電動キックボードは、車道を30km/hとかで飛ばせる、次世代的な乗り物です。
電動ボードとか、電動キックスケーターとか、呼ばれることもあるものですね。
私も、とあるイベントで乗ってみたことがあるのですが・・・
軽く蹴ってから、トリガーをちょいと引くだけで、ひゅーーんと加速する・・・
すごく速い、すごく気持ちいい乗り物です。
当然、脚もまったく疲れないので、快適です。
私自身は、そういう走り方をしたことはないのですが、
車道を車と一緒に、原付のように、30km/hとかのスピードで走ることができるみたいですね。
上の動画のような感じで、車道をびゅーんと、走ることができます。
実際、法律にしたがって走行するぶんには、なんの問題もないと思います。
この記事を書いている時点の法律ですと、
ナンバープレートとか、ウィンカー装備とか、法律で決められた条件をちゃんと満たしていれば、
車道限定なら、公道をふつうに走行できるようです。
ので、自己責任のもと車道走行するのは、全然いいとは思うのですが・・・
個人的には、電動キックボードは・・
「歩道を、低速のみで走っていい」乗り物として扱うほうがいい
のではないか・・と、思います。
なぜか?
電動キックボードでの、車道の高速走行は難しすぎて危険だと思うからです。
もし、自転車を趣味とされている方であれば、感覚でおわかりいただけると思うのですが・・・
乗り物は、ホイールが大きいほうが、圧倒的に安定します。
たとえば「700c」という、ふつうのロードバイクのホイールと、
「18インチ」程度の、ふつうの折りたたみ自転車程度のホイールだと、
ロードバイクのほうがはるかに、ふらつかず、安定して走れるはずです。
そして、電動キックボードは、ぱっと見でわかるとおり、ホイールが小さいものです。
ものにもよりますが・・だいたい、「8インチ」くらいのものが多いようですね。
ロードバイクが27インチ、折りたたみ自転車がだいたい18インチ、そしてキックボードは8インチ・・と、
圧倒的に、小さいわけです。
ホイールの「面積」で比較するなら、キックボードのホイールは、
ロードバイクホイールの実に「10分の1以下」しか無いことになりますね。
ホイールが大きいほど、高速で走った場合に「フライホイール効果」といった、
車体を安定させる効果がでるものですが・・・
こんなに小さいホイールですと、それも、望めません。
さらに言うと・・・「ブレーキ能力」も、ホイールが大きいほど強くなる、というのが基本です。
たとえば、鉄でできた巨大な円盤が、ぐわんぐわん回転しているとき・・・
それを手で止めるとしたら、円盤の「中心部」に手を置いて止めるのと、
円盤の「外周部」に手を置いて止めるのと・・どちらが、ラクでしょうか?
間違いなく、「外周部」に手を置いて止めたほうが、ラクですよね。
それと同じで・・・
自転車ホイールのような、円盤状をものを止めたいときには、
その、「軸から遠い場所」に力をかけるほうが、より強力に止めることができます。
なのでロードバイクなど、大きいホイールのブレーキは、
一般的に、折りたたみ自転車より強力になるのです。
これは実際に試してみると、同じくらいのグレードのブレーキでも、
折りたたみ自転車といった小径車より、ロードバイクなどのほうがブレーキがずっと強力になるので、すぐにわかります。
そして、つまり・・・たった「8インチ」しかないキックボードだと、
どうしても、ロードバイクとかと同等のブレーキ力は、出せないんですね。
一応、例外として「ディスクブレーキ」を使えば、
ホイールサイズによるブレーキ力の差は、出ないです。
ホイールそのものではなく、ホイールに装着した「ディスク」のほうを挟んで止めるわけですので、
ホイール直径の関係がなくなるのは、当然になってきます。
ですが・・キックボードのミニマムな車体に、煩雑なディスクブレーキのメカニズムを搭載できるか?
というと、これもまた難しいと思います。
あとは・・小さいホイールだと「段差」にも弱くなります。
30km/hくらいの原付みたいな速度で走行中、足首くらいの段差があって、気づかず突っ込んでしまったら・・・
イメージすると、ぞっとするのではないでしょうか。。笑
ロードバイクくらいのホイールサイズがあれば、ガン!と乗り越えることができるでしょうが・・・
たった8インチのホイールだと、吹っ飛んで大怪我につながったとしても、おかしくないはずです。
と、いうことを考えると・・・
高速走行での「安定性」と、速いスピードを止める「ブレーキ力」を、
両方とも、確保しにくいキックボードで、
30km/hとか、40km/hとか出すのは・・まあ、かなり危険なのではないかと、私としては思います。
電動キックボードだと、40km/hとかの速度が普通に出るわけですが・・・
スピードを出して「走れる」のと、「安全に走れる」のとは、まったく違う
私としては、そう思います。
しかし、電動キックボードは「歩道を低速で走るもの」としてしまうと、
ものすごく、便利なものになると思います。
電動ママチャリみたいな感覚ですね。
これなら、安定性の低さとか、ブレーキ力の低さとかはぜんぜん、問題にならないと思います。
スピードの出しすぎとかはもちろん危ないので、
あくまで、ママチャリ程度のスピードまでしか出ないように、
リミッターなどで制限する必要はあるでしょうが・・・
そして電動で、駅から駅までくらいの距離でしたら、ほぼ疲れずにさくっと移動できる、
すごく便利なツールになり得ます。
キックボードは折りたたむとすごく小さくなりますので、駅に着いたらさくっと折りたたんで、
そのまま電車に乗ってしまう・・
つまり「輪行」ができるというのも、圧倒的な長所になりうると思います。
電動じゃないふつうのキックボードも、なかなかに便利なものになる可能性を秘めていますが、
あっちは、やっぱり何度も蹴って、疲れてしまいますので・・笑
電動だと、旅などでのもっと気軽な移動手段にできる可能性は、じゅうぶんあると思います。
まあ、とはいってもこの記事を書いている現在は、法律上それは、無理なのですが・・・笑
もし、電動キックボードの「低速での歩道使用」が認められれば、
もしかしたら、生活がいっきに便利になるほどの影響がある・・かもしれません。