自転車のライト、何ルーメンにしよう?
自転車のライトを選ぶとき・・
その明るさ・・つまりルーメン数は、重要なポイントです。
カンデラとかルクスとか、他にも明るさの指標はいろいろありますし、
それぞれ使いどころが違ってはくるのですが・・・
自転車ライトの世界ではほとんどの場合で、明るさは「ルーメン」で語られます。
とはいえルーメンなんて数字は、普通に生活していると、まず関わることのない数字です。。
一体、何ルーメンのライトが、どのくらいの明るさなの?
100ルーメンあればいいの?500ルーメン?それとも1000ルーメンくらいあるほうがいいの・・?
この記事では実際に、さまざまなルーメン数のライトを使い倒してきた経験から、
それぞれのルーメン数のライトについて解説してみます。
目次
1000ルーメン以上は、ちょっと明るすぎる
まず、明るいほうからいきます。
結論から言いますと、自転車用に、
1000ルーメンを越えるようなライトは明るすぎると思います。
最近だとLEDライトのレベルも上がってきていまして、
小型サイズなのに、2000ルーメンとか3000ルーメンとか出るようなライトも、
増えてきているのですが・・・
1000ルーメンを越えるような明るさは、自分に向けていなくても「まぶしい!」と感じるほどの、
激烈な明るさを誇ります。
CATEYE公式サイト「ビームチャート」より引用
上の画像は、CATEYEという自転車ライトメーカーの公式サイトにある、
「ビームチャート」という機能で、「VOLT 1700」という最大1700ルーメンのライトをシミュレートしたものです。
最大光量の「1700ルーメン」の、画像ですね。
・・・まあ、とてつもなく明るいですよね・・笑
正面は真っ昼間か!ってくらいになっていますし、
側面の、ライトの軸からだいぶ離れた部分まで、かなり明るくなっています。
ここまで明るくなくても、高速走行時を含め、じゅうぶんに前が見えますし、
逆にここまで明るくすると、デメリットのほうが多くなってきます。
まず筆頭として、バッテリーの持ちがすごく悪く、
300g近くあるような「大型ライト」であったとしても、1700ルーメンだとたったの2時間しか持ちません。
そして発熱もポイントで、
長時間、高出力を出していると、オーバーヒートしてしまったり、
持てなくなくくらい熱くなったり・・となる場合があります。
さらに、他人に目潰しをしてしまう・・というのも、致命的なポイントです。
ものすごく明るいライトは、下向き気味につけていたとしても、
周囲の人にまぶしい思いをさせてしまいかねません。
クルマのヘッドライトレベルの光を、至近距離から目に向かって浴びせられる・・
と考えると、それはもう、ヤバいですよね。
クルマは車道だけを走りますので、めちゃくちゃ明るくてもさほど問題ないのですが・・・
自転車は歩道も走りますし、歩行者と近い距離になることもよくありますので、あまりに明るいとまずいのです。。
海釣りとかダイビングとかいう用途だと、
超強力ライトは、優秀だったりするようですが・・・
少なくとも自転車では、「超強力ライト!」というのは、
ちょっと、明るすぎることが多いです。
700-800ルーメンは、ものすごく頼もしい
700-800ルーメンくらいのライトは、自転車ライトとしては、
頼もしすぎるくらいの明るさになります。
イメージとしては・・ちょうど、車のヘッドライトの明るさをイメージしていただければ、
あのくらいの明るさになります。
まあ、どんな真っ暗闇でも、
不足はないレベルの明るさですよね。
CATEYE公式サイト「ビームチャート」より引用
ビームチャートだと、こんな感じですね。
この明るさは、「暗すぎるときの切り札」として優秀・・といった感じの明るさです。
たとえば、夜のサイクリングロード、夜の森・・といった、超暗い環境でも、
真っ昼間みたいな、進む先がくっきり見えるくらいの明るさにできますので、
どんな状況でもまったく不安なく、進んでいくことができます。
発熱も、このくらいの明るさですと、
私が経験した限りでは、問題ないレベルだと思います。
いちばん熱くなったときでも、あー熱いな・・と思う程度でした。
とはいっても、この明るさだと、
150g程度のいわゆる「普通サイズのライト」だと、2時間くらいしかもちません。
どのくらいの時間ライドするかで、変わってはくるのですが・・・
まあ、常時この明るさを使うのは、ちょっと厳しいでしょう。
なので800ルーメンくらいの明るさは、
ものすごく暗い場所を進むときの「切り札」として、ライトに備えておく・・というのが、
いいのではないかと思います。
800ルーメンくらいで、定番のライトは・・・
これですね。
800ルーメンはどのくらいの明るさなのか?
いろいろな体験を踏まえた、さらに詳しいところは、
上の記事で解説しています。
400-500ルーメンは、かなり明るい
明るさをワンランク下げて・・
「400ルーメン」や「500ルーメン」だと、どうでしょう?
かなり明るい!と感じるレベル
そんな感じだと思います。
CATEYE公式サイト「ビームチャート」より引用
「400ルーメン」のライトのビームチャートは、こんな感じです。
700-800ルーメンのような、うわっ明るい!みたいなレベルではないですが・・
正面ははっきり・くっきり見えて、サイドもかなり広く照らされている、という感じです。
こんな感じなので、400ルーメンや500ルーメンは・・
かなり明るい自転車ライトとして、運用できると思います。
このくらい明るければどんな場所でも、明るさに「不足」は感じないでしょう。
逆に街灯のある街中とか、低速走行とかの・・
そこまでのライトパワーが必要な状況だと、すこし明るすぎるかも、という感じだと思います。
バッテリー持ちとしても、たとえば150gくらいの「普通のサイズのライト」で・・
だいたい3時間から4時間くらい持つ、という感じのようです。
夜に何時間も走ること自体、少ないですので・・
このくらい持つなら「常用」もいけるかも?と思います。
400ルーメン・500ルーメンクラスのライトだと、おすすめは・・
この「VOLT400」だと最大光量400ルーメンで、その持続時間は公称で3時間です。
もしくは、
この「VOLT800」にも400ルーメンモードがあり、これだと公称3.5時間持つようです。
これだとより明るい「800ルーメンモード」にも対応しますので、超明るいモードも欲しいならこっちがおすすめです。
200-300ルーメンが「常用」におすすめ
個人的に、常用としていちばんおすすめの明るさが、
この200-300ルーメンです。
CATEYE公式サイト「ビームチャート」より引用
上の画像が、とあるライトの「200ルーメン」モードです。
まあ、ちゃんと進んでいけるかな・・くらいには、
ちゃんと、地面が見えていますよね。
実際に使ってみても、200-300ルーメンもあれば、
ロードバイクでの高速走行であってもまず、「暗すぎる・・」と思うことはないです。
真っ暗闇のサイクリングロードとか、いっさい街灯が無いような環境で、
ちょっと暗いかな・・と、思うくらいですね。
しかもバッテリーの持ちとしても、たとえば150gくらいの普通サイズのライトに、
「VOLT800」という定番品があるのですが・・・
このライトは200ルーメンモードで、公称で8時間もちます。
一日2時間くらい、夜に使ったとしても、4日も使える計算ですので、
ときどき充電する・・くらいの使い方でも、じゅうぶんにバッテリーが持つ計算ですよね。
しかも、このくらいの明るさですと、
よほど変に接近でもしない限り、通行人をシビアに目潰ししたり・・ということは、
まず起きないレベルだと思います。
そういうことを考えても、この明るさは、
「使い勝手」が、とても良いです。
200ルーメンを出すことができて、軽量で、そこそこ持ちが良いライトを挙げますと・・・
これがイチオシです。
もしくは・・・
こういう、800ルーメンくらいの大光量ライトを「200ルーメンモード」で使う・・というのも、
バッテリーがかなり長持ちしますので、おすすめです。
100ルーメン以下は、ちょっと暗すぎる
100ルーメンまで落ちると、個人的には、
自転車ライトとして使うには、ちょっと暗すぎるかな・・くらいの明るさになってきます。
CATEYE公式サイト「ビームチャート」より引用
上の画像が、100ルーメンの明るさですが・・・
まあ、ぱっと見でわかるくらい、暗いですよね。。。
このくらいの明るさのライトは、充電式ではない、単3・単4とかの乾電池式に多いのですが、
この明るさでロードバイクで高速走行をすると、ちょっと、先が見通せないくらい暗いな・・と、
私の経験としては思います。
街灯が多い街中なら、まあ、大丈夫なのですが・・・
自転車で走るときは、街灯がまったく無い場所を走ることも多いので、
「常用」できるか?・・というと、ちょっと、厳しいでしょう。
歩くときのウォーキングライトや、自転車でもママチャリ程度の速度で走るのなら、
100ルーメンでもまあまあ、見えるのですが・・・
さすがに100ルーメン以下・・たとえば50ルーメンとか、30ルーメンとかになってくると、
どんな状況でも「夜の明かり」としては、不十分になってくると思います。
バランスがいいのは「200-400」ルーメン!
それでは結局、だいたいどのくらいのライトが、自転車ライトとしておすすめなのか?
個人的な結論は、200-400ルーメンくらい、です。
何年も自転車に乗り、いろいろな明るさのライトを試してきたのですが・・・
最終的に、だいたいこのくらいの明るさのライトを使っていれば、
いちばん快適に、夜のライドができるな・・と、感じました。
自転車ライトには250ルーメンとか、350ルーメンとかを含め、さまざまな明るさのライト・モードがあるのですが・・
そのあたりから選んでおく、ということです。
このくらいの明るさがあればまず、じゅうぶんな明るさがあります。
ある程度遠くまで、ちゃんと見えるわけですね。
配光パターンとかにもよるのですが・・・
200ルーメンあれば、ロードバイクなどをかなりのスピードで飛ばしている状況でも、
暗すぎて前がぜんぜん見えない!・・なんてことはまず、ないです。
これが100ルーメンとかだと、ゆっくり走るぶんにはまあいいのですが、
ある程度スピードを出して走りだすと「暗くて見えん・・!」と、私の場合はなってしまいます。
CATEYEだと、100ルーメン プラス 間欠的なフラッシュが出る、
「ハイパーコンスタント」というモードがかなり優秀だとは、思うのですが・・・
ハイパーコンスタントは、街中だとすごく優秀なのですが、
ある程度スピードを出すこともある前提だとやっぱり、暗すぎるよなぁ・・とも、思います。
逆に700ルーメンとか、1,000ルーメンとかのレベルですと、
私の場合はまぶしいだけだな・・と思ってしまいましたし、
バッテリーが超速で減ったり、まわりの人の迷惑になる場合があったりと、デメリットも増えると思います。
そして次に、このくらいの明るさだとバッテリーがそこそこ持ちます。
もちろん、どんなライトを使うか?によって、大きく変わってくるところですが・・・
私が所有する「VOLT300」というライトは、300ルーメンの状態で3時間、持ちます。
この時間をどう捉えるかは、人それぞれですが・・・
たとえば私は、長時間乗るのは、ほとんどが昼間です。
夜、3時間以上ぶっ続けで乗る・・ということは、滅多にありませんので、
このくらいの時間持てば、走っていて電池が切れてしまう・・ということは、まず起こりません。
(もちろん、ちゃんと充電していることが前提です)
そしてCATEYEをはじめたいていのライトは、予備のバッテリーを持つことができますし、
私も一本、常備しています。
そういうバッテリー交換タイプのライトを使い、バッテリーを2本持っておけば、
1本目のバッテリーが切れたとしても、
2本目に切り替えれば合計、6時間使える計算です。
私はさすがに夜だけで、6時間以上乗り続けることはありません・・・
18時から使い始めたとしても、0時になってしまいますよね・・笑
逆にブルベのような感じで、ものすごく長い時間を走るのなら、
あえて明るさを減らすか、もしくは大量の予備バッテリーが必要になったりするかもしれません。
と、いうわけで・・・
私としては、自転車のライト、だいたい何ルーメンくらいにしよう?と悩まれるのであれば、
とりま、200-400ルーメンくらいにしておけば、大きな間違いはないのではないか・・と、思います。
この明るさの範囲で、優秀だと思うライトは、
例えばこの「VOLT 400」ですと、最大光量が「400ルーメン」で、
その状態で公称で3時間、持ちます。
暗めのモードでも、街灯などが多い場所で使いやすい「100ルーメン」がありますし、
街中ですごく便利な機能の「ハイパーコンスタント」モードも搭載されています。
もしくは・・・
この「VOLT200」も、なかなか良いと思います。
上のVOLT400と比べると、かなり安く、かなり軽いです。
そして最大光量は「200ルーメン」で、その状態で公称で2時間持ちます。
2時間というと、短すぎると思われるかもしれないですが・・・
たとえば自転車通勤などでも「夜に2時間」走り続けることは、まず無いでしょう。
自分もこのくらいの持続時間のライトをよく使いますが、
ちゃんと充電さえしていれば、切れてしまう・・ということはまず無いものだと思います。
今回は自転車ライトのルーメン数を軸に、お話ししてみました。