振れ取り台がほしいけど・・・
「ミノウラのFT-1」って、どう?
使い方は?作業はしやすい?
安いけど、精度は大丈夫?
すぐ壊れたりしない・・?
私自身はもう7年ほど前に、ミノウラ FT-1を購入しました。
そしてホイールの振れ取りに、何度も、実際に活用しています。
そして・・「安いわりに優秀な、コスパのいい製品」
「個人の自転車整備」なら、これでOK!
そんな感想を持ちました。
この記事では、ミノウラのFT-1を詳しくレビューしていきます。
目次
「安かろう悪かろう」ではない
ミノウラのFT-1はわりと、安い製品です。
自転車ショップで使われているような振れ取り台は、3万円とか、5万円とか・・そのくらいの製品が多いです。
しかしミノウラ FT-1は1万円未満か、もしくは1万円をちょっと越えるくらいとか、そのくらいの値段で買えてしまいます。
もちろん大幅に安いものは、高いものに比べてなんらかのデメリットがあるわけですので・・・
FT-1は高価な振れ取り台にくらべて、耐久性が無いんじゃないの?とか、
もしくは精度が低いとか、作業がしにくいとかがあるんじゃないの?
と考えるのは、自然なことだと思います。
私自身、この振れ取り台を買う前は「安かろう悪かろう」じゃないかな?と思っていたのですが・・・
その後結局購入し、長年使ってみたあとの感想としては、
個人の自転車整備には、まったく問題ない性能がある
と思いました。
まず・・例えば高価な振れ取り台は、パーツのほとんどが「金属製」です。
しかし・・ミノウラFT-1はプラスチックが多用されています。
プラスチックは当然、鉄などの金属よりも弱いです。
なので使っているうちに割れたり、欠けたりして使い物にならなくなるのでは・・?
という不安は、もっともだと思います。
そして私自身が実際に使ってきた限りでは、7年のときを経ても、
振れ取りができなくなるような致命的な破損!というのは、ありませんでした。
いちおう一箇所だけ、割れてしまった場所はあります。
この、赤丸の部分ですね。
ここは左右の使わないほうの爪を、一時的に固定しておくための部分なのですが・・・
ここだけは使っていくうちに、左右とも、割れてしまいました。
しかし割れた状態でも、爪を固定することはいちおう出来ましたので、大きな問題にはならなかったです。
ここ以外には私が使ってきた限りでは、破損した部分はありませんでした。
もちろん、自転車ショップで毎日毎日、ホイール整備に酷使する・・といった目的なら、
最低でも3万円くらいの、フル金属製の振れ取り台のほうがいいと思います。
しかし、ホイールの振れ取りをするのは年に1回とか、数回とか、そのくらい・・・
そうであれば、このミノウラFT-1でも性能に不足は無いのでは、と思います。
最重要の「爪部分」はこんな感じ!
ミノウラ FT-1は実際に、どんなつくりの製品なのか?
まず、ホイールを付けた状態での外観はこんな感じですね。
そして・・・
まず、いちばん重要な構造がこの「爪部分」です。
実際に振れ取りをするときには、ここをホイールに当てて調整するわけですので、
このあたりがちゃんとした作りになっているか?使いやすいか?は、すごく重要です。
そして私としては、ここはじゅうぶんに使いやすく、問題ない・・と感じました。
まず、ホイールの「横振れ」を調整するためには、ホイールの側面から爪を当てます。
こんな感じですね。
そしてこの爪は、
こんな感じのダイヤルをくるくる回すことで、左右位置を調整することができます。
なので爪をホイールにぎりぎりまで近づけて、その状態でホイールを回すと、
歪んでいる部分がこの爪にシャリ・・シャリ・・と当たりますので、それで振れている部分がわかります。
横振れ以外にも「縦振れ」を調整するのですが・・・縦振れの調整には、
こんな感じの、金属パーツ部分を使います。
この金属パーツは、
この部分を手で回すと伸縮しますので、これをくるくる回して調整します。
そして、
こんな感じで、ホイールぎりぎりまで近づけてホイールを回せば、
振れている部分だけがシャリシャリと金属に当たりますので、振れがわかる・・という感じです。
振れ取り台でいちばん重要なこの「爪部分」に関して、このFT-1では全体的にプラスチック製なのですが・・
実際に何年も使ってみても、折れたりとか致命的なことは起きませんでしたし、もちろん肝心の爪の先端は金属製ですので、
「安かろう悪かろう」という作りの悪さは無いのでは・・と思いました。
全体的なつくりも、なかなかいい感じ
そしてこのFT-1は、プラスチック部分も多いのですが・・・
ホイールを支えるのに強度が必要な「ポール部分」はこの通り、金属製になっています。
そして振れ取り台は、手前側に重さが集まり不安定になりやすいものですが・・・
こんな感じで、支えるための「脚」を展開することができますので、ぐらつく・・とかは全然なかったです。
そしてホイールにはいろいろなサイズがあり、ロードバイクのいわゆる「700C」ホイールだけではなく、さまざまなホイールに対応してくれると嬉しいものですが・・・
この振れ取り台は、ホイールを支えるポールが可動式で、
ここから・・
ここまで開くので、さまざまな形のホイールに対応できます。
実際に私が使った限りだと、700Cはもちろんのこと、小さくて「18インチ」のホイールでも使うことができましたので、
まあ、たいていのサイズのホイールに対応してくれると思います。
と・・廉価な商品なのに、必要なところはちゃんと工夫してつくられているようで、
個人のホイール整備にはじゅうぶんな品なのでは・・と思いました。
「買わないほうがいい」のは、こんな人!
と、良い点ばかり挙げてはみましたが・・・
このFT-1を「買うのに向かない」場合も、あると思います。
例えば・・・
- 自転車ショップなどで、毎日のように酷使する
- 工具に「質感」「高級感」を求める
といった場合ですね。
FT-1は私のように、振れ取りといった作業は数ヶ月に1回するかしないか・・なんて場合は、まったく問題ない強度があると思います。
しかしショップのメカニックといったプロが、毎日毎日、いくつものホイールの整備に使い倒す・・なんて場合はおそらく、強度不足になると思います。
そういう場合は多少高くても、フル金属製の「ガチな」振れ取り台を買うことをおすすめします。
もうひとつは「質感」「高級感」を求める場合ですね。
FT-1にはお世辞にも、こういったものは無いと思います・・笑。
なので洗練された、質感の良い振れ取り台が欲しいのであればお金を出してでも、ハイグレードな製品を買っておくほうがいいと思います。
逆に言えば、向かないケースはこんなものだと思います。
繰り返しになりますが・・低コストで買える個人整備のための振れ取り台としては、間違いなく優秀なものだと思いますので、
用途さえ合うのなら、大きな間違いにはならないのでは・・と思います。
振れ取り台以外にも、これが必要になる
そして振れ取り台は、単体では働くことができません。
スポークテンションを測りながら作業をするための「スポークテンションメーター」・・・
そして実際に振れ取り操作をするための「ニップル回し」が、振れ取り台に加えて必要になってきます。
それぞれ、いろいろな製品があるのですが・・・
スポークテンションメーターとしては、
この「パークツール」製が、定番ですし、優秀だと思います。
スポークレンチとしては、
この「パークツール」製が、おすすめですね。
それぞれ私自身、振れ取り台のFT-1とセットでずっと使っているものですが、リーズナブルですしじゅうぶんな品質があると思います。
また、ホイールが「スルーアクスル」タイプの場合は、そのままでは装着できませんが・・
こういったアダプターを使うことで、対応させられる場合があるようです。
スルーアクスルにはいろいろなサイズ・規格がありますので、実際に合うか?は自身でご判断ください。
「振れ取りに必要な工具の全体像」については、
上の記事で解説しています。
今回はミノウラの振れ取り台、「FT-1」をレビューしてみました。