新しい自転車、何にしようかな?
ロードバイク?クロスバイク?折りたたみ自転車?
・・「グラベルロード」って、良さそうだなぁ。
でも・・
グラベルロードを買って、後悔する・・
そんなことは、無いの?
グラベルロードは最近かなり、人気の自転車ジャンルです。
ロードバイクのような「ドロップハンドル」でありながら、マウンテンバイクのような「太いタイヤ」を履いているのが特徴で・・
ロードのように前傾して速く走ることも、草地や砂地などのグラベルを走ることもできる!というタイプの自転車ですね。
しかし、このグラベルロードを選ぼうかな?となった時・・
ロードバイク・クロスバイク・マウンテンバイクといった、別のタイプの自転車のほうが良かった!と後悔することは無い?
というのは、気になるところだと思います。
私自身、いま持っている自転車の1台はこの「グラベルロード」タイプなのですが・・
このグラベルロードがどんな人に向くのか?
いらないのはどんな人か?デメリットはどんな感じなのか?
というのもある程度、わかってきました。
なのでこの記事では、グラベルロードのデメリットは?
後悔するとか、失敗だった!とかなるのは、どんな人?
そんなところを解説していきます。
目次
グラベルロードって、どんな自転車?
そもそも・・グラベルロードって、どんな感じの自転車なの?
グラベルロードはその名の通り、「グラベルを走れるロードバイク」といったタイプの自転車です。
グラベルバイク、と呼ばれることもありますね。
ロードバイクは普通、グラベル・・砂利道とか山道といった道・・を走ることはできません。
ロードバイクはご存知の通り、細くて薄いタイヤを、カンカンの高い空気圧にしますので・・
それでグラベルを走れば、硬いタイヤがやわらかい地面にめり込んでしまいますし、
タイヤが硬すぎて砂地といった場所では滑って、走るスピードも落ちてしまいます。
そして・・グラベルロードはそういった環境でも、うまく走れるように作られています。
タイヤは太く、ブロックタイヤなどといったパターン付きが多く、それを低い空気圧にして走ります。
なので泥道といったシビアな道でもしっかり、タイヤが地面をグリップしたり、衝撃をやわらげたりしてくれるのです。
そしてこういった特徴は、グラベルを走る人「以外」にも有利だったりします。
たとえばガタガタ道が多い通勤路を、衝撃を最小限にしながら、ラクに走り抜ける・・
そういった「一般の道での優秀さ」もグラベルロードは高く、
スピードが出るけど走りにくいロードバイクより、グラベルロードのほうがいいな・・という考えはけっこう持たれやすいのです。
日本は、キレイな自転車道が整備されている欧米に比べるとはるかに走りにくいですので、
そういう過酷な道でも、快適に走りたい・・
でもロードバイクのような見た目や、ドロップハンドルのロングライド能力といったものも欲しい・・
そういったニーズに、グラベルロードはベストマッチ!するんですね。
・・しかしもちろん、グラベルロードには良いところばかりではないです。
なのでちゃんと「デメリット」を知り、デメリットはあるけど許容範囲!問題ない!と確認してから選ぶ・・
そのほうがグラベルロードを選んだとして、後悔することは少なくなると思います。
デメリット①:タイヤが太い
グラベルロードの第一のデメリットは、タイヤが太いことです。
車種にもよりますが・・32Cとか、そのくらいの太さのことが多いです。
ロードバイクだと23Cが多いですので、太さにして、実に1.5倍に迫るくらいですね。
太いタイヤには上で挙げましたように、グラベルも走れるとか、衝撃のダメージが軽くなるといったメリットがありますが・・
それに対応したデメリットもあります。
いちばん目立つのはスピードが落ちる、というデメリットですね。
ロードバイクがスピードを出すために細いタイヤを使っている・・というのは、おそらく有名だと思いますが・・
そのタイヤを太くすればもちろん、走行抵抗が上がって遅くなります。
そして走行抵抗は自転車が速くなればなるほど、上がります。
なので、いつも速いスピードで、レースのような走行をする・・
というのであれば、太いタイヤによるスピード落ちが、かなりキツくなると思います。
一方で日頃、そこまでスピードを出しては走らない・・というのであれば、
グラベルロードくらいのタイヤの太さなら、たいした影響は無いです。
なので普通の通勤に使うとか、レースレベルの高速走行はまずしないとか・・
そんな感じならタイヤが太いことによる減速は、あまり実感しないのではないか・・と思います。
デメリット②:重い
デメリットのふたつめは・・シンプルに、「重い」ことですね。
例えばこの記事を書いている時点で、有名メーカー「ジャイアント」のラインナップを見てみると・・
ロードバイクの「TCR SL2」という廉価モデルで、カタログでの重さは「8.7kg」で・・
そして同じくらいの値段のグラベルロードの「REVOLT2」というモデルだと、重さはカタログ値で「10.2kg」です。
同じくらいの値段で比べてみても、1kgを軽く超える違いがあるわけですね。
そして重ければ重いほど、「加速の良さ」「上りのラクさ」といったところにハンデがでてきます。
なのでグラベルロードはロードバイクに対して、重さの面で不利!
というのが、デメリットのひとつになってきます。
なぜ、グラベルロードのほうが重くなるの?
ここは「太いタイヤ」「頑丈なフレーム」あたりが響いてくるのでしょう。
太いタイヤのほうが、より多くの材料を使いますので・・もちろん重くなります。
そしてグラベルロードは、グラベルも走れる「耐久性」を確保するために、ロードバイクよりは頑丈に・重めに作ってあることが多いです。
太いタイヤを履かせるための「タイヤクリアランス」を確保するための構造も、重さを少しは増すでしょう。
タイヤの太さも耐久性も、それぞれグラベルロードの「特徴」みたいなものなので、仕方ないといえば仕方ないのですが・・
グラベルロードを選ぶのなら、同ランクくらいのロードバイクと比べるとけっこう重くなるんだ!
と把握しておくと、後悔は少なくなるのでは・・と思います。
デメリット③:ハンドルがドロップハンドル
ハンドルがドロップハンドル・・というのも、デメリットになり得ます。
太いタイヤの、グラベルロードに近い車種には「クロスバイク」や「マウンテンバイク」がありますが・・
これらはそれぞれ「バーハンドル」タイプですね。
むしろグラベルロードがドロップハンドルなのが、特殊・・と言えるかもしれません。
そして「小回り性能」「衝撃の吸収性」といったものは、バーハンドルのほうが高いです。
これはもう、実際に乗り比べてみたことがあれば感覚でわかるところでしょうし・・
実際に、そういったものが極限まで求められる「マウンテンバイク」でバーハンドルが使われていることからも、そうですよね。
そしてグラベルロードではバーハンドルではなく、ドロップハンドルを使っていますので・・
ひらひらと小回りしたり、段差の衝撃をやわらかく吸収したりといった性能は、劣ってしまう・・
というのが、デメリットになります。
逆にドロップハンドルの良さって、なに?
これはロングライドでの疲れにくさが、一番だと思います。
握る場所を何通りにも変えられるので、いろいろと姿勢を変えてダメージを分散させられるわけですね。
なのでグラベルロードは日常的に使うのなら、「長距離を乗っても疲れにくい」のが一番のメリットになってきます。
ドロップハンドルだと「スピード」が上がるのでは?と思われるかもしれませんが・・
残念ながらここは、大差は出にくいです。
特に、空気抵抗が問題になるほどでもない「一般人レベルのスピード」だと、差はわずかになりますね。
・・と、グラベルロードを選ぶのなら、ハンドルに小回りなどには向かない「ドロップハンドル」が採用されているんだ・・
というのをちゃんと考えておくと、失敗した!となる可能性は減るのでは・・と思います。
それでも、グラベルロードは魅力的!と思う理由
ここまで、あえてデメリットを挙げまくってみました。
しかし、グラベルロードはデメリットだらけの、ダメ自転車!!
もちろん、そういうわけではないです。
グラベルロードにはちゃんと、「グラベルロードならではの魅力」がありますので・・
それがデメリットを越えるのならもちろん、グラベルロードが良い!となると思います。
グラベルロードならではの魅力って、なに?
「乗り心地に特化」した、「ロードバイク」であること
だと思います。
グラベルロードはあくまで、ロードバイクです。
グラベル「ロード」はロードバイクのことなので、それはそうですね。
そしてロードバイクには、さまざまなタイプがあります。
レースに特化した、軽さ・加速を最優先したタイプ・・
ロングライドにも有利な、バランスタイプ・・
そして耐久ライドにも耐えられるほどの乗り心地を目指した、「エンデュランスロード」タイプ・・といったものもあります。
「エンデュランスロード」については、この記事に詳しく書いたのですが・・
ロードバイクの中でも「乗り心地」を優先し、長時間のライドもラクにこなせるようにした・・と、そういったタイプの自転車ですね。
そして・・グラベルロードはエンデュランスロードよりも、さらに乗り心地に特化したような自転車になります。
グラベルロードは一般的に、エンデュランスロードよりもさらにタイヤが太いですし・・
フレームなどの構造も、オフロードさえ走れるほどに「衝撃吸収」といったものを重視し作られているからですね。
なので・・
「ロードバイク」が欲しい!
でも・・なによりも「乗り心地」を優先する!
そんな場合に、グラベルロードはベストマッチ!すると思います。
例えば、長い通勤を、できるだけ疲れずにクリアしたいとか・・
もしくはスピードはまったく要らないから、快適なライドを実現したい!とか。
具体的には、そういう場合ですね。
実際、32Cを越えるほどのタイヤがあるグラベルロードは・・
段差だらけの日本の歩道でも、なんの障害も無いほどスムーズに走り抜けることができます。
もともと、さらにシビアな林道や砂地にも対応できるわけなので、当然かもしれませんね。
もっと、さらに乗り心地に特化した自転車には「マウンテンバイク」があります。
あっちは、さらにものすごく太いタイヤだったり、サスペンション付きフレームがあったりして、
「乗り心地」はさらにレベルアップしていることが多いのですが・・
あくまで「バーハンドル」タイプの自転車になってしまいますので、
「ドロップハンドル」の、ロードバイクタイプの自転車が欲しい!・・となると、違ってきてしまいます。
なので、とにかく「乗り心地」「安定感」に特化したロードバイクが欲しい!
というのであれば、数あるロードバイクのタイプの中でも・・
「グラベルロード」が一番の選択肢になるのでは、と思います。
「グラベル」や「オフロード」での性能はどう?
ここまで一般道中心の、いわゆる「普通の」使い方について書いてみましたが・・
グラベルロードは本来、森の中の荒れた道・・といった「グラベル」を走るためのものです。
なのでもちろん「グラベルまで行って、グラベルに入って楽しむ」こともできます。
そして同じように、グラベルやオフロードを走れる自転車には・・
「マウンテンバイク」や「シクロクロス」といった他の自転車もあります。
では・・グラベルロードはそういった自転車たちと比べて、グラベル・オフロードでの性能はどうでしょう?
答えは・・
「ちょっとした砂利道」とかだと、すごく走りやすい
木の根っこだらけみたいな「ガチオフロード」だと、かなり厳しい
いろいろ走ってみて、個人的にはこんな感想でした。
なぜ、こんな感じになるのか?
注目ポイントは2点・・
②:ハンドルが「ドロップハンドル」
です。
グラベルロードは基本的に、サスペンションが無いです。
なのでマウンテンバイクなどの、サスペンション有りの自転車と比べると、
どうしてもオフロードにおける「衝撃吸収性」とかいったものは下がります。
そして「ドロップハンドル」は直進に向いた、ロードレース用のハンドルですので・・
やばいガタガタ道だとどうしても、スムーズに走りにくくなるのです。。
とはいえちょっとした砂利道くらいなら、そこまでガチなオフロード走破能力は無くても大丈夫ですので、
そうなるとサスペンション無しによる剛性とか、ドロップハンドルによるスピードとかが活きてくる・・
と、そんな感じです。
まあ、「グラベルロード」の名の通りの性能ですね。
グラベルロードの「グラベルやオフロードにおける性能」は、そんな感じだと思いました。
グラベルロードの選び方や、具体的な選択肢は?
グラベルロードは、どういう探し方をすればいい?
グラベルロードの、具体的な選択肢は?
・・まずは正攻法で、有名メーカーが「グラベルロード」として発売しているものから探すのがいいと思います。
たとえばこの記事を書いている時点で、ロードバイクの有名メーカーといえば・・
「ジャイアント」「トレック」「キャノンデール」
このあたりは、鉄板なのではないか・・と思います。
なので「ジャイアント グラベルロード」「トレック グラベルロード」とかで検索すれば・・
その時点での、各社のグラベルロードが分かると思います。
例えばこの記事を書いている時点だと、ジャイアントだと「REVOLT」、
トレックだと「CHECKPOINT」、そしてキャノンデールだと「Topstone」というシリーズが、グラベルロードとして売られているようですね。
それ以外だと・・グラベル系自転車をメインとしているメーカーから探す、というのも良いと思います。
例えば、グラベル系のクロモリ自転車がメインとなっている「SURLY」というメーカーがあり・・
ここだと「ストラグラー」というタイプが、グラベルロードですね。
もしくは「アラヤ」というメーカーも、そういった方向性だと思われ・・
ここだと「マディフォックス」というタイプが、グラベルロードとして売られているようです。
グラベルロードを探したい!見つけたい!
というのであれば、そういった探し方で大きな間違いはないのでは・・と思います。
自転車本体の仕様選びとしては、グラベルロードは特に「フロントシングル」に向くという事情があります。
どんな視点から向くと言えるのか?については、
上の記事で解説しているのですが・・
例えばフロントシングルには「ナローワイド」チェーンリングを使うことで、チェーン落ちを防げるという長所があります。
これは振動や段差が多い、オフロード自転車で特に有利となる要素ですね。
そして実際にグラベルロードは、フロントシングル仕様になっている完成車も多いです。
なのでフロントシングルに魅力を感じるなら、グラベルロードはフロントシングルから選んでみる・・というのも選択肢になると思います。
今回はグラベルロードを買うと後悔するのか?を軸に、デメリットなどお話ししてみました。