今回は、自転車で使うボルトが必要になったときに、
必要な長さ・太さ・ピッチを正しく測り、
調達する方法について、お話ししていきたいと思います。
自転車には、たくさんのボルトが使われているのですが、
整備のさいに緩めたり締めたりを繰り返すと、強度が下がっていってしまい危険な場合があります。
もしくは、パーツ交換のときに、もともとついていたボルトが合わずに、
新しいボルトが欲しくなる、というのはよくあることです。
それ以外にも例えば、ロングライド中にブレーキボルトが突然折れた、などのトラブルが起こり、
新しいボルトを手に入れたくなることがあると思います。
まず、ボルトの入手先なのですが、実店舗だとホームセンターで入手することもできますし、
オンラインだと「モノタロウ」から入手することができます。
モノタロウは、DIY用品をメインとした、Amazonのような通販サイトであり、
ボルトなど、DIY系資材の充実度はAmazonよりずっと良いです。
ボルト以外にも、自転車整備に使うさまざまなアイテムを調達することができますので、
覚えておいて損はないと思います。
では、これらの入手先からどのようにしてボルトを入手するかなのですが、
ボルトをホームセンターなどに持参し、同じサイズのものを探してもらう、という方法でももちろん良いのですが、
以下、ご自身にて欲しいボルトを探し、注文・購入する方法をお伝えしていきたいと思います。
ボルトを購入するためには、
あらかじめ、欲しいボルトの「太さ」「長さ」「ピッチ」を測っておく必要があります。
まず、ボルトの太さについてですが、自転車に使われているボルトの太さは、
ほとんどが「M5」「M6」といった表記で表されます。
これはネジを切られた部分の太さ(mm)のことであり、ノギスを使うと簡単に測定することができます。
上の写真のボルトは、ネジ部分の太さが6mmであり、「M6」のボルトとなります。
長さは、ネジを切られた部分の長さであり、これもノギスなどで簡単に測定できます。
上の写真のボルトであれば、長さ40mmのボルト、ということになります。
ピッチに関してですが、
ピッチとは、ボルトのネジが切ってある部分の、ネジの溝幅のことです。
これは「ピッチゲージ」というツールを使うことで測ることができます。
上記のように、さまざまなピッチに対応したプレートが、束になっているツールです。
これを以下のようにネジに当て、ピッチを測ります。
上記のように1.0mmのプレートがぴったり合えば、このネジのピッチは1.0mm、ということです。
ピッチは通常、ボルトの太さに対応してあらかじめ決まっているのですが、
自転車には特殊なピッチのボルトが使われていることもありますので、あらかじめ測っておいたほうが良いでしょう。
これらのデータがわかったら、対応したボルトを探して注文すれば完了です。
ちなみに、ボルトの素材についてですが、
自転車に使われているボルトは、特殊なものを除き鉄製、もしくはステンレス製ですので、
これらの素材のものから選んでおくのがよいと思います。
これらのボルトは強度は高いのですが、
ボルトとパーツとの接触部分が錆びることが多いため(ステンレスでも「電蝕」というメカニズムにより錆びることがあります)、
しっかりとグリスを塗ったうえで、締め込むことをおすすめします。
それ以外のもアルミやチタンといったボルトもあるのですが、
脆かったり非常に高価だったりとデメリットのほうが多いため、基本的にはおすすめしません。
またボルトは、締めるべき強さがあらかじめ決まっており(メーカーにより指定されており)、
それより強く締めすぎるとボルトの破損、弱く締めすぎると走行中の緩みなどを起こすことが無いとは言えず、たいへん危険です。
そのためボルトは、トルクレンチを入手し、トルクレンチを使って締められることをお勧めします。
(トルクレンチについては、以下の記事をご参照ください)
また、ボルトは安価なので、自転車整備をよくされるのであれば、
さまざまな太さ・長さのボルトをひととおりストックしておくと、
ボルトが必要なときにその都度わざわざ買う必要がなくなります。
今回は、自転車整備に使うボルトを調達する方法をお伝えしました。
たかがボルトと思われがちですが、ボルトは自転車整備においてとても重要な部品です。
自転車に適したボルトをしっかりと選び、使用されることをおすすめします。