自転車の、タイヤサイズの見方を知りたい!
このタイヤ、ちゃんとはまるの?
チューブは、どのサイズを選べばいいの?
そういったことを判断するとき「タイヤサイズ」は、重要です。
しかしタイヤサイズは、規格がごちゃごちゃと乱立していて・・
どこを見ればいいの?とか、わけがわからなくなりがちです。
なのでこの記事では、どうタイヤサイズを見れば混乱しないの?
こういう見方をすれば、ちゃんと把握できる!
そういった「タイヤサイズの見方のコツ」を解説していきます。
目次
「C」「インチ」「ETRTO」の3種類
タイヤサイズには、いろいろな表記がありますが・・
ざっくりまとめると、
- 「700 x 23C」などの「C」表記
- 「20 x 1.5」などの「インチ」表記
- 「23 - 622」などの「ETRTO」表記
この3種類です。
(正確には少し違うのですが、わかりやすさ重視でざっくりまとめました)
そして3つすべての表記が、実際に日本で使われています。
さらには、2種類の表記が並べて書いてあったりして・・
特に自転車趣味を始めたばかりだと、どこをどう見ればいいねん!?となりがちなのです。。
どれかひとつに統一してくれればいいのですが・・
そうはいかない事情があるんでしょうね。笑
なので以下、それぞれの表記について「どう見ればいいの?」を解説していきます。
700Cの「C」とは?
「700 x 23C」といった「C」表記は、かなりポピュラーです。
たとえば現代のロードバイクだと、ほとんどが「700C」という直径サイズで・・
そこに太さをあわせて「700 x 23C」とか「700 x 28C」とかになっています。
たとえば700 x 28Cだと・・
こんな感じで、タイヤサイドに表示されていたりします。
この「C」となっている表記は、正しくは「フランス系」表記といって・・
本来はC以外にも「A」「B」「D」もあります。
たとえば「650A」「650B」あたりは日本でも、ちょっとマニアックな自転車で見ることがありますね。
私は以前、この「C」が「mm」みたいな意味だ、と思っていたのですが・・
どうやら、それは違ったようでした。笑
そしてAからDまでのタイプは、それぞれまったく互換性が無いです。
たとえば「650A」と「650B」だと、タイヤの幅も直径もまったく違います。
ここは、かなり複雑にはなるのですが・・
とはいえこのタイプの表記は、日本ではそのほとんどが「700C」です。
なので・・
「700C」という主流のサイズがあって、他にもなんか特殊なサイズがあるんだなぁ
フランス系表記については、そんな感じの把握でいいのでは・・と思います。
それでは・・いちばんポピュラーな「700C」って、具体的にどんなサイズ?
ビード直径が「622mm」
というサイズです。
ビードとは・・
このタイヤの内側の、ホイールにガチッとはまりこむ部分のことですね。
そしてこの622mmというサイズは、完全に固定です。
「ETRTO(エトルト)」という基準にあてはめると、確認できるのですが・・
700Cと言われたら、ビード直径622mmという意味!です。
700Cなのに「700mm」じゃないの?と思われるかもしれません。
確かにここの700は、700mmという意味なのですが・・
「Cサイズ」というタイヤを装着した状態で、「タイヤ外径」が700mm、という意味のようですね。
そしてCサイズタイヤを装着した状態で、タイヤ外径が700mmになっているとき・・
その内側にある「ビード径」が622mmになっている、ということです。
ちなみに「Cサイズ」というのは独自規格のようで、ここを気にしだすとさらにごちゃごちゃになります。。
なのでここ自体は、あまり気にしなくてもいいのでは・・と思いました。笑
700Cの「700」は、直径のことなのですが・・
700Cは必ず「幅」とセットで表記されます。
「700 x 23C」「700 x 28C」と、そんな感じですね。
そしてこっちの「23」「28」といった数字は、シンプルに「タイヤの幅」を表します。
23Cだと、このタイヤの幅が23mm・・
28Cだと28mm、という意味です。
(タイヤによる個体差などで、「実測」すると少し違ってきたりはしますが)
ちなみに幅には、タイヤ幅の他にも「リム幅」がありますが・・
タイヤに表記してある数字は、タイヤ幅のほうですのでご注意ください。
なので例えば「700 x 28C」という表記があったら・・
ビード直径622mm、タイヤ幅28mmのタイヤなんだ!
ということになります。
と、700 x 23Cとかで「C」と書いてあったときの見方は、こんな感じです。
「インチ」表記もよくある
700Cとかで「C」と書いてあることは、ロードバイクでは多いのですが・・
自転車タイヤでは20インチ、みたいに「インチ」で表記されることも多いです
1インチは、イコール「25.4mm」と国際的に決まっていますので・・
ここは、迷いようがないところです。
そしてインチ表記では「20 x 1.50」のような書き方をされ・・
左側の数字が「直径」、右側が「太さ」です。
ここは「700 x 23C」とかの場合と同じですね。
そして700Cとかの時と同じく、左側の直径は「タイヤの直径」ですので・・
いちばん大事な「ビードの直径」は、表記された数字とは違ってきます。
具体的には、たとえば20インチは換算すると「508mm」なわけですが・・
これはタイヤ外径の話で、この場合の「ビード径」は通常「406mm」となっています。
ここもタイヤ外径よりビードのほうが小さい、という話で・・
値そのものは「ETRTO(エトルト)」という基準を見ればわかりますね。
自転車のタイヤは「ビード直径」が違うと、絶対に装着できません。
なのでインチ数からビード直径を確認し、あとは太さが合うか?など考えていけばいいです。
なのですが・・
インチ数による表記にはここでひとつ、罠があります。
「WO規格」と「HE規格」で違ってくる、ということですね。
「モノタロウ」該当ページより引用
インチ表記にはこんなふうに、WO・HEのふたつの規格があります。
そして・・
- WO:太さの表記が「分数」
- HE:太さの表記が「小数」
という決まりがあります。
「20 x 1 - 1/8」だとWO、「20 x 1.25」だとHE、といった感じです。
そしてこのWO・HEが違うと、まったく互換性が無くなってしまいます。
「20 x 1 - 1/2」と「20 x 1.5」だと、数字的には同じように思えますが・・
実際にはサイズがぜんぜん違い、タイヤははまらない・・という感じですね。
なので例えば、自分の自転車は20インチだ!と思っていたとしても・・
自分の自転車はHEで、買ったタイヤがWOだったので、はまらない!
という、もうワケがわからなくなるようなことが起きるんですね。。笑
ちなみにWO・HEのうち、わかりやすいのは「HE」のほうです。
HEだと、たとえば20インチだとビード径は「406mm」・・みたいに、基本的に固定されています。
インチ数は同じで、太さだけ違うタイヤを使ってみる!みたいなこともできます。
しかしWOだと・・同じ20インチなのに、ビード直径が違ってくるという、地獄みたいなことになっています。笑
たとえば「20 x 1 - 1/8」と「20 x 1 - 3/8」だと、同じ20インチのはずなのに、直径が違ってくるんですね。。
(ここも「ETRTO」から確認すればわかります)
なのでWO規格の場合、ちょっと太いタイヤを試してみる・・みたいなことさえ、まともにできない場合があるのです。。
と、タイヤのインチ数表記の見方は、こんな感じです。
まあ正直かなり、わけわからなくなりますよね。。
私自身、ちゃんと理解できている自身はないです・・笑
しかし、3つめのタイヤサイズ表記「ETRTO」を使えば・・
実はこのあたりの複雑さは、すっきり解消したりします。
「ETRTO」を軸にすれば、すっきりする
ここまでに700Cとかの「C」や、「インチ」による表記を解説してきましたが・・
第3の表記「ETRTO(エトルト)」という表記のしかたもあります。
そして、正直・・
ETRTOが一番わかりやすく、実用性も高い
表記方法です。
ETRTOは例えば、タイヤサイドだと・・
こんな感じで表示されています。
この例の場合だと「28 - 622」です。
そしてこれは「タイヤ幅 - ビード径」という意味です。
上のタイヤだと、タイヤ幅が28mmで、ビード直径が622mm・・ということですね。
ここで大事なのは、基準が「ビード直径」だということです。
700Cとか、20インチとかはここが「タイヤ直径」だったのですが・・
実際に、タイヤがはまるのか?とかを検討するとき、必要なのはビード直径のほうです。
なのでそのビード直径を確実に表記してくれているのは、すごくありがたいのです。
そして・・ETRTO表記は、シンプルです。
AとかBとかCとか、WOとかHEとか・・そんな分かりにくい要素はありません。
「タイヤ幅 - ビード径」・・この表記が全てで、なのですごくわかりやすいです。
そしてETRTOは、「C」や「インチ」といった基準から「換算」ができます。
たとえば700 x 23Cだと、ETRTO換算で「23 -622」・・
たとえば16 x 1.75インチだと「47 - 305」になり・・
さらには「26 x 1-3/8 x 1-1/2 NL」なんていう地獄みたいな表記でも、
ETRTO換算すれば「40-571」と、すっきりまとまります。
ETRTOについて、
上の記事でも詳しく解説しているのですが・・
ここで「換算表」についても解説していて、そういったところから簡単に換算できます。
そして換算してしまえば、シンプルな直径・太さだけの形になりますので・・
このタイヤは使えるのか?使えないのか?
このタイヤとこのタイヤだと、どっちが太いのか?
そういったところが迷いどころなく、スムーズに判断できるようになります。
と、ETRTOはとてつもなく使いやすい基準ですので・・
タイヤサイズを見るときは正直、ETRTOだけ見ていればそれでいいと思います。
私自身、このインチ数とこのインチ数は合うのか?・・とか、もうそんな目では見ていません。
ETRTO表記があれば、ETRTOだけを優先的に見ていますし・・
インチ表記もインチのまま判断はせず、必ず一度ETRTO換算しています。
・・正直、早くすべてをETRTOに統一してほしい、とまで思ってしまいます・・笑
今回は自転車タイヤサイズの見方について、それぞれの基準をもとに解説してみました。