みんカラの該当ページより画像を引用
自転車のダイレクトマウントブレーキって、何?
ダイレクトマウントブレーキとは、「台座を介さず、フレームに直接装着する」ブレーキのことです。
ダイレクトマウント、という名前の通りですね。
冒頭の画像のように、フォークに装着されることもありますし・・
みんカラの該当ページより画像を引用
こんな感じで、ボトムブラケットのすぐ後ろに配置されることもあります。
そしてこの記事を訪れたあなたは、ダイレクトマウントブレーキについてもっと知りたいかもしれませんので・・
ダイレクトマウントブレーキについて、徹底解説していきます。
目次
「台座を使わない」ブレーキ
自転車のブレーキは普通、「台座」によって車体に固定されます。
例えば「キャリパーブレーキ」だと、
赤丸の部分に台座があり、ブレーキはこれを介して固定されています。
もしくは「ディスクブレーキ」でも、
赤丸部分の台座によって、接続されていますね。
その他・・Vブレーキでもカンチブレーキでも、台座を使って固定するのは変わらないのですが・・
ダイレクトマウントブレーキは、
シマノ ディーラーマニュアルより引用
こんな感じの仕組みで「台座なし」でフレームに固定される、というのがいちばんの特徴です。
しかも2本のボルトを使って、ガッチリと固定されるわけですね。
そして他のブレーキとは違った、この構造が・・
他のブレーキと比べた、さまざまなメリット・デメリットを生むことになります。
メリット①:制動力が高い
ダイレクトマウントブレーキのひとつめのメリットは、「制動力」です。
自転車のブレーキはそれ単体で、エネルギーを吸収するわけではありません。
ホイールやフレームも一緒になって、推進力を吸収するものです。
あんな細いブレーキパーツだけでは、ロードバイクのものすごい推進力は受け止められませんよね。
実際にプロのロードレースをテレビで見ていて、観客が飛び出てきたときに・・
レーサーがすさまじい急ブレーキをして、それによってホイールが真っ二つにひしゃげるのを見たことがあります。
レーサー本人も観客も無事のようでしたが、ホイールがそのエネルギーを受け犠牲になったわけですね。
ホイールやフレームはそのくらい、ブレーキに役立っているということです。
そしてダイレクトマウントブレーキは、2本のボルトでダイレクトにフレームに固定されていますので・・
ブレーキの力を、より効率よくフレームに流すことができます。
ガッチリ接続しているほうが当然、力はよく伝わるからですね。
なのでブレーキとフレームが一丸となって、エネルギーを受け止める形となり・・
そのぶん、自転車はしっかりと制動するようになります。
高速で走るロードバイクにとって、制動力はとても大事です。
なのでここは、ダイレクトマウントブレーキの大きなメリットとなります。
メリット②:フィーリングに優れる
カチッ!とした、良好なフィーリングが得られる!
というのもダイレクトマウントブレーキの、長所のひとつです。
ブレーキがフレームに、隙間なくカッチリ固定されていると・・
ブレーキを引く指の力も、カッチリと伝わるようになります。
そしてブレーキの力は、カチッと伝わるほうが良いです。
逆にカチッとしてないと、フィーリングが「グニャグニャ」になるのですが・・
そうすると瞬時に効かせたり、繊細にコントロールしたりが難しくなります。
感覚的にも、カチッと効いたほうが気持ちいいものでしょう。
ブレーキフィーリングは、普段のライドでも大事ですし・・
「レース」をするのなら特に大事、という面もあったりします。
レースではただ止まるだけではなく、適度なスピードコントロールが必要になりますし・・
普通のライドよりはるかに速くなるので、止まるために必要な能力もより高くなるからですね。
という感じで、ブレーキにハイレベルなフィーリングを求める場合も・・
ダイレクトマウントブレーキを使うのが、良い選択肢になるかもしれません。
メリット③:軽い
ダイレクトマウントブレーキは、軽いことが多いです。
そして軽さが命のロードバイクにとって、これも大きなメリットになり得ます。
ダイレクトマウントブレーキの軽さは、この記事で解説されていたのですが・・
高グレードのダイレクトマウントブレーキという前提で、
- ダイレクトマウントブレーキ:107g(実測)
- デュラエースのキャリパーブレーキ:140g程度
こういった情報が書いてあり、ハイグレード同士を比べた場合・・
ダイレクトマウントブレーキは数十グラム軽くできる可能性はある、と言えるでしょう。
(パーツ選びでぜんぜん変わってくるところで、一概には言えませんが・・)
ダイレクトマウントブレーキが軽くなる理由は、
- 台座が不要
- パーツ点数が少ないシンプルな構造
この2つでしょう。
ロードバイクは1グラム単位で、軽量化を追求されることも多いものです。
なのでここで一気に、数十グラムを稼げる可能性を作れる・・
これもダイレクトマウントブレーキの、大きな注目ポイントとなります。
メリット④:空気抵抗が低い
「空気抵抗」が、小さくなりやすい!
というのも空気抵抗にシビアなロードバイクでは、見逃せない点になってきます。
空気抵抗は、ロードバイクの大敵です。
ここはもう実際に高速で走る方には、説明不要だと思います。
スピードが上がれば上がるほど、空気抵抗は壁のように立ちはだかってきますので・・
少しでも軽減するため、ピッチリしたウェアとか前傾の深いポジションとか、さまざまな工夫がされるはずです。
高いレベルのレーサーになると、風洞実験をしてまで改善しようとするところですね。
そしてダイレクトマウントブレーキは、フレームと距離なくピッタリと装着するぶん・・
ほんのわずかにはなりますが、空気抵抗が減ることが期待できます。
「ボトムブラケット裏」に配置するタイプだと、さらに有利ですね。
まあ確かに影響は、あるとしてもごくわずかでしょうが・・
特にレース上位を狙うなら、わずかな改善も狙いたいものになってきます。
なので空気抵抗も、ダイレクトマウントブレーキを選ぶ理由のひとつになります。
デメリット:専用フレームにしか装着できない
ダイレクトマウントブレーキには、デメリットもあります。
一番は専用フレームにしか装着できないことですね。
ダイレクトマウントブレーキは、フレームに直接接続するものですので・・
フレーム側に「ダイレクトマウントブレーキ用の穴」が必須となります。
それが無ければ、固定のしようが無いわけです。
なのでもし今持っているロードバイクが、非対応のフレームなのであれば・・
残念ながらダイレクトマウントブレーキは、使えないことになります。
基本的には「ダイレクトマウントブレーキ仕様のロードバイク」を、最初から買うしか無いわけですね。
ダイレクトマウントブレーキを使いたいなら、ここが最大の注意点となるでしょう。
ダイレクトマウントブレーキはこの記事を書いている現在、どんどんポピュラーになってきています。
そして装着のスマートさ、実用性の高さなど見どころがたくさんあると思いますので・・
この記事を読んでビビッと来たのなら、採用を一考してみてもいいのではと思います。
今回は「ダイレクトマウントブレーキ」について、知っていること・調べたことを書いてみました。