あれ?ペダルを回してると、なんか変な音がする。。
ペダルを止めると、音がピタッと止む・・
また足を動かすと、また音が聞こえだす・・
なんか、自転車を漕ぐと音がする!
「異音」は自転車乗りを悩ませる、重大テーマです。
ネットを検索してみても、へんな音がする!という悩みは溢れていますし・・
あなたの周りにも、気にしている人が居るかもしれません。
「漕ぐと」音がする、というのも定番です。
そして漕いでいるときだけ音がして、漕ぐのをやめると音が止まる場合・・
それだけでも異音源は、かなり絞りこめたりします。
なのでこの記事では、クロスバイクやロードバイクなどの自転車を漕ぐと音がする原因は?
修理によって異音を消すには、具体的にどうすればいい?
ここを解説していきます。
目次
原因は「駆動系」
自転車を漕ぐと音がして、漕ぐのをやめると音が止まる・・
この時点で音の発生源は、ほぼ確実に「駆動系」に絞れます。
駆動系とは?
こんな感じの足の動きに合わせてぐるぐる回る部分のことです。
ドライブトレイン、とか呼ばれることもあるパーツたちですね。
具体的にどんなパーツが含まれるのか?は、下で解説しますが・・
駆動系は足を動かすと、それに連動して動きます。
そして足を止めると、それに連動してピタッと動きを止めます。
なのでもし、この駆動系から異音がしている場合は・・
足を動かすのにあわせて異音が出現し、足を止めれば異音も止まることになります。
なので自転車を漕ぐと音がする場合は、駆動系が原因の可能性がとても高い!と言えるのです。
ちなみに駆動系「以外」の部分が原因の場合は・・
たとえばハンドルまわりが原因の場合は、「漕ぐ・漕がない」にかかわらず異音がするはずです。
この場合は、ハンドルに体重を預けたときに異音が増える・・とか、そんな感じになるでしょう。
そういった理由で、自転車を漕ぐと音がする場合は・・
まずは「駆動系」だけに焦点を絞って、原因を探していくのがおすすめです。
しかし駆動系とひとくちに言っても、原因となりうるパーツはいろいろあります。
じゃあ具体的に、どのパーツが原因なの?
具体的な原因パーツはこれ!
自転車の「駆動系」にあたるパーツを、列挙してみると・・
- ペダル本体
- ペダル軸
- クランクアーム
- ボトムブラケット軸
- チェーンリング締め込み部
- チェーンリング
- チェーン・チェーンリング噛み合い部
- チェーン
- チェーン・スプロケット噛み合い部
- スプロケットの歯
- スプロケットの関節部分
- スプロケット・ホイール噛み合い部
こんな感じになります。
ちょっと分かりにくいかな、と思われる部分は画像で挙げてみます。
【ペダル軸】
赤丸の部分の、ペダルが回転する軸のところです。
【ボトムブラケット軸】
ボトムブラケットの中心の、クランクの軸が通っている部分です。
【チェーンリング締め込み部】
チェーンリングがクランクに締め込まれているボルト部分です。
【スプロケットの関節部分】
多くのスプロケットは、赤丸のあたりの部分に関節があり分解できます。
【スプロケット・ホイール噛み合い部】
スプロケットは赤丸あたりの部分で、ホイールに対して締め込まれています。
なので自転車を漕ぐと音がするときは、これらのパーツを念頭に置き・・
どこから音が出ているのかな?という目線でひとつひとつ、じっくりチェックしていくのがおすすめです。
じゃあ・・異音が起きるとき、これらのパーツにはどんなことが起こっているの?
異音を解消するときには、どんな処置をすればいいの?
以下、ここを解説していきます。
音がする具体的な理由と解消法
漕ぐと音が鳴るとき、異音源で起きていることは・・
- オイル・グリス切れ
- 錆がでている
- 異物が入った
- 締め付けトルク不足・過剰
- パーツが壊れかけている
こんな感じになってきます。
オイル・グリス切れ
自転車を漕ぐと音がするとき、まず考えたい原因は「オイル・グリス切れ」です。
自転車ならずとも「金属同士がこすれ合うところ」は、オイルやグリスで潤滑するのが基本です。
なので、それが出来ていない状態になればもちろん・・
金属と金属がこすれて、ギリギリとかパキパキとか音が鳴ることがあります。
そして潤滑切れが問題になりやすいのは、圧倒的にチェーンです。
チェーンにはちゃんとオイルを差すべし!というのは、基本ではありますが・・
意外とここが抜けてチェーンがカピカピに乾いて、漕ぐたびにギシギシ鳴る・・ということは多いものです。
なのでしばらくチェーン注油してなくて、オイルが切れてしまっているようなら・・
もしくは、チェーンから音がしているかも?と疑われるようなときは・・
チェーンオイルの選び方は上の記事で解説していますので、このあたりも参考にちゃんと注油するのがおすすめです。
オイル・グリス切れが問題になるところって、「チェーン以外」にもある?
- ペダル軸
- ボトムブラケット軸
- チェーンリング締め込み部
- スプロケット・ホイール噛み合い部
駆動系の中でもこういった部分は、グリスアップしておいたほうがいい!と言われています。
もちろんグリスアップのためには分解が必要なので、それなりの整備スキルが必要にはなりますが・・
このあたりから音がしていると疑うなら、グリスを塗り直してみる価値はあるでしょう。
もし自分でやるのが難しい場合は、ショップに依頼すればやってもらえるかもしれません。
錆がでている
「錆」も漕ぐと音がする原因としては、定番です。
特に金属同士の噛み合い部分に錆が浮けば、それは異音の原因となるでしょう。
なので見るべき場所は基本的に、オイル・グリス切れで見た場所と同じになってきます。
チェーン、ペダル軸、チェーンリング締め込み部、スプロケット・ホイール噛み合い部、といったところを確認するわけですね。
機械部品は表面がツルツルしていることで、引っかかりなくスムーズに駆動するもので・・
そこに錆が浮いてしまえば、それは動くときの障害となってしまいます。
そしてその場合は錆と金属表面とがこすれ合う形になり、ギリギリと音がすることになります。
こすれ合う部分の金属表面がオイル・グリスで潤滑されていれば、錆はかなり起きにくくなるのですが・・
ついつい潤滑を忘れてしまい、長期間放置してしまった後なんかに、錆は特に起きやすいです。
さらには潤滑をちゃんとやっていたとしても、別の原因で錆が出てしまうことはあります。
たとえば室外保管していたり、雨の中を走ったりですね。
このあたりの詳しいことは、
上の記事で解説しています。
異物が入った
パーツとパーツの間に、「異物」が入った!
これも自転車を漕ぐと異音がする原因になり得ます。
具体的には砂、砂利、小石といったところですね。
自転車は野外という、ハードな環境を走り回るものです。
そして野外はもちろん、小石などの異物にあふれていますので・・
ふとした拍子にスポッ!と入ってしまう可能性は、十分あるのです。
そして特に駆動系の「稼動部」に異物が入ってしまうと・・
ペダルを回している間じゅう、小石などを挟んだ状態でパーツが稼働することになります。
そうなれば当然、自転車を漕ぐとへんな音がする!となってしまいます。
じゃあ、異物はどうすれば取り除けるの?
いちばん確実な方法は、「分解清掃」です。
異物が挟まったところを分解し、直接取り除くわけですね。
しかし分解清掃をするには、原因となっている場所の「特定」が必須ですし・・
その部分の分解・組み上げをミスなくできる整備スキルも、もちろん必要です。
なのでもし自信がなければ、ここは自転車ショップに持ち込むほうがいいところかもしれません。
もしくは、
上の記事で解説するような「水洗い」でも、異物は取れるかもしれません。
異物がどこにあるか?が確実には分からないような状況なら・・
とりあえず自転車全体を水で流してみれば、いつのまにか異物が無くなった!となる可能性はあります。
もちろん水洗いの後は必要に応じて、再度のオイル・グリスによる潤滑が必要です。
使い続けるうちに、勝手に異物が取れる可能性もあります。
走っている間に偶然、異物がスポッと入ったように・・
走っている間に偶然、異物が落ちることもあり得るわけですね。
なので漕ぐと音がする期間がまだ短いなら、とりあえず使い続けてみるのも選択肢になります。
締め付けトルク不足・過剰
「締め付けトルク」の強すぎ・弱すぎも、漕ぐと音がする原因になり得ます。
自転車にはボルトなど、締め込んで固定してあるパーツが山ほどあるわけですが・・
それらを締め込むべき強さというものは、パーツごとにあらかじめだいたい決まっています。
そして例えば決まった強さよりも強く締めすぎると、負荷が強すぎてギシギシ音がするかもしれませんし・・
逆に弱すぎると、緩みによってわずかな隙間ができて、そこがカタカタ鳴るかもしれません。
じゃあ、適切なトルクで締め込むためにはどうすれば?
適切なトルクを「自分の手」だけで調節するのは、実はほぼ無理で・・
正確な締め込みのためには、例えば上で紹介するような「トルクレンチ」という工具が必須になります。
(上の記事で紹介しているものは、私自身の愛用品です)
このトルクレンチだと、「チェーンリング締め込み部の六角ボルト」といった一般的なボルトはもちろんのこと・・
アタッチメントを追加することで「スプロケットをホイールに装着する」といった、特殊な作業にも適正トルクが使えたりします。
自転車のパーツは何もしなくとも、振動などで緩んでしまうことはあるものです。
なのでもし漕ぐと音がする原因が、パーツの締め付けトルクかも?と思ったら・・
トルクレンチを入手したうえで、一度ちゃんと締め直してみるのをおすすめします。
パーツが劣化している
パーツが「劣化」していて、漕ぐ負荷に負けそうになっている・・
これも自転車を漕ぐと音がするときの、原因になり得る状況です。
自転車パーツの耐用年数は、永久ではありません。
モノである以上、いつかは劣化していき壊れてしまうもので・・
そしてもちろん現在、まさにそれが起きそうになっている可能性もあります。
そして劣化したパーツは、音を出してしまうことがあります。
たとえば劣化した金属に負荷をかけると、ギシギシと音を出すかもしれませんし・・
劣化したプラスチックを圧迫すれば、ミシミシときしむような音が出るかもしれません。
もちろん自転車パーツは、たくさんの負荷を受けることを想定して作られていますので・・
ちょっと使い続けたくらいで、いきなりバキッと折れて事故!みたいなレベルになるものでもないでしょう。
しかしそこまでのレベルではないけど、ちょっとヘタってきた。。くらいの劣化度合いなら普通に起きるはずです。
そしてパーツが劣化し、漕ぐとそこから音がしている状況では・・
基本的に、そのパーツを交換するしか無いものです。
劣化したパーツの劣化度合いを、復活させる方法なんて無いからですね。
なのでもし異音源と疑うパーツがあるなら、例えば予備パーツと交換してみる!といった対応は有効かもしれません。
「ホイールまわり」は、基本的に原因ではない
自転車を漕ぐと音がするとき・・
「ホイールまわり」は意外と、疑われやすい場所です。
走るときくるくる回る部分なので、ここかな?と感じやすいようですね。
しかし、あくまで「漕ぐと」音がする場合・・
基本的に、ホイールは原因ではないです。
なぜならホイールは漕いでいない間も回り続ける部分だからですね。
自転車はペダルを漕いでいない間も、進み続ける乗り物です。
なのでホイールは漕いでいない間も、もちろん回り続けています。
なのでもし異音の原因が、ホイールにある場合・・
漕いでいてもいなくても、進んでいる間じゅう音がすることになるのが自然です。
たとえば泥除けがタイヤに擦っている場合、漕いでいなくても自転車が進んでいれば音がするわけですね。
もちろん、現実にはいろいろなケースがありますので・・
実はホイールが原因だった!となる可能性もゼロではないでしょう。
とはいえあくまで「漕ぐときだけ」音がする場合、それがホイールから来ている可能性はとても低いと言えます。
駆動系「以外」の可能性もゼロではない
この記事では漕ぐと音がする原因は「駆動系」だ!と書いてきたのですが・・
異音問題というものは現実には、とても複雑で理解しづらいものだったりします。
なので漕ぐと音がすると思っていたけど、実は原因は駆動系ではない可能性もあったりします。
駆動系ではないパーツというのは、たとえばハンドルとかサドルとか、ブレーキワイヤーとか、そういった部分ということですね。
もちろんそういう場所から「漕いでいるときだけ音がする」というのは、おかしい面もあるのですが・・
しかし現実には「漕いでいるときだけハンドルに負荷が掛かっていた」みたいな理由で、そこから音が起きている可能性もゼロではないのです。
なので自転車を漕ぐと音がするとき、まずは駆動系を調べる!という方針は良いのですが・・
駆動系を調べ尽くしたけど異常はなかった、しかし音は消えずに鳴り続けている。。
そんな場合は駆動系「以外」も調べていくと、もしかしたら原因が見つかるかもしれません。
駆動系に限らない、自転車全体の異音診断の方法は、
上の記事で解説しています。
今回は自転車を漕ぐと音がする原因と直し方をテーマにお話ししました。