筋力は不要!
筋力に頼るな!!
・・と、武道とかスポーツとか、いろいろなところで言われていると思います。
筋肉や筋力に頼らず、脱力してスムーズに動けるほうが、
より「レベルが高い」動作だ・・と、されることが多いですよね。
しかし・・ロードバイクなどの「自転車」に筋力って、必要なの?
筋肉を鍛えて筋力アップして、パワーを上げる!!
・・って、自転車ではどうなの?
ここは実は、いろいろな「条件」によって変わってきたりします。
目次
「体重」を使えているかどうか
自転車で、前に進むためのパワーソースは、
「体重」と「筋力」のふたつだと思います。
筋肉のパワーで、ペダルを回す・・・
体重をかけて、ペダルを回す・・・
どちらも、ありますよね。
このふたつの、どっちが上!とかは無くて、
どっちを使うのも、もちろん自由なのですが・・・
このふたつのうち「体重」のほうは、意外と使うのが難しいものです。
体重を使うための乗り方・・といったものも、いろいろあるのですが・・・
例えば重心が「後傾」していると、体重はほとんど使えなくなってしまいます。
なので「後傾」を防ぎ、正しい重心位置で乗る方法といったものが、
体重をちゃんとパワーソースにするためには、必要だったりするのです。
そしてもし、体重がまったく使えていない場合は、
使えるパワーは「筋力だけ」になります。
もし、そうだとしたら・・・
「筋力=推進力」になりますので、進むためには筋力を鍛えるべき!!となるわけですが・・・
やっぱりそれは、あまり良い状態ではなくて、
「筋力」も「体重」もバランスよく使える状態のほうが、より良いと思います。
なのでもしも、「筋力だけで進んでいる」状態なのだとすれば・・・
筋力をトレーニングで鍛えて、パワーを上げようとするよりも、
まずは「筋力」と「体重」をバランスよく使えるようになる・・という方向を追求してみると、
もしかするとより脱力した、筋力だけに頼らない乗り方が実現するかもしれません。
まあ、ここは私自身、目下練習中のところですが・・笑。
すごく速いスピードを、出すかどうか
体重を使うのも大事だ!と、言ってきたわけですが・・・
実はすごく速いスピードを出すときは、パワーソースはほとんど筋力だけになります。
40km/hでの巡航とか、一時的なら50km/hとか60km/hとかいう、いわゆる「レースレベルの速度」ですね。
体重というのは、「弱い力を長時間出し続ける」のに向いています。
対して筋力は、「強いパワーを出す」のに向いています。
体重をほぼ100%、ペダルに載せ続けることができていたとしても・・・
それだけで60km/hとかいうスピードを出すのは、難しいと思います。
やっぱり、それだけのパワーを出したいのなら、
脚や全身の筋力をおもいっきり使って、しっかりと回すしか無いですよね。
なので例えば、競輪やロードレースのスプリントといったレベルのスピードを求めるのなら、
しっかりと筋力トレーニングをして、体を鍛えていくべき・・ということになってくるでしょう。
このあたりが、競輪選手やロードレースのスプリンターに、
ごついマッチョ体格の人が多くなる理由だと思います。
逆にレースレベルで飛ばしたりはほとんどせず、
「疲れず快適にロングライドする」といった方向を重視する、私のようなタイプであれば・・・
筋力を重視していくよりも、まずは「体重」をいかにうまく使うか?のほうが、
スムーズに進める方向性なのではないか・・と、思います。
「どの筋肉」を使うのか?も重要
自転車で進むのに、筋力を使うとして・・・
「どこの筋肉を使うのか?」というのも、ポイントだったりします。
例えば、腕を使ってボールを投げたり、パンチを打ったりするときは、
腕の末端ではなく、「根っこ」のほうを使うほうがいいと言われるはずです。
腕だけではなく、肩甲骨とか、体幹とか、ちゃんとそっちを使うべき・・ということですね。
自転車だと重要なのは、腕より脚なわけですが、
脚でもここは、同じだと思います。
脚の土台といえば、この「股関節」なわけですが・・・
筋肉としては「腸腰筋」とか「ハムストリングス」とかを使って、この股関節を動かす感じがいいと思います。
逆につま先とかの末端ばかりを使いすぎると、ふくらはぎがすごく痛くなる原因になったり・・・
もしくは太ももが痛くなる原因になったり、することもあります。
なので自転車で筋力を発揮するのは、ぜんぜん良いとは思うのですが、
筋力のなかでもできるだけ「根っこのほうにある筋肉」を使うようにすると、より良いのではないかと思います。
と、「自転車に筋力は必要か?」についてお話ししてみました。
もちろん、筋力はちゃんとあるに越したことはないのですが・・・
個人の趣味レベルで自転車に乗るのなら、いかに「体重」をうまく使いこなすか?を考えるほうが、
日々のライドには役に立つかな・・と、個人的には思いました。