自転車のチェーンがガクッと滑る・・原因の「歯飛び」の直し方を解説!

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チェーンリングに掛かったチェーン

ある日突然、ペダルを踏もうとしたときに、
チェーンがギアの上で「ガクッ!」と滑る・・・

 

これまでは何ともなかったのに、突然こんな症状が出ると、びっくりしますよね。。

 

この「ガクッ」と滑る症状・・原因は「歯飛び」とか、もしくは「ギア飛び」「コマ飛び」とか言われるもので、
実はパーツが壊れているわけでもなんでもなく、
ただただ、いろいろな理由で、チェーンとギアの噛み合いが悪くなっているだけだったりします。

 

この記事では、「歯飛び」に対処する方法を、徹底的に解説していきます。

「歯飛び」って、なぜ起きるの?

ロードバイクなどの自転車の、チェーンとギアというものは、
チェーンの隙間にギアの歯が、一対一で噛み合うようになっています。

真上から見たチェーン

拡大したチェーン

上の画像のような感じですね。

 

チェーンもギアもそれぞれ規格が決まっていて、
ふつうは完璧に噛み合うので、ずれたりすることはないのですが・・・

 

なんらかの理由で、この噛み合いがわずかでもずれてしまったときに、
この「歯飛び」が起こります。

 

チェーンとギアとの固定が、ちゃんとできなくなってしまうので、
チェーンがギアの上で滑ってしまうのですね。

 

そして、この歯飛びへの対処法は・・・

①:パーツを「換えていない」のに、ある日いきなり起きるようになった

②:パーツを「換えた直後」から起きるようになった

このふたつのどちらなのか・・によって、大きく変わってきます。

以下、その2パターンに分けて解説していきたいと思います。

パーツを「換えていない」のに突然、歯飛びが起きるようになった場合

噛み合いが悪くなってしまう理由は、いろいろあるのですが・・・

 

これまでなんの問題もなく、特にパーツを換えたりしたわけでもなかったのに、
ある日突然、歯飛びがやたら起きるようになってきた・・

という場合には、チェーンの伸びが原因の可能性が高いです。

 

自転車のチェーンは、ペダルをこいでいる間ずっと負荷がかかり続けますので、
長い間使い続けていると、徐々に伸びていってしまいます。

 

すこし伸びたくらいでは、ギアとの噛み合いが悪くなることはないです。

しかし大きく伸びてしまうと、チェーンの隙間部分の形も変わってしまいますので、
噛み合いが悪くなって歯飛びが起きてしまいます。

 

伸びてしまったチェーンを、回復する手段といったものは無いですし、
このパターンの歯飛びは、使い続けたからといって勝手に直るものではないですので・・・

 

この場合の対処法としては、

チェーンを交換する

基本的には、これしかないです。

 

伸びてしまったチェーンは、歯飛びを起こしてしまう以外に、強度も下がってしまっていますので、
歯飛びを起こすほどに伸びてしまっている場合は、すぐに交換してしまうほうがいいでしょう。

 

チェーンの伸びは、「チェーンチェッカー」を使って測ることもできますが・・・

チェーンチェッカーもあくまで目安ですので、チェッカーでは問題なさそうでも、
実は、チェーンに疲労や負担がたまっている・・という可能性はあります。

チェーンは基本的に、高価なものではない消耗品ですので、
ある程度の期間乗っていて、チェーンの伸びを疑うような状況ならやっぱり、
交換してしまうほうが、おすすめです。

 

チェーン交換は、慣れていれば簡単なのですが・・・

チェーンカッターという専用工具や、
コネクティングピンもしくはミッシングリンクといった、専用アイテムが必要だったりするので、
自転車整備に慣れていないと、意外と手こずるかもしれません。

なので場合によっては、自転車屋に持ち込んで交換してもらってもいいのではないかと思います。

 

 

あとは、稀ですが、スプロケット・チェーンリングのほうが原因のことも、無いとはいえないです。

 

スプロケットやチェーンリングは、そうそう劣化したり、摩耗したりするものでもないはずですが・・・

 

もし、チェーンを交換してからそんなに経っていなくて、伸びの影響はまず無いだろう・・と思う場合や、

チェーンの伸びを疑ってチェーンを交換したのに、歯飛びがまったく直らない!という場合・・・

チェーンを受けるほうの、スプロケットやチェーンリングが原因かも・・と考えて、
そっちを交換などしてみる・・というのが、解決につながるかもしれません。

チェーンやギアを「交換した直後」に、歯飛びが起きるようになった場合

自分でチェーンや、チェーンリング、スプロケットといったギアを交換し、
その直後から、なぜか歯飛びが出まくる・・!というパターンもあります。

 

その自転車に最初からついているパーツと、まったく同じものだとまず起きないのですが、
違うパーツに交換したあとだと、起きやすいです。

 

この場合は、チェーンとギアの相性が悪いことが原因の可能性が高いです。

 

規格としては、問題なく対応するチェーンとギアだったとしても、
チェーンの隙間とギアの歯車との対応が、ほんのわずかにずれてしまっているのはよくあることです。

 

その場合、チェーンとギアが完璧には噛み合いませんので、
歯飛びが起きてしまうんですね。

 

そしてこの場合は、実は・・

使い続けていれば、勝手に直る

ことが多いです。

 

新しいパーツを装着したばかりのときは、わずかに相性が悪かったとしても・・・

チェーンは使うと少しずつ伸びますので、伸びる過程で、その相性の悪さはなくなってしまうのです。

そのためパーツ交換直後に歯飛びが頻発してしまう場合は、
まずは、直るまで乗り回す「慣らし」が有効です。

 

実際に私自身、自転車趣味を始めたばかりの頃に、
使っているロードバイクのチェーンを、ワンランク上のものに自分で換えてみたのですが・・・

その直後から、ガクッ!ガクッ!と何度も歯飛びを起こすようになり、
故障か!?と思って、あわてて自転車ショップに持ち込んだものです。

そしてその自転車ショップで「その状態ならひとまず、使い続ければ直るかもしれません」と教えてもらい、
その通りに、一週間ほど走りまくってみると・・

いつの間にか、自然と直っていた・・ということがありました。

 

 

そして、何日も「慣らし」ライドをしてみても、ぜんぜん歯飛びが直らない場合は・・・

そもそもチェーンとギアとの相性が致命的に悪い可能性があります。

 

まあ、そういうこともあるのです。。。

 

そういう場合は、そのチェーンとギアの組み合わせはNG!ということですので、
どちらかを他のパーツに変更してしまうしかないと思います。

 

それ以外のケースとしては、そもそも互換性が無いチェーンとギアを使っている・・という場合があると思います。

たとえば、10速用のギアに8速用のチェーンを使っているとか、そういう場合ですね。

 

その場合はもちろん、「歯飛び」が起きることもあるでしょうし、
そもそもまともにチェーンが掛からないこともあるでしょう。

もし間違って、互換性がないチェーンを使っているかも?と思ったら、
すぐに確認し、場合によっては正しいパーツに交換し直しましょう。

歯飛びを自分で直す!ための、具体的な方法

それでは具体的に、歯飛びを直すにはどうすればいいのでしょうか?

 

使っていれば勝手に直るパターンなら、特に何をするでもないのですが・・・

もし、自然には直らなかった場合は、
「チェーン」「スプロケット」「チェーンリング」のいずれかを交換するというのが、まず検討する対処法になるはずです。

チェーン交換

まず・・いちばん重要なのは「チェーン交換」ですね。

歯飛びがなかなか直らない場合はまず、これを試すことになると思います。

 

具体的な、チェーン交換の手順なのですが・・・

ここは、上の動画をご覧いただければと思います。
(サイクルベースあさひ さんの動画を引用しています)

道具としては・・

7速-12速に対応したチェーンカッター

まずはこういった「チェーンカッター」がひとつ必要なのと、
あとはチェーンに合った「コネクティングピン」が要りますね。

 

そして新しいものにする場合は、「チェーンそのもの」ももちろん、必要です。

しかしチェーンは、段数とかグレードとか見るべきところが多く、
探してみると意外に、どれを選べばいいか迷うものです。

なので・・・

新しいチェーンが欲しいとき、「互換性」などをちゃんと検討しながら選ぶ方法を解説しています。

チェーンの選び方については上の記事で書きましたので、よければ参考にしてみてください。

「スプロケット」や「チェーンリング」の交換

チェーンを交換しても直らない場合は・・

「スプロケット」もしくは「チェーンリング」を交換することになるはずです。

 

例えばチェーンリングの「寿命」が来て、チェーンをちゃんと保持できなくなった場合・・

チェーンが歯の上で滑って、歯飛びが起きてしまいますね。

 

「チェーンリングの寿命」や、時期がくるとどうなってしまうのか?といったところは、

チェーンリングって、いつ交換すればいい?交換時期・寿命の目安や、その考え方について解説しています。

上の記事で解説しています。

 

作業面においては、特にスプロケットの交換がすこし難しいですので・・

交換方法については、上の動画をご覧いただければと思います。
(こちらもサイクルベースあさひ さんの動画を引用しています)

 

そしてチェーンリングもスプロケットも、PCDとか歯数とか、対応段数とか・・見るべきところが多く、
Amazonを開いて選ぼうとしても、一体どれが合うのか・・と途方にくれてしまうことは、多いはずです。

なので・・・

新しいスプロケットが欲しいときの、選び方を解説しています。
新しいチェーンリングを調達するときの、選び方を詳しく解説しています。

それぞれ具体的な選び方のコツは、上の関連記事に書きましたのでよければ参考にしてみてください。

作業時には「正しいトルクで締める」を忘れずに

そして・・スプロケットやチェーンリングを整備するときは、締めるときの「正しい強さ」が決まっています。

「規定トルク」とか言われるものですね。

 

この締める強さは、破損やゆるみを防ぐのにすごく重要なのですが・・・
実はふつうに手で締めると、この「強さ」を正確に守るのはほぼ、無理なのです。。

なので私は締めるとき「トルクレンチ」を必ず使うようにしています。

例えば私は、このトルクレンチがいちばん優秀だと思い、これをずっと使っています。

 

自転車ショップでお願いしてしまうのなら、自分で持つ必要まではないのですが・・・

もしご自身で、スプロケットやチェーンリングにまで手を出そうとされるのであれば、
トルクレンチはいずれ必要になりますので、一本調達しておいてもいいのではないか・・と思います。

ショップで修理してもらうなら、修理費用はどのくらい?

それでは・・もし歯飛びを修理する必要がある場合、
「ショップでやってもらう」のなら、工賃はいくらくらいになるのでしょうか?

 

もちろん、ショップによって全然違ってくるでしょうが・・

やってもらう作業を「チェーン交換」「チェーンリング交換」「スプロケット交換」の場合として、「サイクルベースあさひ」さんの工賃を引用してみると、

  • チェーン交換:2,600円
  • チェーンリング交換:2,000円
  • スプロケット交換:1,500円

サイクルベースあさひ 工賃一覧より引用

工賃は、時期によって変わってくるかもしれませんが・・

この記事を書いている時点では、以上のようになります。

これ以外にももちろん、パーツを交換する必要がある場合は、そのパーツ代が掛かりますね。

 

この記事でもいろいろ書きはしたのですが、自転車はやはり「プロの目で直接見てもらう」と解決に近づいたりしますので・・

どうしても歯飛びが直らないのなら、もし必要なら修理してもらう前提で、
いちど自転車ショップのプロにチェックしてもらう・・というのも、選択肢のひとつになると思います。

 

 

以上、チェーンが「歯飛び」してしまう原因と、対処法について解説してみました。

 

対処法は基本的に、ロードバイクでもクロスバイクでもママチャリでも、たいていの自転車で同じになってくると思います。

 

歯飛びは、気になってしまうだけではなく、ペダルに力をかけた瞬間にこれが起きると、
体勢を崩しかねず危険でさえあります。

しかし歯飛びは、ちゃんとした対処をしてあげれば、けっこう簡単に直ることが多いですので、
いろいろと試してみては・・と思います。

 

今回は「歯飛び」の直し方をお話ししました。

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自転車通勤から自転車にハマった、いち自転車マニアです。

【年齢・性別】30歳台、男性

【よく乗るエリア】福岡まわり

【自転車趣味歴】9年くらい

【職業】
現在:企業の産業医
元:総合病院の内科医・研究員

【自転車乗りとしての特徴】
◇貧脚・ゆるポタ勢
◇折りたたみ自転車・輪行大好き
◇フラットペダル派
◇好きな素材はクロモリ
◇全部自分で整備するマン
◇いつかオランダに住んでみたい
 
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