通勤で自転車が必要だな・・よし、買おう!
ホームセンターで売ってるらしいので、覗いてみるけど・・
んん?ホームセンターの自転車、安すぎじゃない?
ホームセンターのママチャリといった自転車は、とても安いです。
店舗によって変わりますが・・1万円ちょっととか、そのくらいのことが多いですね。
場合によっては1万円以下の、8,000円とかで売られているケースさえあります。
自転車はけっこう、いろいろなパーツで組み上がっています。
なのでこの複雑な機械が、たった1万円なんて・・本当に大丈夫なの?
「安かろう悪かろう」と言われるように、何か悪い面があるんじゃないの?
そう不安になったとしても、無理のないことかもしれません。
なのでこの記事では、ホームセンターの自転車が安い理由は?
安いけど大丈夫なの?いきなり壊れたりしないの?
といったところを解説していきます。
目次
安い理由は「コストが安い」から
ホームセンターの自転車が安い理由は、「コスト」が安いからです。
モノを作るときには、さまざまなコストが掛かります。
部品ひとつひとつの値段、組み上げのための人件費をはじめ・・
開発のための設計費、店頭に並べるための送料など、挙げていくときりがないほどですね。
そして、自転車が1万円で売られているということは・・
掛かったコストの総額が1万円以下、ということになります。
コストが1万円以上だったら、売っているホームセンターに利益が出ないからですね。
つまり、ホームセンターの自転車が安い理由を知りたいなら・・
掛かっているひとつひとつのコストが安い理由を探っていけば、わかるはずです。
じゃあ、自転車が出来るまでに掛かるコストってどんなものがあるの?
- 製造コスト
- 設計費
- ブランドコスト
- 送料
- 店員の給料
挙げていくと、こんな感じです。
じゃあ、それらのコストが安い理由ってそれぞれ何?
以下、考察していきます。
「製造コスト」が安い
自転車を形づくるコストで、まず注目するべきは・・
自転車本体を「製造するコスト」です。
自転車は、さまざまな「パーツ」で作られています。
ざっと挙げてみると、ハンドル・サドル・ペダル・フレーム・クランク・チェーンリング・チェーン・・
さらにシートポスト・ボトムブラケット・スプロケット・ホイール・チューブ・タイヤ、という感じですね。
ママチャリだとさらに前カゴとかリアキャリアとか、チェーンガードとかも付いてきます。
そしてもちろん、パーツを並べるだけでは自転車はできあがりませんので・・
これらを「組み上げる」工程も必要になります。
パーツたちを設計図通りに組み合わせることで、最終的に自転車の形になるわけですね。
さらにはパーツを作るためには、「パーツの材料」から必要になってきます。
例えばハンドルは鉄でできているので、まず鉄鉱石を採掘する必要がありますよね。
そして鉄鉱石を精錬して不純物を取り除き、工業に使える「鉄」の形にして・・
そしてそれを工場で加工して、といった手間がかかります。
そして鉄の採掘員の給料とか、採掘のための機械の費用とか・・
工場作業員の給料とか、工場の建設費用とかまでいろいろ考えていくと・・
「自転車」という製品を構成するパーツには、膨大な人やモノが関わっていることになります。
そしてこれら製造コストの総額が、1万円を下回ることになるわけです。
自転車を作るのに掛かるコストは、パーツ費用だけではありませんので・・
すべてのパーツの総額が、数千円におさまるわけですよね。
じゃあ・・これだけ膨大な手間をかけておいて、ここまで安く作れるのはなぜ?
- 賃金が安い国で作っているから
- 安い素材で作っているから
- 大量生産しているから
このあたりが理由になってくるでしょう。
世界には「賃金が安い国」がまだまだ、たくさんあります。
具体的な国名を挙げるのは、あえて避けますが・・
平均収入が日本の10分の1とか、それ以下といった国も多いようです。
そして賃金が安い国で労働者を雇えば、そのぶんコストを抑えることができます。
なので日本の常識では考えられないくらい、安く製造できるわけですね。
そして日本人の感覚だと、自転車に1万円というのはかなり安い感じがしますが・・
国によっては「1万円」というのは、感覚的には10万円ぶんくらいの価値を持つことになります。
こう考えると「自転車 = 1万円」というのは、そんなに並外れた激安価格というわけではないのかもしれません。
「素材の質」も、安く作れる理由のひとつでしょう。
自転車には鉄とかゴムとか、プラスチックとか、いろいろな素材が使われているわけですが・・
これら素材がどのくらいの質なのか?も、価格に大きな影響を与えます。
たとえば私自身、本体価格にして15万円くらいの「鉄製ロードバイク」を持っていますが・・
このロードバイクは1万円ママチャリと比べて、圧倒的に錆びにくいです。
そしておそらく「鉄の質の違い」が、この差を生み出しているのでは・・と思います。
もちろん質が低すぎて、脆すぎていきなりフレームが折れる!なんてことにはならないでしょうが・・
そこまでではない範囲で、できるかぎり質が低い素材を使っている!
ここもホームセンターの自転車が安い、大きな理由となるでしょう。
「大量生産」も、安く作れる理由になってきます。
時代にもよりますが、この記事を書いてる時点で日本には「7,000万台」くらいの自転車があるとのことです。
そして特に日本では、その多くがママチャリですよね。
そしてさらに中国だと、自転車の台数は「3億台」以上ともなるようです。
もちろんこれも、その大部分がママチャリ的な実用車でしょう。
そして製品というものは大量に作れば作るほど、ひとつあたりは安くなるものです。
なのでこれだけ膨大な需要に応えるため、たくさんの工場を作ってたくさんの人を雇い・・
そして大量に作りまくることで、1台あたりの値段を大きく下げている!
ここもホームセンターの自転車が安い理由になると思います。
という感じで、ホームセンターの自転車は「製造コスト」があの手この手で抑えられており・・
それがホームセンターの自転車が安い、いちばんの理由になってくるでしょう。
「設計費」が安い
「設計」に使うコストが安い!
ここも、ホームセンターの自転車が安い理由になりそうです。
自転車を作るためには「設計」が必要です。
フレームをどんな形にするか?ホイールの大きさはどうする?
どんなパーツを組み込んでいく?といったものを、検討していくわけですね。
そして設計には通常、専門家たちの力が必要です。
たとえば有名メーカーのロードバイクといったものは・・
ノウハウを持つ人たちの頭によって、精緻な設計がされているはずです。
なので、性能が高いわけですね。
そしてプロが自転車を設計するともちろん、そのためのコストが掛かります。
依頼料とか給料とかの、お金を払うことになりますよね。
そしてそれは自転車の値段にも、加算されることになります。
そしてホームセンターの自転車は、この「設計コスト」がほとんど掛かっていないと思われます。
コストを掛けていたら、あんなに安くはできませんので・・まあそうでしょう。
設計費を掛けずに、どう設計しているの?
おそらく「既存の設計図を使い回す」形でやっているのでは?と予想されます。
なので改善を繰り返したりはせず、毎年同じ形の自転車が量産されていくわけですね。
まあ、具体的にどんなふうに設計されているのか?を私は知りませんが・・
ホームセンターの自転車は設計に、大きなコストを掛けていない!
自転車本体の値段を見ても、これは確かなのではと思います。
「ブランドコスト」が安い
「ブランドコスト」も、自転車の値段を高くするポイントです。
例えばロードバイクだと、ジャイアント、トレック、キャノンデールといったブランドが有名です。
そしてたとえば「トレックのロードバイク」として売るときは、それなりのブランド使用料が掛かるはずです。
ブランドには「信用」を担保するような要素もあります。
ブランドからあまりに粗悪な製品を出すと、ブランドイメージが下がりますので・・
ブランド名を使用させる以上、ある程度の品質を保つよう管理する形になってきます。
なので有名ブランドの名前を冠する製品には、それなりの信用が持てるわけです。
そうやって「ブランド名」による、イメージのアップを受けるかわりに・・
そのブランド名を持つ企業に、お金を払うわけですね。
しかしホームセンターの自転車に、ブランド名は基本的についていません。
ついているとしても、聞いたこともない名前のブランドがほとんどです。
つまりホームセンターの自転車は「ブランド名」を冠するメリットはもう捨ててしまって・・
そのかわり「ブランドコスト」を下げ、価格を安くしているんだと思われます。
本体価格の安さを見ても、恐らくそういうことだと言えるでしょう。
ちなみにママチャリでも、しっかりしたブランドを冠した製品はあります。
例えば「パナソニック」製のママチャリとかですね。
パナソニックのママチャリは、3万円から5万円くらいはするのですが・・
その中には「パナソニック」の名を冠するための、ブランドコストも含まれると思われます。
そして「パナソニック製」となると、ホームセンターの安いママチャリよりは信用度は上がりますし・・
実際に乗ったこともありますが、実際に安物よりも車体がしっかりしていると感じました。
おそらくブランド名を使うからには、ちゃんと設計しそれなりのモノにしよう!とされているのではと思います。
という感じで「ブランド」部分に、コストが掛かっていない!
ここもホームセンターの自転車が安い、理由のひとつになるでしょう。
「送料」が安い
製造した国から、日本に送られてくるときの「送料」・・
ここも、ホームセンターの自転車に掛かっているコストのひとつです。
もちろん、これも安く抑えられているわけですね。
とはいえここは、何らかの特別な方法で安くしてあるわけでもないでしょう。
ホームセンターの自転車はおそらく、中国・東南アジアといったエリアから、東シナ海を渡って運ばれてくるわけですが・・
この流通ルートは日本がやっている貿易の、メインとも言えるルートだからです。
日々、たくさんの大型船が行ったり来たりしているわけですね。
もちろん物を運ぶコストは、一度にたくさん運ぶほうが安くなります。
なのでそういった巨大な物流ルートに沿わせて、自転車も大量に輸入することで・・
製造国からホームセンターまで到着するまでにかかる「送料」も、安く抑えているものと思われます。
「ホームセンター店員の給料」が安い
実際に自転車を売っている、「ホームセンター店員の給料」・・
これも、ホームセンターの自転車の値段に追加されます。
そして、ここで具体的な収入額までは書きませんが・・
ホームセンター店員の給料は、あまり高いほうではないようです。
もちろんアルバイトか正社員か?とか、いろいろな条件で変わってくるとは思いますが・・
そして売っている人の「人数」も少ないほうが、給料総額は安くなってきます。
そしてホームセンターの自転車コーナーには、専門の販売員は居ないことが多いようです。
いろいろなコーナーを担当する販売員が、「自転車も」担当している感じですね。
つまり最小限の人員に、低めの給料で自転車を販売させていて・・
なのでホームセンターの自転車は、値段を安く設定できているんだと思われます。
まあ、これが良いか悪いか?については議論の分かれるところでしょうが・・笑
そんなに安くて、大丈夫なの?
ホームセンターの自転車は、安いです。
しかし自転車というのは、自分の体を乗せて走るもので・・
そんなに安くて大丈夫なの?というのは、気になるところかもしれません。
そして個人的な意見としては、ここは残念ながら「微妙」だと感じます。
日本国内で使われている、自転車の安全基準では「BAA」がいちばんポピュラーなようです。
約90項目の、耐久性などさまざまな項目のテストが実施され・・
クリアした自転車のみに「BAAマーク」というシールが貼られているわけですね。
BAAマークは国内における、何千万台もの自転車に貼られているとのことですが・・
しかし日本政府が決めた「義務」というわけでもなく、これ無しで売ることも普通に可能です。
なのでまだまだ、こういったテストを経ていない自転車も数多いようです。
もちろんBAAマークが無いからといって、なんのテストも受けていないわけではないでしょうが・・
しかし日本で公式にテストを受けていない場合、これまでどんなテストを経てきたのか、よくわからない自転車となります。
そしてそういった自転車を、大丈夫だろう!安全だろう!と考えるのは、ちょっと無理があるのでは・・と感じます。
もちろん自転車をどんなふうに使うかは、個人の自由の範疇ですが・・
個人的には、ホームセンターの自転車を使うときはあくまで歩道上だけを、低速で走るのがおすすめです。
今回はホームセンターで売ってる自転車が安い理由を軸にお話ししてみました。