ロードバイクやクロスバイクを、シングルスピード化しよう!
でも・・いくらかかるの?
シングルスピード化は自転車をシンプルにしたり、軽く・トラブルフリーにできたりする、人気カスタムです。
「ピスト化」とか言われることもありますね。
(実際のピストバイクとは、だいぶ違ったものができあがりますが・・)
そして実際、これをやろうとする場合・・
いくらくらいお金がかかるのか?というのは勿論、気になるところだと思います。
なのでこの記事では、自転車をシングルスピード化するときのコストについてお話ししてみます。
目次
「シングルスピード特化」にすればするほど、お金がかかる
もし「変速ができない、シングルスピード状態にできれば何でもいい」のであれば、お金はほとんど掛かりません。
ロードバイクから「変速用のワイヤー」をすべて抜き去ってしまえば、変速は不可能になりますので、それで完了です。
(いとも簡単に終わるでしょう)
しかしそれだけだと、「STIレバー」「ディレーラー」「スプロケット」といった、
変速ありきの装備がたくさん、残ってしまいます。
そのままだと重さも変速機ありと大差ありませんし、何よりごてごてと不要なものがついた、スマートではない自転車になってしまいます。
なので本当にシングルスピードに特化した仕様にしたいなら、こういった変速機あり前提の装備たちを、
「シングルスピード前提」の装備に変えていく必要があり、ここにコストが掛かってくるのです。
「シングルスピード特化」にすればするほど、お金がかかるわけですね。
シングルスピード特化するなら具体的にどんなパーツが必要で、どのくらいの費用が掛かってくるのか?
以下、解説してみます。
必要なもの①:シングル用ブレーキレバー(ロードバイクの場合)
ロードバイクといえば、STIレバーです。
これはもちろん、ブレーキレバーと変速機が一体化した便利なものなのですが・・・
シングルスピード化したいのなら単に、重いだけのシロモノになってしまいます。
かつ、STIレバーは横方向に動かして変速するわけですが・・
シングルスピード化するのならこれは「いらない動き」になってしまいます。
なので、例えば・・・
私自身は現在、この「SRAM S500」ブレーキレバーを使っていて・・
しっかりした引き味とか、剛性の高さなど、気に入っています。
他にも・・たとえば、
この「ディズナ」製ブレーキレバーや、
「ダイアコンペ」のブレーキレバーといったものが、シングルスピード用としては定番ですね。
こういった「シングルスピード用ブレーキレバー」なら、
シングルスピードとして無駄な部分がまったく無く、スマートです。
かつ、こういったブレーキレバーだと「横方向への動き」が無いですので、
STIレバーより明らかにブレーキを引きやすいです。
もし、カスタムベースが「クロスバイク」「マウンテンバイク」といったバーハンドル自転車なら、ここはもっと簡単ですね。
ブレーキレバーと変速機が一体化していませんので、変速機だけをぽんと外せば、それで終わります。
もちろんSTIレバーのままで、シングルスピード化してしまっても大きな問題は無いのですが・・・
シングルスピードに特化してしまうのならやはり、専用レバーに変更してしまうのがベストなのでは・・と思います。
ちなみにクロスバイクやマウンテンバイクなど、ロードバイク以外の場合は、特別なブレーキレバーは不要です。
これらの自転車ではほとんどの場合で、変速機はブレーキレバーと独立していますので・・
変速機をすぽっと外すだけで、ブレーキレバーだけが装着されたシンプルな姿になるはずです。
必要なもの②:チェーンテンショナー
リアディレイラーも、シングルスピードにすると不要になるところです。
しかし・・ここはいらなくなったから外す!ということができません。
理由は・・リアディレイラーには「チェーンテンショナー」という、チェーンを引っ張り続けてたるまないようにする効果もあるので、
これを外すとチェーンがだらっと垂れて、まともに走れなくなってしまうからですね。
特に使っていくうちに起きる「チェーン伸び」で、少しずつチェーンがゆるんでいく・・ということが起きやすいです。
ピストバイクとかだと、ホイールを後ろに退げることでチェーンをぴんと張れるのですが・・・
現代のロードバイクだとほとんどが「ストレートドロップエンド」という、ホイールを後ろに退げることができないタイプですので、ホイールを移動させる方法も使えないです。
なのでリアディレイラーを取り外してしまうとしたら、「代わりのチェーンテンショナー」が必要になってくるのです。
具体的には・・・
例えば天下のシマノが、こういうシングルスピード用テンショナーを出してくれていたりします。
特にメーカーなどにこだわりがなければ、このあたりから選んでもいいのではないか・・と思います。
必要なもの③:スプロケット部分のスペーサー
スプロケットも、シングルスピード化するのなら気になるところです。
10個とか11個とか重なった歯・・シングルスピードにするなら、1枚だけにしたいところですよね。
ホイールそのものを、シングルスピード用に換えてもいいのですが・・・
それよりも、今ついているホイールにスペーサーを使って、シングルスピード仕様に変えてしまうほうがはるかに安上がりです。
余分なギアをすべて外し、かわりにスペーサーを入れるわけですね。
スペーサーとして、具体的には・・
例えば有名メーカー「グランジ」が、こういうのを出していたりします。
(適合がシビアなところだと思いますので、合うかどうかはご自身でご確認ください)
これなら安価ですし、無駄になるパーツも最小限で済みますので、いいのではないかと思います。
必要なもの④:シングル用チェーンリングボルト
ロードバイクやクロスバイクは、基本的にフロントチェーンリングが2枚の「フロントダブル」ですので、
シングル化のためにはこれを、1枚にしなければいけないです。
いわゆる「フロントシングル化」をするわけですね。
とはいっても1枚、ぽんと外すだけなのですが・・
ここでシングル用の「チェーンリングボルト」は必要になってきます。
もともとついているチェーンリングボルトは、チェーンリングが2枚ある前提で、ちょっと長めなので、
フロントシングルにした場合、ちゃんと固定できなくなるからですね。
なので、
こういった「シングル用」チェーンリングボルトが必要になります。
紹介したものは、私自身がよく使っている「鉄製」チェーンリングボルトですね。
(鉄製チェーンリングボルトの良さは、この記事で解説しています)
これがあれば、チェーンリングを1枚にしたあとも、しっかり固定できると思います。
シングルスピード化の費用は、総額いくら?
シングルスピード化はただ変速機を外すだけなら、ほぼ無料です。
しかし「STIレバー」「リアディレーラー」「スプロケット」といった部分をすべて、シングルスピードタイプに換えるのなら・・
その総額ぶん(自転車ショップに交換依頼するなら、プラスその工賃)がシングルスピード化コストになってきます。
額はパーツ選択によって、まったく違ってくるのですが・・
ものすごくざっくり言うと、おそらく総額で1万円弱から、1万数千円といったところではないかな、と思います。
このくらいの額であれば、新しくシングルスピード自転車を買い直すよりは、はるかに安いですし・・
このくらいの額を出せば、もとからシングルスピード用に作られたような「シングルスピード特化」の自転車に、ちゃんとできるはずです。
なのでもし、シングルスピードがどうしても気になる・・シングルスピード化したい!
でも、さすがに新しく自転車を買うまではちょっと。。
そういう場合は「シングルスピード化」も、検討する価値があるのでは、と思います。
今回はシングルスピード化にかかる費用を軸にお話ししてみました。