってしまい、パーツが深刻に壊れる事態ともなれば、もはや取り返しはつきません。
お金を払って、パーツを交換するしか無くなってくるでしょう。
と、そんなことを起こさないためにも・・
タイヤが外れた自転車には乗らず、すぐにでも直すことをおすすめします。
外れたタイヤを直す方法は?
じゃあ、タイヤが外れたらどう直せばいいの?
外れたタイヤを直すのは、とても簡単で・・
- 一度、空気を完全に抜く
- ビードをリムに固定し直す
- 空気を入れる
この手順で直せるはずです。
パンク修理の、最初・最後だけの手順と同じですね。
ホイールは、一度外す必要があるかもしれませんが・・
状況によっては、装着したまま作業完了できるかもしれません。
外出先でやるなら、携帯ポンプやタイヤレバーは必要ですが・・
工具さえあれば、数分でさくっと終わる作業になるでしょう。
しかし、タイヤをはめ直すだけなら簡単なのですが・・
タイヤがいきなり外れた場合は、偶然ではなく「原因」があることが多いです。
なので直すときは同時に「原因」もチェックし、2度と起きないようにするのがおすすめです。
はめ直すだけ!は、緊急時のみですね。
原因のチェックって、具体的にはどうすればいいの?
以下、解説していきます。
タイヤが外れた!を2度と起こさないために
自転車のタイヤが外れた原因は、どうチェックする?
自転車のタイヤが外れる原因は、上で解説したように・・
- 空気圧不足
- 空気の入れすぎ
- タイヤの破損
- ホイールの破損
- 合わないタイヤを使っている
こんな感じになっています。
なのでタイヤが外れてしまったときは、これらの項目をチェックすることが必要です。
タイヤが外れたとき空気圧が不足、もしくは入れすぎだったと分かったら・・
そのタイヤの適正空気圧をチェックし、次に入れるとき気をつければそれで大丈夫です。
自転車はどのくらい空気を入れればいいの?については、
上の記事で解説していますので、こちらも参考になるかもしれません。
タイヤの破損も、チェック必須です。
そしてタイヤのビード部分が壊れている場合、修理は基本的に無理ですので、交換が必要となります。
ホイールの破損も見るべきところで・・
もしリムが深刻に壊れていたとしたら、ホイール交換が必要になります。
ホイールはひどくないレベルの変形くらいなら、「振れ取り」で直せるかもしれません。
振れ取りについては必要な工具を中心に、上の記事で紹介しています。
万一、サイズが合わないタイヤを使ってしまっていた場合は・・
上でも挙げた「ETRTO」の解説記事を参考に、正しいタイヤに新調しましょう。
自転車屋で修理してもらえる?
タイヤの外れに「自分で対処する」なら、上のような手順になりますが・・
タイヤが外れた自転車を自転車屋に持ち込み、修理してもらうことはできる?
ここも解説しておきます。
外れたタイヤを戻すだけなら、普通は簡単な作業ですので・・
自転車屋に持ち込めば短い時間で、さくっと終了するのではと思います。
もちろん空気も適正まで入れてもらえるでしょうし、どのくらい入れればいいか?も教えてもらえるでしょう。
料金としては、
サイクルベースあさひ 修理工賃より引用
例えば「サイクルベースあさひ」だと、パンク修理やタイヤチューブ交換の工賃がこのくらいになっているので・・
まあ、このあたりに準ずる料金になるのでは?と思います。
実際はどうか?は直接ショップにお尋ねください。
しかし「原因の検索」までを依頼した場合は、もうちょっと時間が掛かるかもしれませんし・・
その結果「タイヤやホイールの交換が必要」といったことになれば、その工賃やパーツ代も掛かってきてしまいます。
その場合の料金は場合によって変わりすぎると思われるので、ここも実際のところはショップにてお尋ねください。
自転車のタイヤが外れる!は、パンクなどより頻度は低いものですが・・
それでもやっぱり、起きるときには起きるものです。
そしてパンクと違って、整備によってほとんど防ぎきれるものですので・・
タイヤが外れるなんてことが起きない整備を、普段から心がけていきたいところです。
今回は自転車のタイヤが外れたときの対処法を解説しました。