フロントシングル化するときには、そのままだとフロントディレーラーがなくなります。
そしてそのままだとチェーンが落ちてしまいますので、対策が必要です。
対策の方法は、いくつかあると思うのですが・・・
「ナローワイドチェーンリング」を導入してみたら、予想よりずっと大きいメリットがありました。
目次
ナローワイドチェーンリングとは?メリットはこんな感じ!
ナローワイドチェーンリングというのは、下の画像のように、
「薄い」歯と「厚い」歯が、交互についているチェーンリングのことです。
ぱっと見でも、歯が、交互に違っているのが、おわかりいただけると思います。
上から見ると、もっと、わかりやすいと思います。
上の画像の、赤く注釈を入れたほうが「厚い」歯で、青く注釈を入れたほうが「薄い」歯です。
厚さの違いは、一目瞭然ですよね。
厚いほうは、歯の先端で比べると、薄いほうの2倍くらい分厚いのではないでしょうか。
この、「厚い」歯と「薄い」歯が交互についている構造によって、
ナローワイドチェーンリングは、ふつうのチェーンリングよりも、
圧倒的に「チェーン落ち」が起きにくくなっています。
チェーンは普通、ほんの少し・・・数ミリ程度でも横にズレると、
すぐに落ちてしまうものです。
これはもう、多くの方が体感でおわかりいただけることだと思います。
しかし、ナローワイドチェーンリングの場合・・・
ここから・・・
このくらいまで、ぐいっとチェーンを指で押しながらクランクを回しても、
チェーンが落ちることはありません。
(ちょっとわかりにくいかもしれませんが、普通はこのくらいわずかに動かしただけでも、チェーンはあっさりと落ちます)
まるでチェーンが、チェーンリングに向かって吸収されていくかのように、収束していきます。
ふつうのチェーンリングだと、チェーンが歯ひとつから抜けてしまえば、落ちてしまうものなのですが・・・
ナローワイドチェーンリングだと、その特殊構造により、
チェーンが歯「ふたつぶん」から同時に抜けないかぎり、落ちてしまわないとのことです。
それで、ここまで強力な脱落防止パワーが発揮できるんですね。
そして・・・普通のチェーンリングであれば、
ときどき、チェーンが落ちてしまうと思うのですが・・・
私は、ナローワイドチェーンリングに換えてからすでに2年ほど経つのですが、
チェーンが落ちてしまったことは、記憶する限り一度もありません。
しかも、私は同じ自転車で、タイヤだけを45cの太いタイヤに換えて、
マウンテンバイクのようなオフロードコースに行くこともあるのですが・・・
そういうガタガタ道を走るような状況では当然、ふつうにオンロードを走るときとは比較にならないくらいチェーンは落ちやすいのですが、
そんな状況でも、チェーンが落ちてしまうことはなかったです。
チェーン落ちを防ぐ方法として他には、チェーンカバーを使ったり、脱落防止ガイドを外付けしたりする方法もあるのですが、
「装備のシンプルさ」「チェーンの落ちにくさ」ともに、ナローワイドチェーンリングが最強だ、と思いました。
そしてさらに、ナローワイドチェーンリングには、
もうひとつのメリットがありました。
チェーンが落ちにくくなる以外に、一体、なんのメリットがあるの?
・・・と、思われるかもしれません。
まあ、もちろん、チェーンの落ちにくさに関係したことではあるのですが・・・
リアディレーラーを、チェーンラインが斜めになるところまでめいっぱい使えるようになった、というメリットがありました。
通常、リアディレーラーは、チェーンが斜めになるところまでは使わないものだと思います。
たとえば、リアディレイラーが10段だったとすると、
前ギアがアウターのときは、リアディレイラーは重いほう7段くらいまでしか使わないと思いますし、
前ギアがインナーのときは、使うリアディレイラーの幅は軽いほう7段くらいになると思います。
それ以上の幅でリアディレーラーを使うと、いわゆる「アウターロー」「インナーハイ」の状態になってしまい、
チェーンがやたらと斜めになってしまい、すぐにチェーンが落ちてしまいます。。
そのため、ギアが前2段で後ろ10段だとすれば「20段!」と言われるのですが、
実際に使えるのはそのうち14段くらいだったりするのです。。
しかし、ナローワイドチェーンリングであれば、
リアディレーラーをトップ・ローまで使いきって、チェーンがおもいっきり斜めになったとしても、
そのくらいではチェーンが落ちません。
そのため10段なら10段を、端から端まできっちり使い切ることができ・・
実質的な段数は、フロントダブルとあまり変わらなくなった・・ということが起きました。
私は、自転車を自分でメンテナンスするときに、
フロントディレーラーを扱うのが面倒で、フロントシングル化を決行したのですが・・・
そういった事情から結局は、フロントシングルにしたとしても、
スプロケットをワイドレシオにしたこともあって、変速幅にはほとんど困らなかったです。
もちろん、ナローワイドチェーンリングを装備すると、フロント変速はできなくなってしまいますので、
この方法は「フロントシングル化する」時のみ使える方法です。
おすすめのナローワイドチェーンリングは、これ!
チェーンリングはBCD、クランクアーム数、歯数などによって変わってくるので、
「これがおすすめ!」とひとつだけ紹介するのは、難しいのですが・・
例えば「Wolftooth」のチェーンリングは、このジャンルではド定番ですし、品質も良いと思いました。
例えば「シマノの4アーム・BCD110mmに対応」するものですと、これですね。
また、Wolftoothのチェーンリングはやや高価なのですが、
最近だとAmazonなどで、わりと手頃な価格で、ナローワイドの品が手に入ったりします。
例えば「レースフェイス」も、この領域の定番メーカーですので、
もし、お持ちの自転車が「BCD 110mm」「5アーム」という組み合わせなら、上のチェーンリングは良いと思います。
(歯数は、いくつかの選択肢があります)
また・・・
王道中の王道メーカー「シマノ」のナローワイドチェーンリングも、最近だとAmazonで買えたりしますので、
もしBCDやクランクアーム数がこのチェーンリングに合うのであれば、一考の価値はあると思います。
ナローワイドチェーンリングを使ったフロントシングル化は、実際にやってみるとなかなか優秀な方法でしたので、
もしフロントディレーラーのメンテナンスが面倒、自転車をもっとシンプルにしたい・・と思われるのであれば、試してみてはいかがでしょうか。