ネジは、時計回りに回せば締まり、反時計回りに回せばゆるみます。
・・これは種類を問わず、ほとんどのネジでこうなっていると思います。
ニップルも、同じです。
そして、これさえ理解していれば、
ニップルを回す方向で悩むことはまず無くなります。
スポークには、ネジが切られていて・・
「ニップルを回す」というのは、そのネジに対してニップルを締め込んでいくことです。
ニップルレンチとかスポークレンチとか呼ばれる工具で、回していくわけですね。
たとえば、上の画像は一般的なホイールなのですが、
赤丸の部分にニップルがあります。
拡大すると、こんな感じなのですが・・・
この部分は、スポーク側のほうにネジが切られていて、
そこにニップルを締め込んでいくような構造になっています。
そのため、向こう側にスポークがある状態にすると、
こんな感じでネジがあるのと同じことになるのです。
こんな感じでネジがあるとイメージして、
これを時計回りに回せば締まり、反時計回りに回すとゆるむ、ということです。
上の画像のように、時計回りにニップルを回すと、
ニップルは締まっていきます。
上の画像のように、反時計回りにニップルを回すと、
ニップルはゆるんでいきます。
あくまで、「スポークを向こう側に置く」ことにだけ注意すれば、あとはふつうのネジと同じように、
時計回りにまわせば締まり、反時計回りにまわせば緩むことだけを考えればいいですので、
わかりやすいのではないかと思います。
回す方向がよくわからなくなったら、
一度、画像のようにスポークが向こう側にくるようにセッティングしなおしてから、
あとはふつうのネジと同じようにニップルを回すと、わかりやすいと思います。
基本的に上の方法で、迷ったり間違えたりすることはなくなると思うのですが・・・
注意するべきなのが、スポーク側ではなくリム側にネジが切られているホイールの存在です。
たとえばこのホイールは、SHIMANOの「WH-6800」というホイールなのですが・・・
このホイールは、リム側にネジが切られているホイールです。
ニップル部分を拡大すると、こんな感じなのですが・・・
このホイールの場合は画像における奥側、つまりリム側に、ネジが切られているのです。
そのためスポークではなく、「リム側」に向かって、締めたりゆるめたりすることになるのです。
ネジに置き換えると、こんな方向になります。
このネジを時計回りにまわせば締まり、反時計回りに回せばゆるむ、という関係ですね。
こういったホイールの場合は、上の画像のほうが時計回りになりますので、
上の画像の方向に回せば、ニップルは締まります。
そして、この方向が反時計回りになりますので、
この方向に回すとニップルはゆるみます。
最初に説明した、スポーク側にネジが切られているホイールとは、
真逆になるんですね。
私はこういうことを知らずに、いつもと同じように締めていたつもりが実はゆるめていて、
リムがいつの間にかがっつり変形していてすごく焦った・・ということがあります。
「リム側にネジが切られているホイール」はときどきあり、ニップルを回す方向が真逆になってしまいますので、注意が必要です。
逆にここにさえ注意すれば、ニップルを回す方向を間違えてしまう要素はほとんどなくなるのではないかと思います。
ホイールの振れ取りなどメンテナンスを、自分自身でするためには・・
ニップル回しによるスポークテンションの調整は、必須になってくると思います。
しかしニップルを回す方向は、意外に迷いやすいところです。
私も本やブログなどいろいろな情報を見たのですが、なかなかしっくりこず・・
どっちに回すんだ??など、整備するたびに迷っていました。
しかしこの記事で書いた考え方をするようにして、ここで悩むことはまったくなくなりました。
なのでもし、ホイールを整備するたびに、ニップルの締め方は?締める方向はどっち?となる場合は・・
参考にしていただければと思います。
この記事ではニップル回しの使い方を軸に解説しました。