フロントシングル化は、けっこう、人気のあるカスタマイズです。
私も一度、フロントシングル化をしてみたのですが・・・
最終的には、「手変速フロントダブル」という仕様のほうが最強だ、と思いました。
「フロントシングル化」は、フロント変速機を取り外して、
フロント変速を無しにしてしまうカスタムです。
フロント変速機をなくしてしまうことで、当然ですが、
フロント変速機の調整にかかる手間がゼロになります。
そのため全体として、変速メンテナンスの手間は半分くらいになります。
特に自分でロードバイクをメンテナンスしているような場合、
扱いにくいフロント変速機を、まったく気にしなくてよくなる・・というのは、
なかなかに快適です。
そのため私はロードバイクを、フロントシングル仕様に改造し、
しばらくは、フロント変速機メンテナンスフリー!の快適さに、満足していました。
しかし・・・フロントシングル化すると、当然ですが、
変速の幅は狭くなります。
「重い」ほうは、幅が狭くなっても、
私の場合はなんの問題もないと感じました。
ロードバイクのいちばん重いギアは、レースのプロが全力で、
70km/hとかで飛ばすときに使われるようなものなのですが、
私はたんなる素人ですし、そんな速度で飛ばすことはまったく無いからです。
私はフロントシングルのチェーンリングとして、44Tのナローワイドチェーンチングを採用したのですが・・・
それで「重いギアが足りない」と感じることは、まったくありませんでした。
しかし・・・「軽い」ほうのギアが減ってしまうのは、
意外と、デメリットが大きかったです。
実体験として、ショップのイベントで何人かで走っているとき、
今日はヒルクライムをしましょう、ということになりました。
そして登ることになった坂が、なかなかの坂でしたので、
貧脚の私と、インナー無しの組み合わせでは、
早々にギアが売り切れてしまいました。。
インナーがあれば、決して上りきれないような坂ではなかったと思うのですが・・
フロントシングルだと、リアをいちばん軽いギアにしても、上りきれなかったです。。
そのため早々に足をついてしまい、
ながながと押して登ることになってしまいました。。
いつも、町中を走っているようなときは、フロントシングルでもなんの問題もないのですが、
やはり、いきなり急坂を上るようになった場合に備えて、
インナーギアはあるほうがいい・・と、このとき思うようになりました。
しかし、フロント変速メンテナンスフリーの快適さに慣れてしまった自分としては、
またフロント変速機をつけるのは面倒でした。
そこで、フロントシングルから・・・
「インナーチェーンリングはつけるけど、変速機はつけない」という仕様に、改造してみました。
上の、写真のような状態ですね。
フロントギアは2枚だけど、フロント変速機は無い、という状態です。
一般的に売られているロードバイクだと、
ただフロント変速機を外すだけで、この状態にできると思います。
そしてこの状態で、指でチェーンを押しながらペダルを回転させることで、
手動で、変速をすることができます。
たとえばこんな感じで、下側のチェーンをぐいっと押しながらクランクを逆回転させると、
チェーンはインナーに移動します。
逆に、インナーからアウターに動かすときも、
チェーンを指で引っ張ってアウターに掛けて、クランクを逆回転させればOKです。
「なんちゃってフロントダブル」と呼ばれることもある仕様ですね。
この状態にしておいて、普段はフロントシングルとして運用しておき・・・
激坂を登ることになった時や、登りばかりのエリアを走ることになった時などに、
「切り札」として、インナーに手動で変速します。
こうしておけば、普段はフロント変速機無し、メンテナンスフリー!という快適さを享受しながらも、
いざ、すごく軽いギアが必要になったときには、ギアをおもいっきり軽くすることができます。
ちなみに、インナーの歯数は34Tにしました。
スプロケットの最大歯数も、34Tにしていますので、
前を手変速でインナーギアにして、リアディレイラーをいちばん軽い状態にすると、
前34T・後ろ34T・・つまり「1:1」のギア比にまで落とすことができます。
1:1にまで落とすことができれば、たいていの坂はラクに上れる・・というのは、よく言われており、
このギア比にすれば実際、私のような貧脚でも、
かなりの激坂を、ゼエゼエ言うほどには疲れずに、ちゃんと最後まで上りきることができます。
もちろん、手元でさくっと変速できないというのはデメリットですが・・・
私の場合、フロント変速機があったとしても、フロントはめったに変速しませんでしたし、
インナーに落とさないと無理。。というのは、激坂を上るときくらいでめったにありませんので、
特に問題ないな、と思いました。
チェーンを素手で触るので、手やグローブが汚れるのでは?と思われるかもしれませんが・・
汚れに強い「ドライ系」チェーンオイルを使っておくと私の場合は、気になるほどに手が汚れることはありませんでした。
もちろん、フロント変速機をなくしてしまうので、
チェーン落ち対策は必須です。
チェーンキーパーといったアイテムもあるようですが・・
ナローワイドチェーンリングを採用したところ、私の場合はチェーン落ち自体がほぼゼロになりましたので、この方法を使うのならおすすめのカスタムです。
例えば私は「Wolftooth」という定番メーカーの、「44T」タイプのものを使っています。
上に紹介したものですね。
フロントシングル化をしてみたけど、インナーに落とせないデメリットが予想以上にきつかった・・という場合は、
手変速フロントダブル仕様を試してみてはいかがでしょうか。