自転車のチェーンが切れた!!
なかなか起きることはない、「レア」なトラブルではあります。
私は経験したことがありませんし・・
おそらくこの記事を訪れた方でも、切れたことがある!という方は少ないでしょう。
とはいえ起こってしまうと、その場でいきなり自走不能になる!
という深刻なトラブルでもあります。
直し方とか対処法とか、知っておくほうがいいようなものですね。
なのでこの記事では、チェーン切れが起きたらどう直せばいいの?
起こる確率は、どのくらいなの?
起きるのをできるだけ防ぐ方法は?
そういった疑問に答えていきます。
目次
チェーンって、具体的にどう切れるの?
自転車のチェーンが切れる!と言うけど・・
具体的には、どうなるの?
チェーンが切れると言うと、
こんな感じの「鎖」が、ぶちっ!と切れる感じをイメージするかもしれません。
しかし自転車のチェーンの切れ方は、ちょっと違ってきます。
自転車のチェーンが切れるというのは、正確には、
赤丸をつけた「ピン部分」が壊れてしまうことを言います。
赤丸をつけた部分の中には、
こんな感じの「ピン」が入っています。
(画像のものは「新しく接続する用」で、もとからチェーンに入っているものはもっとシンプルな外観ですが)
そしてこれが、チェーンのプレート同士をつなぎ留めていて・・
これがバキッ!といくと、プレート同士が外れてしまい、チェーンが切れる!
という感じですね。
一方で、チェーンにはこんな感じの「プレート部分」も有るわけですが・・
このプレートが金属疲労などで、真ん中から千切れてしまう!というのは、ほとんど起きないようです。
ピン部分とプレート部分とでは、ピン部分のほうがずっと脆いからですね。
と、いうわけで・・
自転車のチェーンが切れるとは、ピン部分が壊れてしまうという意味!ということになります。
なので、直すときには・・
ピンが壊れてしまったのを、何とかする!が必要になるわけです。
それでは・・実際にチェーン切れが起きたら、具体的にどうすればいいの?
以下、ここを解説していきます。
チェーン切れを「自分で」直す方法
自転車で走っていて・・突然、チェーンが切れた!
その場合はもちろん、直さなければいけないです。
そしてその手順は、「チェーン交換」の時とほとんど同じになります。
チェーン交換には、最後に「チェーンを繋ぐ」作業がありますが・・
それをそのままやればいい、ということですね。
チェーンが切れた状態というのは、単純に「ピンがひとつ外れている」のと同じことですので・・
それをぱちっ、と繋ぎなおせばOKなのです。
手順としては、具体的にどうするの?
ここは、
上の動画を見ていただくのが、一番だと思います。
(「サイクルベースあさひ」さんの動画を引用しています)
動画では、チェーン交換の全工程が紹介されていますが・・
「チェーンを繋ぐ」作業だけをやるわけですね。
全体的な流れも参考になると思うので、動画はすべて見てもいいと思います。
チェーンを繋ぐために、モノとしてはなにが必要?
「チェーンカッター」と「コネクティングピン」
このふたつが必要です。
チェーンカッターは、こういったものが定番ですね。
カッターという名前ですが、これにはチェーンを「繋ぐ」役割もあり、これを使って接続します。
コネクティングピンのほうは、「コネクティングピン」でAmazonを検索し・・
自分のチェーンに合った「変速段数」のものを選べばOKです。
たとえば11速の変速機を使っているなら、商品説明に「11速」「11S」とか書いてあるものから選ぶわけですね。
コネクティングピンは、変速段数が違うと使えないので、ここは重要です。
これら2種類のモノを揃え、上のチェーン繋ぎ解説動画を見れば・・
おそらく問題なく、切れたチェーンを直せるはずです。
自転車ショップで直してもらえる?値段は?
チェーン切れは、自分で直してもいいですが・・
ショップで直してもらうという選択肢もあります。
チェーン切れを直すのは、作業自体は簡単ですが・・
自転車いじりに慣れていないと、チェーンが絡まったり、ヘンな場所に通してしまったり・・
など、トラブルのもとになることもあり得ます。
なのでお金を払って、ショップで確実に直してもらう!
というのももちろん、アリな選択ですね。
では・・ショップで直してもらった場合は、いくらかかるの?
ここはもちろん、ショップによって違ってきますが・・
たとえば、ポピュラーなショップの「サイクルベースあさひ」だと、
「チェーン交換」で、工賃は2,600円とのことでした。
(値段は、時期などで変わってくるかもしれません)
チェーン切れ直しは、チェーン交換そのものに比べると工程が少ないので・・
これよりは少し安くなるかもしれません。
この値段に加えて、修理に使う「コネクティングピン代」も掛かるはずです。
ここはチェーンの種類にもよりますが、1本200-300円といったところかな、と思います。
作業そのものは、特に難しいものでもありませんので・・
おそらく数分、長くても十数分もあれば終わるのでは?と思います。
(ここは完全に予想ですが・・)
もちろん先約があったりすれば、そっちが優先なので、もっと長い時間がかかりますが。
と、チェーン切れをショップで直してもらうと、そんな感じになるかなと思います。
起きたときの「対処法」はある?
実際に、道をロードバイクで走っていて・・
バキッ!・・チェーンが切れてしまった!!
そんなときの「対処法」も考えてみます。
ペダルを回すパワーが、自転車をちゃんと走らせるためには、チェーンが必須です。
なのでチェーンが切れた時点で、ペダルを回して進むことは不可能になります。
じゃあ、どうするか?
思いつく選択肢は、
②:押して歩く
③:「ケンケン」で進む
④:その場に駐輪し、離脱する
という感じです。
①:その場でチェーンをつなぐ
もし、「チェーンをつなぐ工具」と「チェーンをつなぐ技術」を持ち合わせていれば・・
その場で、パンク修理のように、チェーンを繋いでしまうことも可能です。
チェーンをつなぐのは作業自体は、パンク修理より工程も少なく・・
パンク修理より、ずっと簡単に終わる場合もあるでしょう。
しかし、その場で修理するためには当然、チェーンをつなぐ工具を持っている必要があります。
最低限だと「チェーンカッターとコネクティングピン」の2つですね。
特にチェーンカッターは、ある程度かさばるものですし・・
またチェーン切れは、起きる確率が低いトラブルです。
なのでチェーンが切れたとき、たまたま直せる工具を持っていた!となる可能性は低くなりそうです。
とはいえもちろん、たまたま装備が揃っていた!という場合は・・
その場で修理してしまうのが、いちばんスマートに解決できる選択肢になります。
②:押して歩く
自転車が、走らなくなってしまったなら・・
「押して歩く」のが、基本的な対処法ですね。
パンクと違って、タイヤに異常は無いはずですので・・
スムーズに押して歩けるはずです。
どこまで押して歩けばいいの?
「自転車ショップ」「自分の家」「駅」といったところでしょう。
「自転車ショップ」までたどり着ければ、修理を依頼できますので、そこで解決できます。
「自分の家」に着いても、自分でゆっくり直せますし、少なくとも自転車を保管することができます。
そして「駅」にたどり着ければ、「輪行」が使えるとき限定ですが・・
自転車ショップがある場所まで簡単に移動できますので、解決するはずです。
と、チェーンが切れてしまった場合は「自転車ショップ」「自分の家」「駅」を目標に、押し歩きで移動する!
というのも選択肢のひとつになります。
③:「ケンケン」で進む
チェーンによる動力が使えないなら・・
「ケンケン」で進む、という方法もあります。
ケンケンで進むというのは、片足をペダルに乗せて・・
キックボードのように、もう片足で地面を蹴って進む!という方法です。
ある程度慣れが必要ではありますが、ケンケンでも「ホイールの転がり」はフルに活かせますので・・
道によっては、押し歩きよりずっと速かったりするのです。
ブレーキも活きているはずですので、止まることも普通にできるはずです。
もちろんケンケンで車道を走るのは危ないので、歩道限定にはなってきます。
しかし、もし歩道がキレイで走りやすいのなら・・
目的地まで「ケンケン」で移動するのも、意外と有効かもしれません。
④:その場に駐輪し、離脱する
チェーンが切れた自転車を、その場に駐輪し、自分だけ離脱する!
というのもアリだと思います。
盗難などできないような頑丈な鍵で、その場に地球ロックし・・
歩いたりタクシーを呼んだりで、いったんその場から離れて・・
後日、またその場所に戻ってきて自転車を回収する、ということですね。
これは例えば、チェーンが切れたのが「夜」だったりするとき、特に有効です。
その場で修理したり、重い自転車を押して歩いたりすると、危ないですので・・
その日は離脱してしまい、後日、昼間の活動しやすい時間帯に戻ってくる、という感じです。
とはいえこれをやるには、「頑丈な鍵」が必須です。
細いワイヤーロックあたりで施錠し、長時間離脱したりすれば・・
それはもう、盗難リスクは上がってしまいますよね。。
たとえば私自身は、
上の記事で解説している「クリプトナイト エボリューション ミニ 7」というU字ロックを常用していますが・・
コレくらい頑丈な鍵なら、ちょっと離脱するくらいなら、まったく問題ないのでは・・と思います。
チェーンが切れたときの「対処法」について、思いついたことを挙げてみました。
起きる確率は「パンクの0.04倍」
そんなチェーン切れが「起きる確率」って、どのくらいなの?
パンクが起きる確率と比べると、だいたい0.04倍です。
つまり25分の1、ですね。
どこから来た数字やねん!と思われるでしょうから、根拠についてお話ししますと・・
書籍「行かずに死ねるか!(著者:石田ゆうすけ)」より引用
これは7年かけて、自転車で世界一周をした人の著書にあった「トラブルの回数記録」です。
見ていただくとわかるように、7年かけて9万km以上を走り、
起きたパンクの回数が184回、そして起きたチェーン切れの回数は8回、ですね。
そして単純にチェーン切れの回数をパンクの回数で割れば、0.04倍です。
もちろんこの「一台ぶん」の記録だけから、確実なことが言えるわけではないです。
当然、ベストなのは複数の記録を集めて、統計的に解析する・・という方法です。
とはいえ自転車乗りたちのチェーン切れを集めたデータ・・なんてものは無いはずですので、
このあたりが判断材料としては、現実的にはいちばん良いものなのでは・・と思います。
世界一周という環境と、ロードバイク乗りが普通に走る環境は違う!というのもあるのですが・・・
まあ、ここも仕方がないところだと思います。
さらにこの画像からは、他のことも読み取れます。
ざっくりと、チェーン切れが9万kmで、8回起きているわけなので・・・
チェーン切れは1万kmで1回くらい起きる・・ということになります。
まあ、かなり少ない確率ではありますね。
もちろん、ここも確実なことまでは言えない・・というのは、言うまでもありません。
と、チェーン切れはかなりレアなトラブルなんだけど、
パンクの数十分の一くらいの確率では起きるんだな・・と、ざっくり、そんな把握でいいと思います。
チェーン切れを防ぐには、どうしたらいい?
と、チェーン切れはレアながらも、できれば起きてほしくないものなわけですが・・・
これを「防ぐ」ためには、どうすればいいんでしょうか?
一番効果が大きいだろうと思うのは、ミッシングリンクを使わないことです。
ミッシングリンクとコネクティングピンの比較について、上の記事で書いていますが・・
ざっくり言えばミッシングリンクは、チェーンを手でも外せる形でつないで、整備をラクにするアイテムですね。
そしてミッシングリンクは普通のチェーンよりは、強度が低い可能性がある・・と思います。
ここも、確実なデータなんてものは無いのですが・・・
ピンでがっちりと繋ぎ止められたチェーンと、手でも外せるリンクでつながれたチェーンとでは、
まあ、やはり、ピンで繋いだほうが強度は高いのではないか・・と思います。
実際「チェーン切れ」といったワードで検索してみても、
ミッシングリンク部分から切れた・・という例は多いようです。
もうひとつは高品質なチェーンを使う、ということですね。
これも当然ではありますが、品質が高いものを作る「定番メーカー」の製品のほうが、
そうではない、どこが作ったかも怪しいような製品よりも、強度が高いことが多いでしょう。
例えばシマノあたりは、鉄板でしょうね。
「チェーンの選び方」は上のの記事で解説しましたので、もし必要であればご覧ください。
今回はチェーン切れは本当に起きる?といったテーマでお話ししてみました。