自転車がいきなり、パンクしてしまった!
パンク修理をしたいけど・・修理できる状況じゃない!
「応急処置」の方法って、何か無いの?
自転車がパンクしたら、パンク修理やチューブ交換をするのが一番です。
しかし修理には修理キットやチューブが必要ですし、時間も20-30分くらいは掛かりますので・・
- パンク修理セットが無く、まわりに自転車屋も無い
- 山中で今にも夜になりそうで、一刻も早く目的地に着きたい
- 通勤途中のパンクで、修理する時間の余裕がない
こういった事情で、まずは応急処置で何とかしたい!となることはあるはずです。
なのでこの記事では、自転車がパンクしてしまった時に・・
応急処置で一時しのぎをする方法を、知っている限り書いてみます。
※ この記事に書くのはあくまで応急処置の方法で、正しい修理と比べ安全性などを損ねる可能性はあります。
自身の責任において、あくまで他に方法の無い緊急時のみ使われることをおすすめします。
目次
空気を継ぎ足しながら走る
パンクをして、空気が抜けつつある状況でも・・
空気を継ぎ足しながら走ることができるなら、それが一番の応急処置となります。
とりあえず空気圧を保てるなら、とりあえず走ることはできるからです。
空気が一瞬で抜けていくようなパンクなら、もちろんこの方法は使えません。
しかしこの記事で解説するように、パンクには空気が少しずつ、いつの間にか抜けていくようなタイプもあります。
いわゆる「スローパンク」と呼ばれるようなものです。
そしてスローパンクだと数時間とか、1日とか掛けて空気が抜けていくことも多く・・
そのくらいスローなら、空気が抜けるたびに継ぎ足していけば、空気圧を下げることなく走れます。
たとえば30分ごとに空気を入れ直す、みたいな感じです。
もちろん走っているうちに穴が広がり、どうしようもなくなる可能性はありますが・・
経験上は、走っているうちにどんどん悪化することは少ないと感じます。
そして悪化しない限りは、空気を継ぎ足し続けてさえいればいくらでも走れます。
もちろん、これは単なる応急処置に過ぎず・・
目的地・自転車ショップ・落ち着いてパンク修理できる場所、といったところにとりあえず着くためのものです。
そしてそういった場所に着いたら改めて、正規のパンク修理をやる・・ということですね。
瞬間パンク修理剤を使う
「瞬間パンク修理剤」を使うことができれば・・
パンク修理をするよりも早く、ライドに復帰することができます。
なので、これもパンクにおける応急処置のひとつとなります。
瞬間パンク修理剤とは具体的には、
こういったもので・・
上の動画のように、使うだけでパンク修理剤と空気が同時注入され、瞬時に走れる状態になるという優れものです。
私自身、使ってみたことがあるのですが・・タイヤを外す必要さえ無く、本当に数十秒で完了してしまいます。
とはいえ、これだけでパンクがちゃんとした修理レベルで直るわけではありませんし・・
得られる空気圧もこれだけだと3気圧程度までなので、あくまで応急処置です。
落ち着いた場所まで走ることができたら、ちゃんと正規のパンク修理をするという前提ですね。
しかし通勤途中にパンクし、遅刻したら激怒されるのが確定しているような時・・
野犬でも出そうな山中の道で、しかも今にも日が落ちそうな時・・
そんな急いでいる状況で、わずかな時間で走り出せるのは本当に心強いものです。
もちろんこの方法は、このツールを携帯している時しか使えません。
しかし安価ですし、小型で場所も取りませんので・・
この方法にビビッと来たのであれば、ひとつ確保してもいいかもしれません。
CO2ボンベで時短する
「CO2ポンプ」も、応急処置の方法としては代表的です。
瞬間パンク修理剤は、1本でパンク修理・空気入れまでが完遂しますが・・
CO2ボンベは空気入れだけが瞬間的に完了するタイプのアイテムですね。
CO2ボンベは例えば、
こういったものが代表的で・・
こんな感じで安いまとめ買いセットもあり、1本あたりの値段は瞬間パンク修理剤より安いのがメリットです。
とはいえCO2ボンベを使うには、その前にパンク修理もしくはチューブ交換を完了させる必要があります。
瞬間パンク修理剤と違い、パンク修理機能は無いからですね。
しかしパンク修理を正規の手順で完了させるなら、そのチューブをそのまま使い続けることができるというメリットは出てきます。
そして携帯ポンプで普通に空気入れをすると、手がパンパンになるまでポンピングしなければいけないところを・・
シュー!と一瞬で完了してしまうというのは、応急処置としてなかなかの価値です。
私自身、初めて使ったときはまるで魔法のように感じたものです。
一方でCO2は抜けやすく、数日もたてば無くなってしまうので・・
後でいちどCO2を抜いて、空気への入れ替えが必要になります。
なのでそういった意味でも、CO2ボンベは応急処置方法のひとつという扱いになります。
タイヤシーラントでオート応急処置
「タイヤシーラント」を、あらかじめチューブに入れておく!
これも自動発動する応急処置という意味で、書いておきます。
タイヤシーラントとは、
例えばこういったもので・・
事前にチューブに入れておくことで、パンクしても穴を瞬時に塞いでくれるというアイテムですね。
もしくは、
こんな感じのあらかじめシーラントが注入されたチューブ、なんて商品もあったりします。
シーラントがうまく発動するならパンクしても、応急処置の必要すらありません。
何もしなくてもオートで、応急処置が完了する形になるからですね。
パンクしたこと自体に気づかないことも多いでしょう。
とはいえシーラントは、クリンチャー用・チューブレス用といったタイプの違いがあったり・・
絶対確実に発動してくれるとは限らない!という限界もあったりします。
パーツが汚れたり、バルブを塞いで空気が入らなくなったり・・というトラブル源になることもあり得ますね。
なので誰にでも、絶対に合うような方法ではないのですが・・
パンクに対してアクティブに何かをせずとも、勝手に応急処置が発動する状態にしたい!
この場合はタイヤシーラントを検討する価値はあると思います。
空気の抜けたタイヤでそのまま走る
もういっそ、空気の抜けたタイヤでそのまま走る!
これも応急的な行動として、状況によってはアリでしょう。
自転車は空気が完全に抜けた状態でも、いちおう走ることができます。
空気の入っていないタイヤとチューブだけで、何とか進み続けるわけですね。
もちろん、スピードも乗り心地も最悪にはなりますが・・
それでも、徒歩よりは速く移動できることが多いものです。
しかしながら、パンクしたままで走ると・・
上の記事で解説するように、タイヤ・チューブ・ホイールがまとめて壊れることになります。
これらのパーツは普段はたっぷり入った空気によって、硬い地面から守られているわけですが・・
その空気が無くなれば、パーツがダイレクトに傷つけられるからです。
なので空気の抜けたタイヤでそのまま走るのは基本的には、もちろんNGです。
ですが・・何とか帰ることを最優先するならアリだと思います。
電車も無いようなド田舎で夜が落ちてきて、このままだと野宿になりかねん・・!みたいな緊急事態ということですね。
空気が無いまま走って、タイヤ・チューブ・ホイールがすべて壊れたとしても・・
お金さえ払えば、また買い直すことはできます。
そしてモノにもよりますが、買い直してもそこまですごい金額にはならないものです。
(さすがに高級ホイールとかだと、話が違ってきますが・・)
なのでもう、壊れたら壊れたでしょうがない!無事に帰るのが最優先!
そう割り切って走ってしまうのも、応急的な行動としてはアリでしょう。
タイヤに草を詰める
タイヤの中に草を詰めることで、チューブの代わりにする!
というのも応急処置としてなら、アリな方法のひとつです。
んなアホな!?と思われるかもしれませんが・・
こんな感じで実際に試し、走れることを確認している人も居ます。
方法としては、やわらかい草をそのへんからたっぷり採ってきて・・
そしてタイヤを外してチューブを除去し、その隙間に草をありったけぎっしりと詰め込みます。
そして草でパンパンになったタイヤをタイヤレバーで装着し直し、完了!という感じですね。
草を詰めると2気圧入ったタイヤのような感じになり、低速なら意外と普通に走れてしまうようで・・
少なくとも上述の「空気の抜けたタイヤでそのまま走る」よりは、良い条件で走れるはずです。
加えて、
- 再パンクの心配が無い
- 空気入れが壊れていても大丈夫
- 十分に詰めれば、リムやホイールを傷めることなく走れる
こういった良い点もあると言えるでしょう。
もちろんこれは草がたっぷり生えているエリアのみ使える方法です。
なのでパンクしたのが田舎道とか、山の中とか・・
もしくは取ってもよさそうな草がたっぷり生えてる公園のそばとかなら、使えるでしょう。
ちなみに草を詰めて走るというのは「アオバ自転車店」という、私がよく読む漫画でも紹介されていたのですが・・
そちらはチューブが広範囲にわたってバーストしてしまった場合に、
②:切った両端を固結び
③:切って足りなくなった部分に草を詰めてから、空気を入れる
こういった方法で復活させる、というものでした。
なんかもう、サバイバル技術に近いですね。笑
草を詰めただけでも走れるのですから、これをやればそりゃ余裕で走れるでしょう。
もちろん、低速でしか走れない方法にはなりますし・・
バランスを崩したりで危ない可能性もありますので、あくまで自己責任の応急処置にはなります。
しかし田舎の真っ只中で、パンク修理セットや替えチューブも尽きた!なんて緊急事態なら・・
知っておいて損はない方法だと思いましたので、書いてみました。
頑丈な鍵でその場に放置
頑丈な鍵で自転車をロックし、一時的に放置する!
これもあくまで応急的な行動としては、選択肢になります。
その場にある建造物などにガッチリとロックし、一時的に自転車から離れるわけですね。
パンクしてしまって、直せない状況では・・
自転車は行動の「枷」になってしまうこともあります。
自転車があるとタクシーに乗ったり電車に乗ったり、自由にしづらくなりますよね。
なので例えば、
- 山中で今にも夜になりそうで、タクシーを呼べばその場を離脱できる
- 観光中に駅の近くでパンク、電車を使えば観光を続行できる
- 通勤中で、近くの駅からすぐ電車に乗れば遅刻しない
こういった状況だといちど自転車を手放し、身軽になるのが応急的行動として、一番だったりするのです。
そして明くる朝や、仕事が終わった後などに・・
パンク修理セットを完璧に準備して、舞い戻ればいいわけです。
そして満を持してパンクを直し、また自転車とともに行動するということです。
この場合、自転車は盗難防止のためいわゆる「地球ロック」をしておくほうが良いのですが・・
状況によって違反となる可能性はありますので、そのあたりはご自身で判断をお願いします。
また長時間の駐輪となりますので、頑丈な鍵によるロックは必須です。
たとえば私自身は、
このU字ロックを自転車鍵として、もう長いこと愛用しているのですが・・
この鍵レベル(ボルトクリッパーで破壊できないレベル)の頑丈さがあれば、長時間の放置にも不安はほとんど無くなります。
という感じで・・パンクの応急処置が難しいときは、いっそ一度自転車から離れてしまう!
これも状況によっては、応急的行動のひとつの選択肢になります。
ガムテープやビニールテープは、まず無理
自転車パンクの、応急処置として・・
ガムテープやビニールテープによる補修は、可能なのか?
よく検索されるところのようですので、ここも書いておきます。
そして結論からですが、チューブをそれらのアイテムで修理するのはまず無理です。
理由はそれらの素材は、
- 粘着力が低い
- 伸縮性が無い
こういった点で、パンク修理パッチとは違うからですね。
パンク修理というのは、かなりデリケートな作業です。
最適な専用品である、パンク修理パッチを使ったとしても・・
「やすり掛けが足りなかった」なんて理由で、普通に失敗したりするところです。
なのでここに、ガムテープやビニールテープを使って対応しようとしても・・
まず間違いなく空気が漏れ、修理失敗となってしまいます。
ちなみにネット上で、ガムテープやビニールテープでパンク補修ができた!という情報は多いのですが・・
そのほとんどは「タイヤのカット」に対する応急処置の情報だったりします。
チューブではなく「タイヤ」にがっつり穴が開いてしまったので、それを塞ぐためガムテープなどを使う!ということですね。
そしてそれだったら、ガムテープやビニールテープは有効だったりします。
折り重ねた千円札とか、クリアシートとかも使えたりしますね。
タイヤブートというここに使う応急処置ツールも、分厚いカードみたいなものだったりします。
しかしこの記事で話題にしているパンクの修理、つまりチューブに開いた穴の修理にはまず使えませんので・・
ここは混同しないよう注意が必要なのではないか、と思いこの章を書いてみました。
ショップも無いようなところで自転車がいきなりパンクすると、本当にビビるものです。
そしてたまたま修理キットを持っていなかったり、使い切ってしまったり・・
もしくは正規のパンク修理に失敗してしまったり、というのは普通にあり得ることです。
そしてそういった状況でも、自転車で走り続けたいのなら・・
この記事に書いた応急処置の方法が、役に立つのではと思います。
今回は自転車パンクの応急処置の方法について、分かることを書いてみました。