格闘家の足は、太いです。
ラグビー選手の足も、太いです。
ウェイトリフティング選手の足も、そりゃあもうぶっといです。
しかし・・
「ロードレーサーの足」は、意外と細いものです。
冒頭の画像のような感じですね。
ロードレーサーはもちろん、アスリートです。
毎日毎日、一般人では考えもつかないほどの運動をしているはずですし・・
特にプロレースレベルの「激坂を登る」ときの足への負担は、想像もしたくないほどキツそうです。
そんなにハードな負荷がかかっているのに・・
なぜ、ロードレーサーの脚は細いの?
この記事では、ここを徹底解明していきます。
目次
「太ももとふくらはぎの筋肉」が細いから
ロードレーサーの足が細い、いちばんの理由は・・
「太ももとふくらはぎの筋肉」が細いからです。
一般的に「鍛え抜かれた太い足」と言えば・・
こんな感じのイメージだと思います。
レスラーとかラグビーとかの「パワー系選手」は、だいたいこんな足をしていますよね。
そしてこういった太い足と、ロードレーサーの足とを比べてみると・・
こんな感じになります。
太さが違うのはもう、ぱっと見でわかるところですが・・
特に太ももとふくらはぎの筋肉の太さが違うのが、おわかりいただけるのではと思います。
太ももの筋肉は、正式には「大腿四頭筋」で・・
ふくらはぎの筋肉のほうは、正式には「下腿三頭筋」といいます。
これらの太さが違うわけですね。
どんな時にこれらの筋肉が太くなるのか?については、
上の記事で解説していますが・・
例えばこれらの筋肉は強い負荷がかかり続けたときに、太くなります。
なのでロードレーサーは大腿四頭筋や下腿三頭筋に、あまり強い負担が掛かっていないのかな?と考えることができます。
もちろん「足の太さ」には、筋肉以外にもいくつかの要素があります。
- 皮下脂肪
- 水分(むくみ)
- 骨
といった感じですね。
そして確かにロードレーサーの皮下脂肪は、とても薄いです。
しかしアスリートであれば何であれ、普通は皮下脂肪が少ないものですので・・
「ロードレーサーの」足が細い理由、にはなりにくいと思います。
むくみの有無といった「水分」も、大きな理由とは言えないでしょう。
レース中のロードレーサーの足はもちろん、むくんではいないのですが・・
これも他競技のアスリートも同じことですので、「ロードレーサーの」足が細い理由とは言いにくいです。
そして骨は、ロードレーサーの足の細さにはほとんど関係ないでしょう。
他の競技の人たちと比べて、ロードレーサーは足の骨が特別に細い!
なんてことは無いはずですので。
と、他の要素も検討してみましたが・・
ロードレーサーの足が細いいちばんの理由はやっぱり、太ももとふくらはぎの筋肉が細いから!
これになってくると思います。
じゃあ、ロードレーサーの太ももやふくらはぎの筋肉はなぜ細いの?
以下、ここをもっと深掘りしていきます。
「骨」をうまく使っているから
ロードレーサーの足の筋肉が、細い理由・・
ひとつめは「骨をうまく使っているから」です。
プロのロードレースで足にかかる負担は、すさまじいものです。
私のような素人だと、近所の山を登っただけで足がパンパンになりますし・・
アルプス山脈のような激坂エリアを、高速で走り回る・・というのはもう、一般人には想像もできないほどの負荷でしょう。
そして筋肉というのは、負荷が掛かるほどに太くなるものです。
重いダンベルを何度も持ち上げれば、腕は太くなりますし・・
「筋トレしてる人」の筋肉はほとんどの場合で、していない人より太くなっているはずです。
つまり・・
- 足には、凄まじい負荷がかかっている
- でも、筋肉にはそこまでの負担が掛かっていない
- なので、足が細いまま保たれている
という状態になっているのです。
筋肉にそこまでの負担が掛かっていないって・・
じゃあ、足のどこに負担が掛かっているの?
「骨」、と考えるのが自然でしょう。
足には筋肉、骨、皮膚、皮下脂肪、皮下水分、血管、神経などいろいろな要素がありますが・・
この中で「重さを支える」のに向く構造は、筋肉と骨の2種類です。
そして筋肉が、さほど大きな負担を受けていないとするなら・・
負荷を受けているのは消去法的に、骨ということになってきます。
足の骨の構造は・・
こんな感じですね。
中でも、重さを引き受けるのに向くのは「大腿骨」と「脛骨」の2種類です。
ふとももとスネの骨ですね。
そして「骨をうまく使う」というのは、武道などでも言われるコツなのですが・・
プロのロードレーサーたちは、これを高いレベルで実践できているんだと思います。
なので「骨」ですさまじい負荷を受け、骨はとんでもなく強靭になっているはずで・・
しかし筋肉はそこまで使っていないので細いまま、ということだと思います。
「持久力」に特化しているから
運動が「持久力」に特化している!
ここも、ロードレーサーの足が細い理由です。
ロードレーサーは確かに、足が細いことが多いです。
しかし、すべてのプロ自転車乗りの足が細いか?と言うと、そうではありません。
例えば「競輪選手」の足は、とても太いです。
KEIRIN.JPの該当ページより画像を引用
こんな感じで、特に太ももがパンパンですよね。
「競輪選手 足 太い」で画像検索すれば、もっと太い足も見られると思います。
そしてロードレーサーの中でも、足の太さには差があります。
例えば「スプリンター」という平地をすごいスピードで走るタイプは、足が太めになっていて・・
逆に「クライマー」という登りに特化した選手は、足が細いことが多いです。
じゃあ、足が太い自転車乗りと細い自転車乗りは、どんな要素が違うの?
「瞬発力」を重視しているか?でしょう。
競輪選手もスプリンターも、瞬発力を重視したタイプです。
ゴール前のような状況で、わずかな時間ですさまじいスピードを出す必要があり・・
なのでそのために、ぶっとい筋肉を身につけていくんだと思います。
逆にクライマーといったタイプは、「持久力」を重視したタイプで・・
短時間ですごいスピードを出す!といった「瞬発力」には、そこまで重きを置かれないようです。
なので「骨」を使うのが基本となり、筋肉はそこまでつかないのでしょう。
「速筋」は「遅筋」よりも太いというのも、大事な要素になりそうです。
瞬発力に向いた「速筋」は、パワーを出すために太く育つことが多く・・
持久力に向いた「遅筋」は、そこまで太くはならないことが多いものです。
なので競輪選手といった瞬発系の選手は、ぶっとい筋肉を備えるようになり・・
逆に持久系の自転車選手は、足が細くなりがちなんだと思います。
他の競技で言うと、速筋メインの短距離ランナーは足が太くなりがちで・・
遅筋メインとなるマラソンランナーの足は、かなり細いですよね。
という感じで、ロードレーサーの足が細い理由は「持久力を重視ししているから」で・・
持久力を重視するタイプになればなるほど、より足が細くなる!
こんな感じになってくると思います。
「体幹の筋肉」を使っているから
足の末端のほうではなく、「体幹」をメインで使っているから!
ここも、足が細くなる理由のひとつです。
「足の筋肉」でわかりやすいのは、太ももやふくらはぎなのですが・・
足を動かすために使える筋肉は、実は体のもっと「根っこ」のほうにもあります。
詳しくは、
上の記事で書いているのですが・・
「腸腰筋」や「大殿筋」といった、太ももよりさらに根っこ側にある筋肉ですね。
こういった筋肉は「体幹の筋肉」と呼ばれるのですが・・
強いパワーを出すためには、末端よりも体幹を使うべし!
これは、さまざまなスポーツで言われるコツだったりします。
なのでもちろん一流ロードレーサーといった人たちも、あまり末端に頼りすぎずに・・
体幹の筋肉もフルパワーで使う!ということをやっていると思われます。
そして体幹の筋肉を使うほど、末端は細く保たれるものです。
末端を使いすぎないわけなので、それはそうですよね。
といった理由で、ロードレーサーは腸腰筋や大殿筋といった、体幹の筋肉を使いこなしていて・・
なので大腿四頭筋といった末端の筋肉は、太くなりすぎず保たれている!
これもロードレーサーの足が細い、理由のひとつになってくると思います。
今回はロードレーサーの足が細い理由を考察してみました。