革サドルは、「メンテナンスが必要」という、稀有なサドルです。
サドルの手入れをする!なんてことは、普通は必要無いのですが・・・
ブルックスなどの革サドルは、クリームを塗り込んだりとか張りを調整したりだとか、いろいろと手間がかかります。
しかし・・こういった「手入れ」をしてあげれば、何時間乗ってもおしりが痛くならない、最高の乗り心地を提供してくれる!
というのが、革サドルだと思います。
私自身は「ブルックス B17」という革サドルを使っています。
そして3-4年ほど前に買ったこのサドルを、いまも、メンテナンスしながら使い続けています。
なので・・日常的なメンテナンスとして、何をすればいいのか?
3-4年使い込むと、実際にどんな感じになるのか?
といったことを軸に、お話ししてみます。
目次
サドルオイルを塗り込む
ブルックスなどの革サドルは、定期的に「サドルオイルを塗り込む」という、
他のサドルには無いひと手間が必要です。
革サドルはプラスチックなどと違い、動物の皮でできていますので、
定期的な「保湿」や「栄養補給」といった目的のために、必要なようですね。
もし、これを全くやっていないと、
すぐにカピカピに乾燥したり、ひび割れて破損したり・・となるようですので、必須でしょう。
① どのオイルを使うのか?
レザーオイルとしては、ブルックス社から純正のものが出ています。
値段が特別に高いわけでもなく、
大量に使うものでもないので、一度買えばかなりの期間持ってくれます。
なので普通は、これを選んでおけばいいと思います。
モノとしては、これでいいのですが・・・
ブルックスのサドルオイルは、「純正の缶」だと、
いつのまにか缶からわずかに漏れて、べとべとになることが多いです。。
(もちろん場合によるでしょうが、私はよく経験しました。。)
なので私の場合は、
オイルはこういう、液体が漏れにくいボトルに入れて使っています。
(「ナルゲンボトル」というのはそういう用途に、有名なようです)
こんな感じです。
こうしておけば私の場合は一度も、オイルが漏れることはなくなりました。
② どのくらいの「量」を使うのか?
オイルの量はごく少量で、大丈夫です。
こんな感じでサドルの表面を、薄くコーティングする感じですね。
オイルの量については、いろいろ言われていますが・・・
特にサドルを買ったばかりの頃は、効果を高めよう!と大量のオイルを使いがちなのですが、
大量に塗りこんだサドルはふにゃふにゃに、ふやけてしまいます。
人間の皮膚だと、保湿クリームをべっとべとに塗りたくって、何時間も置くようなイメージでしょう。
オイルの効果を高めたい場合は、一度に塗る量を上げるのではなく「頻度」を上げるのが常套手段ですので、
オイルは少量!が、基本だと思います。
塗ったあとは、
その後、【12時間程度そのまま】にしておき、革全体にオイルを浸透させ、余分なオイルを拭き取る。
とあるように、塗ったあとは一晩ほど放置して翌日、べとべとが残っているなら拭き取る・・でいいと思います。
③ どのくらいの「頻度」で使うのか?
それでは、どのくらいの頻度で塗ればいいのでしょうか?
販売代理店のサイトでは、
サドルがおしりの形に馴染むまでの慣らし期間は、【この作業を比較的頻繁に】行ってください。
慣らしが終わったその後のケアは【3~6ヶ月毎】で構いません。
と書かれています。
「比較的頻繁」って、どのくらい?
・・・あくまで、個人的な経験からなのですが、
買ったばかりの初期で、2週間に1回ほど塗ってあれげば大丈夫だな、と思いました。
そしてそれが徐々に、1ヶ月に1回になり、2ヶ月に1回になり・・・
最終的には書いてあるように、3-6ヶ月に1回程度に落ち着いていく・・という感じだと思います。
ボルトによるテンション調整
革サドルは、金属フレームにハンモックのように、革が張られた構造になっています。
そしてそのハンモックが、全体重を受け止めるわけですので、
ハンモックの「テンション調整」がすごく、重要になってきます。
テンションが低すぎると、体重を支えきれずに沈んでいってしまいますので。。
テンション調整の方法なのですが、
ブルックスサドルの場合だとまずは、専用工具を用意します。
こんな感じのものですね。
そして・・・
この、サドル先端にあるボルトに、
こんな感じで専用工具を掛けて、「時計回り」に回転させればテンションが上がっていく・・
という、感じですね。
工具は、ブルックスサドルを買えばついてくると思いますし、
もし追加で必要なら、通販などで手に入れることもできます。
単品での入手は難しいようで、
こういう、サドルオイルとセットの「メンテナンスキット」として、入手することができます。
そして、どのくらいのテンションにすればいいのか?ですが・・・
テンションが低すぎるとおしりが埋まってしまい、
高すぎると硬くなりすぎておしりが痛くなります。
そしてここには決まりはなく、
ちょうどいいテンションを、微調整しながら探っていくしか無いです。
乗っていて、おしりがちゃんと支えられていないな・・と感じたら、
1/4回転ぶんくらいボルトを締めて・・・
まだテンションが足りないな・・と感じたら、もうすこし締めて・・を繰り返し、
最終的に体重をしっかり支えてくれるようになるまで、締めるわけです。
あまりパツパツになるまで張ると、革にダメージが入りますし、おしりも痛くなりますので、
「適度な締め具合」を、実際に何度も締めてみて修得していくのがいいと思います。
雨対策は必要か
革サドルは、雨に弱いです。
これも、革サドル特有ですね。
濡れたらまずいサドルなんて、革サドル以外には無いと思います。
革サドルは雨に濡れると、ふにゃふにゃになります。
そしてその状態で乗ると、体重がふにゃふにゃ状態のサドルに負荷をかけて、
ダメージを与えたり、型崩れを起こしたりしてしまいます。
なので雨に濡れないように、レインカバーを装着したり、
雨の中で長時間駐輪しないようにしたり・・と、注意するわけです。
もちろん、雨対策はしておくに越したことはないのですが・・・
個人的には、使い続けた結果、雨対策はしない!というのもアリなのではないか・・と、思うようになりました。
レインカバーを使ったとしても、長時間雨の中に放置すれば結局濡れてしまいますし、
濡れないように、濡れないように・・!とすると、私の場合はストレスになってしまいました。
なのであえて、濡れをまったく気にせず使い、
濡れてやわらかくなった状態でも容赦なく、体重をかける使い方にしてみたのですが・・・
意外と、深刻な型崩れとか破損とかも起きず、
そういう使い方を3年以上続けた現在も、問題なく使える状態だったりします。
濡れた状態で乗ると、革が伸びてはいくのですが・・・
ちゃんと定期的にボルトを締めて、テンション調整してあげれば問題ないです。
ある程度革が伸びても、ボルトを締める余地はまだまだありますし・・・
そして万が一、革が伸び切ってしまったとしても、
サドル自体、私が購入したときで7,000-8,000円とかそのくらいですので、
買い替えてしまえばいい・・と、思います。
と、個人の意見がたくさん入りましたが・・・
ブルックスなどの革サドルは、レインカバーなどでしっかり防水してもいいですし、
それが面倒ならあえて、防水をまったく気にせず使ってしまう・・というのも、
アリなのではないか、とは思いました。
もちろん、破損しない保証とかはできませんので、
あくまでご自身で判断いただければ・・と思います。
と、ブルックスなどの革サドルのメンテナンスについて、お話ししてみました。
サドルは、メンテナンスなんていらないのが普通ですので、
手間がかかる革サドルは面倒で、私も敬遠していたのですが・・・
「育て方」を習得したうえで、長期間乗って慣らしていくと、
ブルックスなどの革サドルは「おしりへの負担の少なさ」において、まさに最強のサドルになります。
興味があればぜひ、試してみては・・と思います。