ロードバイクのタイヤといえば、23cもしくは25c!
・・・というのが普通は、常識だと思います。
ロードバイクの9割か、9割5分以上が、そういったタイヤを履いて走っているでしょう。
しかし私は現在、あえて「32c」のタイヤを装着しています。
32cのタイヤというのは、普通のロードバイクからは考えられないくらい太く、
そもそも装着できるロードバイクも、限られてくると思いますが・・・
実は「日常生活の中でロードバイクを使う」という視点ですと、
むしろ、23cなどの細いタイヤよりも便利かもしれません。
23cと比較した、32cの良いポイントをひとつ挙げるなら、
「エアボリュームの多さ」
です。
エアボリュームはタイヤに入る空気の量で、
タイヤは太くなるにつれて、この入る空気量が、加速度的に多くなっていきます。
エアボリュームは体積ですので、
23c(23mm)の2乗と、32c(32mm)の2乗とを比べてみると・・だいたい、2倍くらいの違いがあります。
なのでエアボリュームは2倍だ!とまでは言えませんが、
だいたい、そのくらいの差があるのではないか・・と、思います。
ワンランク下の太さ「28c」と比較しても、
エアボリュームの増加は、はっきりとわかるほどにあります。
エアボリュームが多いことによる、いちばんのメリットは「クッション性」のアップです。
エアボリュームが2倍程度ともなると、32cでは普通、空気圧を低めにすることもあいまって、
クッション性や乗り心地はもちろん、格段にアップします。
23cだと、歩道の段差を「カン!」と登っていたところを、
32cだと「ぼよん」という感じで、圧倒的にラクに越えられるようになります。
エアボリュームが多くなる、意外なメリットとして、
「リム打ちパンク」の可能性がほぼ無くなる、というのもありますね。
リム打ちパンクは、段差などを越えるときにタイヤが潰れすぎて、
リムが内側からチューブを圧迫してしまい、穴が開くパンクのことです。
そして、エアボリュームが小さければ小さいほど、
リム打ちパンクは起きやすいものです。
空気圧などにもよるのですが、基本的には、
23c、25c、28c・・・と、タイヤが太くなるほどリム打ちパンクは起きにくくなり・・・
32cともなると、タイヤに入っている空気の量がすごく多くなりますので、
リム打ちが起きる可能性はほとんど、なくなってきます。
実際私も、32cを使っていてリム打ちパンクを経験したことは、一度もありません。
そしてもちろん、タイヤの接地面積が大きくなることで、
グリップ力アップも、かなりのものになります。
コーナーリングとかでふいに、つるっといく可能性は激減すると思いますし、
雨の日とかも、大幅に滑りにくくなります。
・・・と、いろいろと「32cタイヤ」の良さを挙げてみましたが・・・
挙げたような、さまざまな良さは、
「日本の歩道」にベストマッチするんですね。
たとえば郊外の、だだっ広い車道をかっ飛ばすのなら、
23cとかのタイヤのほうが、絶対に良いとは思うのですが・・・
実際に、日本の公道を走っていると、
そんな、びゅんびゅん飛ばせる走りやすい道・・というのは少ないですよね。
現実には、走りにくい歩道とか、ガタガタ道とか、段差が多い道とかばっかりのはずです。
なので実際に、生活圏内の中でロードバイクを乗り回すのなら、
実は32cタイヤのほうが、 23cの細いタイヤより優秀だ!・・・と、
いまの私は、思うようになりました。
32cタイヤといってももちろん、いろいろあるのですが・・・
個人的なイチオシは、
これです。
シクロクロスのタイヤとしては、ド定番のもので、
私自身が現在採用しているものでもあるのですが・・・
定番メーカー「パナレーサー」のもので、ブロックタイヤなのに走行抵抗がかなり少ないのが気に入っています。
32cタイヤは、フレームクリアランスがかなり大きくないと入らないので、
実際に装着できるロードバイクは、最初から「グラベルロード」と名がついているものなど、
限られてくるかもしれませんが・・・
ロードバイクなら23cのスリックタイヤ!という常識を外れて、あえてぶっとくてごついタイヤも試してみると・・・
新たな世界が開ける・・かも、しれません。