もう何年も乗ってきたけど・・
自分の自転車、あと何年もつの?
買い替えるとしたら、いつ頃がいいの・・?
ロードバイクやクロスバイクを使っている方であれば、その「寿命」はどのくらいなのか?
ここは気になるところだと思います。
自分の自転車はもう危ないのか?とか、そろそろ新しい自転車に換えるほうがいいのか?とか、いろいろな判断に関わってきますよね。
そしてもちろん条件によって変わってくるので、何年!と一概に言えるものでもないのですが・・
耐用年数はだいたいこのくらい!という「目安」のようなものはあったりします。
なのでこの記事では「自転車の寿命はどのくらい?」について解説していきます。
目次
自転車の寿命は「フレームの寿命」
自転車のパーツは、いろいろあります。
ハンドル、ブレーキ、クランク、ペダル、チェーンリング、ディレイラーなどなど・・
そして自転車のパーツはすべて、壊れる可能性があります。
じゃあ、自転車のどこが壊れたら「自転車の寿命」なの?
「フレーム」、と考えるのが一番でしょう。
フレーム以外のすべてのパーツは、新しいものに交換することができます。
たとえばペダルに寿命が来て、バキッと割れて使えなくなったら・・
レンチですぽっと抜いて、新しいペダルに交換すればそれで元通り!です。
なので、ここでは寿命は来ないわけですね。
しかしフレームは「自転車の骨格」であり、そうはいきません。
もちろんフレームを外し、交換してしまうことも可能は可能ですが・・
すべてのパーツを外して組み替えることになり、それはもう「別の自転車に変わった」と言うべきでしょう。
というわけで、フレームに寿命が来て使えなくなってしまった。。
その時に「自転車の寿命」が来た、と言えます。
フレームがどうなったら、寿命なの?
自転車のフレームに寿命がくると、具体的にどんなことが起きるの?
どんなイベントをもって、「寿命」となるの?
フレームに寿命が来た!と言えるのは、
- フレームが致命的に「破損」した
- フレームとしての「性能」が激減した
この2通りでしょう。
フレームが致命的に「破損」した
フレームが明らかに、壊れてしまった場合・・
これはもう、わかりやすい寿命ですよね。
フレームの破損でいちばん大きいのは「破断」でしょう。
フレームの一部がぽっきり折れて、完全に離れてしまう状態ですね。
こうなるともはや乗るのは完全に無理で、それは即、自転車の寿命!と言えます。
破断まではいかなくとも、ヒビが入ったり割れたりしてしまう「クラック」も起こります。
クラックが入った自転車に、自分の体を預けよう!なんて、普通は思わないはずで・・
クラックを「直す」のも普通は、なかなか難しいです。
なのでこれもやっぱり、自転車の寿命と言っていいでしょう。
逆に、ダメージが致命的では「ない」例としては・・
たとえば表面がちょっとだけへこんだとか、少し削れたとかですね。
そのくらいなら大きな影響は無いはずですので、それは寿命とは言えない、ということになります。
フレームの破損は、落車してフレームを地面に激突させたりして起きることもありますし・・
もしくは何年も何年も乗って、すこしずつ強度が下がり続けて、ある日ぽっきり・・なんて場合もあります。
原因が何であれ、フレームが致命的なダメージを負ってしまった!
この場合はそれは自転車の寿命だ、と言えるでしょう。
フレームとしての「性能」が激減した
フレームが壊れたわけではないけど・・
フレームの、フレームとしての「性能」が落ちすぎてしまった。。
この場合も、フレームの寿命となることがあります。
フレームの性能低下って、具体的には?
自転車の寿命を語るときは、「剛性」の低下が問題になることが多いです。
剛性とは、ペダルを回したときのパワーがどのくらいちゃんと伝わるか?みたいなパラメーターです。
これが高ければ高いほど、エネルギーがロスなく自転車を進めてくれますし・・
あまりにも低いと「ぐにゃぐにゃ」した自転車になり、ぜんぜん進まなくなってしまいます。
そして剛性はフレームを長年使うと、下がっていくことがあります。
フレームが「へたる」と言われることもありますね。
そして剛性が許容範囲を超えて下がった場合、それを復活する方法なんてありませんので・・
それはもうフレームの寿命、ということになってきます。
とはいえ、剛性低下を「どのくらいまで許容できるか?」は人それぞれです。
たとえばロードバイクでタイムを縮めよう!としている人だと、少しの剛性低下も気になるものですし・・
逆に街中をふらふら乗るのがメインの私のようなライダーなら、多少剛性が下がっても問題ないものです。
とはいえ、フレームは物理的に壊れるだけでなく「性能低下」で寿命になることもある!
ここは考えに入れておいていいと思います。
アルミフレームの寿命はどのくらい?
ここからは「フレームの素材ごと」に、寿命はどのくらいなのか?を考えてみます。
現代のロードバイクやクロスバイクではほとんどの場合で、
- アルミニウム合金(以下、アルミ)
- カーボン
- クロムモリブデン鋼(以下、クロモリ)
のどれかの素材で作られていて・・
そして素材ごとに、どんなふうに寿命が来るか?が大きく違ってきます。
まずは素材「アルミ」からです。
現代では、初心者向けのロードバイク・クロスバイクはだいたいアルミ製ですので・・
自転車趣味を始めようとするほとんどの人は、まずアルミから入るものだと思います。
もしくはレース用ロードバイクでも一部、アルミのものがあったりしますね。
じゃあ「寿命」という視点から見て、アルミってどんな金属なの?
- 硬く頑丈で、衝撃や破損に強い
- ダメージが「蓄積」しやすく、ハードな使い方を続けると壊れやすい
という感じです。
アルミフレームの寿命についての詳しいところは、
上の記事で解説しているのですが・・
ざっくり言うと、アルミはダメージには強いです。
なので長く乗っているとどうしても起きてくる、「何かにぶつける」「地面に激突」といったイベントでは、そう簡単には壊れません。
しかしアルミフレームの特性として、小さなダメージも逃がせず蓄積してしまう、というものがあります。
なので振動とか衝撃とか、そういったダメージが長年積み重なってしまって・・
ある日突然限界を越え、寿命がくる!といった壊れ方をしやすいのです。
とはいえ、もちろん1年とかの蓄積で寿命がくるとか、そんなことはないです。
あくまで目安ですが・・
5年を越えると壊れる可能性がでてきて、10年も乗ればかなりリスキーになってくる
こんな感じの捉え方で、そう大きな間違いにはならないのでは・・と思います。
実際に私自身、この記事を書くにあたって、いろいろな自転車の破損事例を見てみたのですが・・
「長く使った後に壊れる」パターンは、やはりアルミ自転車で割合が高いように感じました。
なのでアルミフレームは長きにわたって、ずっとずっと乗り続けるフレームというよりは・・
「寿命」が来てしまったら乗り換える前提、という考え方の素材になるのではと思います。
カーボンフレームの寿命はどのくらい?
「カーボン」も、最近のロードバイク・クロスバイクではメジャーな素材です。
ちょっと高価なロードバイクで、よく使われていますよね。
特にハイエンドクラスのレース用ロードバイクだと、ほぼ100%がカーボンになっています。
そしてカーボンフレームの寿命は、この記事を書いている現在だと相当に長いようです。
カーボンフレームは「品質」に左右されやすいので、初期の頃はかなり脆かったようなのですが・・
現代では作製技術が上がってきて、もはや金属フレームと変わらないほどの寿命になっているようですね。
じゃあ何年持つ!と、一概にはなかなか言いにくいですが・・
5年以上とか10年以上とか、そのくらいのレベルの寿命があると考えてよさそうです。
じゃあ、カーボンフレームは寿命ですごく有利なの?となると、ここはちょっと違ってきます。
理由は、カーボンフレームは・・
- 「ダメージ」に弱い
- 「劣化」に弱い
と、こういった事情があるからですね。
まずカーボンフレームは、ぶつけたりといったダメージに弱いです。
これはもう検索すれば、ぶつけて割れた!という事例が山ほど出てくるでしょうし・・
そもそもカーボンという素材自体が、金属に比べると「破壊」に弱いと言われています。
そしてカーボンフレームは金属フレームに比べて、劣化しやすいと言われています。
たとえば「紫外線」に当て続けると、劣化し強度が落ちていく・・というのは有名なようですね。
現代ではコーティングなどにより、かなりましになっているようですが、ここもやっぱり無視はできない要素でしょう。
カーボンフレームは扱いがデリケート、と言われることは多いのですが・・
それは、このあたりの事情から来ているんだと思います。
頑丈な鉄柵にでもぶつけて、一発アウト!寿命!なんてことになりかねないわけですね。
じゃあ、カーボンフレームは寿命がきたらどうなるの?
寿命を伸ばすため、具体的にどんなことができる?
といった「カーボンフレームの寿命」にかかわる詳しいところは、
上の記事で解説しました。
クロモリフレームの寿命はどのくらい?
「クロモリ(クロムモリブデン鋼)」も、メジャーなフレーム素材のひとつです。
アルミ・カーボンに押されて、使う人がだいぶ減りはしたのですが・・
現代でもまだまだ、使う人の多い素材ですね。
ちなみに私自身、今はクロモリを愛用していたりします。
そして結論から言いますと、寿命ではクロモリが最強です。
もちろん、一概に言えない面もあるのですが・・
寿命においてアルミ・カーボンに遅れをとることは、まず無いと言えるでしょう。
クロモリはなぜ、寿命が長いと言えるの?
- 素材の「強度」が高い
- 大ダメージでも「変形」するだけで、破断しにくい
- 小さなダメージは「しなり」で受け流せる
こういった特性が、勢揃いしているからです。
クロモリの寿命については、
上の記事で、詳しいところまで書いているのですが・・
クロモリはまず、いちばん大事な素材そのものの「強度」が高いです。
なのでちょっとぶつけたくらいなら、ビクともしませんし・・
落車などでかなりの衝撃を与えても、そうそう壊れたりしないものです。
「鉄は頑丈なもの」というのは、一般的なイメージかと思われますが・・
まさに、そのイメージ通りですね。
鉄はやっぱり、硬いのです。
しかも、鉄でも耐え切れないくらいの大ダメージを受けたとしても・・
鉄は破断せず、変形するだけです。
自転車が乗っている最中に破断するのは、とてつもなくやばいですので・・
そう簡単には破断しない!というのは、寿命においてもプラス要素になります。
さらにクロモリには、衝撃を受け流せるという特性があります。
アルミは小さなダメージでも、どんどん蓄積してしまうと書きましたが・・
クロモリはここが逆で、走るときの振動くらいの小さなダメージなら、ゼロ同然にしてしまえるのです。
なので長年乗ることで、金属疲労が蓄積してしまって、ある日破断。。
そういったことが基本的には、起きないわけですね。
「クロモリは一生もの」とかよく言われるのですが、それはこのあたりが理由だと思います。
クロモリには「錆に弱い」というネックがあるのですが・・
錆対策さえちゃんとやっていれば、ほぼ永年、ずっと使い続けることができる!
というのがクロモリの寿命における、答えになってくると思います。
大事な要素:フレームの「重さ」
と、フレームの寿命をいちばん大事な要素、「素材」ごとにお話してみましたが・・
もちろん寿命は、素材だけで決まるわけではありません。
たとえばフレームの「重さ」も、寿命を変える要素です。
重いものほど頑丈!というのは、あらゆる物質における基本で・・
もちろん自転車のフレームでも、それは同じです。
つまり重いフレームであるほど寿命が長い、という意味ですね。
自転車には「重いフレーム」と「軽いフレーム」があります。
そして重いフレームのほうが基本的に、頑丈で寿命も長いです。
上で「クロモリ」は、寿命が長い素材だと書きましたが・・
世の中には「超軽量クロモリ」といったタイプのフレームもあります。
レース用カーボンフレームに迫るくらい、すごく軽く作ってあるクロモリフレームですね。
いくらクロモリでもそこまで軽いものは、長寿命!とはいきません。
少なくとも「重いクロモリ」に比べるとずっと脆く、壊れやすくなるものです。
もちろんこれはアルミフレームでも、カーボンフレームでも言えますね。
ロードバイクは軽く!軽く!となりがちなものですが・・
基本的に軽さは寿命を短くすると、ここも考えに入れておくのがおすすめです。
まとめると、フレームの寿命は大体このくらい
と、いろいろな面からフレーム寿命について書きましたが・・
寿命って要するにざっくり、どのくらいなの?
ここが気になるところかもしれません。
そして確実なことは言えないのを承知の上で、言い切ってしまうと・・
だいたい5年-10年くらい、といったところでしょう。
いろいろな情報を束ねると、やっぱり、大体そんな感じになってきます。
もちろん10年を越えるほど使っても、ビクともせず、えんえん使い続けられるケースもあると思います。
しかしやっぱり、破断などフレーム寿命の報告されるときは・・
5年以上は乗り続けられたフレームのことが多いな、というのが個人的な感想です。
もちろん自転車の耐用年数は、ちゃんとした統計をとれば分かるのでしょう。
平均何年くらい、中央値がどのくらい、フレーム別に違いはあるか・・など、それぞれ分かるはずです。
しかし現実には、個人が生活で使っているフレームの、いつ壊れたか?情報なんてまず集めきれないと思いますし・・
そもそも破断するような「寿命」まで使い続けられることのほうが、稀でしょう。
なので、ちゃんと統計をベースに「結論」を出すというのは、なかなか難しいものだと思います。
なので自転車の耐用年数を考えるときは、ざっくりと5年とか10年とかを軸に考えて・・
あとはクロモリだから自分の自転車は、ふつうよりはちょっと頑丈かな?
自分の自転車はフレームが軽めだから、寿命はちょっと短めかな?
そんな感じが現実に即した考え方なのかな、と思います。
「パーツ」の寿命は、こんな感じ
ここまで、自転車の寿命と言える「フレームの寿命」を軸にしてきましたが・・
ここでは「パーツの寿命」についても考えてみます。
上にも書いたように、自転車はパーツに寿命がきたとしても、交換すればいいだけです。
とはいえパーツを交換していくのも、手間やコストのかかることですので・・
多くのパーツに寿命がきたら、それを自転車の寿命としてしまうというのもひとつの考え方ですね。
例えばママチャリとかは、そっちのほうが一般的だと思います。
じゃあ、パーツはどのくらい経てば壊れるの?
もちろんパーツごとに違ってきますが、あえてまとめると・・
- 消耗パーツ:1-2年くらい
- 非消耗パーツ:5-10年くらい
こんな感じです。
ここで言う消耗パーツとは、消耗してしまい定期的な交換が必要なもので・・
タイヤ・チューブ・チェーン・ワイヤー類・バーテープ、といったものですね。
これらは全体的に1年か、もっても2年くらいで寿命がきて交換が必要・・となってくると思います。
そして非消耗パーツとは、定期的な交換が必要ないパーツのことです。
ハンドル・ステム・ペダル・クランク・シートポストなどなどですね。
これらは全体的に5年とか10年とか、そのくらい使えば寿命となってしまうと思います。
一般的に考える、自転車フレームの寿命と同じくらいですね。
つまりもし、パーツ交換や整備を一切しないのなら・・
自転車の寿命は、早ければ1年くらいで来ることになります。
「消耗パーツ」の寿命が来て、使えなくなってしまうわけですね。
たとえばチェーンがサビサビ・ボロボロになって、まともに回らなくなったり・・
ブレーキワイヤーが伸び切って、まともにブレーキが効かなくなったり・・
もしくはタイヤがボロボロになって、パンクばかりでまともに乗れなくなったり、という感じです。
繰り返しにはなりますが、こうなったとしても適切な整備をしてあげれば、自転車は復活します。
しかし本格的な整備を「しない」前提であれば・・
その場合の寿命は、そんな感じになってくるはずです。
今回は「自転車の寿命」をテーマにお話ししました。