ブロンプトンにシングルスピードって、どう?
シングルスピードの自転車には、
- 自転車の構造がシンプル
- 変速機トラブルと無縁
- 軽い
と、いろいろなメリットがあります。
そしてブロンプトンを、シングルスピードにしてみようかな?と思ったとき・・
実際、快適に使えるの?
デメリットが多すぎる!とか、無いの?
というのは気になるところだと思います。
私自身はブロンプトンをシングルスピード仕様にして、もう3-4年は使い続けています。
そしてブロンプトンをシングルスピードにしたことによる、メリットとか・・
逆にここは微妙だな、といったことが分かってきました。
なのでこの記事では、ブロンプトンをシングルスピード仕様にするって、実際どうなの?
ここを解説していきます。
目次
「変速機トラブル」と無縁になれる
ブロンプトンをシングルスピードにする、いちばんのメリットは・・
「変速機トラブル」が完全になくなることです。
変速機はけっこう、トラブルを起こしやすいです。
たとえばサクサク変速できなくなる、変速不良とか・・
変速のときに勢いあまってチェーンが落ちる、チェーン落ちとかですね。
そしてロードバイクといった、一般的な自転車と比べて・・
ブロンプトンは変速機トラブルが、ちょっと多いと感じます。
実際に私自身、雨が降っただけでちゃんと変速しなくなる、というのを何度も経験しました。。
(もちろん、変速調整は十分やった上で、です)
おそらく理由は、ブロンプトンには「特殊な変速機」が使われているからですね。
ブロンプトンには、ブロンプトン社謹製の変速機や・・
スターメーアーチャーといった、ちょっとマイナーなメーカーの変速機が使われています。
現代でいちばんメジャーな変速機は、日本の「シマノ」社のもので・・
たいていのロードバイクやクロスバイクは、このシマノ製変速機を装備しています。
そしてその性能レベルや不具合の少なさは、世界トップクラスと言われています。
そしてブロンプトンはいろいろな事情で、このシマノ変速機が使えません。
なので不具合まわりはどうしても、ちょっと不利になるんだと思います。
しかしシングルスピードにすればもちろん、このあたりの問題からは完全に開放されます。
ここがブロンプトンをシングルスピードにする、大きなメリットですね。
「軽量化」は、どのくらいできる?
「軽量化」も、シングルスピードのメリットです。
変速機がなくなりますので、単純にそのぶん軽くなるわけですね。
自転車は軽くなると、もちろん走りに有利ですし・・
ブロンプトンでは「輪行」がラクになる、というのも大きいです。
なので少しでも軽くなってくれるのは、嬉しいところです。
じゃあ、シングルスピードにすると「どのくらい」軽くできるの?
- 2速:11.25kg
- 3速:11.90kg
- 6速:12.20kg
まず、ブロンプトン公式サイトにあった「ブロンプトンのモデルごとの重さ」はこんな感じです。
そして「3速ブロンプトンと6速ブロンプトンの重量差 = 外装2速変速機の重量」ですので・・
「外装2速変速機の重量 = 300gくらい」となります。
そして「2速ブロンプトンと6速ブロンプトンの重量差 = 内装3速変速機の重量」ですので・・
「内装3速変速機の重量 = 950gくらい」となります。
つまり外装変速機・内装変速機それぞれ・・
外すと、そのくらい軽くできるわけですね。
自転車にとって「1kgの違い」というのは、とても大きいものです。
これはロードバイクなどを趣味にしていると、すごく一般的な価値観だと思います。
そして特に内装変速機は重く、シングル化すればそのくらいの軽量化が果たせます。
外装変速機の方も、無視できないほどの重さはありますね。
なのでブロンプトンに乗るうちに、変速性能より軽量化を重視したくなった!
その場合はシングルスピード化してしまうと、軽量化効果は十分に得られると言えるでしょう。
「変速できない」は、つらい?
シングルスピード化すると、挙げたようなメリットが得られるかわりに・・
当然、「変速できない」状態になります。
そして変速機がある状態から、シングルスピードにしようかな?と検討するとき・・
シングルスピード化すると、どのくらい不便になるの?
ここは気になるところだと思います。
私自身、ブロンプトンのS2L・・つまり外装2速モデルから、シングルスピード化しました。
そしてこの状態で、4年ほどは使っています。
その経験から、シングルスピードにしたらどうなったか?を言ってみると・・
- 普段使いには、まったく問題ない
- 「発進」もそんなに苦労しない
- 「山」はやっぱり大変
という感じでした。
まずブロンプトンをシングルスピードにしても、「普段使い」にはまったく問題なかったです。
私自身はブロンプトンを、「普段の街乗り」「50km程度のサイクリング」といった用途によく使うのですが・・
そんな感じで使う限りでは、変速できなくてめっちゃ困る!ということはありませんでした。
山などハードな場所に行かなければ、変速無しでもペダルは問題なく回せますし・・
変速で脚の負担を減らす!も、できなくてもまあいいかな、という感じです。
そして鬼門になりがちな「発進」も、私の場合は問題なかったです。
発進するときはまず軽いギアにしておいて、徐々に重いギアに、とするのが普通なのかもしれませんが・・
上の記事で紹介している「体重でペダルを動かす方法」といったものを使えば、ペダルが重すぎて発進が疲れる・・!ということも無かったです。
もちろん、ここは人によるのかもしれません。
しかし、シングルスピードでいちばん問題になりやすい「坂」はやっぱり、大変でした。
シングルスピードで坂道を登るってどんな感じ?については、
上の記事で解説したのですが・・
ちょっとした坂くらいならダンシングでいけるのですが、「激坂」と言えるようなレベルだとやっぱり、シングルブロンプトンだときついです。
ブロンプトンでそんな坂を登るなんて、普段はしないのですが・・
やっぱり旅の途中で差し掛かることはあり、そんな時はギアを落とすこともできず、もう無理!となってしまいます。
ここだけはやっぱりきつかったので、私自身は・・
上の記事で書いているような「手変速フロントダブル」という改造だけは、追加しました。
改造と言っても、前ギアにインナーギアをぽんと追加するだけで・・
変速機は無いのですが、いざと言うときに指でインナーに落とすことで、坂にも何とか対応できる!という仕様ですね。
これを追加したことで私の場合は、坂はあまり問題ではなくなりました。
と、シングルスピードにするともちろん変速できなくなるわけですが・・
ブロンプトンを普段使いする限りだと、そんなに大きな問題は起きない!
というのが、私の場合の結論でした。
シングルスピード化の「方法」は?
ブロンプトンを、シングルスピード化しよう!
そう思った場合・・どんな「方法」を使えば、シングルスピードが手に入るの?
ここも解説しておきます。
まず、この記事を書いている現在、日本国内で「シングルスピード仕様のブロンプトン」は売られていません。
売られているのは「2速」「3速」「6速」の3種類で・・
正規ルートだと、これらを買って変速機を外す方法でしか、シングルスピードブロンプトンは手に入らないです。
そしてカスタムベースとして優秀なのは、圧倒的に「2速」です。
「3速」「6速」の場合は、後輪が内装変速機と一体化していますので・・
シングルスピードにするためには内装変速機無しタイプの後輪をあらためて調達しなければいけません。
そしてブロンプトンの後輪、そこそこ高価なのです。。
もちろん現在持っているのが3速・6速の場合は、変速無し後輪を買うしか道はありません。
しかしもしブロンプトンを買おうと検討していて、将来的にシングルスピード化するかも?と考えるなら・・
2速モデルにしておくことをおすすめします。
私自身、2速からシングルスピードへと改造しました。
そして2速タイプからシングルスピードにする場合は、単に変速装置をすべて外せばいいわけですが・・
加えてテンショナーと「スプロケット」を、シングルスピード仕様にする作業も必要です。
ブロンプトンのテンショナーは、
この、チェーンをぐいっと引っ張って固定しているパーツです。
そしてこのパーツには、「1速用」と「2速用」の2種類があります。
そしてもちろん2速モデルに使われているのは、2速用です。
なのでシングルスピードにするならもちろん、1速用に交換したほうが良いわけですね。
とはいえ、いちおう2速用テンショナーでも、シングルスピードに対応することはできます。
なので細かいところをあまり気にしないなら、2速用をそのまま使うのもアリです。
そしてシングルスピードに「完全に」対応させたいなら、1速用に換装する、という感じになってくるでしょう。
「スプロケット」も、1速用と2速用の状態が分かれます。
スプロケットは、
このリアホイールのところで、チェーンが掛かっている歯車のことで・・
これは2速用だと2枚あって、シングルスピードなら1枚になるのが自然なところです。
そして2枚を1枚にすると、隙間が空いてしまうので・・
その隙間を埋めるための「スペーサー」が必要になることもあります。
このあたりもちょっと複雑になってきますので、ショップに依頼してしまうのも選択肢になるでしょう。
そしてスプロケットが2枚あるままの状態で、シングルスピードに対応させることもできます。
なのでここは変えずに、そのまま使うという選択肢もあって・・
しかしここも「完全に」シングルスピード仕様にしたいなら、1枚に変更する、という感じですね。
と、市販されているブロンプトンはこんな感じで、シングルスピード仕様にすることができます。
「海外輸入」にまで目を向けると、もっと簡単にシングルスピードが手に入るかもしれません。
というのも、日本ではシングルスピードブロンプトンは売られていないわけですが・・
欧州などの海外では、普通に売られている場合があるからですね。
型番も「S1E」などといった、日本には無い1速モデル用の型番になっていて・・
最初から変速機は無く、しかもそのぶん安い!という、いいことずくめのモデルです。
・・日本でも、出して欲しいものですね。。笑
日本のブロンプトンは輸入代理店の利ざやが大きい、というのは有名な話で・・
自分で直接輸入することで、価格自体も大きく抑えられるかもしれません。
しかし海外から手に入れるためにはもちろん、「個人輸入」といった方法が必要です。
欧州に行く機会があるなら、現地で買ってくるとかも選択肢ですね。
とはいえもちろん、それなりにハードルが高くて・・
さらに詐欺などいろいろなリスクもあり得ますので、それらはすべて自己責任でクリアする必要はでてきます。
個人輸入ではどんなリスクがありそうか?については、
上の記事で解説しています。
これは、海外にしか無いモデル「B75」についての記事ではありますが・・
シングルスピードモデルの輸入についても、参考になるのではと思います。
まあ、個人輸入は正直かなりハードルが高いので、使える人は限られるとは思いますが・・
うまくやれば最良の条件でシングルスピードが手に入るかもしれませんので、選択肢としては挙げてみました。
今回はブロンプトンにシングルスピード、をテーマにお話ししてみました。