ギシギシ・・
カタカタ・・
チッ、チッ・・
そんな音が、ロードバイクなどの自転車で走っていて、
突然、自転車から聞こえてきたら、
とても気になると思います。
パーツが破損寸前であったりと、致命的なことが起きる予兆の可能性もありますし、
そうでなかったとしても、原因となる場所を特定し、
音を消したいところだと思います。
通常、完璧に整備された自転車であれば、
へんな異音がする、ということは無く・・・
程度の大小を問わず、なんらかの問題があるときに、音が鳴りはじめます。
特に多いのは、グリスで潤滑されているべき部分のグリスが切れて、
金属同士が直接擦れあっているときですね。
このときはギシギシと、耳障りな音が鳴ると思います。
それ以外に、チッチッ・・カッカッ・・のように、規則的な音が鳴ることがありますが、
これはホイールなどの駆動部分が、どこかに擦れていることが多いです。
パーツを締結するボルトが緩んでいる場合にも、異音が鳴ることはありますね。
それ以外にも、パーツが割れたりして破損しかけているときにも異音は出ますが、
これは稀でしょう。
やはり、原因としては、グリス切れによるものが最も多いと思われ、
その場合は、分解してグリスアップをすれば解決します。
しかし・・異音がしている「場所の特定」は、案外難しいものです。
走行中、音を注意深く聞いても、音がしている場所を正確に判断するのは、
なかなかできることではありません。
場合によっては、車体の前から音が聞こえていると思ったのに、
実は後ろから聞こえていた・・ということさえありえます。
このように、ふつうに耳を澄ませて場所を特定しようとしても、なかなかに難しいものなのですが・・
自転車に乗りながら、ペダルを回したり止めたり・・など、
「音が発生する条件」を探っていくことで、
意外と簡単に、音の発生源を絞り込むことができたりします。
以下、その方法をお伝えしていきます。
自転車の異音が、鳴っている「場所」を特定するテクニック
まず、一番簡単なのが、
「ペダルを回す・止める」による、原因の切り分けです。
ペダルを「回す」ときだけ音が鳴り、ペダルを止めると音も完全に止まる・・という場合は、
原因は、駆動系まわりに絞れます。
具体的には、ペダル、クランク、ボトムブラケット、チェーン、ギア、テンショナー・・あたりですね。
ペダルを回すときだけ音が鳴るのであれば、このあたりから疑って、整備してみるのがいいと思います。
ペダルを回すときだけ音が鳴るのであれば、
どちらの足で回したときに音が鳴るか・・と、確認しておきましょう。
もし、右足で回すときだけ音が出るなら、右のペダルやクランク、チェーンリングなど、右側についているパーツ・・
左足で回すときだけ音が出るなら、左側についているパーツが、原因となる可能性が上がります。
逆に、ペダルを「回さずに、惰性だけで走っている」ときに、
チッチッ・・や、カッカッ・・などと、規則的な音がする場合は、
原因は、ホイールまわりになってきます。
具体的には、ホイール自体、ハブ、スポーク、リム、タイヤあたりですね。
ホイール自体が歪んでフレームと干渉していたり、泥除けと干渉していたり・・といったこともありえます。
ホイールが原因か?と疑われたら、次に自転車を手で持ち上げて、ホイールを手で回してみましょう。
ホイールが回ることにより音が再現されるなら、原因は十中八九、「そのホイール」です。
前輪を回すと音が鳴るなら前輪、後輪を回すと音が鳴るなら後輪が原因、ですね。
次に、サドルから腰を上げて、立ちこぎをしてみましょう。
立ちこぎにより音が鳴らなくなり、サドルに座るとまた音が鳴り出す・・という場合は、
サドルまわりが原因の可能性が高いです。
具体的にはサドル自体、サドルレール、シートポスト、シートクランプ、シートチューブ・・といった場所ですね。
次に、ハンドルから手を離し、手放し運転をしてみましょう。
(当然ではありますが、まわりに人が居ない安全な場所で、じゅうぶんに気をつけて行ってください)
ハンドルから手を離すことで、音が鳴らなくなり、ハンドルを握るとまた音が鳴り出す場合は、
ハンドルまわりが原因の可能性が高いですね。
具体的にはハンドルバー、グリップ、ステム、コラムあたりです。
以上のことを試すと、異音が起きている場所がだいたい、絞りこめると思います。
場所が絞り込めたら、あとはその場所のパーツが破損していないか、などチェックを行い、
また異音を消すために、グリスアップが必要ならグリスアップを、
増し締めが必要なら増し締めを、パーツ交換の必要があれば交換を・・と、必要な対処を行っていきましょう。
例えば後輪(リアホイール)が原因と判断できたなら、リアホイールに絞った対処をさらに進めてみる、というのが有効でしょう。
たとえばリアホイールだけ交換してみて、音が消えるか確認してみる・・といったことですね。
・・・しかしながら、ここまでに説明した処置で、異音がすぐに消えることもあるのですが、
異音問題は、けっこう複雑となることも多く、
いろいろ試すけれど、なかなか異音が消えない・・というのも、よくあることです。。
最終的に、自転車屋などのプロにお任せするも、なかなか消えず、
ある日突然消え、その後ずっと異音は出ない・・なんていうケースも、よくあります。
パーツの破損は無いなど、致命的なことになっていないことだけ確定したら、
あとは、ある程度の異音は受け入れつきあっていく・・というのも、必要な考え方かもしれません。
以上、ご自身だけでできるだけ異音を解消する方法について、説明させていただきました。
異音はよくある問題ですが、意外と複雑で、なかなか消えないことも多く、
かなり長期間にわたっての、異音とのバトルを繰り広げざるを得ない場合もあります。
この記事があなたの、異音との戦いの、一助となってくれれば幸いです。