自転車のペダルが空回りするのは「フリーの爪」が壊れているから

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フリーの爪

いつものように出掛けようと、自転車にまたがるけど・・

あれ?ペダルを漕いでも漕いでも、自転車が進まない。。

・・ペダル、空回りしてる!!

 

ペダルの空回りというのは、稀に起きる自転車トラブルです。

普通はペダルを漕げばホイールが回転し、自転車はしっかり推進されるのですが・・

そうはならずにペダルだけが空転し、ホイールは微動だにしないという状況ですね。

 

そしてペダルの空回りはほとんどの場合で、「フリーの爪」のトラブルが原因です。

フリーの爪って何?自転車のどこにあるの?どうすれば直せるの?

以下、詳しく解説していきます。

フリーの爪が壊れると、空回りする

フリーの爪とは、何?

ペダルを漕いだときだけホイールを回転させ、それ以外のときは空転させる

ざっくり言うと、これを実現させるためのパーツです。

 

現代ではほとんどの自転車に、フリー機構が搭載されています。

なのであなたの自転車も、

  • ペダルを漕ぐと、自転車は進む
  • ペダルを止めると、ホイールだけが回転し自転車は進み続ける
  • 自転車を押して歩くとき、ペダルは勝手に回転しない

おそらく、こういった挙動をするはずです。

そしてこういった挙動は実は、フリー機構によって実現されているものなのです。

 

フリー機構は、位置的には後輪の軸に搭載されています。

そして後輪の軸にはまず、

フリーの爪

フリーの爪

こんな感じで可動式の「爪」が装備されています。

 

そしてこれと対になる形で、

フリーの溝

フリーの溝

こんな感じで連続する溝があります。

 

そしてこれらの爪と溝は、

  • ペダルを前に回したとき、引っ掛かる
  • ペダルを後ろに回したときは、引っ掛からない

こういう仕組みになっています。

可動式の爪が寝たり起きたりすることで、それを実現しているわけです。

 

後輪が空転するとき「チチチチチチ・・」みたいな音が聞こえると思いますが・・

これはこの爪が溝に引っ掛からない形で、滑るように通過するときの音だったりします。

 

そしてこのフリー機構が無い自転車というのも、競輪用自転車を中心に存在するのですが・・

走っている最中にペダルを止めることができず、ものすごい力でぐわんぐわんと回り続けたりします。

慣れていないと、回転するペダルに体ごと吹っ飛ばされたりしかねないようですね。

そしてそれは一般人には危険すぎるので、市販されているほとんどの自転車にはフリー機構が搭載されているわけです。

 

そしてこのフリー機構が壊れると当然、ペダルは空回りすることになります。

爪が溝に引っかからず、空転してしまうので・・

ペダルを前に回していてもペダルだけが回転し、ホイールは止まったままになるからですね。

 

ペダルが空回りする原因は、他にもありはするのですが・・

しかしほとんどの場合で原因はフリー機構、特にフリーの爪だと言えるでしょう。

空回りを修理する方法

じゃあフリー機構が原因でペダルが空回りする場合、どうすればいいの?

  • 自分でフリー機構を修理する
  • 自転車屋でフリー機構を修理してもらう
  • 新しいホイールに交換する

選択肢は、こんな感じになってきます。

自分でフリー機構を修理する

フリー機構がなんらかの形で、壊れてしまったのなら・・

それを自分で修理するという選択肢が、もちろんあります。

 

しかし多くの人にとって、これはおすすめできない選択になります。

なぜならフリー機構の修理は、それなりに難しい作業になるからです。

 

フリー機構を修理するには、

  • 後輪を車体から取り外す
  • スプロケットを取り外す
  • ハブを分解し、フリー機構を露出させる
  • 壊れた部分を調整、または交換し解決する
  • 後輪を車体に再セットする

これらの手順を、上から順に行っていくことになります。

 

そして自転車にもよりますが、手順はなかなか複雑なものになってきます。

特にスプロケットを取り外したり、ハブを分解したりするのは・・

専用工具が必要になったり、ミスが事故に直結する可能性があったりします。

 

なので手順を見て、少しでも不安を感じられたなら・・

自分で手を出すのは、やめておくほうが良いところになるでしょう。

自転車屋でフリー機構を修理してもらう

自分でフリー機構を修理するのが、難しいと感じるなら・・

自転車屋で修理してもらう、というのが自然な流れになります。

むしろ、こっちが第一選択かもしれません。

 

じゃあ自転車屋で直してもらうとぶっちゃけ、何円かかるの?

サイクルベースあさひ後輪オーバーホール費用

サイクルベースあさひ 自転車修理工賃より引用

フリー機構だけの修理費用は、見当たりませんでしたが・・

後輪ハブのオーバーホール費用は、サイクルベースあさひだとこんな感じでした。

フリー機構整備はオーバーホールに近い手間が掛かってしまうので、値段も同じくらいだと思います。

新しいホイールに交換する

ホイールを取り替えてしまうというのも、とりうる手段になります。

フリー機構は、後輪に内蔵された機能ですので・・

ホイール自体を新調してしまえばもちろん、それでも解決することになります。

 

そしてホイール交換なら、修理作業が必要ないというメリットが生まれます。

難しい修理に挑戦しドツボにはまったり、修理費が高額になったりするくらいなら・・

これを機にいっそホイールを新しくしてしまうほうが、もしかしたら合理的かもしれません。

「チェーン」が空転することもある

ここまで、フリー機構が原因という前提で解説してみましたが・・

チェーン」が原因で空回りするということも、あり得ます。

 

一番わかりやすいのは、チェーンが完全に外れている場合ですね。

チェーンが外れてしまえば当然、足の力はまったく伝わりませんので・・

前に回そうが後ろに回そうが、ペダルは100%空回りすることになります。

 

もしくはチェーンは掛かっているのに、歯車の上をチェーンが滑る・・

通称「歯飛び」と呼ばれる状態になることもあります。

ペダルを踏むと、チェーンがガクッとずれてしまう現象・・「歯飛び」が起きてしまう理由や、直し方などを詳しく解説しています。

歯飛びとは何か?は、上の記事で解説しているのですが・・

この状態になっても、ペダルを回しているのに力が伝わらない!

ペダルが空回りしてしまう!・・という状態になることがあります。

 

歯飛びの場合はもちろん、空回りは部分的なものになるのですが・・

これも原因の可能性のひとつとして、一応挙げてみました。


ペダルが空回りするようになればもちろん、その自転車は即座に使えなくなってしまいます。

そして起こる理屈がわからないと、どうにもならない事態になってしまいますので・・

この記事の内容が解決に一役でも買ってくれれば、と思います。

 

今回はペダルが空回りするときの原因や対処法をテーマにお話ししました。

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【自転車趣味歴】7年程度

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元:総合病院の内科医・研究員

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◇サイクリングロードマニア
◇フラットペダル派
◇好きな素材はクロモリ
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