パンクしたら空気が抜ける。
これは当然です。
しかし・・パンクしてないのに、空気が抜ける!
という場合があります。
タイヤもチューブもまったく損傷してないのに、なぜかタイヤがぺしゃんこに。。という状態ですね。
そして派手にパンクしたときは、この釘を踏んだのが原因だったのか!
みたいに、原因もわかりやすいです。
しかし、パンクしていないのに空気が抜けた場合は・・
一体なにが原因?どう対処すればいい?
と、分からなくなりがちです。
なのでこの記事では、パンクしていないのに空気が抜ける場合はどうすればいい?
そんなところを解説していきます。
目次
「バルブの問題」をまず疑う
まず、見るべきポイントが「バルブ」です。
自転車のチューブについていて・・
空気入れをさしこんで、空気を入れる「空気の玄関」部分ですね。
チューブから空気が抜けて、しかしパンクではない!と思われる場合・・
つまり、チューブになんの損傷も無さそうな場合・・
「バルブ」は、まっさきに疑うべき部分になります。
バルブになんらかの不具合があって、そこから空気が抜けてしまった場合・・
もちろん「タイヤ」「チューブ」には一見、なんの問題も無いように見えます。
なのでパンクしてないのに空気が抜ける!おかしい!みたいになりがちなのです。
では・・バルブの問題って具体的に、どんなものがあるの?
②:バルブコアの「ゴムパッキン」が機能していない
③:バルブコアの変形
④:バルブの根本が損傷した
だいたい、この4通りです。
(以下、ロードバイクなどの自転車で一般的な「仏式バルブ」を軸にお話ししていきます)
バルブの問題①:バルブコアがちゃんと締まっていない
「バルブコア」がちゃんと締め込まれていない!
これはありがちですし、もしこれが原因なら簡単に直すことができます。
なので真っ先に、チェックしておくべきところですね。
バルブコアとは?
こんな感じの、「バルブの軸」になるようなパーツです。
バルブには、
こんな感じで穴があいていて・・
ここにねじ込むようにして、固定されているパーツです。
このバルブコアがしっかり締め込まれていればいいのですが・・
緩むと、緩んだところから空気が漏れます。
バルブコア全体が「栓」みたいになっているので、ゆるいともちろん漏れるわけですね。
もちろん、そう簡単にゆるむ場所でもないですが・・
整備のはずみなど、ゆるむ時はやっぱり、ゆるむものです。
そしてここが緩んでいるのに気づかないと、どこもパンクしてないのに空気が抜ける・・!となります。
では、緩んでいた場合の対処法は?
ペンチなどを使って締め直す
これだけです。
締めがあまりにゆるいと、また緩んでしまうかもなので・・
壊さない程度にギュッ!と、強めに締めておきましょう。
バルブコアを締め直したあと、空気抜けが解消されたのなら・・
原因はバルブコアの緩みだった!と言えるでしょう。
バルブの問題②:バルブコアの「ゴムパッキン」が機能していない
バルブコアには、空気漏れを防ぐ「ゴムパッキン」が装備されていて・・
これが劣化・損傷し、機能を失っている。。
その場合ももちろん「パンクしてないのに空気が抜ける!」となります。
ゴムパッキンとは、
赤丸で囲んだ部分の、黒いゴムのところです。
これはバルブが「開いた」状態だと、上のように隙間がある状態になります。
この状態だと空気が通るので、この状態で空気を入れたりするわけです。
そして、
こんなふうに、バルブを「締めた」状態にすると・・
こんな感じでパッキン部分が隙間なく締め込まれ、空気が流れなくなります。
と、そういう構造なのですが・・
パッキンのゴムがちゃんと、空気を堰き止めきれていない場合・・
もちろん空気が漏れて、なぜか空気が抜ける!状態になります。
たとえば劣化しボロボロになったりとか、深いキズがついているとか・・
もしくは切れてなくなってしまってた!とかいう場合はもちろん、空気が抜けるようになりますね。
ゴムパッキンは、上の画像のような形状のこともありますし・・
場合によっては、
こんな感じの「虫ゴム」と呼ばれる形状のこともありますね。
では、ゴムパッキンが破損しているときの対処法は?
バブルコアの交換
これがいちばん簡単です。
バルブコアは、
こんな感じで、バラ売りされていたりします。
バルブコア交換は、チューブごと交換するよりはずっと安くなるはずです。
手間としても「前のバルブコアをペンチでくるくる外し、新しいバルブコアをくるくる装着する」と、チューブ交換より圧倒的に簡単です。
なのでバルブコアの損傷に備えて、1セット持っておく!というのも良いかもしれません。
バルブの問題③:バルブコアの変形
バルブコアが、変形してしまった!
その場合もバルブコアから、空気が抜けてしまいます。
いわゆる「バルブコアが折れた」状態ですね。
バルブコアは、こんな感じであるわけですが・・
例えば強い衝撃が加わった!とか、空気を入れるときに無駄な力をかけすぎた!といった場合・・
これが変形してしまう場合があります。
変形する場所としては、空気を入れるための「頭」のほうだったり・・
もしくは、本体に隠れて見えない「内側」のほうだったり、と様々です。
なので目視で確認できる場合と、できない場合があります。
そしてバルブコアが、深刻なレベルで変形すると・・
空気を堰き止められないのでもちろん、空気は抜けてしまいます。
この「バルブコアの変形」が原因の場合、まずは曲げ直してみてもいいのですが・・
何度も変形させていると今度は「強度が下がる」問題もでてきます。
なのでこの「バルブコアの変形」の解決も・・
やっぱり最終的には「バルブコアの交換」がいちばん、確実です。
バルブの問題④:バルブの根本が損傷した
「バルブの根本」に穴が空いたりなど、損傷していた!
というのも可能性として、あり得ます。
「バルブの根本」は画像のように、バルブが生えている部分のことで・・
ここに小さな穴が空いたり、わずかに裂けていたりしてももちろん、空気は抜けます。
チューブの目立つところにがっつり穴が開いていれば、すぐわかりますが・・
この「バルブの根本」は意外と、見逃されがちなところです。
なのでなぜか空気が抜ける!となる場合、ここもちゃんとチェックしておくのをおすすめします。
もし、バルブの根本が原因だった場合の解決法は?
ここはもうチューブ交換の一択なのでは、と思います。
バルブの根本はパンク修理パッチとかも、当てにくい部分ですし・・
自転車チューブはどれを選べばいい?合うチューブはどれ?については、
上の記事で解説しています。
実は「スローパンク」の場合もある
パンクしてないのに、空気が抜ける!
そう思ったとしても・・実はパンクしているのを、見逃していただけ!
という場合もあります。
スローパンクとは、チューブに目に見えないほどの小さい穴が開いていて・・
それで数日くらいかけて少しずつ、空気が抜けていく・・という状態ですね。
チューブにがっつり穴が開いていれば、まず見逃しはしないものですが・・
スローパンクの穴はなかなか、目視では確認できないものです。
なので・・パンクしてないはずなのに、なぜ?となりやすいのです。
スローパンクの場合・・
洗面器に水を張って、チューブを浸けながら探す
これが、やっぱり一番ですね。
チューブにある程度空気を入れて、水に浸けていけば・・
パンクしているところから、こぽこぽと気泡がでてきてわかるはずです。
この方法ならスローパンクでも、たいていの場合でわかります。
しかし・・水を使う方法は手間がかかるものです。
場所もたぶん、家くらいでしかできないはずですし・・
時間をかけて穴を探して、また手間をかけてパッチを貼る「パンク修理」をする・・ということになります。
なのでスローパンクの場合、もういっそチューブ交換!
としてしまうほうが、早くて確実だと思います。
なのでこちらも選択肢になりますね。
と、パンクしてないのに空気が抜ける!という場合・・
一般的なパンク以外にも、いろいろ原因は考えられるものです。
なのでいろいろと試行錯誤していくと、原因をちゃんとつきとめられるのでは・・と思います。
今回はパンクしてないのに自転車の空気が抜ける、をテーマにお話ししてみました。