自転車からギシギシ異音がするときの解消法

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自転車の後輪まわり

たまの休みに、静かなサイクリングロードをゆったり走っていたら・・

「ギシ・・ギシ・・」

ん?何の音?どこから聞こえる??

 

・・自分の自転車から、異音がしてる!!

 

自転車がギシギシ音ときしみ音を出してしまうと、すごく気になるものです。

乗っている間じゅう、ずーっと聞こえてくるものですし・・

明らかに不自然な状態になりますので、イヤな感じがしますよね。

 

自転車から聞こえる変な音には、「カチカチ」「ガタガタ」「カラカラ」などいろいろあり得るのですが・・

「ギシギシ」というきしむような音は、異音としては最たるものだと思います。

表現を変えると「ギコギコ」「ギーギー」という呼び方もできるでしょう。

よく起きてしまう音だと思いますし、「気になる度」もとても高いですね。

 

そしてギシギシ音は「パーツ破損」といった、致命的なことの予兆の可能性もあります。

なので異音が出現してしまったら、聞こえてくるパーツをすぐに特定し・・

パーツを整備したり交換したりして、さくっと解決したいところです。

 

しかし・・ギシギシ言っているパーツを「特定」するのは、意外と難しいものです。

そして場所を特定できたとしても、どうすれば直せるか?が分からないと解決には届きません。

 

なのでこの記事では、自転車がギシギシと異音を出してしまったときはどう対処すればいい?

ここを解説していきます。

ギシギシ異音がする「原因」と、その対処法

ロードバイクやクロスバイクといった自転車が、ギシギシと異音を出した場合・・

その「原因」はもちろん、まず大事なところです。

原因がわかれば、対処できるからですね。

 

そしてギシギシ音がする原因を挙げると、

  • オイル・グリス切れ
  • パーツが緩んだ、もしくは締めすぎ
  • パーツの間に異物が入った
  • パーツが壊れかけている

こんな感じになってきます。

 

なので以下、それぞれの「原因」はどんなときに起きる?

それぞれの原因にを解消する「対処法」は?

これらを解説していきます。

オイル・グリス切れ

必要な部分のオイルやグリスが切れてしまった!

これがギシギシ異音の、恐らく一番よくある原因です。

 

自転車にはオイルやグリスが必要な部分が、たくさんあります。

たとえばブレーキレバーの可動部分とか、ペダルを締め込む部分とか、ボトムブラケットの内部とかですね。

そういった部分にはオイルを注入したり、グリスを封入したりするはずです。

 

そしてオイルやグリスのいちばん大きな目的は、「潤滑」です。

もともと金属パーツ同士というのは、うまく滑るようには出来ていませんので・・

金属同士の間にオイルやグリスが入ることで、スムーズに可動できるようになっています。

 

そして必要な部分の、オイルやグリスが切れている場合は・・

金属パーツ同士が、直接こすれ合うことになってしまいます。

そしてそのこすれ合いによって、ギシギシと耳障りな音がしてしまいます。

 

オイルやグリスは、たとえば雨によって流されたり・・

あまりにも時間がたつと乾燥したりして、減っていくものです。

特に「オイル」はグリスより減りが早いので、要注意ですね。

 

そしてオイルやグリスが切れた場合は、「再注入」が解決法となります。

オイルは「スプレータイプ」だと飛び散ってしまい、パーツに注入するにはあまり向きませんので・・

こういった「滴下できるボトルタイプ」のオイルがおすすめです。

 

グリスは例えば、

このシマノのプレミアムグリス(通称:デュラグリス)というものがド定番ですので・・

とりあえずこれを選んで、大きな間違いは無いと思います。

 

オイルやグリスを入手したら、

  • オイル:必要な場所に1-2滴、ぽたっと落とす
  • グリス:必要なパーツを分解し、内部に塗り込み、もしくは封入する

こういった対応をすれば、そこが異音の発生源だった場合は異音が消えると思います。

パーツが緩んだ、もしくは締めすぎ

パーツにわずかな「緩み」があって、微妙にグラグラ動いている・・

もしくは「締めすぎ」で、パーツに余分な負荷が掛かっている・・

こういった「締め付けの強さ」の異常も、ギシギシ異音の原因になります。

 

自転車ではパーツ同士は、「ボルト」によって締結されていますので・・

このボルトを締め付ける強さが、強すぎ or 弱すぎ、ということですね。

 

そしてボルトを締め付けるべき強さは、多くの場合であらかじめ決まっているのですが・・

手の力加減だけで正確な強さを再現するのは、よほど整備慣れしていない限り難しいものです。

 

なのでパーツの緩すぎ・締めすぎによる異音を防ごうと思うなら・・

トルクレンチ」を使っておくのが、いちばん確実だったりします。

トルクレンチを使えば誰でも簡単に、正確な強さを出せるからですね。

 

私自身がもうずっと使っていて、これが一番!と思うトルクレンチは、

上のものなのですが・・

 

もしパーツの緩すぎ・締めすぎによる異音を疑うのなら、トルクレンチで正確に締め直してみれば・・

本当にそこが原因だった場合は、それで異音はおさまると思います。

パーツの間に異物が入った

パーツ同士の隙間に、「異物」が入ってしまった・・

これもパーツからギシギシと異音がする、原因のひとつです。

 

自転車のパーツ同士の間には、わずかな隙間があります。

そしてその隙間に、例えば砂や小石といった異物が入ると・・

パーツが可動するときにヘンな摩擦を生み、ギシギシという音を出すことがあるのです。

 

隙間は小さいので、そうそう異物なんて入らないのでは?と思われる場合があるようですが・・

ロードバイクといった自転車は、砂利が浮いたような道を高速で走ることもあります。

そして何かの拍子に、飛んだ小石のひとつが勢いよく飛び込み、すぽっとハマる!

なんてことは、普通に起こりうることでしょう。

 

パーツ内に入った異物は、ブラシなどで外から掻き出せれば一番なのですが・・

それが無理な場合はいちどパーツを分解し、取り出すしかありません。

 

そしてもし異物が、ギシギシ異音の原因だった場合は・・

除去すればもちろん、異音はぴたっと収まるはずです。

パーツが壊れかけている

パーツが「壊れかけ」状態になっている場合・・

これも、そのパーツがギシギシと異音を生む場合があります。

 

自転車のパーツには、走っている間ずっと負荷が掛かるものです。

そして何年もの間、パーツを酷使したとすると・・

負荷がどんどん積み重なって、壊れかけ状態になることがあります。

 

壊れかけ状態になったパーツは、ほんのわずかな歪みやたわみを生み・・

そして、それがギシギシというきしみ音の原因となることがあるのです。

 

パーツが壊れかけといっても、そのパーツがぐわんぐわん歪んでいればすぐ分かるでしょうが・・

パーツは目に見えないところで、ほんのわずかに歪んでいたりするものです。

そしてその場合は目で見ても、そのパーツを使った自転車に乗っていても、なかなか分からないと思います。

 

なので壊れかけたパーツ自体が原因か?と思うなら、そのパーツを新しいものに交換し・・

それで異音がおさまれば、そこが原因だった可能性が高い!と言えるでしょう。

ギシギシ異音の「発生源」は、どのパーツ?

ギシギシという異音は、どのパーツから来ているの?

この「発生源」がどこか?はもちろん大事です。

発生源が分からないと、対処できないからですね。

 

しかしロードバイクやクロスバイクといった自転車は、さまざまなパーツから出来ているものです。

なので以下、ギシギシという異音の発生源にはどんなパーツが考えられる?

まずはその「候補」を、できるだけいろいろ挙げてみます。

ステム(ハンドルクランプ部分)

ステム(ハンドルクランプ部分)

ステムの、ハンドルバーを締め込む部分です。

 

ステム(フォークコラム部分)

ステム(フォークコラム部分)

ステムの、フォークコラムを締め込む部分です。

 

ヘッドパーツ

ヘッドパーツ部分

ヘッドパーツが、フォークコラムを把持している部分です。

 

サドルレール

サドルレール部分

サドルクランプにより、サドルレールを固定している部分です。

 

シートポスト

シートポスト部分

シートポストがフレームに挿入され、シートクランプで固定されている部分です。

 

ペダル締め込み部

ペダル締め込み部

ペダルがクランクに締め込まれている部分です。

 

ペダル軸

ペダル軸

ペダル本体の軸部分です。

 

クランク・ボトムブラケット締め込み部

クランク・ボトムブラケット締め込み部

クランクが、BB(ボトムブラケット)に対して締め込まれている部分です。

 

ボトムブラケット軸

ボトムブラケット軸

ボトムブラケット本体の軸部分です。

 

クランク・チェーンリング締め込み部

クランク・チェーンリング締め込み部

チェーンリングが、ボルトによってクランクに締め込まれている部分です。

 

ブレーキ装着部

ブレーキ装着部

ブレーキが、フレームに対し装着されている部分です。

 

ニップル

ニップル

ニップル

ホイールの、リムとスポークを接続するニップル部分です。

 

ホイールハブ

ホイールハブ

ホイールが回転する軸となるハブ部分です。

 

 

以上、ギシギシと異音がするときの、よくある発生源を挙げてみました。

他にも、候補となるパーツはあるかもしれませんが・・

自転車からギシギシ異音がするときは、これらのどれかに原因がある可能性は高いと思います。

ギシギシ異音の発生源を「特定」する

発生源の候補は分かったとして・・

じゃあ、実際にはどのパーツから音が出ているの?

ここを「特定」できなければ、直すことはできません。

 

しかしこの特定は、案外難しいものです。

走りながら、耳を澄ませて注意深く音を聴いても・・

発生源を正確に判断するのは、なかなかできることではありません。

 

そして、パーツをひとつひとつ点検していくのは大変すぎます。

どうしても発生源が分からない場合は、最終的にはそれをするしか無いかもしれませんが・・

できるだけ、ピンポイントで「ここ!」と発生源を特定したいところですよね。

 

そして発生源の特定には、発生源の「切り分け」が有効です。

以下、その方法を解説していきます。

「ペダルを回す・止める」で切り分け

まず一番簡単なのが「ペダルを回す・止める」による切り分けです。

ペダルを漕ぐとギシギシ音がする。そしてペダルを止めると音も止まる!

この場合は基本的に、異音源は「駆動系」に絞れます。

 

具体的には、

  • ペダルまわり
  • クランクまわり
  • ボトムブラケットまわり

こういったところに絞り込めるわけですね。

 

ペダルを踏み込むと、ペダルはこういった「駆動系」を動かします。

そしてペダルを回していない間は基本的に、駆動系に負荷は掛かりません。

なのでペダルを回す・回さないで音の出かたが変わる場合、原因は駆動系かも?と疑うことができるのです。

 

なのでもし、ペダルを回している間だけ音が聞こえる場合は・・

まずは駆動系を疑って、原因検索してみるのがおすすめです。

 

さらには、

  • 右足で回すときだけ音が出るなら、右側のパーツ
  • 左足で回すときだけ音が出るなら、左側のパーツ

絶対確実というわけではありませんが、こういう切り分け方も便利かもしれません。

 

ペダルを回している時だけ・・つまり漕いでいるときだけ音がするケースの対処法は、

自転車を漕いでいるとへんな音がして、漕ぐのをやめると音も止まるんだけど・・この原因と直し方は?ここを解説しています。

上の記事でより詳しく解説しています。

「ペダルを回さず、慣性で走る」で切り分け

次に、「ペダルを回さずに慣性で走っている時」だけギシギシ言う場合は・・

原因は「ホイールまわり」にある可能性が高まります。

具体的にはハブ、ニップルといった部分ですね。

 

ペダルを回さず、平坦な道を慣性で走っている状況では・・

負担が掛かるパーツは基本的に、ホイールだけになってきます。

なのでその状況で音が出るなら、それはホイールまわりが原因の可能性が高まります。

 

例えば「ギッ、ギッ、ギッ・・」みたいな規則的な音がする場合は、よりこの疑いが強まります。

ホイールは規則正しいリズムで、何度も何度も回転するものですので・・

その規則正しい回転にあわせて、異音が起きている可能性があるからですね。

「ホイールを手で回して」切り分け

ホイールが異音の原因か?と疑った場合は・・

さらに、自転車を持ち上げた状態にしてホイールを手で回すのがおすすめです。

それで音が再現されるのなら、異音源はほぼ確実に「そのホイール」となるからですね。

 

自転車を持ち上げてホイールを回した場合、稼働しているのはそのホイールだけです。

なのでそれで音がするのなら、そこが原因!と特定できます。

 

そしてこの場合、前輪だけ回して音が出るなら、前輪が原因!

後輪だけ音が出るなら、後輪が原因!

と、前輪と後輪の切り分けまで出来ることになります。

「立ちこぎ」で切り分け

「立ちこぎ」で走ることによっても、原因を切り分けることができます。

サドルからお尻を上げて、音が変わるか?ということですね。

 

もし、サドルからおしりを上げて立ちこぎすると、音が消える!

またサドルにおしりを預けると、音が復活する・・

この場合は「サドルまわり」に原因がある可能性が高まります。

具体的にはサドルレール、シートポスト、シートクランプ、シートチューブといった部分ですね。

 

自転車に乗っているあいだ、普通はサドルまわりに負荷が掛かっていますが・・

サドルからおしりを上げている間は、負荷はゼロになります。

なのでおしりを上げた状況でのみ音が消えるなら、原因はサドルまわりなのでは?と疑うことができます。

「手放し」で切り分け

「手放し運転」をすることでも立ちこぎ同様に、原因の切り分けができます。

 

つまり、ハンドルを握っている間は音がして、ハンドルから手を離すと音が消える場合・・

原因は「ハンドルまわり」にある、と分かるわけですね。

具体的にはハンドル、ステム、コラム、ヘッドパーツ・・といったパーツたちです。

 

普通の自転車に乗っている間は、ハンドルにも負荷が掛かりますが・・

手放しで乗れば、ハンドルへの負荷を消すことができます。

なのでそれで音が消えるなら、原因はハンドルまわりだ!と分かるわけですね。

 

言うまでもないことですが、手放し運転は周囲を確認し、危険は無い!と判断した時だけにしましょう。

 

 

もちろん、ここに書いた方法でうまく異音源が分からないこともあるでしょう。

異音問題というのはそれだけ複雑なもので・・

試行錯誤してもなかなか分からない!となることも多かったりします。

 

とはいえ、ここまでに書いてきた切り分け方法を使っていけば・・

原因はここでは?と疑い、優先的に検査することができます。

そしてすべてのパーツを点検していくより、そのほうがはるかに手間が少なくなるはずです。

なので異音源を調べるときは、切り分けによりチェックしていくのをおすすめします。

ギシギシ異音は「自転車ショップ」で直してもらえる?

自転車から、ギシギシ異音がしてくるとき・・

これを「自転車ショップ」に持ち込めば、直してもらうことはできる?

ここについても解説してみます。

 

そしてもちろん、直してもらえる見込みは高いと思います。

自転車ショップで働いているのは当然、自転車のプロですので・・

素人が自分でやるより遥かに、質の高いチェックをしてくれるはずだからですね。

 

しかしながら、

  • 安い工賃で
  • 短い時間で

さくっと解決してもらえるか?

となると、そこは違ってくるな・・と、これまでの経験から思います。

理由は、異音解消は、プロであっても難しい場合があるからです。

 

実際に私自身、自転車ショップでプロに異音解消をお願いしたことがあります。

その時は、異音源として疑われたクランクを交換してもらったのですが・・

それでも異音は収まらず、これ以上の処置をすると手間や工賃が膨れ上がるのでまずは様子を見ては?

そう提案され、そのまま使っていくといつの間にか収まった・・という経緯がありました。

 

これは、そのショップの人の腕が悪かった!とか言いたいわけではないです。

言いたいのはプロであっても、「このパーツが原因!」と簡単に分かったりするわけではなく・・

ひとつひとつのパーツを、手間を掛けて点検していくしか無いんだ、ということです。

 

そしてその場合、パーツをひとつひとつ分解掃除したり、交換したりしてチェックするしかありませんし・・

それだけの作業をしてもらうとなると当然、工賃も相当に高くなってしまいます。

最終的に「オーバーホール」と変わらない料金が掛かったとしても、不思議ではないでしょう。

 

もちろん、それでも依頼する!というのは個人の自由です。

そしてもちろん、場合によってはさくっと解決することもあるでしょうし・・

たっぷり時間を掛けてもらえば、最終的には解決するはずです。

 

しかしプロに依頼するときは、プロだからといって必ずしも、簡単にさくっと解決できるわけではないんだ!

ここは知っておくほうがスムーズに行くのではと思い、この章を書いてみました。

 

 

今回は自転車からギシギシ異音がするときの解消法をお話ししました。

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自転車通勤から自転車にハマった、いち自転車マニアです。

【年齢・性別】30歳台、男性

【生息地】九州のどこか

【自転車趣味歴】7年程度

【職業】
現在:企業の産業医
元:総合病院の内科医・研究員

【自転車乗りとしての特徴】
◇貧脚・ゆるポタ勢
◇折りたたみ自転車・輪行大好き
◇サイクリングロードマニア
◇フラットペダル派
◇好きな素材はクロモリ
◇ナビデバイスはガーミンウォッチ
◇全部自分で整備するマン
 
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