「チェーンリングボルトの締め付けトルクは、12-16Nmです」
例えば「チェーンリングボルト トルク」で検索すると、
こう書かれている記事や情報が、すごくたくさん出てきます。
ある程度の、数値の幅はあるにしても、
例えば自転車本とか、自転車雑誌とかでも、
このくらいのトルクが書かれていることは、結構あります。
そして・・・
冒頭の画像は、それをそのまま鵜呑みにして締めた結果、
ぶっ壊してしまったチェーンリングボルトです。。笑
まあ、こんな感じで、
見事に破断しています。
推奨下限の、12Nmくらいまで締めとこうかな?と締めていくと、
パキッ!!との音とともに、こうなりました。。。
まあ、タイトルにも書いてありますが、
原因はアルミボルトだったから、ですね。
物としては、「ギザプロダクツ」製の、普通に売られているボルトなのですが・・・
これの材質は、アルミでした。
冒頭の「12-16Nm」というトルクは、あくまで「鉄製」ボルトの場合です。
アルミニウム製ボルトの場合はもっと、かなり弱めのトルクでいいのです。
じゃあ、何Nmならいいのか?
ここはもちろん、そのボルトの説明書などでちゃんと指定されていれば、
それに従えばいいのですが・・・
はっきりと指定してある情報源は、なかなか、見つけることができませんでした。。
なので個人的には、アルミボルトの場合は、
6-7Nm
このくらいで、締めることにしようと思います。
理由としては、自分自身でアルミボルトを実際に締めて、色々試してみた結果、
このトルクなら問題ないかな・・と、感じたからです。
用意した、アルミボルト(もう使わないもの)を・・・
こんな感じで、トルクレンチで締め込んでいきます。
そしてどのくらいのトルクなら、問題なく耐えられるのか?とか、
どのくらいのトルクを掛けると、破断するのか?とかを、試していきます。
まず結果的に、どのくらいで破断したか?なのですが・・・
11Nmを掛けると、バキッ!という音とともに、壊れました。
そして、それまでの経過として、
9Nmを超えたあたりから、少しずつミシミシ言い始め、やばい感じがでてきて・・・
10Nmあたりから、あーいよいよやばいな・・壊れそうだな・・という感覚になってきて、
11Nmに達してバキッ!・・という感じでした。
そして逆に、7Nmくらいまでなら、ぜんぜん危ない感じもせず、
しかも、がっちり締めることもできている・・という感じでした。
なのでアルミボルトは、6-7Nmで締めておけばまあ妥当かな・・と、感じました。
もちろんここは、ボルトの製品選びとか、いろいろな条件で変わってくるところだと思いますし・・・
私があくまで個人的に試して、勝手に考えたことですので、
もし参考にされる場合はあくまで、自己責任でお願いします。
・・・できれば、説明書などでちゃんと指定してくれていれば、一番なんですけどね。。。
もし、アルミボルトなのに気づかず、鉄製ボルトと同じトルクで締めてしまっている場合・・・
もちろん、たまたま破断せず、問題なく締められた・・という場合もあるでしょうが、
その場合、そのボルトはもしかしたら、破断寸前の状態になっているかもしれません。
なのでもし、アルミボルトを高トルクで締めたかも・・と思ったら、
一度すべて外して、別のボルトに交換したほうがいいと思います。
トルクについて、いろいろ書いてきましたが・・
そもそも「トルクレンチ」が無いと、正確なトルクで締めるのは難しいです。
自転車整備に最適、と思ったトルクレンチは、
上のものです。
このトルクレンチは「対応トルクの幅」「扱いやすさ」「対応するパーツの種類」と、いろいろな面で優秀ですので・・
もしトルクレンチをまだお持ちでないとしたら、おすすめです。
そして、挙げてきたような「破断リスク」まわりの事情がありますので・・
個人的には、チェーンリングボルトは「鉄製」一択だ!と、思うようになりました。
ちなみに私自身は、鉄製チェーンリングボルトとして以下の製品を使うことにしました。
品質が高いパーツを作る「スギノ」製で・・
実際のモノも、加工精度が高く、質のいいものだと感じたからです。
【フロントダブル用】
【フロントシングル用】
チェーンリングボルトは12-16Nmで締める!と書いてある情報は、けっこうあるのですが・・・
もし、使われているボルトがアルミ製の場合は、
このトルクで締めると危険かもしれません。
なので盲点となりやすい、注意ポイントだな・・と思い、この記事を書いてみました。
なにかの参考になれば幸いです。