「ブロンプトン x フロントダブル」は、よく使われるカスタムです。
実際、変速が貧弱なブロンプトンにフロント変速機をつけて、
他の変速機と掛け合わせて、変速段数を拡張できる・・
というのは、すごいメリットだと思います。
なのですが、いろいろと試行錯誤してみた結果・・・
「フロントディレーラーを装着せず、チェーンリングだけをダブルにする」仕様も、
メンテナンスの手間が少なく、シンプルにまとまって、
意外に、良いではないか・・と、思いました。
手でチェーンを押して変速する、
「手変速フロントダブル」と呼ばれる仕様ですね。
ブロンプトンに手変速フロントダブルって、実際、どんな感じ?
どうやって換装するの?面倒なポイントとか無いの?
以下、解説していきます。
目次
手変速フロントダブルは、こんな感じ!
手変速フロントダブル、というのは・・・
こんな感じで、もともとついているチェーンリングの内側に、
インナーチェーンリングを追加して・・・
そしてフロントディレーラーはつけない、という仕様です。
「なんちゃってフロントダブル」とか、呼ばれることもありますね。
そして、ここから・・・
こんな感じで、指でチェーンを押しながら、
クランクをくるっと、逆回転させるだけで・・・
カシャン!・・と、こんな感じに、
チェーンがアウターからインナーに移動します。
この状態にすると、私の場合はアウターが54T、インナーを39Tにしましたので、
(PCD130だと、インナーの最小歯数が39Tあたりになるようです)
かなりの落差で、ギアを軽くすることができます。
アウターに戻すときも、チェーンを指で軽く引っ張ってアウターに乗せ、
クランクを逆回転させると簡単に、戻すことができます。
折りたたんだときの、干渉も・・・
遠めから見ると、こんな感じで・・・
そして上の2枚の画像の、赤丸の部分が干渉しやすそうなポイントなのですが、
それぞれ、フレームとの間に十分な隙間があるのが、おわかりいただけると思います。
(使っているパーツなどは、下で解説します)
もちろん、変速機が無いわけですので、
変速のためには毎回立ち止まって、作業をするしかないです。
走りながらパッ、パッと変速・・なんてのはもちろん、無理です。
なので、かなり面倒なのでは?と、
もしかしたら思われるかもしれません。
しかし私は、ブロンプトンは基本的には、シングルスピードで十分で、
細かい変速といったものは、あまり必要ないかな・・と感じています。
どうあがいても、ロードバイクみたいな20段変速・・とかはできませんし、
ブロンプトンで普段走るエリアだと、シングルスピードでも意外と走れてしまうので、
だったらシングルでいいかな・・と、思うわけです。
なのですが、それでも「切り札」としての軽いギアがあると、すごく便利です。
ブロンプトンで山を登る!・・ということも、時々はありますし、
張り切ってガンガン走りすぎて、脚に負担がきてしまった・・もう力が出ない・・となることも、あります。
そんな時、重いギアしか無い場合は、重いギアをひーひー言いながら回すのか、
もしくは走るのをあきらめてしまうか・・しか、なくなってきます。
そんなとき切り札として、インナーにカシャン!と落とせるようになるのは、かなりのメリットだと感じます。
手変速フロントダブルは、意外にもメリットだらけ
手変速フロントダブルのメリットは・・・
②:メンテナンスフリー!
③:軽い!
といった感じです。
① 換装が簡単
ブロンプトンに、ちゃんとしたフロントダブルを導入しようとすると・・・
検索していただければ、おわかりいただけると思いますが、
トリプル用クランクが必要だったり、ディレイラー装着のための特殊アイテムが必要だったり、
さらに、スムーズに変速させるためチェーンラインの試行錯誤も必要だったり・・・
と、なかなかにハードルが高いです。
お金もけっこう、かかると思います・・・
しかし、手変速フロントダブルであれば、
基本的にクランクも、チェーンリングも、なんだっていいです。
今ついているクランク・チェーンリングに、
インナーチェーンリングをぽん、と加えるだけですね。
チェーン脱落防止のため、ナローワイドチェーンリングなどが必要か?と、
もしかしたら思われるかもしれませんが、
リアを多段変速しないブロンプトンなら、チェーンラインが大きく動くこともないですので、
個人的には、ふつうのチェーンリングで十分だと思いました。
なので、ちゃんとしたフロントダブルへの改造と比べて、
圧倒的に簡単に、作業が終わります。
② メンテナンスフリー
フロントディレーラーは、メンテナンスが意外と面倒です。
ぶつけたりで、けっこう簡単に狂ってしまうところですので・・・
そのたびに、調整し直さないといけないわけですね。。
しかし手変速仕様ならもちろん、フロントディレーラー自体ありませんので、
調整の手間は一切、ありません。
私はロードバイクも、手変速フロントダブル仕様にしているのですが、
それも、このフロント変速メンテナンスフリー!のためだったりします。
③ 軽い
そしてもちろん、手変速仕様だと、軽くできますね。
足されるのは、「小さなインナーチェーンリング一枚」だけですので、
重量増は、誤差のレベル・・と言ってもいいのでは?と思います。
もちろん、フロントディレーラーをつけるなら、
ディレイラーの重さ、インナー・アウターワイヤーの重さ、変速レバーの重さ・・・
と、いろいろな重さがかかってきますので、
ここも意外と無視できないポイントです。
・・・と、ひとことで言ってしまうと、
「最小限のデメリットで、変速機能を追加できる」
というところに、手変速仕様の良さはあると思います。
導入の注意点と、私が使用したアイテム
実際にブロンプトンに、手変速フロントダブルを導入しようとした場合、
いくつか、注意点はあります。
一番は・・ドライ系チェーンオイルを使っておくほうがいい、ということですね。
チェーンオイルには「ウェット系」と「ドライ系」とがあって、
それぞれ良さがあるのですが・・・
私は「ドライ系」が良い!と気に入って、もうずっと使っています。
そして・・・手変速フロントダブルだと、
変速するたびに毎回、手でチェーンに触れるわけですので、
「手が汚れにくい」というドライ系のメリットが、すごく助かるわけです。
そして、折りたたんだ時に干渉しないパーツの組み合わせを選ぶ・・ということですね。
干渉が起きると致命的ですので、ここは超重要です。
とはいっても実際には、現物合わせしてみるしかない・・という面もあると思います。
参考までに私は、BBに「TANGE LN-7922 118mm」、
クランクに「スギノ RD2 シングル用175mm」、
(私自身が使っているものはもう売られていないようでしたので、「後継」のような製品を貼っています)
そしてチェーンリングに「シマノ FC-6700 39T」、
以上の3アイテムを組み合わせて、上でお示ししましたように、折りたたんだときを含め干渉はありませんでした。
もちろん、ブロンプトンの年式とか、その他いろいろな条件で変わってくるかもしれませんので、
この組み合わせなら大丈夫!とかの、保証まではできません。。
シングル用クランクでもいいの?と思われたかもしれないのですが、
紹介しましたクランクは、チェーンラインはシングル用になるのですが、インナーチェーンリングは普通に装着できるもので、
手変速フロントダブルに限っては、まったく問題ありませんでした。
また、チェーンリングボルトも、現在がフロントシングル状態なのであれば、
シングル用ボルトから、ダブル用ボルトに変えるべきです。
(ダブル用のほうが少し長いです)
チェーンリングボルトは負荷がかかるところですので、
チェーンリングボルトは「鉄製」が最強だと、個人的には思っていて、
私はここには必ず、鉄製を使うのですが・・・
いずれにしても、ちゃんと「ダブル用」ボルトの調達は、
必要になると思います。
たとえば私自身が現在、ダブル用チェーンリングボルトとしてよく使うのは、上のものですね。
ちなみにブロンプトンに限らない、「手変速フロントダブル全般」に関する情報は、
上の記事に書きましたので、必要であればご覧ください。
と、ブロンプトンを「手変速フロントダブル」仕様にする方法など、語ってみました。
ほとんどデメリットが無くて、メリットだけ総取りできる・・みたいな、なかなか良い方法だと思いますので、
もし、ブロンプトンを頻繁には変速しないけど、切り札としての軽いギアは確保したい・・・
と思われるのであれば、検討されてみては・・と思います。