スポークテンションメーター、使ったほうがいいかな?
スポークテンションメーターが、ホイールの整備に必要そうだけど、
本当に必要かどうかわからない・・・
この記事に来られた方の中には、そういう疑問を持つ方もいるかもしれません。
スポークテンションメーターは、振れ取りとか、ホイールのバランスをとるとかの、
「ホイール整備」における必須アイテムです。
なのですが・・・
使い方が難しすぎて、わけわかんなくなって結局使わなくなる
そんなアイテムとしても、よく知られています。
スポークテンションメーターを使うときは・・・
「パークツール TM-1 スポークテンションメーター換算表」を引用
こんな感じの「換算表」を見るべきなのですが・・
まあ、なかなかに難解だと思います・・笑
もちろん、本当はちゃんと理解して使うべきですし、
自転車メカニックなどのプロであればもちろん、そうしていると思うのですが・・・
私のような「素人が」「普段の整備のなかで」使うときには、
もうちょっと簡便さを重視した、シンプルな使い方をしたほうが使いやすいかな・・と、
スポークテンションメーターを実際に使ってみて思いました。
なのでこの記事ではスポークテンションメーターを、
最小限の手間で、できるだけシンプルに使う方法を書いていきます。
目次
スポークテンションは「一周をざっくりと」揃える
ホイールには、スポークがたくさんあるわけですが・・・
スポークは一周、だいたい同じくらいになっているべきだと思います。
「一本のスポークの張力が10なのに、その反対側の張力が7しか無い・・!」
そんな状態だと、バランスがとれていませんので、
ホイールの強度が下がったり、変形したりするはずです。
そして・・自分の場合は、スポークテンションメーターは、
一周ぶんのスポークテンションを、ざっくりと揃える
このために使っています。
例えば・・・
例えばこのホイールですと、スポークは左右8本ずつの、合計16本です。
これは前輪で、左右差は特に出ませんので・・・
このホイールですとこの16本全部が、だいたい、同じテンションになるべきなはずです。
すべて完全に同じにするべきか?は、分かれるところかもしれませんが・・・
少なくとも、10、8、7、12・・みたいな、ガッタガタなテンションだとしたら、それはNGだと思います。
それでは次に、実際にスポークテンションメーターで測っていきます。
こんな感じですね。
目盛りに、テンションが表示されるわけですが・・・
これを16本すべて測り終え、明らかに高すぎるスポーク、もしくは低すぎるスポークがあるか?を探すわけです。
すべてのスポークがだいたい同じテンションなら、基本的には、問題ないはずです。
明らかにテンションが低くなっているスポークがあるなら、それはホイールへの衝撃などで緩んでいる可能性がありますので、
基本的には、ニップル回しでニップルを締めて、テンションを上げることを検討します。
「ニップルを回す方向」や、ニップル回しの使い方はこの記事で解説しています。
もし、これが後輪ですと・・・
こちらの「ギアがあるほう」のスポークテンションは、強いパワーが掛かる関係上、
ギアが無いほうのスポークテンションより高めになります。
なのでこっちは左右均等!ではないので、注意が必要なのですが・・・
一周ぶんのテンションは均等に、という基本は同じです。
ちなみに、私自身が愛用しているスポークテンションメーターは、
この「TM-1」という型番のものです。
パークツールという定番メーカーのものですし、そこそこ使いやすく、
なんといっても安いですので、気に入っています。
こんな感じの目盛りで、テンションを読み取り・・・
ここにスポークを挟むことで、測定します。
なかなかに使いやすいので、おすすめです。
スポークテンションメーター「TM-1」のより詳しい情報や使い方については、
上の記事で解説しています。
スポークテンションは「振れ」とセットで見ていくべき
と、スポークテンションは「バランス」を見ていけば、ある程度までなら、揃えることができるのですが・・・
それでは、すべてのスポークテンションをばっちり同じ!にすれば、それでOKか?
・・というと、そういうわけでもないです。
というのは・・・
スポークテンションの調整は、テンションそのものを均等にする以外にも、
「振れ」なく仕上げる、というのも重要だからです。
振れというのは、本来、真円の形になるべきホイールが、
ぐにゃっと、横とか縦とかに変形してしまっている状態ですね。
そしてこれは、スポークテンションがちょっと狂うだけでも、意外に起きやすかったりするのです。。
振れが起きると、ホイールの強度が下がってしまい、さらにどんどん振れは進行していき、
最後にはホイールが壊れてしまうこともあります。
なので「振れ取り」と言って、振れたホイールをまた真円に戻すべく、
ひたすら、スポークテンションを調整する作業が必要なのです。。
ここで、ジレンマがでてきます。
「スポークテンションの均等」を優先するか?「振れが無いこと」を優先するか?
ということです。
スポークテンションが完全に均等でも、すこしだけ振れが残る・・という場合があります。
そしてその逆で、スポークテンションは少しばらばらの状態で、振れがまったく無い・・という場合もあります。
なので、このどっちを優先するか?を考えないといけないわけですね。
そしてここは、どっちを優先するのが正解!とかは無いですので、
うまい感じにバランスを取るしかないです。
スポークテンションのバランスと、振れがないホイールバランスとを両立させる、ということですね。
と、スポークテンションを見ていくときは、テンションそのものだけでなく、
「振れ」も一緒に見ていくといいと思います。
今回はスポークテンションメーターのざっくりとした使い方と、注意点についてお話ししてみました。