自転車のパンクは、どうしても起きてしまうものです。
どんなに自転車に慣れた人でも、たとえプロのロードバイク乗りであっても、
パンクは「する時はしてしまう、仕方のないもの」だと思います。
なのですが・・・
もし、短期間でパンクを何度も何度も「繰り返す」場合・・
もしくは、せっかくパンク修理したのに、またすぐ空気が抜ける!といった場合・・・
もしかしたら・・これ!といった原因があるのかもしれません。
この記事では、パンクを「繰り返す」ケースに焦点を絞って、
起きる理由と、その解決方法を解説していきます。
目次
繰り返す理由①:タイヤの「裏側」をきれいにしていない
一番多いのが、これだと思います。
パンク修理をするときは、タイヤやチューブを取り外すわけですが・・・
そのときにタイヤの裏側を、指などで徹底的にきれいにするべきです。
パンクしたときには小石やトゲなど、なんらかの異物がタイヤに刺さっていたり、裏側に入ってしまっていたり・・が多いです。
そもそも、それが原因でパンクするわけですね。
そしてもちろん、チューブを入れ替えてパンク修理完了!と思っても・・・
小石などの原因が「残ったまま」で空気を入れ直せば、小石などがすさまじい圧力でチューブに押し付けられ・・
そうなれば当然、二度目のパンク!が、起きるわけです。
なのでパンク修理をするときには、指で、タイヤの裏側を徹底的に触診して、
異物がないか確かめます。
異物があればもちろん、取り除きます。
これで繰り返すパンクはある程度、防げるはずです。
たとえば家の中でのパンク修理など、落ち着いた状況ならじっくりとチェックできるのですが・・
出先でのパンクなど、できるだけ早くライドに戻りたい!なんて状況ではついつい、チェックがなおざりになってしまうものです。
なのでそういう焦りやすい状況であるほど、ちゃんとタイヤの裏側もチェックする!が重要になります。
ここは注意すれば、確実に確認できるところだと思いますので、
パンク修理のときにはぜひ、しっかりチェックすることをおすすめします。
繰り返す理由②:チューブが噛み込んでいる
チューブが噛み込んでしまっているケースも、けっこう多いです。
この赤丸あたりの、「タイヤ」と「リム」の境目からチューブが飛び出しているような状態ですね。
チューブは、タイヤの中に完全に入れなければいけないのですが、
それができていない場合に、この「飛び出し」はよく起こります。
特に急いでいると、ミスりがちな部分ですね。。
私自身も、やってしまったことはあります。。
チューブが飛び出した状態で空気を入れると、
金属のリムがチューブに食い込んだ状態で、7気圧とかのすさまじい圧力がかかりますので・・・
新品のチューブだろうが当然、ふたたびパンクしてしまいます。
もしくはその場ではパンクせず、走っている衝撃でチューブが破れて、二度目のパンク・・というケースもあるでしょう。
とはいえここも、気をつけていれば防げる部分ですので、
チューブを入れたあとは必ず噛み込んでいないか、一周ぐるっとチェックしてから、空気を入れるほうがいいと思います。
繰り返す理由③:タイヤ、もしくはチューブが劣化している
タイヤやチューブが劣化していても、繰り返すパンクの原因になります。
もう何年かわからないほどずっと、同じタイヤを使っている・・とか、
もしくはパンクするたびにパッチを当てて修理するけど、ぜんぜんチューブを「交換」しない・・といった場合に、
いつのまにか劣化していることは多いです。
タイヤもチューブもゴム製品ですので、長年使えば破れやすくなっていき、
それに気づかずにパンク修理しても当然、また破れてしまう可能性は高いのです。
で、パンクを繰り返す・・というわけですね。
とはいえ・・この理由のパンクは、タイヤやチューブを新調すれば、確実に防げるはずです。
もし、パンクを繰り返してしまう場合で、
そういえばタイヤやチューブ、最後に変えたのもう何年も前だな・・というのであれば、
この機会に交換してしまうほうがいいかもしれないです。
繰り返す理由④:「リムテープ」が劣化している
「リムテープ」というパーツが劣化している場合にも、パンクを繰り返してしまいます。
リムテープは、
こんな感じで、ホイールを一周覆うような、頑丈なテープのことで・・
チューブを、硬くて尖った場所のある「リム」から保護し、パンクを防ぐ効果があります。
リムテープって、どんなパーツ?の詳しいところは、
上の記事で解説しているのですが・・
これが劣化したり、うまく貼られていなかったり・・というのも、繰り返すパンクの原因になり得ます。
なのでパンクを繰り返す、でも原因がわからない、という場合は・・
このリムテープも、チェックするべき場所のひとつになってきます。
そしてこのリムテープが劣化したり、破損していたりした場合は・・
基本的には「交換」してしまうのが一番です。
リムテープはやり方さえわかってしまえば、さくっと簡単に交換してしまえるからですね。
リムテープの交換方法については、
上の記事で詳しく解説しました。
繰り返す理由⑤:「タイヤの質」が低い
使っているタイヤの質が、すごく低かった・・というのも、繰り返すパンクの原因になり得ます。
タイヤという自転車パーツにももちろん、ピンからキリまで・・といった、質のレベルがあるのですが・・
質が高いタイヤであるほど、ゴムの質がよく耐久性があったり、耐パンク用の強力なレースガードベルトが仕込まれていたりします。
もちろん、軽量化に特化して耐パンク性を無視したようなものもあるので、一概には言えないですが・・
基本的には、それなりの値段がして質がいいタイヤは、パンクに強いものです。
そしてあまりに安いタイヤなど、質が低いタイヤの場合だと「パンク耐性」がぜんぜん追求されておらず・・
そういったタイヤが劣化してしまうと、何度も何度もパンクしてしまう・・となる可能性はあります。
一概には言えませんが・・自転車を買ったときのタイヤで、もうずっと替えていない!とかだと、
そういう状態になっている可能性は、上がると思います。
質が高いタイヤって、具体的にどんなもの?
例えばロードバイクやクロスバイクだと、この「コンチネンタル グランプリ」シリーズのタイヤは優秀だと思います。
何百kmも走り続けるイベント「ブルベ」でよく使われていることや、自転車通勤によく採用されていることからも、
その耐パンク性における信頼性が、うかがえると思います。
しかもコンチネンタルグランプリは転がりの良さとか、軽さとか、そのあたりもバランスよく満たしている名品です。
私自身、これをけっこう長い間使っていますね。
もしくは例えば、やや「重くて頑丈」なタイプのタイヤにはなりますが・・
この「シュワルベ マラソン」も定番です。
このタイプは「頑丈さに全振り」したようなタイヤで、パンク耐性の高さでは「最強」なのではないか?・・と言えるほどの定評があります。
こっちも、そのパンク耐性の高さを見込んだ人たちが、自転車で日本一周に採用していたり・・
もしくは、パンクすると困る自転車通勤に採用していたり・・という、逸品ですね。
こっちのタイヤは、お世辞にも「軽い」タイヤとは言えず、転がりも少しもっさりするかもしれませんが・・
パンク耐性を極限まで追求したい!のであれば、第一選択になりうるシリーズだと思います。
と、人によって合う、合わないはあるでしょうし、
たとえばママチャリなどであれば、ぜんぜん違うところからタイヤを選ぶことになるでしょうが・・
空気がすぐ抜けるときは「タイヤ選び」にも気を使ってみると、もしかすると、解決できるかもしれません。
繰り返す理由⑥:空気圧が高すぎる・低すぎる
空気を入れすぎ・もしくは空気が少なすぎの場合も、繰り返すパンクの原因になります。
タイヤには「規定の空気圧」があり、それはタイヤに書いてあることが多いです。
なので基本的に、それを守っていればヘンな空気圧になることはないのですが・・・
乗り心地をよくするために、空気を少なめにしてみよう!とか、
もしくは走行抵抗を極限まで高めるために、空気をタイヤがカンカンに硬くなるまで入れたり・・というのは、
結構、されることのようです。
もちろん空気圧があまりに高いと、圧力が掛かりすぎてパンクしますし・・・
逆に空気圧が低すぎると、段差を越えるときにリムがチューブ食い込んでしまう、
いわゆる「リム打ち」パンクをしてしまいます。
そして空気圧がパンクの原因になっていたとして、それに気づかずに、パンク修理のあとまた同じ空気圧にした場合・・・
当然、二度目のパンクが起きる可能性は、上がるのです。。
なのでパンクが頻繁に起きる場合は、「空気圧」もしっかり見ておくほうがいいと思います。
自転車の空気圧はどう調整する?については、
上の記事で解説しています。
繰り返す理由⑦:「乗り方」がまずい
タイヤやチューブ自体など「機材」に問題があっても、繰り返すパンクは起きるのですが・・・
自転車でどこを走るのか?といった「乗り方」のほうも、繰り返すパンクの原因になるかもしれません。
例えば、車道の隅っこばかりを走っているような場合です。
車道では「キープレフト」が、自転車の原則なのですが・・・
車道のギリギリ左端というのは、ゴミとか異物とか、パンクの原因になるようなものがたくさん落ちていたりします。
なのでそういう場所ばかりを、いつも延々と走っているのであれば、
何度もパンクを起こす可能性は、高くなってしまうのです。。
もしくは段差に、体重をどっかり乗せたまま突っ込んでいくような場合ですね。
例えば体重が70kgあるとして、前輪には30kg以上の体重が、常に掛かっているわけです。
それだけの体重が掛かったままの状態で、たとえば歩道の段差に、おもいっきり突撃していったとしたら・・
タイヤの中で潰れたチューブには、すごい負荷がかかりますし・・
もしかしたら段差のコンクリートそのものとか、金属のリムとかに挟み込まれて一発で、パンクしてしまうかもしれません。
そういう乗り方を、ずっとしているとしたら・・・
パンクを何度も繰り返してしまう可能性は、もちろん、上がるのです。
段差を越えるときには、越える瞬間にタイヤから荷重を抜く「抜重」や・・
腕や身体をやわらかく使って、衝撃を逃がす「脱力」は基本だと思います。
私自身、そんなに上手いわけでもないのですが・・笑
パンクを繰り返してしまうときは、機材以外にも「乗り方」にも注目してみると・・
もしかしたら、うまくいくかもしれないです。
・・と、「繰り返すパンク」に焦点を絞って、解説してみました。
パンクを完全に防ぐのは不可能で、どんな達人であっても、する時はするものなのですが・・・
パンクを「短期間で何度も繰り返す」というのは、何かまずい原因があることが多く、
原因さえ改善すればちゃんと、防げることが多いです。
もし、せっかくパンク修理したのに、すぐまた空気が抜ける!!・・ということが多いのであれば、
ぜひ、記事の内容も参考に、いろいろ試行錯誤してみては・・と思います。