自転車の「リム」って、何?
ロードバイクなどの自転車を趣味にしていると「リム」という単語を、目にすると思います。
リムをきれいに掃除するべき!とか、リムの高さが・・とか、タイヤをちゃんとリムにはめよう!とか。
なのでこの記事では、リムとは何?どんな役割のものなの?
そんなところを解説していきます。
目次
リムとは「ホイールの骨格になる、金属の輪っか」のこと
リムとはホイールの、「金属の輪っか部分」のことです。
上の画像のような感じですね。
なのでもし、頑丈なリムがおすすめ!みたいな会話になったとしたら・・
この、金属の輪っか部分に注目すればいいわけですね。
材質はほとんどの場合でアルミ合金、またはカーボンです。
ちなみに関連用語として・・「リムサイド」といえば、
この、リムの側面のことを指します。
こういった、一般的な「リムブレーキ」の場合・・
リムサイドを挟みこむことで、摩擦でブレーキを掛けるわけですね。
なのでブレーキ力を落とさないために、リムサイドはきれいにしましょう!・・とか言われるところです。
もしくは「リムハイト」というと、
この「リムの高さ」のことです。
リムハイトが低いと軽量で、リムハイトが高いと空気抵抗を軽くできる・・
とか、よく言われるところです。
と、リムはそんな感じのパーツですね。
リムの役割①:タイヤ・チューブを支える
リムって、どんな役割があるの?どんな働きをしている?
まず重要なのは・・タイヤ・チューブを支えている、ということです。
リムはこんな感じの「受け皿」のような形をしています。
そして、リムの形状の「凹」の部分に・・
こんな感じで、チューブがおさまります。
そしてタイヤの「ビード」という、
リムにはまりこむための部分が・・
この、リムの「ビード受け」の部分にがっちり!とはまり込みます。
「チューブラー」「チューブレス」といった特殊なタイヤだと、構造がちょっと違ってきますが・・
いちばん一般的な「クリンチャー」というタイヤは、こんな感じの構造ですね。
こんな感じでタイヤ・チューブは、リムにはまり込んで固定されています。
強力に、しっかりと固定されるので・・もちろん衝撃でズレたりとか、そんなことはまず起きません。
とはいえ、たとえば空気圧不足などのミスがあると、
上の記事で解説しているように外れることはあり得ますので、注意が必要!という面もありますね。
そしてタイヤ・チューブが固定できていないと、もちろん、自転車はうまく走ることができません。
なのでこの「タイヤ・チューブを固定する」は、リムのとても大事な機能となります。
リムの役割②:転がり続けて、自転車を進める
リムの役割、そのふたつめは・・
転がることで、自転車を前に進めるということです。
これはもう、感覚的にわかりやすいですよね。
自転車はホイールがころころ転がって、前に進むわけですが・・
そのとき転がっている部分の中で、いちばん大事な「骨格」になっているのは、このリムです。
そして、だからこそ・・
「どんなリムなのか?」によって、自転車の進み方が大きく変わってくる
という事情があります。
たとえば「リムハイト」が低いリムは・・
そのぶん使う材料が少なく、軽いです。
なのでホイールの「転がり始め」に有利で、「加速しやすい」といった特性がでてきます。
逆にリムハイトが「高い」場合・・
「慣性が働きやすく、巡航に有利」とか・・
もしくは「空気抵抗が少ない」とかいったメリットがでてきます。
リムハイトがすごく高いホイールは「ディープリム」とか言われるもので・・
低い空気抵抗・高い慣性力を活かして、「直進し続ける」のに向く!というタイプになりますね。
なぜリムハイトが高いと、空気抵抗が低くなるのか?は、なかなか複雑なようですが・・
リムハイトが高いぶんスポークが短くなり、スポークの空気抵抗が減るから、が一番のようですね。
リム部分は回転しても空気抵抗を生みませんので、ここで差が出るということのようです。
リムの「材質」も、影響が大きいところです。
たとえばリムを、一般的なアルミリムから、軽量な「カーボンリム」に変更すると・・
加速・減速のしやすさが、大幅に上がったりします。
もしくは例えば、リムの形が歪んでしまう「振れ」が起きてしまうと・・
スピードの保ちやすさとか、安定性が下がったり・・が起きますね。
転がるものが「正しい円」なのか「歪んでいる」のかで、進みやすさが変わってくる・・
というのは、想像しやすいところだと思います。
と、リムには「転がることで、自転車を進める!」
という、大事な役割があります。
リムの役割③:衝撃を吸収する
リムには、段差を越えるときなどの「衝撃を吸収する」という役割もあります。
ここは直接、リムが衝撃を受け止める!というよりは・・
「スポーク」と協力して、衝撃を分散させる!
という感じですね。
スポークは・・
こんな感じでリムにつながっている、たくさんの針金みたいなパーツのことです。
そして段差を越えたりして、ホイールに強力な衝撃がかかると・・
まずは頑丈なリムが、その衝撃を受け止めます。
そしてリムだけだと、すぐダメージに負けてしまいますが・・
スポークがバネのように、しなやかに衝撃を分散させてくれる、といった感じの仕組みになっています。
実際、取り外したホイール(タイヤつき)を硬い地面に投げつけると・・
まるでバスケットボールのように、ばいーん、と跳ね返ってきます。
けっこう面白いですよ。笑
これはもちろん、タイヤの空気の影響も大きいでしょうが・・
「ホイール」という構造にはかなりの弾性があって、衝撃を吸収できるんだ!と言えます。
そしてもしリムがふにゃふにゃの、頑丈さの低いものだとしたら・・
それによって作られるホイールは、まともに衝撃を受け止めることができません。
なので衝撃がガンガン伝わってすぐ疲れてしまう、ダメ自転車になってしまいます。
と、こんな感じでリムは「衝撃吸収」にも、かなり役立っています。
リムの役割④:ブレーキに役立つ
リムはブレーキを掛けることにおいても、役立ちます。
これは、リムを挟み込んでブレーキをかける「リムブレーキ」の場合ですね。
リムブレーキにはたとえば、キャリパーブレーキ、Vブレーキなどがあります。
そして専用のディスクを挟んで止める「ディスクブレーキ」だと、リムはブレーキに関係ないです。
そしてリムブレーキの場合は、ブレーキがリムを挟み込むことで・・
強烈な摩擦力が生まれ、それで自転車が止まります。
なので「リムがどんな状態にあるか?」は、ブレーキにおいても重要だったりします。
たとえばリムが、どろどろに汚れていたりすれば・・
当然、すべって摩擦力が出ませんので、自転車はなかなか止まらなくなります。
もしくはブレーキシューが、リムにちゃんと当たってない!というケースも結構あって・・
斜めになっていたりすればもちろん、うまく摩擦力を発揮できませんので、制動力は下がります。
自転車のブレーキが効きにくいときの原因は、
上の記事でいろいろ解説していますが・・
意外とこの「リムが、ブレーキのためにちゃんと使えないような状態」になっていることは多いです。
そして、なぜかブレーキが効かない!おかしい・・みたいになっていることもあります。
と、リムは「ブレーキ」の役割においても重要なのです。
と、自転車のリムについての知識は、こんな感じですね。
今回は「自転車のリムとは?」をテーマに解説してみました。