サドルをもっともっと、限界以上まで、後ろに退げたい・・・
そんなとき、取れる手段は・・・「オフセットが大きいシートポスト」への変更だと思います。
サドルを後ろに退げる方法は、いくつかあります。
②:シートアングルが大きい自転車に乗り換える方法
③:オフセットが大きいシートポストに変更する方法
と、いったところでしょう。
①の、サドルをやぐらごと後ろにずらす方法がいちばん簡単ですので・・
とりあえず、これをやる方が多いと思います。
しかし、限界までずらしても足りない場合は他の方法も必要です。
②の、シートアングルが大きい自転車に換える方法は・・
フレーム自体、もしくは自転車自体の総買い替えが必要ですので、コストが高すぎるでしょう。
なので③の、「オフセットが大きいシートポスト」を探すほうが、手っ取り早いと思います。
どのくらいサドルを退げたいのか?によって、
どのくらいのセットバックがあるシートポストを選べばいいのかはもちろん、変わってくるのですが・・
がっつりとサドルを退げたいのであれば、
できるだけオフセットが大きいシートポストを、選びたくなるはずです。
しかし、オフセットがすごく大きいシートポスト・・というのは、
なかなか無いんですね。。
探せば、いくつか、見つかりはするのですが・・・
しかしだいたいの製品は、レース用のカーボンシートポストで、何万円もしたり・・と、
かなり、高価だったりします。
何にお金を使うかは、もちろん、人それぞれなのですが・・・
さすがに私は、シートポスト一本に、2万も3万もは掛けられないです。。。
そんな中、いろいろと探してみたのですが・・・
NITTO S84
というシートポストですと、「37mm」ものセットバックがあります。
上の画像のものですが・・・
ぱっと見でも、かなり後退量が大きいのが、見てとれるのではないでしょうか。
実測してみても、セットバックは、ほぼ37mmジャストでした。
NITTO公式サイトより引用
公式サイトで見ても、セットバックは37mm、との記載がありますね。
さすがにクロモリだけあって、重量はかなり重いことも、読み取れてしまうわけですが・・笑
しかも価格としても、時期や購入場所などによって変わってはくるでしょうが、
おそらく1万円以内で手に入ると思います。
他には、DIXNAに、「アーク」もしくは「アキレス」というシートポストがあります。
上の画像は、DIXNAの「アーク」です。
これも私は購入したのですが、
NITTO S84よりはすこし安く、6,000円程度で購入できました。
これは、セットバックは公称で、35mmだったのですが・・・
実際に測ってみると、セットバックはおおむね「30mm」しかありませんでした。
やぐらを一番後ろにした状態で、こんな感じなのですが・・・
実測すると、30mmしかありません。
NITTO S84と比べてみると、とてもよく分かりますね。
それぞれ、やぐらを一番後ろまで退げて、
シートポストの角度も同じにしてある状態です。
公称だと、37mm 対 35mmで、2mmしか違わないはずですが・・・
2mmって違いではありませんよね。
少なくとも実測で、NITTO S84のセットバックは、
DIXNA アークよりもかなり大きい・・と言えると思います。
もちろん、ロットなどにより変わってくるところですので、
もし、私が計測した製品がたまたまそうだった・・という場合は、ご容赦ください。。
と、いうわけで・・・
1万円以下くらいの価格帯で、できるだけセットバックが大きいシートポストなら「NITTO S84」!
・・というのが、私なりの結論です。
と、いうわけなのですが、
加えまして・・・
自転車のパーツというのは、特にオフセットなどといった「長さ」とか「重さ」とかいったパラメータで、
メーカーの公称の数値と、実際の製品がかなり違う・・ということがありますので、注意が必要です。
できれば、たとえばシートポストの後退量ですと、
セットバックの量がはっきりわかっているシートポストを、
ウエムラサイクルパーツのような、パーツショップに持参して実測で比較することができれば、ベストだと思います。
もしくは、巻き尺・定規など、長さを測れるものを持参し、
実際に測ってみるか・・ですね。
(このあたりは状況によってマナー違反になることもあるでしょうから、OKかどうかはショップ店員に尋ねるなどして、ご自身でご判断を・・)
まあ、重さに関しては、店頭に並んでいるものを計測するのは難しそうですが・・・
もしかすると、吊り下げるタイプの小型計測器を使えば、いけるかもしれません。
というわけで、1万円以下くらいの安価で、できるかぎり後退量が大きいシートピラーが欲しいのなら、
NITTO S84を選んでおけば、大きい間違いはないと思います。
そして、自転車のパーツというものは「公称値と実測値が違う」ことが、ままありますので・・・
できれば、実際に測ってくれているブログなどから情報を得るか、
実際にパーツショップに行って、現物を見て比較してみるのがいいと思います。
オフセットが大きいシートポストの、需要は、結構あるみたいです。
オフセットが大きいシートポストは、いわゆる「後ろ乗り」がしたいのなら、かなり欲しいところだと思います。
一般的には、前のほうにサドルを置く「前乗り」は、ケイデンス重視、
サドルを後ろのほうに置く「後ろ乗り」は、トルク重視・・と、言われているようですね。
そうであるなら、くるくる足を回すよりも、
重めのギアでぐいぐい進んでいきたいのであれば・・
オフセットが大きいシートポストは、一本あると有利かもしれません。
さらに、私は「おじぎ乗り」という乗り方を、かなり参考にしているのですが・・・
この乗り方では、ハンドルとサドルのあいだに距離をとることが勧められていて、
ハンドルは、ステムを伸ばせばかなり前に出せるのですが、
サドルは、やぐらをせいいっぱい後ろに動かしたら、あとはオフセットが大きいシートポストを探すしかありません。
そういう、限界以上までサドルを後ろに動かしたい・・という方向性には、
オフセットが大きいシートポストは、良いアイテムになるでしょう。
さらに、オフセットが大きいシートポストだと、振動を吸収できる部分が長くなるので、
おしりへの振動の吸収性も、上がると思われます。
実際私は、上記のNITTO S84に交換してから、おしりへの衝撃がかなりマイルドになりました。
(シートポスト素材も変わっているので、オフセットの影響だけではないかもしれませんが・・・)
おしりの痛みへの対策にも、いいかもしれませんね。
・・・と、オフセットが大きいシートポストは場合によっては、
いろいろと使いどころがありますので、
もし必要なら一本、調達してもいいかもしれません。