家に、自転車用のグリスがあるけど・・
チェーンがギシギシ言ってるので、そろそろ潤滑したいけど・・
チェーンにグリスって、ダメなの?
チェーンには「オイル」を使う!というのは、常識みたいな知識です。
しかし「グリス」というのも、潤滑剤としては優れたものなので・・
グリスじゃだめなの?グリスを使うと不具合でも発生するの?
私自身、自転車を始めた頃にそういった素朴な疑問を持っていました。
結論から言うとグリスはチェーンに向かないので、使うべきではないです。
じゃあその具体的な理由は?オイルのほうが優れる決定的なポイントは?
以下、解説していきます。
目次
グリスは「粘度が高すぎる」から向かない
自転車のチェーンに、グリスが向かない理由をひとことで言うと・・
「粘度が高すぎる」から、です。
ベトベトしすぎるということですね。
グリスはオイルと比べて、粘度が高いです。
なのでそのグリスをチェーンに塗った場合・・
- 駆動抵抗となる
- 汚れやゴミを拾いやすい
- 細かいところまで浸透しない
- 注油作業をしづらい
- 薄く注油しにくいので、走ると飛び散ってしまう
こういったデメリットが出てきます。
自転車のチェーンというものは、動くための関節の塊ですので・・
そこに粘度の高いものが入りこめば、駆動抵抗になってしまいます。
せっかく掛けたパワーが、わずかながらも吸収されてしまうわけですね。
グリスの、とてもベトベトした性質は・・
汚れやゴミを拾いやすくなる、という結果も生んでしまいます。
真っ黒でコテコテの塊になったり、砂利をたっぷり巻き込んだりすると、不具合の原因にもなりかねません。
粘度が高いゆえ細かいところまで浸透しない、というのも痛い点です。
隙間だらけのチェーンをすみずみまで潤滑するには、サラサラのほうが良くて・・
ベトベトしたグリスでは、細かいところに十分に入っていかないです。。
注油しづらい、も見逃せない点です。
サラサラしたオイルは、スプレーでも滴下でも簡単に注油できますが・・
グリスだとそうはいかず、少しずつ手間をかけて塗る感じになりかねません。
そして注油しづらいので、どうしても薄く均一にできず・・
ダマのようになったグリスが走ると飛び散る、ということも起きます。
そして落ちにくいグリスが自転車の各所に飛び散ると・・とんでもなく面倒なことになります。。
という感じで、グリスはオイルと比べ高い粘度を持つゆえに・・
オイルではあまり起きない、さまざまなデメリットを引き起こしてしまいます。
そしてこれが、自転車にはグリスではなくオイルが使われる理由になってきます。
グリスの優秀ポイントは?
自転車のチェーンにグリスが、微妙だとして・・
じゃあどんな用途なら、グリスのほうが優れるの?
グリスならではの強みって、何?
グリスの、オイルと比べた優秀ポイントは「耐久性が高い」ことです。
前述のようにグリスは、粘度が高いため流れ出しにくく・・
さらには水や汚れへの耐性も、オイルより高いです。
なのでグリスは特に封入部分において、よく使われています。
自転車ですと、
- ペダルなどの締め込み部
- ホイールのベアリング
- ボトムブラケットの軸部分
こういった、締め込んだり封じ込めたりする部分で優れるわけですね。
逆にそういった場所に、オイルを使ってしまうと・・
サラサラすぎてすぐ流れ出してしまうので、とても微妙です。
特にボトムブラケットなんかは分解も大変ですので、そう何度も潤滑できないのも問題ですね。
オイルとグリスにはこんな感じで、長所と短所があり・・
そして「チェーン」だとたまたまオイルのほうが適しているので、オイルが使われている!
そう言えると思います。
チェーンにグリスが使われる領域もある
自転車のチェーンにはオイル!というのは、間違いないと思いますが・・
しかし自転車以外で、チェーンにグリスが使われる領域もあったりします。
チェーンにはどんな場合でもオイル!ではないということですね。
具体的にはどんな機械で、チェーンにグリスが使われるの?
- バイク
- 工業用の重機
- 農耕トラクター
こういった物においては、グリスを使うことが多いとのことです。
例えばバイクは自転車よりはるかに重く、はるかに速く走りますので・・
チェーンに掛かる負荷も、自転車とは比較にならないほど大きくなります。
なので大きすぎる負担に耐えるため、耐久性の高い「グリス」が選ばれているのでしょう。
工業用・農業用の機械も、グリスがよく使われるようです。
これらが使われる環境は、自転車よりもはるかに過酷ですし・・
メンテナンスも、個人の乗り物ほどマメに行うのは難しいでしょう。
なので耐久性を重視し、グリスが選ばれているんだと思います。
という感じで、何がベストか?は前提によって違ってきて・・
それがたまたま「自転車」という前提だと、グリスよりオイルのほうが良い!
いろんな人が試しまくった結果、そう落ち着いているのではと思います。
最適なチェーンオイルは、これ!
じゃあ自転車に最適なチェーンオイルって、どれ?
チェーンオイルは値段も性質も違う製品が、山ほど売られていますので・・
このブログにおけるおすすめチェーンオイルを、上の記事で解説しました。
中でも、
このドライ系チェーンオイルは、とてもサラサラで汚れを拾いにくく・・
それでいて十分な耐久性もありますので、私自身は長いこと愛用しています。
何がいいかな?と迷ったらとりあえず選んで、損はない製品なのではと思います。
今回は「自転車のチェーンにグリスを使うこと」をテーマに考察してみました。