旅先を歩くときに、スマートフォンでナビをする方は多いと思いますが・・
スマートフォンは自転車に固定して、ナビとして使うこともできます。
そしてスマホでのナビは、便利ではあるのですが・・
バッテリーが、すぐになくなる!
というのが、大きなデメリットだと思います。
それ以外にも、振動でハンドルバーから跳ね飛ばされて故障してしまったり、雨に濡れて故障してしまったり・・と、
「スマホでの自転車ナビ」にまつわるトラブルは、意外に多いものです。
しかしスマートフォンの選び方や、使い方などなど、いくつかの工夫をしていくことで・・
バッテリーの消費を最小限にしたり、トラブルでナビできなくなる可能性を落としたり・・が実現できます。
私自身、実際にスマートフォンを自転車ナビに使うことが多く、
その中で、トラブルを防ぎつつ快適にナビをするためのノウハウが固まってきました。
なので・・スマホを自転車ナビにうまく使うには、どんなことに気をつければいいのか?
この記事では、そんな疑問に答えていきます。
目次
「ナビ専用」の、安いスマートフォンをもうひとつ買う
自転車のハンドルバーに、スマートフォンをマウントしてナビをする場合・・
スマートフォンは予想以上に、過酷な環境にさらされてしまいます。
まずは、バッテリー消費が激しいです。
常にディスプレイを表示し、GPSや、場合によってはインターネットを常に使い・・
と酷使することになりますので、もちろん、バッテリーはみるみる減っていきます。
そして雨の日に使えば、傘などで守られることもなく直接雨に降られるので、がっつりと濡れてしまいます。
自転車で転んでしまったり、マウントからスマートフォンが吹き飛んでしまったりすれば、
コンクリートに激突しますので、一発で壊れてしまうかもしれません。
そのような過酷な場所に、いつも使っているメインのスマートフォンを使うと・・
バッテリー切れや破損などのトラブルが、とても痛いことになります。。
メインスマホでバッテリーが切れれば、もちろん、めちゃくちゃ不便になります。
電話はできないので、緊急通報ができませんし、迷ったのでタクシーを呼んだり・・も無理になります。
たくさん入れた便利アプリももちろん、使えなくなりますし・・
慣れ親しんだ地図アプリなんかも、もちろんダメになります。
そして、壊れてしまったとするなら・・
高い機種であれば、修理に何万円も払うことになるでしょう。
データも消えてしまうでしょうし、電話やメールもできなくなってしまいます。
そのため自転車ナビ専用に、メインスマートフォン以外に、
安い自転車ナビ用スマートフォンをもうひとつ用意すると良いかもしれません。
自転車ナビ専用のスマホを使っているのなら・・
どれだけバッテリーを消費したとしても、大事な大事なメインスマホには、もちろん何の影響もありません。
たとえ壊れたしまったとしても、財布へのダメージも最小限で済みます。
私自身も実際に、いつも使っているスマホをナビに使っていたら、
誰もいないような村落でいつのまにかバッテリーがゼロになり、地図すら見られなくなり、めちゃくちゃ焦ったり・・
自転車で山道を下っているときに、メインで使っていたiPhoneが自転車から吹っ飛んで、
地面にダイブして割れてしまい、泣きそうになったり・・
という経験があり、その後はナビ用スマホはメインと別に用意するようにしています。
「タフネススマホ」が自転車ナビに最適
それでは、自転車ナビ専用にスマホを用意するとして・・
どんなスマホを選べば良いのでしょうか。
自転車ナビに使うスマートフォンは、バッテリー・本体ともに過酷な状況にさらされやすいです。
なので、条件として・・
- バッテリー持ちが良い
- 頑丈
- 防水性が高い
このあたりは、できるだけ高いレベルでクリアしているものが良いでしょう。
とはいえスマホは星の数ほどあり、一体どれを選べばいいの?となりがちなのですが・・
例えば「タフネススマホ」というカテゴリーのスマホから探してみると、
自転車ナビに向いたものは見つけやすいです。
タフネススマホは、工事現場や製造現場といった過酷な環境にも耐えられる!といった、
いろいろな面でのタフネスが売りになっているようなスマホなのですが・・
自転車で走り回るという環境にも、とても向いたタイプのスマートフォンであると思います。
加えて、壊れてしまったときのお財布へのダメージが少ないよう、安いほうが望ましいです。
かつ、ナビアプリを開くだけの用途となりますので、基本的に処理速度は多少遅くても大丈夫です。
これらのことを考えると・・・最終的には、「価格が安めの、型落ちタフネススマホ」がいちばん用途に合うのではないか、と思います。
ここまで絞っても、候補はいろいろ残るのですが・・
例えば私自身は自転車ナビ用スマホとして、「富士通 Arrowsシリーズ」を愛用しています。
型番は時代によって変わっていきますが、この記事を書いている時点(2021年度)で機種を挙げてみると・・
この「Arrows Be4 F-41A」が条件に合うな、と思います。
サイズ:5.6インチ
重さ:144g
バッテリー容量:2780mAh(連続待受時間:約620時間)
と、サイズ感・重さとしては一般的なスマホで、
バッテリー容量・待受時間はこのサイズ感だと比較的、大きいほうだと思います。
そして、Arrowシリーズならではの特徴として、
「MIL規格」に対応している、というのが挙げられます。
MIL規格とは?
MIL規格 (ミルきかく、英: United States Military Standard) とは、一般的にアメリカ軍が必要とする様々な物資の調達に使われる規格を総称した表現である。ミルスペック(MIL-SPEC、(非公式に)MilSpecs)、MIL-STD、defense standardとも呼ばれる。
ウィキペディアの「MIL規格」より引用
とあるようにアメリカ軍が使っている規格で、
たとえば落下耐性とか、耐衝撃とか、防水性とか・・
さまざまな項目についてテストされ、それをクリアしているときのみ「MIL規格対応」と表示されるわけですね。
そして、富士通のArrowsはシリーズ通して、このMIL規格に対応しています。
(すべての機種ではないかもしれませんが・・そのあたりは、ご自身でもご確認ください)
上で紹介しました「Arrows Be4 F-41A」については、
こんな感じで、ホームページにも対応の記載がありますね。
項目としても、防水・落下・耐衝撃・防塵・高温動作などなど・・
23もの項目がテストをパスしているわけなので、まあ、普通のスマホよりはタフなのではと思います。
ちなみに、最高の防水性能認定である「IPX-8」に認定されたスマートフォンであれば防水性は十分あるのではないか、と思われるかもしれませんが・・・
IPX-8認定されているにもかかわらず、ちょっと水に濡れただけで水没故障してしまうような機種も多いものなのです。。
IPXは目安に過ぎないと思いますので、やはりMIL規格に対応していたり、メーカーが「タフネススマホ」として売り出していたり・・
そういったスマートフォンのほうが、自転車ナビとしては望ましいと思います。
いつの間に!?・・バッテリーの即死を防ぐために
ナビアプリを起動しっぱなしでスマートフォンを使うと、ディスプレイ、インターネット、GPSをフルに使いまくるため、
とくに工夫をしていないと、バッテリーがみるみる減ってしまいます。
まず・・バッテリーの持ちをよくするためには、
ナビ中は「機内モード」にして使うのがいいと思います。
機内モードにすると、バッテリーを多く消費する「インターネット」の機能が使われなくなるので、バッテリー消費が大幅に少なくなるからです。
加えてこの記事を書いている時点では、スマートフォンではiPhoneでもAndroidでもそれぞれ、機内モードの状態でも「GPSは有効」になっています。
そのため機内モードの状態でも、問題なく現在地は表示されます。
メインスマホを機内モードにしてしまうと、電話やメールも受け取れなくなってしまう・・とデメリットが多いですが、
自転車ナビ専用のスマートフォンであれば、機内モードにしてしまっても特に問題ないでしょう。
しかし機内モードにするとグーグルマップなどの、
「インターネットからデータをダウンロードするタイプ」の地図はもちろん、使えない状態になります。
なので例えば「Galileo Map」「maps.me」「Travelko Map」といった・・
あらかじめ日本全体や世界各国の地図をオフラインにダウンロードしておき、インターネット無しで地図表示ができるアプリ、
つまり「オフラインマップアプリ」、といったものが必要になります。
これらのうち筆者は現在、「Galileo Map」を選び、使用しています。
このアプリでは「OpenStreetMap」というフリーの地図情報データベースから、
日本を含む世界中のマップデータを、あらかじめスマートフォンにダウンロードし、
機内モードの状態で地図機能を使うことができます。
引用:iPhone用アプリケーション「Galileo Map」
OpenStreetMapは、以下の画像でお示ししますように、
Google Mapほどではないものの、じゅうぶんな情報量はあると思います。
引用:iPhone用アプリケーション「Galileo Map」
© OpenStreetMap contributors
オフラインからデータを持ってくるため、オンラインマップと比較し表示速度も基本的に早いです。
データ量も、日本全国ぶんの地図をダウンロードして700MB程度と、
現代のスマートフォンの容量があれば、苦もなく入れられるサイズだと思います。
引用:iPhone用アプリケーション「Galileo Map」
オープンストリートマップを自転車ナビにうまく活用する方法については、
この記事でも、詳しく解説しています。
と、自転車ナビとしてスマートフォンを使用する場合は、
オフラインマップを使用し、機内モードで運用するのが一番バッテリーに優しく、良いのでは・・と思います。
さらに!バッテリー消費を極限まで抑えるテクニック
機内モードでスマートフォンを使うことで、バッテリー消費を大きく抑えることはできるのですが・・
ここでは、さらに大きくバッテリー消費量を抑える方法をお伝えしたいと思います。
その方法とは・・
スマートフォンを、走行中に、簡単に電源ボタンを押せるように配置し、
必要なときだけ画面をオンにする、という方法です。
スマートフォンの機種によって、どう配置すればいいかは変わってくると思いますが、
上の画像のように、親指ですぐに電源ボタンを押せるように配置できれば良いでしょう。
このように配置したらあとは、マップを見るときだけ電源をオンにして、
マップを見おわったらすぐに電源をオフにするだけです。
電源の自動オフを設定して、オフは自動にしてもいいかもしれません。
この方法であれば、スマートフォンで、いちばん大きくバッテリーを消費する「ディスプレイ点灯」の時間を
最小限にすることができるため、バッテリーの持ちを格段に伸ばすことができます。
私自身、この方法を使うかどうか?によるバッテリー持ちの変化を試してみたことがあるのですが・・
この方法を使った場合は、使わなかった場合と比較し、バッテリーの消費を半分-1/3程度に減らすことができました。
この方法を使う場合、できればロック画面を表示せずに、電源ボタンを押すだけでナビアプリの画面を表示するようにしたほうが便利です。
Androidの場合、「ロック画面を表示しない」といった設定で可能なのではないか、と思います。
(機種によってはこのような設定ができないかもしれません)
iPhoneでは、ロック画面を表示させない設定はできないと思いますので、
これはAndroid限定の方法になってくると思います。
以上、バッテリーの消費の早さに悩まれている方は、試されてみてはいかがでしょうか。
「スマホではない、ナビ専用機」という選択肢
自転車ナビに使うアイテムとして、スマホはなかなか優秀なのですが・・
自転車ナビの専用機を使う、という選択肢もあります。
例えば「ガーミンのEdgeシリーズ」とか、「ガーミンウォッチ」などといった、
ガーミン製品は自転車乗りのあいだで、よく使われていますね。
ナビ専用機はその名のとおり、ナビに特化した製品です。
そしてスマホと比べると機能が限定されるぶん、
たとえばバッテリー持ちが良かったり、ナビとしての操作性が良かったり・・といったメリットがあります。
逆にスマホ側としては、ナビ以外にもいろいろなことに使えたり・・というメリットがありますね。
最近はスマホがすごいスピードで進化していますので、このあたりのメリット・デメリットは一概に言えなかったりするのですが・・
最小限のバッテリー消費や高い使い勝手で、自転車ナビがしたい!という場合には、
ナビ専用機という選択肢もある!・・とちゃんと把握しておくのは、意味があると思います。
ナビ専用機としては私は現在、「ガーミンウォッチ」を愛用しています。
ガーミンウォッチをナビとして使う方法は、上の記事で詳しく解説していますが・・
自転車ナビ用デバイスとして、スマートフォンは良い選択肢になり得るのですが、
それ以外の「ナビ専用機」の選択肢もある!
と知って比較するほうが、よりイーブンな視点から、ご自身に向いたデバイスを見つけられるのでは・・と思います。
以上、今回は「スマホのバッテリー消費を最小限にしつつ、自転車ナビに使うテクニック」をお話ししてみました。