折りたたみ自転車はすごく、便利です。
しかしやっぱり、「デメリット」もあります。
たとえば、折りたたみ自転車を買ってみようかな?と思ったとき・・
ロードバイクやクロスバイクなど他の自転車と比べて、悪い点はどんなところ?
デメリットはどのくらいの程度なの?許容範囲なの?
というのは、気になるところだと思います。
そしてもしデメリットを知らずに、折りたたみ自転車を買うと・・
こんな欠点があったのか。。うあー失敗した。。ロードバイク買えばよかった・・!
みたいな感じで、後悔することになりかねません。
私自身はこの記事を書いている時点で、折りたたみ自転車を7年間ほど使い倒しています。
そして折りたたみ自転車を選んで、まったく後悔はしていないのですが・・
ここはデメリットだなぁ・・とか、ダメポイントはここだったな、とか感じたところも正直あります。
なのでこの記事では「折りたたみ自転車のデメリット」って、何?
後悔するから、買ってはいけないの?
ここについて詳しくお話ししていきます。
目次
速度が落ちやすい
折りたたみ自転車を、ロードバイクやクロスバイクといった自転車と比べたとき・・
真っ先に思いつくデメリットは「スピードが落ちやすい」ことです。
折りたたみ自転車がロードバイクより遅い!というのは、イメージ的にもしっくりくるとは思いますが・・
もうちょっと具体的に言うと、ホイールが小さくて慣性が効きにくいのが遅い原因です。
自転車はいちど走り出すと、慣性で走り続けるわけですが・・
この慣性はホイールが大きいほど、強く・長く続くようになります。
小さいコマよりも大きいコマのほうが、長く回り続けるようなイメージですね。
そして折りたたみ自転車のホイールは、仮に18インチだとして、ロードバイクの「半分くらいの面積」となります。
なのでもちろん、慣性はかなり減ってしまい・・
「走り出してもすぐ止まってしまう」感じになってしまいます。
そしてスピードが落ちやすいと、最終的には「疲れやすさ」に繋がってしまいます。
走っている中で、スピードがどんどん落ちていくのなら・・
それをフォローして同じ速度で走るためには、ずっとエネルギーを使わなければいけないからですね。
そして疲れやすさは、さらに「走れる距離の短さ」に繋がります。
なので特にロングライドにおいて、不利になる。。
これが折りたたみ自転車のスピード的な要素における、デメリットです。
一方で、スピードに関しては朗報もあります。
- 「最高速度」は、そんなに変わらない
- 「加速性能」は、むしろ高い
「速度が落ちやすい」以外の要素は、こんな感じで悪くないです。
まず・・おもいっきりペダルを回したときの「最高速度」は意外と、ロードバイクなどとあまり変わらないです。
これは実際に、何度も比較計測してみての結論ですね。
ロードバイクでも折りたたみ自転車でも、思いっきり漕いだときの最高時速は同じくらいでした。
折りたたみ自転車は確かに、スピードが落ちやすいのですが・・
短時間だけの話となる「最高速度」については、そこは大したデメリットになりません。
さらには折りたたみ自転車でも「Birdy(BD-1)」や「DAHONのスピード重視モデル」といった、スピード重視系のタイプだと・・
その剛性といったスピード性能は、ロードバイクにもひけを取らなかったりします。
なので最高速度に関しては、折りたたみ自転車でも特別に後れをとることはないのです。
そして「加速性能」に関してはむしろ、折りたたみ自転車のほうが高いです。
折りたたみ自転車は「慣性」が効きにくい、と書きましたが・・
「加速」において、それはむしろ有利に働くからですね。
慣性が強い大型ホイールだと、それを速いスピードまでもっていくのに、大きなエネルギーが必要です。
そして慣性が弱い小型のホイールのほうが、スピードを上げるのはより簡単です。
なのでホイールが小さい折りたたみ自転車のほうが、加速は速かったりするのです。
加速力が高いと、たとえば「街中」といった、ストップアンドゴーが多い環境で有利です。
信号で止められたり、歩行者に遮られ止められたりしても、すぐにスピードを復帰できるからですね。
なので折りたたみ自転車は取り回しやすさもあいまって、街乗りにすごく強かったりします。
と、折りたたみ自転車の「スピード面」におけるデメリット・・
という視点から考えると、以上のようになってきます。
不安定
乗っているときに「不安定」で、フラフラ動いてしまいやすい・・
ここも折りたたみ自転車の、大きなデメリットとなってきます。
自転車の安定感はもちろん、高いほうがいいです。
全然ふらつかず走ってくれると、快適ですし・・
ふらつきのフォローに体力を使いませんので、「疲れ」にも関わってきます。
場合によっては「安全性」にさえ、影響してくる場合がありますね。
なぜ、折りたたみ自転車は不安定になるの?
- フライホイール効果が弱い
- ハンドルがクイック
理由は基本的に、この2つになってきます。
まず、折りたたみ自転車は「フライホイール効果」が弱いです。
ホイール効果は、円盤状のものが高速回転すると安定する、みたいな効果のことで・・
フリスビーが安定して飛んでいく効果が、それに近いと思います。
そして自転車のホイールは走行中、フライホイール効果を生み・・
自転車を「まっすぐ立て続ける」ようなエネルギーにより、安定させてくれます。
なので自転車はあんなに倒れやすそうな構造なのに、安定して走れるわけですね。
しかし折りたたみ自転車は、ホイールが小さいですので・・
そのぶんだけ、フライホイール効果が小さくなってしまいます。
そしてこれが、折りたたみ自転車が不安定になりやすい理由のひとつです。
「ハンドルがクイック」というのも、不安定になる理由です。
前述の「フライホイール効果」には、ハンドルを安定させる効果もあるのですが・・
折りたたみ自転車ではそれが弱かったり、ホイールが小さく軽かったりで、ハンドルがクイックに動いてしまうのです。
そしてハンドルがクイックだと、自転車全体も不安定になります。
どっしり安定してそう簡単に動かないハンドルと、ちょっとの力でカクッと動いてしまうハンドル・・
どちらのほうが自転車が安定するか?は、言うまでもないでしょう。
と、折りたたみ自転車はそういった理由で不安定になりやすいです。
そして不安定になると、乗り心地や疲れやすさに影響してくるわけですが・・
個人的にここは慣れれば何とかなるところだ、と感じました。
例えば私自身は、18インチくらいのホイールの「ブロンプトン」という折りたたみ自転車を使っています。
そしてこの自転車で、たとえば車道を走るときふらついて危ない!とか感じたことはありませんし・・
ぐらぐら動くので疲れやすすぎる!とか思ったことも、特にないです。
確かに「買ったばかり」の頃は、不安定さに苦労した覚えがあります。
しかし人間は慣れるもので、何年も乗り込んでいくうちに・・
体のほうが対応し、気にならなくなっていったのでは、と思います。
とはいえロードバイクやクロスバイクといった、フルサイズ自転車と比較すると・・
折りたたみ自転車は不安定、というのは確かなことです。
そしてここも、折りたたみ自転車の重要なデメリットだと言えるでしょう。
「折りたたみ機構」がトラブルを起こす
折りたたみ自転車には「折りたたみ機構」があります。
まあ、これは当然ですが・・
しかしこの折りたたみ機構が、トラブルを起こすことがある!というのもデメリットとなります。
例えば、折りたたみ機構は「異音」の原因になる可能性があります。
自転車がギシギシ言うときの異音源については、
上の記事でいろいろ解説しているのですが・・
自転車はハンドルの締め込み部分とか、ペダルの装着部分とか、あらゆる部分から異音が起きる可能性があります。
そして、それは折りたたみ機構も例外ではありません。
なので普通の自転車と比べ、折りたたみ機構があるぶん「異音源」が増えてしまう!
これも、折りたたみ自転車のデメリットになってきます。
もしくは・・折りたたみ機構が破損してしまう可能性もあります。
折りたたみ機構は通常フレームにあり、乗るときの負荷はがっつり掛かりますので・・
何年も乗っていくうちにダメージが積み重なり、ある日バキッ!・・とかの可能性が無いとは言えないわけですね。
それなりの値段がする高品質な折りたたみ自転車だと、コストを掛けて作られているぶん・・
折りたたみ部分の強度も、そこまで低くはなりにくいです。
どちらかというと「安い」折りたたみ自転車のほうが、折りたたみ機構トラブルが起きやすいと経験上は思います。
そして折りたたみ機構が破損すると、とても面倒な事態になります。
「折りたたみ機構の修理」なんて普通の自転車ショップでは、なかなか扱ってもらえませんので・・
その車種を扱っている折りたたみ自転車専門ショップへの依頼が、必要になるかもしれません。
そして、修理すれば済むならいいのですが・・
折りたたみ部分が破損し、事故につながってしまう!
可能性は低いでしょうが、そういうのもゼロとまでは言えません。
という感じで、「折りたたみ機構」がウィークポイントになってしまう!
これも折りたたみ自転車の、デメリットのひとつとなります。
高価
基本的に、値段が「高価」である・・
これも、折りたたみ自転車のデメリットのひとつです。
もちろん価格は製品によって、ピンキリなのですが・・
全体的に見て折りたたみ自転車は、クロスバイクなどの「非折りたたみ」と比べ高価になってきます。
すごくざっくりとした感覚ですが、同じくらいのグレードの自転車で1.5倍くらいの価格となるでしょうか。
なぜ、折りたたみ自転車は高価なの?
- 折りたたみ機構にお金が掛かる
- 特殊なパーツが多くなりがち
- ニッチなニーズに応えなければならない
このあたりが理由となるでしょう。
まず、折りたたみ自転車には折りたたみ機構が必要です。
そして車体に折りたたみ機構を備えるなら、そのぶんの費用が掛かってきますし・・
安全で使いやすい機構のための「開発費」のほうも、馬鹿にならないでしょう。
折りたたみ自転車には「特殊パーツ」も、多くなりがちなものです。
車体の構造がクロスバイクなどと違うため、パーツもちょっと変わったものを使わざるを得なくなり・・
そしてそれがコストに跳ね返ってくる、というのは少なくないことです。
そして「折りたたみ自転車」というカテゴリ自体がちょっとマニアックな、ニッチなものとなります。
そしてニッチであるぶん、ロードバイクやクロスバイクと比べ「大量生産」がしにくいため・・
そのぶん1台あたりの製造コストが上がり、すると価格も上がってしまいます。
値段が高いと、そのぶん手が出しにくくなってしまいますので・・
ここも折りたたみ自転車の、大きなデメリットとなってきます。
でも・・総合的にみて「問題ない」と思います
と、この記事では折りたたみ自転車のデメリットに焦点を絞って、いろいろツッコミを入れてきましたが・・
もちろん折りたたみ自転車はデメリットだらけの、ダメ自転車だ!ということではないです。
どんな自転車が合うか?は人によるものですが・・
- 折りたたみ自転車のデメリットが、気にならない!
- 折りたたみ自転車の「メリット」が、デメリットを覆す!
こんな場合なら、折りたたみ自転車がベストな選択だった!となる可能性もあります。
折りたたみ自転車の「メリット」については・・
上の記事で、詳しく解説しているのですが・・
具体的には「輪行が好きで、何度も繰り返す」とか、「輪行通勤での便利さを最優先する」とか・・
そういったニーズがあるなら、折りたたみ自転車は最高の選択肢になるかもしれません。
そしてデメリットも、気にならない人は気にならないものです。
すこしスピードが遅かったとしても、そこを追い求めていない人にとっては問題なかったりしますし・・
多少高価でも、折りたたみシステムにそれ以上の価値を感じるのなら、高いとは感じないものです。
という感じで最終的には、デメリットをちゃんと把握したうえで、許容範囲なのか?メリットと比べてどうなのか?
そう考えていくと、後悔のない折りたたみ自転車選びができるのでは・・と思います。
今回は折りたたみ自転車のデメリットをテーマにお話ししてみました。