長時間、ロードバイクなどの自転車に乗るとき・・
「股擦れ」を防ぐことはとても重要です。
何時間も自転車に乗っていると、
脚を動かすたびに、何千回、何万回とサドルと股が、こすれてしまいます。
なので少しずつ、股へのダメージが蓄積し・・
かなりひどい痛みが出てしまうことも多いものです。
体力的にはぜんぜん問題ないのに、股擦れがひどいがために、それ以上走れなくなる・・
というのも、よくあることのようです。
そして、そんなことが何度も続いてしまっては、自転車に乗りたくなくなってしまうかもしれません。
しかし股擦れは、工夫によってかなり防げるところだったりします。
なのでこの記事では、ロードバイクなどの自転車の股擦れ防止には、どんな方法が有効?
そんなところを解説していきます。
目次
「レーパン」の装備は、やっぱり王道
股擦れを防ぐためのベストアイテムは、なに?
となるとやっぱりレーパン(レーシングパンツ)が王道です。
上の画像のような、ロードバイク乗りがよく履いているものですね。
レーパンはロードレースといったレースでは、基本的にすべてのレーサーが身につけるものです。
一般人ライダーでも本格的に走る人は、多くが装備していますね。
レーパンは自転車専用なだけあって、すごく高性能です。
そしてそれは「股擦れを防ぐ」ということについても、同じです。
具体的には・・
- 分厚いクッションが、サドルとの擦れを防いでくれる
- 無駄な縫い目が無く、縫い目による擦れが問題にならない
- 肌に優しい材質で、肌との摩擦が起きにくい
そういったところが工夫されています。
なので、自転車に乗っていると股擦れがひどい・・!
そしてまだ、レーパンを入手していない!
その場合はとりあえず導入してみてもいいのでは、と思います。
レーパンにもいろいろな製品がありますが・・
とりあえず「パールイズミ」から選んでおけば、大きな間違いは無いのでは、
と個人的に思います。
パールイズミは自転車ウェア系の大御所とも言えるような、有名メーカーで・・
品質の良さには、なかなかの定評があります。
私自身、レーパンもその他のウェアも、多くをパールイズミで揃えています。
具体的には、
こういった「単体でも身につけられるタイプ」がありますし・・
もしくは、
こんな感じの「インナー特化バージョン」でもいいでしょう。
インナー特化バージョンだと、たとえばズボンの中などにも違和感なく履き込むことができます。
「無縫製タイプの下着」は、かなり有効
レーパンは確かに股擦れを防ぐのに、優秀なのですが・・
実生活で自転車に乗るときは、レーパンを使わないことも多いと思います。
具体的には、日常のちょっとした移動とか、片道10km程度の通勤とか・・
もしくは観光を兼ねた、まったり自転車旅・・とかいった状況です。
そういうときは人にもよりますが、レーパンを使わないことも多いと思います。
いわゆる「ピチピチもっこり」ファッションになってしまいますので・・
観光地で歩き回ったり、通勤したり、ちょっとショッピングモールに入ったり・・といった状況には、あまり向かないからですね。
そんな感じの、日常生活っぽい事もしながら自転車を使うのであれば・・
なんらかのズボンを履き、その下に普通のパンツ(下着)を履くことになると思います。
それでは、どのようなパンツを履くか、ということになるのですが・・
股擦れは「下着の縫い目と肌がこすれる」ことで起きる
というのは、大事な要素です。
下着は通常、肌に直接当たる部分に縫い目があるものです。
自転車に乗らず、普通に生活をするぶんには何の問題もないのですが・・
自転車に乗るときは、この縫い目が体重により肌にくいこみ、かつペダリングの動作で擦れます。
短距離の移動くらいならまだ良いのですが、ロングライドともなると何万回ものペダリングをすることも多いですので・・
擦れが強い場合、縫い目によるダメージはかなりのものになってしまいます。
痛いくらいならまだいいのですが・・
ロングライドや雨中走行になると、ふやけた皮膚に縫い目がこすれ続けることになります。
それが続くと・・皮膚が剥げてしまったりと、深刻なトラブルに発展してしまうことも少なくありません。
そして・・このような、パンツの縫い目によるトラブルを防ぐための便利アイテムが、
「無縫製」タイプの下着
なのです。
例えば、下に示すのはSmoonの「HONKI MAN」という製品です。
現在、私自身が常用している、無縫製タイプのトランクスですね。
(写真はそれぞれ、新品のものです)
このパンツは、サドルで圧迫され肌に触れるところに縫い目がいっさいありません。
そのため上記した、縫い目との擦れによるトラブルを防ぐことができます。
私は、縫い目との擦れによるトラブルにかなりの間悩まされていましたが・・
これを使い始めたところ、擦れによるトラブルはほぼ起きなくなりました。
必ずしもコレでなくとも、「無縫製」で、かつ品質の良いものであれば良いでしょう。
自転車に乗るときのパンツとして、レーパン以外の使うのであれば・・
「無縫製」タイプのパンツを使うと、縫い目とのこすれによるトラブルを予防することができるかもしれません。
股擦れしにくい「サドル」の工夫を
股擦れを防ぐためには「サドル」も、工夫のしどころです。
股擦れは「サドル」と「股」がこすれることで起こります。
なのでレーパンなどで、股の皮膚を守るのもいいのですが・・
「サドル」側も工夫はできるところで、こっちもけっこう有効なのです。
「滑り」が良いサドル
股擦れを防ぐためには・・
「滑りが良いサドル」を使う、というのは有効です。
股擦れは、サドルと皮膚の摩擦により起きますので・・
摩擦力が高いほど、起きやすくなるからですね。
滑るサドルと滑らないサドル、どっちが有利?といったところは、
上の記事で解説しているのですが・・
表面がスルスルすべる、摩擦力の低いサドルと・・
がっちりグリップする、摩擦力のサドルを比べると・・
摩擦力の低いサドルのほうが、股擦れに関しては有利!なのです。
滑りが良いサドルって、具体的にはどれ?
私がこれまで使ってきた中だと、
この「ブルックス B17スタンダード」が一番ですね。
ブルックスB17スタンダードは、ちょっと珍しい「革製」のサドルで・・
革表面がつるつる・すべすべの「滑りやすい」タイプのサドルです。
専用の革用オイルを塗り込むことで、さらに滑りを良くしたりもできますね。
私自身はこのサドルを現在、メインで使っているのですが・・
これを使うようにしてから、サドルとの擦れによる股擦れが気になることは、まったくなくなりました。
ブルックスB17スタンダードは、さらに「乗り心地」も飛び抜けていたり・・とかなり優秀です。
なので股擦れがひどくて、たぶんサドルとの摩擦によるな。。
そう思った場合はこういった、滑りやすいサドルを選ぶのが解決の糸口になるかもしれません。
「サドル幅」が小さいサドル
股擦れは「サドル幅が広すぎる」サドルでも起こります。
適切なサドル幅というのは、もちろん人によって変わってきますが・・
適切な幅よりも広すぎる場合、サドルは「内股」に当たってしまいます。
そうなるとサドルが内股に当たった状態で、何千回、何万回とペダリングをしますので・・
内股がズリズリ擦れまくって、いつの間にかひどい股擦れに。。
なんてことになります。
たとえば内股だけ、やたら真っ赤になる。。
ペダリングするたび、内股が痛い!
そんな場合は、サドル幅が原因の可能性が上がりますね。
なので自分の股擦れが、サドル幅の広すぎによるものかな?
そう思ったなら「幅が狭いサドル」への交換は、試す価値があります。
サドル幅が狭いサドルとしては、具体的には、
この「フィジーク アリオネ」は定番です。
このサドルは幅が狭いだけではなく「軽さ」「座りやすさ」といったところにも優れる、優秀サドルのひとつです。
サドル幅が広すぎて、股擦れが起きているかも。。
そう思った場合は、幅が狭めのサドルを検討する!
というのが有効かもしれないです。
「シャーミークリーム」で滑りを良く
肌にクリームを塗ることで、摩擦を良くする!
というのも有効です。
有名なのは「シャーミークリーム」ですね。
たとえば私自身は、上のものを使っています。
股擦れは皮膚同士がこすれ続けることでも、起こります。
なので適切なクリームを塗って、つるつるにして、摩擦力を下げれば・・
それで皮膚の負担はけっこう、減るものなのです。
走るたびに塗るのはけっこう、大変なので・・
ある程度以上のロングライドをするときだけ塗る、という方向だと負担が少ないかもしれません。
股擦れを起こしにくい「漕ぎ方」もある
ペダルの「漕ぎ方」も、股擦れを起こす原因です。
具体的には、極端な「内股漕ぎ」とかですね。
内股でペダルを漕ぐと、内股をサドルに押しつける形になりますので・・
その状態で何度も何度もこぐと、もちろん股擦れの原因になります。
じゃあ、どうすればいいか?
適度な外股気味の漕ぎ方を、試すといいと思います。
外股でペダルを漕げば、サドルとのこすれも起きにくいですし・・
肌同士が密着した状態で、こすれ続けるのも防げます。
なのでペダリングが内股すぎだな。。と思ったら、外股に修正すると良いかもです。
もちろん、外股にすればするほど良い!とかではないです。
いわゆる「ガニ股」と言われるところまで外股にすると、それはそれでペダリングしにくいですし・・
パワーもペダルに伝わらず、外側に逃げてしまいますよね。
なので外股になりすぎず、しかも股擦れも起きにくい!
という「ちょうどいい脚の方向」を見つけると、うまく股擦れを解決できると思います。
以上、今回は自転車で起きる「股擦れ」を防ぐ方法についてお話ししてみました。