自転車は歩行者信号と車道の信号、どっちを見るべき?

このブログは広告リンクを含みます

交差点の信号

信号を守るべき!

これは自転車ならずとも、当たり前のことなのですが・・

 

「車道」の信号と「歩行者用」の信号、どっちを見ればいいの?

というのは、よくわからん・・となりがちなところです。

 

クルマならもちろん「車道」の信号です。

歩いているなら、歩道にある「歩行者用」の信号です。

ここはもちろん間違えようが無いと思います。

 

しかし自転車は、歩道を走ることも、車道を走ることもある乗り物ですので・・

歩道の信号が赤、車道の信号は青!

そんなとき「あれ?これ、どっちに従えばいいの??」となってしまいます。。

 

なのでこの記事では、自転車は歩道と車道、どっちの信号を見るべき?

ここを徹底解説していきます。

結論:自転車はこっちの信号を見るべき!

まず、結論からです。

自転車が見るべき信号は・・

  • 車道を走っているときは、車道の信号
  • 歩道を走っているときは、歩道の信号

となります。

 

そしてひとつ、例外として・・

「歩行者・自転車専用」つきの信号があるときは、必ずそれを見る

というのがあります。

歩行者自転車専用信号

こんな感じの、「歩行者・自転車専用」と書かれた信号があったら・・

車道を走っていても歩道を走っていても、必ずこれを見る!ということですね。

 

「歩行者・自転車専用」つきの信号は、歩道にある場合も車道にある場合もあるようで・・

なのでこれが歩道にあるなら、歩道側の信号を見る!

車道側にあるなら、車道側の信号を見る!ということになってきます。

 

「自転車が見るべき信号」にかかわるルールは、以上になります。

 

なので実際に、自転車で走る感じだと・・

信号を見たらまず「歩行者・自転車専用」の信号がついていないか?をチェックし、

  • 有る:なにも考えず、「歩行者・自転車専用」の信号に従う
  • 無い:車道を走ってるなら車道の信号を、歩道を走ってるなら歩道の信号を見る

以上!となります。

 

基本的には、これだけのルールを知っていれば・・

自転車はどっちの信号を見るべき?で迷うことはなくなると思います。

「よくある誤解」について解説

自転車と信号にかかわる「よくある誤解」として、

  • 自転車はとにかく車道側の信号に従う!
  • 自転車はとにかく歩道側の信号に従う!

この2種類があるのですが・・

これらはそれぞれ違う!というのは、ここまで書いてきた情報ではっきり分かると思います。

誤解①:自転車はとにかく車道側の信号に従う!

車道を走っている自転車は、どんな時でも車道側の信号を見る!

車道側の信号が青なら、何も考えずに突っ切っていい!

こう考える人はかなり多いのでは、と思います。

 

しかし「歩行者・自転車専用信号が歩道側にある」なら、それは違うことになってきます。

歩行者・自転車専用信号があるならそれに従うわけですので、もしこれが歩道側に設置されているなら・・

たとえ車道側を走っていても、歩道側のその信号を見ることになるからですね。

 

特にロードバイクなどに乗っていると、青信号をなにも考えずビューンと突っ走ってしまうことも多いのですが・・

それは間違いの元となり、もちろん危険の元となる可能性もでてきてしまいます。

なので自転車で車道の信号に差しかかるときは、突っ切る前にすばやく歩行者・自転車専用信号のチェックをするのをおすすめします。

誤解②:自転車はとにかく歩道側の信号に従う!

自転車は、とにかく歩行者用の信号を守れ!

これも自転車と信号にかかわる、とてもよくある勘違いなのではと思います。

ママチャリ大国たる日本では、自転車は「歩行者の一員」という固定観念が生まれるのかもしれません。

 

しかし、

車道を走っていて、歩道側に「歩行者・自転車専用信号」が無い

この条件を満たすときは、自転車は車道側の信号を守ることになります。

なので歩道側が赤でも車道側が青なら、バイクと同じように突っ切って良いわけですね。

 

ここが問題になりやすいのは自転車側が直進し、クルマ側が右折しようとしている「右直」の状況だと思いますが・・

クルマ側が「歩道の信号は赤だから、自転車は来ない」と勘違いしているケースもあるようで、本当に注意が必要です。

さすがに最近では、かなり稀ではあるでしょうが。

 

そして万一のことがある場合、たとえ相手に非があったとしても、より損をするのは残念ながら自転車側です。

なので私自身はそういう状況では、スピードを緩めてクルマの動きを見たり・・

右折車からできるだけ離れる走行ラインを取ったりして、自衛するようにしています。

自転車が見る信号の「法律的な根拠」とは

まずは、こうすればいい!という結論をお話ししましたが・・

それって本当?ちゃんと根拠あるの?

ここも気になるところかもしれませんので、解説していきます。

 

自転車が見る信号の、根拠となる「法律」については・・

警視庁リーフレットより抜粋

警視庁 正しい自転車の乗り方PDFより引用

警視庁が発行している、上のリーフレットにまとまっています。

 

内容的には、

信号は、対面する信号機に従わなければなりません。

「歩行者・自転車専用」と表示されている歩行者用信号機がある場合は、車道を通行する自転車も歩行者用信号機に従わなければなりません。

警視庁 正しい自転車の乗り方PDFより引用

と、これまで書いてきた内容に矛盾しないのではと思います。

 

そしてこれらの法律的な根拠は、

警視庁リーフレットより抜粋

警視庁 正しい自転車の乗り方PDFより引用 一部を強調して表示

こうあるように「道路交通法 第7条」と「道路交通法施行令 第2条」のふたつになってきます。

 

しかし「道路交通法 第7条」側の記述は、

道路交通法 第七条

道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等(前条第一項後段の場合においては、当該手信号等)に従わなければならない。

e-Gov法令検索 道路交通法より引用

これだけ・・つまり「信号に従わなければいけない」くらいの内容だけです。

そしてこれはまあ、当たり前のことですね。

 

ここでより大事になってくるのは・・

「道路交通法施行令 第2条」

圧倒的に、こっちのほうです。

 

「道路交通法施行令」へのリンクを、まず貼っておきます。

もし必要なら、実際に見ていただきたいですが・・

「道路交通法施行令 第2条」というのはかなり、長い条文になっています。

 

上で解説したことにかかわる、大事な部分だけ抜粋すると・・

道路交通法施行令 第二条

法第四条第四項に規定する信号機の表示する信号の種類及び意味は、次の表に掲げるとおりとし、同表の下欄に掲げる信号の意味は、それぞれ同表の上欄に掲げる信号を表示する信号機に対面する交通について表示されるものとする。

e-Gov法令検索 道路交通法施行令より引用 一部を強調表示

まずは「信号は、信号に対面する交通に対しての表示だ」となっています。

なので、車道を走っているなら車道、歩道を走っているなら歩道の信号を見るべき!

ここは、そういう捉え方をしていいのではと思います。

 

さらに・・

道路交通法施行令 第二条

4 公安委員会が、人の形の記号を有する青色の灯火、人の形の記号を有する青色の灯火の点滅又は人の形の記号を有する赤色の灯火の信号を表示する信号機について、当該信号機の信号が歩行者及び自転車に対して意味を表示するものである旨を内閣府令で定めるところにより表示した場合における当該信号の意味は、次の表の上欄に掲げる信号の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。

e-Gov法令検索 道路交通法施行令より引用 一部を強調表示

と、「歩行者・自転車専用」とか書かれているのなら、その意味に従いなさいよ!

そういう解釈になると思います。

 

と、ちょっとごちゃっとしてしまいましたが・・

ここまで書いてきたことには、こんな感じの法律的な根拠があったわけですね。

ここは歩道?車道?で迷ったら

と、「自転車と信号」にかかわるルールや法律は、こんな感じなわけですが・・

ここは歩道なの?それとも車道なの?

ここで迷ってしまうケースが、現実には結構あります。

 

都会のカッチリと区画整理された道なら、迷いはしませんが・・例えば、

田舎の道路

田舎の道路

特にこんな感じの「田舎の道路」だと、きっちり整備されていない道も多いものです。

 

なのでそういう道だと、歩道と車道の境目がよくわからなくなって・・

自分は今、歩道と車道のどっちに居るんだ?

どっちの信号を見ればいい状況なんだ??

と、迷うことになるわけですね。

 

一応、歩道と車道にはそれぞれ「法律上の定義」があります。

道路交通法 第二条

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

二 歩道 歩行者の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された道路の部分をいう。

三 車道 車両の通行の用に供するため縁石線若しくは柵その他これに類する工作物又は道路標示によつて区画された道路の部分をいう。

e-Gov法令検索 道路交通法より引用

と、道路交通法で決まっていて・・

  • 歩道は「歩行者の通行の用に供する」もの
  • 車道は「車両の通行の用に供する」もの
  • そしてそれぞれ、縁石とか柵とかで区画されているもの

条文は、こんな感じで読み取っていいのではと思います。

 

しかし現実にはその道路が、歩行者のためのものか?車両のためのものか?が微妙な場合もあります。

さらには現実には「区画されていない」道路も、いくらでも見つかります。

 

なので法律に解を求めたとしても、ここは歩道!車道!と確実に言えるような答えは見つからず・・

そのため、ここは歩道か車道かが微妙・・という前提で考えなければならない!

そういうケースも、現実には多くなってしまうと思われました。

 

 

微妙な場合にどうするか?のはっきりした答えは、私が探した限りでは見つかりませんでした。

なのでここからは、個人の意見となりますが・・

微妙な場合は「歩道」の信号に従っておくほうがいいのでは、と思います。

 

日本は、ロードバイクもそこそこ乗られているとはいえ・・

自転車の多くは「ママチャリ」です。

そしてママチャリはほとんどの場合で、歩道を走っているものです。

 

そしてクルマのほうも、自転車には「歩道を走る動き」を期待するものだと思います。

多くの人が、歩道を走るので・・まあ、そうなりますよね。

 

なので歩道と車道、どっちを軸に考えるべきか?と迷う状況では・・

「歩道」のほうを軸にした動きをしておくほうが無難では、と思います。

車道の信号は「二段階右折」なので注意

自転車で車道を走っている!

車道の信号は青!

そして「歩行者・自転車専用」の看板も無い!

こんな条件ではその信号は、クルマやバイクと同じように通過してOK!

 

確かに、それで大きな間違いではありません。

しかしクルマやバイクと違う、自転車特有のルールとして・・

自転車は「二段階右折」をするべき!があるので注意です。

 

二段階右折とは、

二段階右折

警視庁 正しい自転車の乗り方PDFより引用

この画像の「〇(マル)」側のように、二段階に分けて右折する方法ですね。

右折レーンを使うクルマやバイクの曲がり方とは、違う曲がり方です。

 

そして、自転車は二段階右折をするべきなのか?といったところに関しては、

自転車は二段階右折をするべき!面倒なのに・・なぜ?根拠や理由、しなかった場合のことなど解説してます。

上の記事で詳しく解説していますが・・

結論を言うと「自転車は必ず二段階右折しなければならない」、となっています。

 

なので、ついつい右折レーンで右折してしまうのはNG!

ここが注意ポイントとなるのです。

 

ちなみに原付バイク、つまり「原動機付自転車」も二段階右折が必要ですが・・

あっちは「必ず」必要というわけではなく、必要な場合がある、というだけです。

なので原付バイクと自転車も、実は違ってくるわけですね。

 

ロードバイクといった自転車で、車道をビュンビュン飛ばしているときは・・

まるでクルマやバイクにでも乗っているような感覚になって、走ってしまいがちなものです。

私も経験がありますが、すごいスピードが出るのでそういう感覚になってしまうんですよね。。

 

そして信号や交通ルールも、クルマやバイクと同じような感覚で考えてしまうかもしれませんが・・

信号における「右折のしかた」については、そういったエンジン付き車両とは明確に違います。

なので、ここで注意点として挙げてみました。

歩道から車道に飛び出す、はNG!

歩道と車道の信号について、ひとつ注意点を書いておきます。

歩道側の信号が赤、車道側の信号が青といった状況で・・

歩道から車道に飛び出すのはNG!ということです。

 

これは現実には、よくあるケースだと思います。

歩道を走っていて、横断歩道の赤信号に止められたけど、車道側の信号は青だ!

歩道では歩道の信号に、車道では車道の信号に従う・・

じゃあ、車道に出てしまえば青信号を進めるじゃん!という感じですね。

 

しかしながら、これはかなり危険な行動です。

なのでよほど交通量が少なく、絶対に大丈夫!と確信でもできない限りは・・

信号のために歩道から車道に出るのは、やめておくのがおすすめです。

 

なぜ、その行動が危険なの?

クルマから見ると、自転車が突然出現したように見えるからです。

 

クルマはずっと車道を走っている自転車なら、ちゃんと確認できます。

なのでしっかり車間距離をとって、確実に回避できますし・・

不意な動きもある程度までなら、まあ対応できるでしょう。

 

しかし「歩道に居る自転車」は、クルマからはなかなか意識できません。

なので車道が青信号だ!とばかりに、歩道からヒョイと飛び出してしまうと・・

クルマから見ると不意打ちのような形になり、避けようがなかったりするのです。

 

私自身、クルマと自転車の両方によく乗るのですが・・

自転車の歩道からの飛び出しは、事故のかなり大きいリスクになると感じます。

なのでクルマでも自転車でも、特に気をつけるようにしているところです。

 

といった理由で、自転車で歩道を走っていたのなら、あくまで歩道の信号が青になるまで待ち・・

青信号になっている「車道側」にさっと出てしまわないよう、気をつけておくのをおすすめします。

 

 

今回は自転車は歩道と車道、どっちの信号を見るべき?をテーマにお話ししました。

関連記事
乗り心地重視のロングライド向けサドル「サンマルコ リーガル」を徹底レビューしています。
前後の体重移動がしやすい優秀サドル「フィジーク アリオネ」を解説しています。
痛い!もう走れない!となりがちな「股擦れ」を防ぐための、コツやおすすめ製品など解説しています。
自転車の乗り方に関わるすべての記事を一覧します。

 

【SK11 デジタルトルクレンチ】
整備ミス防止の必須ツールです。

Amazon楽天

レビュー記事はこちら
 

運営者:じてまにドクター

 

海岸線沿いのブロンプトン

 
自転車通勤から自転車にハマった、いち自転車マニアです。

【年齢・性別】30歳台、男性

【よく乗るエリア】福岡まわり

【自転車趣味歴】9年くらい

【職業】
現在:企業の産業医
元:総合病院の内科医・研究員

【自転車乗りとしての特徴】
◇貧脚・ゆるポタ勢
◇折りたたみ自転車・輪行大好き
◇フラットペダル派
◇好きな素材はクロモリ
◇全部自分で整備するマン
◇いつかオランダに住んでみたい
 
詳しいプロフィール

TwitterInstagramPinterest
 

よく読まれている記事
サイト内検索
カテゴリー
テーマごと
特殊ページ
最近の投稿
最終更新日ごと

ページの先頭へ