ロードバイクのブレーキレバーといえば、ほとんどが、シマノのSTIレバーです。
そしてSRAMのダブルタップ・ブレーキレバーも、けっこう、人気があります。
SRAMのブレーキレバーと、シマノのブレーキレバーとでは、
デザイン・ブレーキレバーの形・握る部分の太さ・・などなど、
けっこう、違う点が多いです。
もちろん、どっちが好きか・・・というのは、人によるところなので、
正解はないところだとは思います。
しかし・・・
SRAMのブレーキレバーには、シマノのブレーキレバーには無い、決定的な「良い点」があります。
私はその「良い点」を気に入って、
ロードバイクにもともとついていた、シマノのブレーキレバーから、
SRAMの「S500」というブレーキレバーに変更しました。
その、SRAMブレーキレバーの、良い点というのは?・・・・
SRAMのブレーキレバーは、シマノのブレーキレバーと比べて、
支点の位置が上のほうにある、ということです。
上の画像は、SRAMの、S500というブレーキレバーなのですが・・・
レバーが動くための支点は、赤丸の場所にあります。
ここを軸に、ブレーキレバーが動くわけです。
そして、SHIMANOのレバーだと・・・
ブレーキの支点は、赤丸の場所にあります。
(上のレバーは「ST-4600」という、Tiagraグレードのブレーキレバーです)
そして、この支点の位置を比べると・・
SRAMのブレーキレバーでは、シマノのブレーキレバーより、かなり上のほうにあるのです。
並べて比べると、一目瞭然ですね。
ブレーキレバーが動くための「軸」の位置が、かなり、違うわけです。
それが何にどう影響するの??と、
思われるかもしれませんが・・・
実はこれによって、かなり大きいメリット生まれます。
支点がより上にある、SRAMのブレーキレバーだと・・・
同じ位置を握ったとしても、
より支点から遠い場所に、力を掛けることができるのです。
そして、テコというのは「支点から遠い」ところに力をかけたほうが、
より強力なパワーを出せます。
なので・・・指で同じくらいの場所を、同じくらいの力で握りこんだ場合、
SRAMのブレーキレバーのほうが、より強烈に効くのです。
もちろん、他のいろいろな条件にもよりますので、
一概には言えないのですが・・・
感覚的にはSRAMのブレーキレバーのほうが、シマノのものより、
2-3割くらいブレーキ力が高いと思います。
そもそも、ドロップハンドルのブレーキレバーというのは、
バーハンドルのブレーキレバーに比べて、弱くなりがちです。
下りで、ブラケットからブレーキを握っていたら、ブレーキ力が足りずに、
危険な目にあった・・というのは、けっこうよく聞く話ですよね。
そのため、ロードバイクのブレーキ力は、
私はできるだけ上げたい・・と思います。
そのため、よりギュッと、しっかりブレーキを掛けられるSRAMのブレーキレバーを、
私は採用することにしました。
・・・「支点の位置が上のほうにある」というのは、
さらにもうひとつ、重要なメリットを与えてくれます。
その、ふたつめのメリットは・・・
ブラケットから、人差し指一本でのブレーキを掛けやすい、ということです。
ロードバイクでのブレーキの掛け方は、いろいろ、あると思います。
ブラケットの上から、4本指でブレーキを掛けたり・・・
下ハンから、人差し指でブレーキを掛けたり・・・
いつも、どんな感じでハンドルを握っているのか・・・によっても、
ブレーキの掛け方は、変わってきますよね。
そしてブレーキの掛け方のなかで、私がいちばん気に入っているのが、
ブラケットの上から人差し指一本だけを伸ばして、ブレーキを掛ける方法です。
上の画像のように、人差し指だけを伸ばして、
ブレーキを引く方法です。
この方法だと、ブラケットをしっかり握ったままでブレーキを操作できるので、
いちばん安定した握り方のままで、ブレーキを掛けられます。
ブレーキを握るパワーのコントロールもしやすいので、
ちょっと減速したりとか、ちょんちょんブレーキを掛けたり・・とかも、やりやすいです。
そのためこのブレーキの掛け方がうまくできると、かなり便利です。
しかし・・この掛け方は、シマノのブレーキレバーだと基本的にできません。
手の大きさなどによっても、変わってくるかもしれませんが・・・
シマノの場合、ブレーキレバーの「支点」が、SRAMよりかなり下にありますので・・・
ブラケットを握ったままで、そこから人差し指を伸ばすと、
ちょうど「支点の位置」に、人差し指がきてしまうのです。
支点の真上にどんなに強いパワーを掛けても、当然、レバーは動かず、
ブレーキを掛けることはできません。
なので、すごく便利な「ブラケットから人差し指一本でブレーキ」は、
基本的に、SRAMのブレーキレバーだけで使える技・・になってしまうのです。
以上、「ブレーキの強力さ」と、「指一本ブレーキのやりやすさ」の2点で、
SRAMのブレーキレバーは、シマノよりかなり優れている・・と私は感じました。
そのため、もともと自転車についていたシマノのSTIレバーから、
SRAMのブレーキレバーに変更し、いまでも快適に使っています。
すこし、話は変わりますが・・・
SRAMの変速機つきブレーキレバー・・・
「ダブルタップ・ブレーキレバー」と呼ばれているものは、かなり高価です。
シマノには、CLARISとかSORAとかの、廉価でそこそこ高性能な変速レバーが売られているのですが・・・
SRAMだと、シマノでいう105クラスに当たる、「RIVAL」グレードあたりからしか、
しっかりした性能を持つ変速レバーは無さそうです。
さらに上の「RED」や「FORCE」だと、当然ですが、
価格はさらに跳ね上がります。
同じくらいのグレードでも、シマノより2-3割は高いようです。
しかも、もしロードバイクに最初についているのがシマノ変速機なら、
コンポーネント全体の新調が必要になる可能性もあります。
そのため、ダブルタップ・ブレーキレバーを手に入れたい・・となった場合、
お財布から、かなりの諭吉が飛び立つことになってしまうのです。。。
そのため私は、シングルスピード用のSRAM「S500」ブレーキレバーと、
変速機としてはダブルレバーとを組み合わせました。
「S500」というのは、SRAMの、シングルスピード用ブレーキレバーで、
STIレバーのように変速装置はついていないのですが・・・
SRAMのダブルタップブレーキレバーから、変速装置だけを外した製品ということで、
ブレーキ形状や握りやすさといったものは、ダブルタップブレーキレバーと変わりないようです。
これなら、私が購入したときは、左右で8,000円程度とかなり安かったですし、
ダブルレバーも、そんなに高いものではありませんので、
相当にコストを抑えることができました。
ダブルレバーは使いにくいかな・・と思っていたのですが、
確かにSTIなど手元変速よりは変速しにくいですが、
気になるほどでもなく、ちゃんと変速したいときに変速はできています。
フレームにダブルレバー装着用の台座が無い場合も、
後付で台座を装着できるアイテムもあるようです。
そのためSRAMのブレーキレバーが欲しいけど、ダブルタップは高価すぎる・・という場合には、
あえてシングルスピード用の「S500」などを購入し、いっそシングルスピード自転車にしてしまうか、
もしくはダブルレバーなどを組み合わせる・・というのが、解決策になるかもしれません。
SRAMのブレーキレバーには、「支点が上のほうにある」という、
シマノと比べ、決定的な違いがあります。
そして乗り方にもよるでしょうが、その特性を活かして、
「長いテコを活かした強力なブレーキ」や「ブラケットからの指一本ブレーキ」を活用したいのであれば、
SRAMのブレーキレバーは、良い選択肢になるかもしれません。