ロードバイクを買おう!と決めたけど・・
いろいろなグレードの選択肢があることも、分かったけど・・
実はSORAやクラリスで十分って、本当?
現在、日本のロードバイクのコンポーネントはほとんどが「シマノ」製です。
そしてシマノのコンポーネントは、この記事を書いている現在、
- 最上位:デュラエース
- 2位:アルテグラ
- 3位:105
- 4位:ティアグラ
- 5位:SORA
- 6位:クラリス
このように上から順に、グレード分けがされています。
デュラエースが最上位の、高価・高性能なグレードで・・
SORAとクラリスが、もっとも低いグレードたちとなっています。
そしてロードバイクを買うなら、いずれかのグレードを選ぶことになります。
どのグレード買うか?の意見は人それぞれで、とりあえず105だ!アルテグラは必要!などいろいろ言われているのですが・・
中にはSORAやクラリスで十分!という意見も、多かったりします。
あなたも今まさにこれを聞いて、迷っているところかもしれません。
そして、運営者の結論から言うと・・
ほとんどのケースで、SORAやクラリスで十分だと思います。
なぜ、SORAやクラリスで十分なの?
安かろう悪かろうで後悔しない?上級グレードとどう違うの?
「十分じゃない」ケースって、どんなものがあるの?
以下、解説していきます。
目次
十分な品質があるから
「まともな品質」はパーツ選びにおいて、もっとも大切なものです。
もし仮にSORAやクラリスが、安さだけのダメ製品なら?
すぐ壊れ、まともに変速できず、スピードがはるかに遅い粗悪品なら?
・・SORAやクラリスは選ぶべき製品ではない!となってしまうでしょう。
しかし実際にはSORAやクラリスにも十分な品質はある!
10年ほどいろいろなスポーツ自転車に乗ってきた経験から、そう思います。
SORAやクラリスだからと言って、組み上げたときにガタガタ言うわけではありませんし・・
精度が悪くて、すぐチェーンが脱落したりもしませんし・・
仕上げにバリが多く、見た目的にヤバい!・・なんてこともありません。
そんなの、当たり前じゃない?と、もしかしたら思われるかもしれませんが・・
例えば世の中には、「雨が降っただけでちゃんと変速しなくなる」なんてパーツもあったりします。
しかしシマノなら最低グレードであっても、そういうレベルではないちゃんとした品質がある・・ということですね。
何十年も昔には、安いものは品質が悪く使えたもんじゃない!なんて時代もあったらしいですが・・
現代の工業は、優れたものを低価格で生産できるレベルになっています。
なのでリーズナブルな値段でも、非の打ちどころの無い品質の品が手に入るわけです。
そしてレースで競い合ったりしない、一般的なライダーであれば・・
まともな品質さえあれば、それで十分となることが多いはずです。
機械としてちゃんと動作さえしてくれれば、それでニーズは満たされるということですね。
ハイグレードとの違いは小さいから
SORAやクラリスにも、十分な品質はあると言っても・・
もちろんデュラエースといったハイグレード製品とは「違い」があります。
値段が何倍も変わるわけなので、当然ですね。
SORAやクラリスとハイグレード製品との違いって、具体的には?
- 軽さ
- 変速段数
- 剛性
このあたりになってきます。
まず・・ハイグレード製品はSORAやクラリスと比べ、軽いです。
製品の世代にもよるので、一概には言えませんが・・
最下位のクラリスと最上位のデュラエースを比べると、コンポーネント一式で1kg以上の差が出るようです。
変速段数も、グレードによって違ってきます。
この記事を書いている現在、クラリスは8段変速、デュラエースは11段変速ですので・・
最下位グレードと最上位グレードとでは変速数に3段の差があります。
加えて変速のなめらかさも、上位グレードのほうが優秀ですね。
そして剛性も、グレードによる差があるところです。
剛性が高いと、脚の力がホイールにカチッ!とダイレクトに伝わるもので・・
デュラエースはクラリスより明らかに剛性が高いのが、体感レベルですぐ分かるものです。
なので剛性ゆえスピードにおいても、上位グレードのほうが優れる!ということになりやすいです。
という感じで、グレードを上げるとそういった違いが出てくるわけですが・・
それら違いは「小さい」ものだ、と個人的には思います。
1kg2kgの差なんて、すこし痩せれば同じことですし・・
変速段数も、倍以上の差がある!とかではありませんし・・
剛性も、乗り比べればまぁ分かるかな?程度の差でしかありません。
そしてもちろん「グレードの差」が小さくなればなるほど、違いの程度も小さくなります。
上で書いたのは最上位デュラエースと、最下位クラリスとの差ですが・・
上から2番目のアルテグラと下から2番目のSORAとを比べれば、差はだいぶ縮まるわけですね。
目を見張るほどの劇的な違いがあるなら、ハイグレード一択!みたいになるのですが・・
差がそこまで大きくないというのも、SORAやクラリスで十分!と思う理由のひとつです。
ギリギリの高性能を追求しなくてもいいから
普通はギリギリの高性能を求めなくてもいいから。
というのも、SORAやクラリスで十分な理由です。
そこまで劇的な差ではないとはいえ・・
デュラエースやアルテグラが、SORAやクラリスより高性能なのは間違いないです。
なのでわずかでも速く走りたい!と思うなら、高グレードを選ぶのが自然ではあります。
しかし極限までの速さが必要になる人は、限られるものです。
例えば、プロやプロに準ずるロードレーサーなら・・
速さにつながるすべてを、極限まで求めることになっていきます。
特にスポンサーが絡むようなレベルになると、そうなりますよね。
そしてそうなると、低グレードを使うなんて「舐めプ」は許されないはずです。
しかしそういった立場ではない、ほとんどの人にとっては・・
そこまでストイックに、ギリギリの速さを求める必要は無いはずです。
むしろ競わず走るから、速さはぜんぜん必要ない!なんて見方もアリでしょう。
そしてこれも、SORAやクラリスで十分な理由のひとつです。
下位グレードほどコスパが良いから
下位グレードになればなるほど、「コスパ」に優れる!
というのも、SORAやクラリスで十分な理由です。
SORAやクラリスは高グレードと比べ、かなり安いです。
この記事を書いている時点で、各グレードのコンポーネント一式の価格は・・
- デュラエース:40万円
- アルテグラ:13万円
- 105:9万円
- ティアグラ:7万円
- SORA:6万円
- クラリス:5万円
上位グレードから順に、こんな感じになっています。
詳しく解説するまでもなく、上位ほど劇的に高価になっていますね。
しかし上で解説したように、上位グレードと下位グレードの性能差は小さいです。
さらに下位グレードである、SORAやクラリスには十分な品質もありますので・・
SORAやクラリスを選ぶのは、最高にコスパが良い選択になります。
ちなみに高価になればなるほどコスパが悪くなるのは、自転車以外でも同じですね。
たとえば一泊5,000円のホテルと、一泊5万円のホテルとを比べると・・
5万円ホテルの宿泊に10倍もの価値は無く、せいぜい2倍くらいでは・・という感じになってきます。
という感じで・・廉価なわりに質が良く、コスパが高い!
これもSORAやクラリスで十分と考える、大きな理由です。
不十分:レースで順位を争う
という感じで、この記事では基本的に「SORAやクラリスで十分」という考えを書いてきましたが・・
SORAやクラリスで十分ではないケースや立場というのも、もちろんあります。
まず筆頭はレースで順位を争う場合です。
ロードバイクのガチなレースで、高い順位を狙いたいなら・・
そもそも「デュラエースが当たり前」みたいになってくるものです。
最低でもアルテグラ、みたいな感じですね。
お金の絡むプロロードレースだと、ほとんどがそうでしょう。
機材のグレードによる効果が、たとえ「1秒ぶんの違い」だったとして・・
本気度の高いレースではその1秒の価値は、計り知れません。
そのたった1秒の差で勝敗が変わるなんてことも、よくあるからですね。
そして大きなレースだと、その勝敗によって今後の明暗が分かれる!みたいになってきます。
なのでそういった立場でロードバイクに乗るなら、最高グレードを揃えるのが当たり前!となり・・
SORAやクラリスで十分とは、とても言えなくなってきます。
不十分:今後アップグレードをしたい
今後、より上位のグレードにアップグレードをしたい!
その場合も、SORAやクラリスで十分!とは言えなくなってしまいます。
ロードバイクのコンポーネントは、一部だけアップグレードすることができます。
例えば最初はアルテグラにしていたけど、満足できなくなってきたので・・
クランクだけデュラエースに換える!みたいな感じですね。
すべてのパーツをデュラエースで揃えると、大きなお金が掛かります。
なのでアップグレードできるようにしておいて、最高性能が欲しくなったところだけ上げよう!
こういう考え方でロードバイクを買うというのも、よくある考え方です。
しかしSORAやクラリスは、上位グレードへのアップグレードはできないです。
なぜならこれらのグレードは、上位グレードと変速段数が違うからです。
この記事を書いている時点の、各グレードの変速段数を書くと・・
- デュラエース・アルテグラ・105:11段
- ティアグラ:10段
- SORA:9段
- クラリス:8段
こうなっています。
デュラエース・アルテグラ・105の上位3グレードが、同じ11段になっていますので・・
これは105以上なら上位グレードに換装できることを意味します。
(パーツの種類などで変わるところで、絶対とは言えませんが)
なので実はここが、ショップなどで「105以上」がよく勧められる理由だったりするわけです。
そしてティアグラ以下はそれぞれ段数が10段以下で、しかも下位グレードになるほど減りますので・・
これはティアグラ以下はアップグレードできないことを意味します。
もちろんSORAもクラリスも、アップグレードできないわけですね。
なのでパーツに今後の、アップグレードの余地を作りたい!
この場合も、SORAやクラリスでは不十分!ということになります。
不十分:「コンポマウント」に巻き込まれたくない
ロードバイク趣味の世界には「コンポによるマウント合戦」というものが、あったりします。
そしてその合戦において、下に見られたくない!
こう思う場合も、SORAやクラリスでは不十分となってきます。
「デュラエースを装備してる人がすごい!アルテグラならまだ大丈夫!」
「ロード乗りがSORAやクラリスなんて・・ダサいw」
こんな感じの考えをする人が自転車趣味の世界には、実際に居ます。
そしてそういった人のまわりで、SORAやクラリスのロードバイクに乗っていると・・
意味もなく「俺のほうが上!」みたいな、マウントを取られてしまうことがあります。
しょーもないとは思いますが、実際にあるのです。。
もちろんそういった事情は、無視するのが基本だとは思います。
しかし状況によっては、無視できないこともあるでしょう。
なのでSORAやクラリスを装備していると無駄に絡まれ、無駄に嫌な思いをするかもしれません。
そして普通は105以上であればまあ、そういったマウントには巻き込まれずに済みます。
なのでそんなつまらないマウントとは、無縁の趣味生活を送りたい!
そういうのもSORAやクラリスでは不十分、と言わざるを得ない事情になるでしょう。
今回はロードバイクはSORAやクラリスで十分か?をテーマにお話ししました。