シングルスピードでロングライドを、してみようと思うけど・・
ぶっちゃけ無理?それとも、意外と余裕?
実際に経験した人の、体験談を聞きたい!
シングルスピードは、ロングライドに向きません。
ロングライドは細かい変速で、負荷を調節しながら走るものですが・・
シングルだと当然、それは一切できないからですね。
しかしシングルスピードだって、ロングライドをやってみたいものです。
そしてやってみようかな?と思えば・・
- シングルスピードでロングライドのキツさは、どの程度?
- キツさを軽減するためのコツや装備は?
- 鬼門の「坂道」はどう越える?
こういったことが気になるのではと思います。
私はシングルスピードの自転車を所有していて、ロングライドももう何度もやっています。
なのでこの記事では、シングルスピードでロングライドは無理?意外といける?
ここを解説していきます。
目次
キツいけど「何とかなる」レベル
シングルスピードでのロングライドは、キツいです。
しかしそのキツさは、意外と「何とかなる」レベルに落ち着く!
何度もロングライドしてみて、私自身はそう思いました。
つまりロングライドは、シングルスピードでは無理だとか・・
変速無しだと、いつもの半分の距離で疲れてしまうとか・・
そんなことは無い!ということですね。
特に平坦メインなら、差はほとんど感じないです。
シングルスピードだと細かく変速し、脚の負担を一定にはできないわけですが・・
それでちょっとくらい脚の負担が上がろうが、現実的にはほとんど気にならないと思いました。
逆に、
- 坂だらけ
- ずっと向かい風
- 混んだ街中で発進を繰り返す
こういったシングルに向かない要素が増えると、キツさは跳ね上がるものです。
たとえば坂道をひとつのギアだけで越えようとするなら、それはそうなりますよね。
しかしそれら悪条件であっても、キツさは「何とかなる」レベルに落ち着くと感じます。
もちろんずっと坂で、脚がピキピキ言うような負荷で走り続けるのはキツいものですが・・
それでも休み休み走れば、何とか登りきれるわけですね。
具体的な距離としては100kmくらいまでなら、特に問題ないと思いました。
さすがに200kmとかいった距離になると、変速による負荷調整ナシでは難しくなりますが・・
100kmくらいまでなら、変速無しのゴリ押しでも意外と通用してしまう感じですね。
もちろんここは体力とか、シングルスピードへの向き不向きとかあるので一概に言えませんが・・
という感じで・・シングルスピードでロングライドは、ちょっとキツいけど何とかなる!
確かに大変ではあるけど・・意外といける!
というのが実際に何度も繰り返してみた、私の感想となりました。
「乗り方のコツ」でラクになる
シングルスピードでロングライドは、そりゃキツいものだろうけど・・
とは言ってもできるだけ、キツさを軽減したい!
それを実現する鍵は「乗り方のコツ」にあります。
シングルスピードでのロングライドには、それに向いたコツがあります。
そしてそういったコツを使わずに、普通のロードバイクと同じように走るときと比べれば・・
コツを使ったロングライドは、かなりの負担軽減を果たせたりします。
じゃあ、シングルスピード・ロングライドのコツって具体的に何?
- 「トルク型」でペダルを回す
- 筋力だけでなく体重を使う
特に大事なのは、これら2つです。
「トルク型」でペダルを回す
ペダルの漕ぎ方には大きく分けて、
- トルク型
- ケイデンス型
この2つのスタイルがあります。
各スタイルの詳しい解説は、
上の記事でしているのですが・・
トルク型というのは、ギアを重めにしておいて・・
それを強いパワーでグングン回すことで、加速を得る方法です。
そしてこの方法では負荷を軽くする「ギアの切り替え」は、最小限となります。
そしてケイデンス型というのは、軽めの適切なギアを選択し・・
最小の脚力でクルクル回すことで、加速を得ていく方法です。
こっちはギアをこまめに切り替え、最適な回転数をキープするやり方ですね。
そしてシングルスピードに向くのはトルク型の回し方です。
シングルスピードはもちろん、ギアの切り替えができませんので・・
重さを調節せずグングン踏み込む前提のほうが、フィットするからですね。
トルク型というのは、単に力任せに踏み込むことではありません。
より強いパワーを出すためには、トルク型に適した「身体の使い方」みたいなものが必要になりますので・・
シングルスピードで楽なロングライドを目指すなら、ここを追求する価値はあるのではと思います。
筋力だけでなく体重を使う
筋力だけでなく、体重をちゃんと使う!
というのもシングルスピードに効く、向いた乗り方のひとつです。
シングルスピードはどうしても、ギアが重めになりがちです。
たったひとつのギア比で、あらゆる状況に対応しますので・・
普通なら軽いギアに切り替える状況でも、同じギアで切り抜けるしか無いからですね。
そして重いギアというのは、体重を使うと回しやすいものです。
人間には個人差こそあれ、何十キログラムもの体重がありますので・・
それをフルに使いこなすことができれば、重いペダルも意外にスルスル回るものです。
対して「筋力だけ」で重いギアを回そうとすると・・
筋肉に負担が掛かりすぎて、すぐ動けなくなってしまったりします。
ハードすぎる筋トレを強行した感じになるわけですね。
自転車で体重をうまく使うコツは、
上の記事がおそらく参考になると思いますが・・
シングルスピードでロングライドするなら、体重をちゃんと活用する!
ここを心がけると、うまくいくのではと思います。
ロングライドの「坂道」は攻略できる?
とは言っても、シングルスピードでのロングライドにおいて・・
いちばんの鬼門となるのは「坂道」です。
シングルスピードでキツいのって、明らかにここですよね。
じゃあ、シングルスピードでもできるだけラクに坂を登ることはできる?
このあたりのコツは、
上の記事で詳しく解説したのですが・・
中でも「「休むダンシング」」というテクニックは、特別に有効です。
シングルスピードで坂だと、ペダルはとても重くなるのですが・・
休むダンシングなら体重をフルに使い、重いギアでも疲れずに回していけるからですね。
逆に休むダンシングが使えないと、ある程度以上の坂を登るのはほぼ無理になってきます。
休むダンシング無しだと、脚力だけでペダルを何とか回していく感じになるのですが・・
激坂ではペダルが「脚だけで回すのは無理」なレベルで重くなり、その時点で詰んでしまうからです。
あるいは、坂道を避けるルート選びも有効です。
シングルスピードで坂を越えるのがきついなら・・
そもそも坂道を避けてしまえば、そこは問題なくなるからですね。
坂を避けたルート選びは、
上の記事で解説した「ガーミンコネクト」といったツールを使えば、簡単にできます。
このツールは、引いたルートの高低差をグラフ表示してくれますので・・
登りが少ないところをだけを狙って、ルートを作成できるからですね。
シングルスピードでのロングライドは、坂道が特にキツいものですが・・
こういった感じで工夫していけば、かなり和らげることができます。
どのくらいの「ギア比」がロングライドに向く?
シングルスピードでロングライドをしよう!と思うなら・・
「ギア比」も、絶対外せない大事なポイントです。
シングルスピードでは、ひとつのギア比しか選べません。
重すぎるギア比を選べば、脚がパンパンになって走れなくなりますし・・
逆にギアが軽すぎれば、漕いでも漕いでも進まない!となりイヤになってしまいます。
なのでそのどちらにもならないよう、ベストバランスのギア比を狙いたいところです。
そしてシングルスピードのギア比選びについては、
上の記事で解説したのですが・・
具体例をひとつ挙げると、「50T - 17T」がいちばんバランスが良い!
と、個人的には感じました。
ホイールサイズは一般的な、700Cである前提ですね。
もちろんギア比というのは、目的や好みによっても変わってくるところです。
たとえばシングルスピードの「ママチャリ」は、速いスピードを出す必要がありませんので・・
かなり軽いシングルギアにして、負担ない走りを優先することが多いです。
対してたとえば、レース前提の「ピストバイク」というシングルスピード自転車だと・・
ロードバイクのいちばん重いギアみたいなヘビーギアの、シングルスピードになっていたりします。
ゴール前で時速70kmみたいなスピードで走るために、そういうギアが必要になるわけですね。
なのでギア比を考えるときは、
- 自分の脚力
- 速く走りたいか?ラクに走りたいか?
- いろいろなギア比を試しての経験
こういったものを軸にベストバランスを考えていくと、後悔が無いと思います。
「手変速フロントダブル」も選択肢
ちょっと、番外編にはなりますが・・
ロングライドをするなら「手変速フロントダブル」も意外と良いよ!
というのも、ここで付け加えておきます。
手変速フロントダブルとは何か?は、
上の記事で詳しく解説していますが・・
要はフロントギア2枚を装備し、手で変速可能にするというスタイルのことですね。
このスタイルにしておけば、普段は変速なしのシングルスピードとして使っておき・・
どうしても軽いギアが欲しい!というときの「切り札」として、インナーギアを使えます。
そしてロングライドでは坂や向かい風、疲れなどで軽いギアが欲しくなることは多く・・
このたった1枚の切り札があるだけで、とてつもなく助かるのです。
(経験談です)
そしてこれはシングルスピード自転車にフロントインナーギアを装備するだけで、あっさり実現できる仕様です。
「リアテンショナーが必須」といった事情はありますので、ピストバイクみたいな仕様の自転車では無理ですが・・
もともとリアテンショナーがついている自転車なら、改造は難しくないでしょう。
さらに、このスタイルはシングルスピードと同じく変速機無しの仕様です。
なので変速機メンテナンスフリー!といった、シングルスピードのメリットはそのままに・・
最低限の軽いギアを追加できる!という「美味しいどこ取り」になると思います。
とはいえ・・確かにこれは変速機無しとはいえ、「シングルスピード」とは言いづらい仕様です。
なのでシングルスピード前提のこの記事に、書き添えるか迷いましたが・・
私自身も現在使っている良仕様ですので、あえて紹介してみました。
シングルスピードでロングライドは、確かにキツいものです。
しかし意外と、やってみれば出来てしまうものですし・・
この記事に書いたような工夫も駆使すれば、キツさをさらに下げることもできます。
なのでもしシングルスピードをお持ちで、ロングライドに興味があるなら・・
とりあえず試してみても損はないのでは、と思います。
今回はシングルスピードでロングライド、をテーマにお話ししました。