ロードバイクは、剛性が大事!とか、
このフレーム、剛性が高くていいね・・・とか。
「剛性」はロードバイクなどの自転車を語るときによく、話題になります。
そして自転車の速さとか、乗り味とか、疲れにくさとか・・・
いろいろなことに関わってくる、重要パラメーターでもあります。
なのでこの記事では、そもそも剛性って、なに?
高いほうがいいの?低いほうがいいの?
そういったところを解説していきます。
目次
剛性とは「変形のしにくさ」
剛性とは、曲げやねじりの力に対する、寸法変化(変形)のしづらさの度合いのこと。力に対して変形が小さい時は剛性が高い(大きい)、変形が大きい時は剛性が低い(小さい)という。
ウィキペディアの該当記事より引用
剛性に関して、いろいろな情報を見てみるとだいたい、こんな感じのことが書いてあります。
要するに、剛性が高いということは「変形しにくい」、ということでしょう。
剛性が高い・・つまり変形しにくいと、どうなるのか?
②:パワーが「速く」伝わるようになる
③:衝撃が体に伝わりやすくなる
こんな感じのことが、起きると思います。
①、②はメリットで③はデメリット、ですね。
例えば・・もし剛性が「すごく低い」フレーム・・
例えば、ママチャリのようなフレームで、すさまじい脚力で漕ぐと・・どうなるか?
フレームがぐにゃんぐにゃん変形して、たわんで、力が逃げまくってしまうはずです。
なのでママチャリのようなフレームは、パワーロスが大きくて、速く走る・遠くまで走るとかには向かないわけですね。
一方で、剛性がとてつもなく高い、ガチガチのフレームだとどうなるか?
プロロードレーサーくらいの、ものすごい脚力が掛かったとしても、フレームはぜんぜん変形しませんので、
そのパワーは直接ロスなく、ホイールまで伝わってくれます。
なので一般的には「剛性が高いと、速く走るのに有利」なんですね。
同じような理由で、剛性が高いフレームは、掛けたパワーが「速く」伝わります。
剛性が低いと、掛けたパワーが一度「びよん」と吸収されてから伝わるのですが、
剛性が高ければそんなことはなく、瞬時に伝わってくれます。
なので剛性が高いフレームは、反応が早くて、レースの瞬間的な加速とかに向くわけですね。
そして剛性が高いと逆に、地面からの衝撃もガンガン、体に伝わるようになります。
なので剛性が高すぎるフレームでロングライドをすると、衝撃や振動のダメージがフルに身体を襲ってしまって、
すぐに疲れてしまったりするのです。
さらにペダリングの反動が返ってきやすくもなりますので、
脚にダメージが入って、いわゆる「脚にくる」ことも多くなってきます。
逆に剛性が「適度に低い」フレームですと、
衝撃はびよんびよんと、フレームがうまく吸収してくれます。
なので長距離を乗っていても、疲れにくかったりします。
ランドナーとかスポルティーフとかの、ロングライド特化の自転車には「剛性が低め」のものが多いのですが、
それはこういった「身体への優しさ」を考えた仕様だと思います。
剛性は高いほうがいい?低いほうがいい?
それでは結局、剛性は高いほうがいい?それとも低いほうがいい?
- レース志向:できるだけ高いほうがいい
- まったりライド志向:低めでもいい
ざっくり、こんな感じだと思います。
まずレース志向だともちろん、「パワーの伝わりやすさ」「反応の早さ」が超重要です。
1分1秒でも、タイムを削れたほうがいいですし、
ライバルの前に出たり、いきなりアタックを仕掛けたりのためにはフレームの「反応が早い」と有利なはずです。
そして剛性があまりに高いと、衝撃とかペダリングの反動とかで、身体にダメージがくるわけですが・・・
レースという特別な状況なら、そのへんは「二の次」となるはずです。
対して・・まったりライド、つまり遅めのスピードでゆるゆる走るようなスタイルなら、
剛性の高さは、さほど必要ないです。
パワーの伝わりやすさがすこし下がっても、大した問題ではないですし・・
逆に「脚や身体に優しい」という、低剛性ならではのメリットがよく効いてくれますので、
剛性を上げすぎないほうが、長距離でも疲れずに乗れると思います。
どんな自転車の剛性が、高い・低いの?
具体的にどんな自転車の、剛性が高いのでしょうか?
例えば「高級カーボンロード」といったものは、剛性が高いことがほとんどです。
ツール・ド・フランスに使われるようなものですね。
そういったものはもちろん、ゴリゴリのレース志向自転車ですので、
もちろん、剛性は高く設定されるのです。
逆に剛性が低めの自転車は、「エントリーロード」「クロスバイク」など・・といった、
比較的、安めの自転車ですね。
このへんの自転車は、初心者にも優しく設計されていることが多いですし、
レースで勝つ!といった自転車ではありませんので、剛性は低めになっていることが多いです。
あとは「クロモリ」の自転車も、剛性は低めです。
クロモリには適度なしなりがある、というのは有名な話ですし・・・
実際、私もクロモリ自転車を愛用しているのですが、
適度にしなって衝撃を吸収してくれるので、気に入っています。
・・と、剛性は高いほういい!低いほうがいい!というものではなく、自分に向いたバランスを探していくところですので、
いろいろ試行錯誤してみては・・と思います。