乗り物はエンジンの力で走ります。
そして自転車のエンジンは、人間の脚力です。
なので自転車のエンジン性能は、乗っている人が「剛脚」なのか?それとも「貧脚」なのか?
基本的にそれだけによって、変わってくるものです。
「剛脚」「貧脚」という言葉は自転車趣味をしていると、よく聞くと思います。
自分って、剛脚?それとも貧脚?
貧脚から剛脚になるには、こんな方法がある!などなど・・
そして自転車乗りにとって、剛脚か貧脚か、というのは・・
それだけ話題に出るくらい、すごく重要なポイントだったりします。
なのでこの記事では、剛脚の人と貧脚の人って、どう見分けるの?
貧脚から剛脚になるには、どうすればいい?
剛脚になる!って、本当に必要なの?
そんな感じで「剛脚と貧脚」をテーマにお話ししていきます。
目次
「普通の道」では剛脚?貧脚?はわからない
そもそも、貧脚と剛脚ってどう見分ければいいの?
私は剛脚なの?貧脚なの?
貧脚と思っていたけど、実は剛脚だった!とかある?
まずは、そういった貧脚と剛脚の「判断法」から解説してみます。
まず、貧脚か剛脚か?というのは・・
- ロードレースで競い合う
- ヒルクライムレースで競い合う
- サーキットでタイムを競い合う
そういった、決まったルールの中での「競争」をすれば、一番よく分かります。
そもそも競争というのは、「競い合って実力を測る」といった目的が強いので、それはそうですよね。
なので例えば「このくらいのレベルのレースで、このくらいの順位」みたいな結果が分かれば・・
それで剛脚度・貧脚度といったところも、かなりはっきり分かるはずです。
とはいえガチのレースに参加する人というのは、自転車趣味人の中でも、おそらくそう多くはないです。
私自身、レースに参加したことはほとんどありません。
なのでここでは「一般的な自転車ライドの中で」剛脚・貧脚は見分けられる?
ここについても解説してみます。
まず、街中で限界までスピードを出して走る!ということは、まずありません。
街中は信号とか、他の車とか、歩行者とかがたくさんですので・・
そんなところで最高速を出すのは、ただただ危ないだけですよね。
ふつうの街中で、びゅーんと、速いスピードで走っていたとしても・・
それは単に、スピードをそんなに出さないほうがいい状況で「イキっている」だけの可能性があります。
そしてもちろん、「下り」で限界までスピードを出すなんてことも、無いはずです。
初心者でも下りでブレーキを離せば、それだけでも70km/hとか80km/hとか出るわけですが・・
それをやってしまうのは、単なる命知らずですよね。笑
(一応書いておくと、技術のあるプロがやるのは問題ないと思います)
しかも自転車は、本当の意味で「上手い」人であればあるほど・・
むやみに、必要以上のスピードを出したりしないものです。
むしろ「ここでスピードを出しすぎたら、飛び出しとかに対応できないな」「この下りでスピードを出し過ぎたら、吹っ飛ぶかも」とかいったことを、正しく判断し・・
そういう状況では適度にスピードを緩めるのが、ほんとうに上手い人の行動だと思います。
そういった事情がありますので・・
一般的道を普通に走っただけでは、剛脚?貧脚?は判断できないのです。
「登り」なら剛脚を見分けられる
しかし剛脚?貧脚を簡単に、かなりの正確さで見極められる「場」があります。
「登り」、ですね。
登りだと当然ですが、「スピードを出しすぎて危ない」なんて気にする必要はないです。
(世界トップクラスの選手でもない限りは・・笑)
基本的にフルパワーか、それに近いパワーを出しながら、登り続けるはずです。
そして登りだと基本的に、複数人で走るときも「隊列を組む」必要がありません。
なので剛脚の人はすいすい登り、貧脚の人はなかなか登れない・・
と「脚力の差」がはっきりと、浮き彫りになります。
さらに言うと、登りはキツさとかそういうものが、「顔」に出ますよね。
激坂を速く登りつつも、息も切らさず、涼しい顔をしている人であれば・・
その人は間違いなく、剛脚でしょう。
逆に、街中などの飛ばすべきではない場所で、調子に乗って飛ばしているだけの人の場合は・・
登りに入るとすぐに、ボロが出ます。
すこし登っただけでゼエゼエと息切れしている場合は、剛脚ということはまず無いでしょう。
なので自分自身や他の人が、剛脚なのか?貧脚なのか?を判断したいのなら・・
一緒に登ってみるのが一番だと思います。
貧脚から剛脚になる「鍛え方」
じゃあ、貧脚から剛脚になるためには、どうすればいいの?
ここも気になるところかもしれません。
剛脚になるためには、最終的には「脚のパワーを上げる」しか無いです。
自転車を進めるのは、人間の脚力だけですので・・
ペダルを回す脚の力がじゅうぶんに強くなれば、それは剛脚になった!と言えます。
では、脚の筋肉をめちゃくちゃ鍛えて、脚マッチョになればいい!
そう考えるのが、いちばん自然な方向性かもしれません。
しかし自転車には自転車ならではの、ペダルを回すのに向いた筋肉の使い方というのがあったりします。
たとえば「腸腰筋・大殿筋を使う」とかですね。
自転車に向いた筋肉の使い方については、
上の記事で解説しているのですが・・
つまりはシンプルに筋肉を鍛えるだけではなく、「ペダルを回すのに向いた鍛え方」をするということです。
たとえば脚を鍛えるとなると、スクワットとかで負荷を掛けるのが思い浮かびます。
そして空き缶を潰すように「真下に」力を掛けるのなら、それで強化できるのですが・・
自転車のペダルを回すときはもちろん、力を「円の形に」かけるわけですので、ちょっと違ってきます。
その場合は単純に「脚を伸ばす」筋肉を鍛えるというよりも・・
もっと複雑な、さまざまな方向に力を出せる鍛え方が必要になってくるでしょう。
もし、剛脚になりたい!と思うのであれば、挙げたような記事を参考にしながら・・
踏む筋力だけではなく「自転車ならではの筋力」を鍛えていくと、より効率よく剛脚に近づけるかもしれません。
貧脚から剛脚になる「身体の使い方」
脚の筋肉を鍛えまくれば、剛脚になれる!
もちろんそれはそうなのですが・・
「乗り方」を工夫することでも、剛脚を得られるかもしれません。
自転車は「乗り方」によっても、出せるパワーが変わってきます。
たとえば自分の体重が常に、クランクを逆転させてしまう「後傾」という乗り方をやってしまうと・・
筋力が強くてもそれが打ち消されてしまいますので、筋肉のわりには剛脚じゃないな、となりかねないです。
自転車で出せるパワーは「脚力」と「体重」の合計なわけですので・・
体重をより高い効率で使って、そっちからもっと大きな力を出せるようにする!
それができれば筋肉をたくさん鍛えなくとも、「剛脚」に近づくことができます。
特に女性や、もともと筋肉が細めの人だと、この「体重を効果的に使う」アプローチは有効です。
筋トレで筋肉を太くするのは、体質や性別などによってどうしても限界が出てくるのですが・・
「乗り方」を変える方向性だと、そういった要素にあまり左右されずにパワーを上げることができます。
じゃあ、体重を効果的に使うにはどうすれば?
ここは、
上の記事で詳しく解説しました。
「剛脚になる」って、本当に必要?
剛脚になりたい!というのは、自転車乗りからよく聞かれることですが・・
剛脚になるって、本当に必要?
ここも、一度考えてもいいかもしれません。
確かに、もし本格的にレースをやるのなら、「剛脚」は絶対に必要でしょう。
高いレベルでスピードを競い合うのなら、脚力が強くないと話になりませんし・・
特にプロレベルともなれば、そのために毎日厳しい鍛錬をすることになると思います。
しかし一般的な自転車乗りなら、脚力を上げ剛脚になる!というより・・
「ロングライドに耐えられる身体づくり」のほうが大事かもしれません。
というのも・・上でもすこし書いたように、一般的な道で最高速を出すことは、ほとんど無いです。
なので脚力を鍛えに鍛えて、剛脚を手に入れたとしても・・
その剛脚が発揮される場は、とても少ないのです。
対して「ロングライド能力」は、一般的な自転車乗りにもメリットが大きいです。
長距離を乗れる能力があれば、自転車で遠くまで行って楽しめますし・・
日常的にも疲れにくく、快適なライドを実現することができます。
脚力が強ければ、長距離も乗れるのでは?と思われるかもしれませんが・・
例えば一般的に剛脚と言われる、爆発的な脚力は「速筋」メインとなります。
対して長距離を疲れずに走る筋力は「遅筋」が主体になってきます。
なので剛脚になる!という方向性は、一般的な自転車乗りが快適になる方向性とは、ちょっと違ってきてしまうのです。
もちろん、剛脚になろう!と努力することを否定するつもりは全くありません。
それはもちろん自由ですし、価値のあることだと思いますので・・
しかし、剛脚を求める!というのが・・
自分が自転車乗りとして快適に過ごすために、本当に必要か?
ここは一考してもいいのでは、と思います。
今回は貧脚と剛脚をテーマにお話ししてみました。