軽いホイールのほうが良い!
と、ロードバイクの世界ではあちこちで言われています。
しかし重いホイールのメリットも、意外にある!
そして軽量ホイールのデメリットもある!
と、いろいろ試してきて思います。
この記事では重いホイールの良い点って、どこ?
軽いホイールだと不利になるのは、どんなとき?
そういったことを解説していきます。
目次
「レースをしない」なら、重いホイールのほうが有利かも
軽いホイールのほうがレースで有利!
というのは、レースで、ほぼすべての選手が最軽量クラスのホイールを使っていることから明らかでしょう。
少なくとも・・プロのロードレースで、2kgもあるいわゆる「鉄下駄」で参加する人は居ないと思います。
なのでこの記事を読まれているあなたが、もしプロのロードレーサーであれば・・
もちろん、選択肢は最軽量クラスのホイール一択!だと思います。
それでは、「一般サイクリスト」・・
つまり、日常生活でロードバイクやクロスバイクを便利に使っている人や、
一週間に一回程度、ロングライドを楽しむといった人たち・・
そんな人たちにも本当に、軽量ホイールが「良い」のでしょうか??
いろいろな意見があるでしょうが・・・
私としては、本気で順位を競うようなレース走行をしないのであれば、
軽量ホイールの有利は、ほとんど無いと思っています。
そしてそれだったら、重いホイールのほうが、安いぶん有利ですので・・
シマノの、2.0kgくらいある1万円ホイールを常用しています。
重いホイールの、具体的なメリットとは
重いホイールにも、メリットはあるわけですが・・
それでは具体的に、どんなメリットがあるの?
以下、解説していきます。
① 頑丈
まず・・重いホイールのほうが頑丈!
基本的には、そうなると思われます。
そもそも・・重いものほど頑丈!
というのは自転車に限らず、工業製品の常です。
同じくらいの工業技術でつくられた、重さに2倍ほどの差がある物であれば・・
重いもののほうが、まず間違いなく頑丈でしょう。
昔は、安いホイールは耐久性が低い!と言われていたようです。
雑に作られており、精度が低く、すぐにフレたり・・
しかし現代で、特にシマノ製品といった定番モノであれば、
1万円くらいの安価なホイールでも、高価なホイールと変わらないくらいの耐久性はある・・と思います。
② 「平地」で走りやすい
平地における走りやすさも、重いホイールのほうがいい場合があります。
「慣性」がうまく働いて、最低限のスピードで走り続けられるからですね。
ここが良い方向に働くか?悪い方向か?は、人それぞれかもしれませんが・・
すくなくとも私自身は、ある程度重いホイールのほうが、
長時間、平坦をずーっと走り続ける場合には、慣性があって走りやすいなぁ・・と感じます。
たとえばサイクリングロードのなめらかな平坦を、ずーっと、ずーっと走り続ける・・
そんな状況なら「重いホイール」のほうが優秀なのでは、と思います。
③ 「安定」しやすい
そしてホイールが重いと「安定」しやすいです。
もともと自転車は、重ければ重いほど安定します。
これはもう、物理法則としてあたりまえです。
そしてホイールは、車体の「低い部分」にくるものです。
低い部分に重いものがくると、「重心が低くなる」効果もありますので、安定効果はさらに高くなります。
実際、私自身も重いホイール・軽量ホイールをつけ替えて比べたことはありますが・・
重いホイールのほうが明らかに、どっしりと安定するなぁ・・と感じます。
まあ、軽いホイールが不安定とはいっても、もちろん事故を起こしやすくなるような不安定さでは無いのですが・・
不安定だとそのぶん、無意識のうちに「立て直す力」を使い続ける形になり、
「疲れやすさ」につながる感じがします。
なので疲れずに遠くまで・・という乗り方をする場合でも、
重いホイールのほうが良い!という場合はあると思います。
重いホイールで「スピード」は、どのくらい落ちる?
重いホイールの「メリット」をいろいろ書いてきましたが・・
「デメリット」ももちろん、あります。
それはもう、ホイールは高いお金を出して軽量化するわけですから・・
その軽さによるメリットはもちろん、あるわけですよね。
そしてデメリットの筆頭は「スピードが落ちる」ことです。
重いホイールだと、スピード落ちる!
これはもう、ツール・ド・フランスなどのロードレースで、何十万円もする軽量ホイールが使われている!
・・という事実から、明らかです。
もし、重いホイールのほうが総合的にみて速い!なんてことになったら、
レースの世界が、すごく見当違いなことをしてることになりますからね・・
もちろん、そんなことは無いわけです。
では・・このスピードへの影響、どのくらいの程度なんでしょうか?
趣味レベルなら、大差は無い
あくまで個人の意見ですが・・そう思います。
なぜ、そう思うのか?
まず、たとえばシマノのいちばん安いクラスのホイールと、いちばん高いクラスのホイールだと・・
重さの差は前後あわせて、700gくらいです。
そして回転部分の重さによる影響は、「1.3-1.6倍」程度になってきます。
(書籍「ロードバイクの科学」より)
そのためハイエンドクラスのホイールは、ローエンドクラスのホイールに対して、
車体重量に換算し、1.0kg程度ぶん程度有利・・と言えると思います。
1キロの軽さ・・レースの世界だと、コンマ数秒も大事ですので、必要でしょう。
しかし通勤とか自転車旅・・とかいった日常ライドだと、
まあ、気にしなくていいレベルなのでは、と思います。
目的地に着くのが、30秒早くなる!
・・まあ、どうでもいいですよね。笑
これが例えば「ずっと登り」とかになると、差はもうちょっと開くと思います。
もちろん平坦より登りのほうが、重さの影響は大きくなりますので・・
それでもやっぱり「スピードを1-2割変える」なんて劇的な効果はまあ、見込めないでしょう。
総じて・・いわゆる「軽量ホイール」は、レースをせず、日常ライドメインで使うのであれば・・
すくなくとも、価格ほどのメリットは無いのでは、と思います。
もちろん、高価な軽量ホイールには、「ブランドもの」のような特別な価値があるため、
そういった価値を含めて検討しても、いいかもしれません。
世間一般では、ホイールは「軽いほど正義」のように言われており・・
私も自転車趣味を始めたばかりの頃、ホイールの軽さを追求したりもしたのですが・・・
レースをしないのであれば、大枚をはたいてまで追求するほどのものではないな・・というのが、
私が、最終的に感じたことでした。
ひと昔前であれば、まともな精度を持つホイールはぜんぶ高価で、
質のいいホイールが欲しければお金を払うしか無い・・ということもあったようですが、
現代であれば、工業技術がものすごく進んできているので、
少なくともシマノなどから探せば、安く高品質なホイールがいくらでも手に入ります。
軽いホイールを追い求めすぎず、
むしろ重くても、品質のいいホイールであればじゅうぶん・・くらいの感覚のほうが、
日常ライドがメインの乗り方であれば、向いているのかもしれません。