自転車のワイヤーロックを、開けようとするけど・・
あれ?壊れたみたいで、どうしても開かない!
仕方ない。。もう、壊すしか無い!
というのは、私自身が昔経験したことですが・・
ワイヤーロックがどうしても開かない!もしくは、鍵をなくしてスペアも入手できない!
そんな場合は基本的に、壊すしかなくなります。
私もそのときは実際に破壊しました。
しかしワイヤーロックはけっこう、頑丈です。
なので「壊し方」がわからない場合、なかなか壊せず立ち往生してしまいかねません。。
切ろうとするけど、切れない!という状況ですね。
なのでこの記事では、キーをなくしたり鍵穴を壊してしまったりで、どうしようもなくなった時用に・・
自転車用のワイヤーロックの壊し方を解説していきます。
目次
「ボルトクリッパー」がいちばん有効
まず、いちばん有効な切断方法からです。
ワイヤーロックを壊したい場合は、「ボルトクリッパー」がいちばん有効です。
ボルトクリッパーというのは・・
こんな感じの、チェーンなどをカットできる大型工具のことです。
ボルクリ、とか呼ばれることもありますね。
ボルトクリッパーにはポケットに入るくらい小さなものから、ぶら提げると地面に着くくらい大型のものまであり・・
ホームセンターや工具ショップといった、さまざまな場所で入手できます。
そしてボルトクリッパーは、金属ボルトやチェーンといった「金属が詰まった」構造でも切れるものですので・・
金属をより合わせただけの「ワイヤー」なら、基本的には簡単にカットできます。
私自身、ワイヤーロックの鍵をなくしてしまった時は・・
近くのホームセンターで小型のボルトクリッパーを調達して、カットしました。
そのときは「挟み込んで、ザクッ!」の2秒くらいで、いとも簡単に切れてしまい・・
安いワイヤーロックではあったものの、ボルトクリッパーの威力に驚いたものです。
そしてボルトクリッパーは、ハサミのような「切断系」の中では一番、金属のカットに向くと思われます。
なのでワイヤーロックをカットしたいなら、とりあえずボルトクリッパー!
それで、大きな間違いにはならないと思います。
ボルトクリッパーを使うときの注意点
ボルトクリッパーを使うときには、いくつかの注意点があります。
挙げてみると・・
②:「シェル」で覆われたワイヤーの場合、手こずるのを覚悟する
③:「周囲の目」に注意する
こんな感じです。
以下、ひとつずつ解説していきます。
①:ワイヤーを「挟み込める」サイズのものを使う
まず・・ボルトクリッパーはとても強力なかわりに、「挟み込める太さ」が小さいです。
強力なテコの原理を得るために、そこが犠牲になっているわけですね。
そしてワイヤーロックには、ボルトクリッパーの使用を想定し「太く」作ってあるものも多いです。
そして太いワイヤーロックは、ボルトクリッパーでちゃんと挟み込めない場合があり・・
その場合はうまくカットできなかったり、かなり手こずったりするものなのです。
もちろんボルトクリッパーは大型になるほど「重く、目立つ」ようになるので、そこはトレードオフですが・・
切断しようとするワイヤーの太さを見極め、ちゃんと「挟み込める」ボルトクリッパーを用意するのは大事です。
②:「シェル」で覆われたワイヤーの場合、手こずるのを覚悟する
「シェル」で覆われたタイプのワイヤーロックの場合だと・・
ボルトクリッパーで切断する難易度は、かなり上がってきます。
シェルというのは、
ABUSのワイヤーロック解説ページより画像を引用
こんな感じの「金属の外殻」のことで、ワイヤーの周囲に鎧のように装着されるものです。
これが装備されたものは「アーマードロック」とか呼ばれることもあります。
これは通常「ボルトクリッパー対策」みたいな目的で装備されるもので・・
ボルトクリッパーの刃が表面で滑り、威力を発揮しにくくなる効果があります。
さらに当然ながら、ワイヤーそのものより頑丈ですし・・
ワイヤーを「少しずつカットしていく」というやり方も、これがあると使いにくくなります。
なのでシェルが装備されたワイヤーロックは、そう簡単には切れないだろう・・と思ったほうがいいです。
ちなみに一般的なワイヤーロックは、
こんな感じで「ビニール」だけで覆われて、中のワイヤーが透けて見えるものが多く・・
このタイプなら、さほど苦労せずカットできるのではと思います。
③:「周囲の目」に注意する
「周囲の目」に注意するのも、ボルトクリッパーを使うとき大事になってきます。
自分自身の自転車の、自分で掛けたワイヤーロックを破壊するのは、ルール的には何の問題も無いのですが・・
まわりの人たちからは、その自転車は誰のものか?なんてもちろん分かりません。
なのではたから見ると、自転車泥棒のように見えるかも知れないからです。
さらにボルトクリッパーというのは、結構ゴツイ工具です。
サイズにもよりますが、特に大型のものだと・・
周りの人に「あんなもの持って、一体何をしようとしているんだ??」みたいな目で見られるかもしれません。
そして最悪、警察に通報されてしまう可能性もあると思われます。
その場合ももちろん、自転車は自分のものだとちゃんと証明できれば、最終的には問題にならないでしょうが・・
無用なトラブルは当然ながら、できるだけ避けたいところです。
かと言ってあまりにコソコソすると、逆に怪しく見えるかもしれませんが・・笑
ボルトクリッパーを使うときは、周囲の目には十分気を使うほうがいいと思います。
ペンチやワイヤーカッターでもいける場合あり
ボルトクリッパーのような、超強力な工具までは使わなくとも・・
「ペンチ」や「ワイヤーカッター」といった、もっとマイルドな工具でも切れる場合はあります。
ペンチもワイヤーカッターも、そのへんのホームセンターなどでいくらでも手に入りますし・・
切り方としても、ふつうに刃をかけてふつうに切るだけです。
そしてこれで切れてしまうなら、ボルトクリッパーといったちょっと高価な工具は必要なくなります。
ワイヤーロックは、細いワイヤーをより合わせたものですので・・
それを1本ずつ切るように、少しずつカットしていくことができれば、いつかは切断することができます。
とはいえペンチやワイヤーカッターだと、頑丈なタイプのワイヤーロックは切れないと思われます。
頑丈なタイプだとシンプルに強度が高く、刃が立たない可能性もありますし・・
もしシェルに覆われたアーマードタイプなら、切るのはまず無理でしょう。
なので低めのコストでできる外し方として、まずはペンチあたりを試してみて・・
無理だった場合に、ボルトクリッパーを調達する!
これがいちばん自然な流れになるかな、という感じがします。
警察に連絡し、壊してもらう
自分でワイヤーロックを壊す前に、警察に連絡し来てもらう!
これも選択肢のひとつになります。
ワイヤーロックは自分だけでも、頑張れば最終的には壊せるでしょう。
しかし自転車泥棒と間違えられ、通報されるリスクもあるので・・
長時間掛かったり、人通りが多いところだったりするとマズいかもしれません。。
なのでそういう場合は警察に連絡し、対応方法を相談するのがおすすめです。
この場合は緊急性はそんなに高くないので、番号は110番ではなく「#9110」のほうが適切でしょう。
(#9110は警察の「相談専用電話」で、政府広報オンラインのこちらのページで解説してあります)
そして事情を話せば、何らかの対応をしてくれるものですし・・
場合によっては、警察の側でカットしてくれる場合もあるようです。
そしてその場合なら誰に見られていても、関係ありませんよね。
もしくは自分が破壊するのを、警察に監督してもらう、といった選択肢もあるでしょう。
警察に居てもらえるのなら基本的に、泥棒と間違えられるリスクは無くなります。
とはいえ警察に連絡するには、ひとつ条件があります。
「防犯登録」をちゃんとしている、ということです。
もし防犯登録をしているなら、「その自転車が自分のものである」ことを確実に証明できます。
警察の側で、照会してもらえばいいだけですよね。
なのでワイヤーロックを壊してもらうにあたって、何の問題も起きません。
しかし防犯登録を「していない」場合・・
その自転車は自分のものだ!と証明できないかもしれません。
その場合は「他人の自転車を、自分のものと言い張っているのでは?」とかあらぬ疑いを掛けられかねないのです。
そもそも防犯登録は義務なので、「していない」ことは基本的に無いはずなのですが・・
もししていない場合は、こういったケースでも不利になる可能性があります。。
ワイヤーロックの破壊に「向かない」工具
ワイヤーロックの破壊方法を、いろいろ書いてみましたが・・
ワイヤーロックの破壊には「向かない」工具、といったものもあります。
なのでそういったものを使ってしまわないよう、ここも解説しておきます。
ワイヤーロックの切断に向かない工具は・・
- のこぎり系(糸鋸など)
- ハサミ系(枝切りハサミなど)
こんな感じです。
まず・・のこぎりは何かを切る方法としては、とても優れたものです。
ペンチなどがパチン!と一瞬できるのに対して・・
のこぎりは時間をかけて、じっくり切っていくのに向きますよね。
なのですが・・のこぎりはワイヤーロックの破壊には、向かないです。
理由はワイヤーロックには「柔軟性」があり、刃が立ちにくいからですね。
のこぎりは例えば、木製のものを切るには最適です。
そして金属用ののこぎりなら、アルミ材や鋼材を切れる場合もあります。
しかし・・有効なのは「硬くて頑丈」なターゲットだったりします。
なのでチェーンロックといった、硬いタイプの鍵には有効なのですが・・
ワイヤーはやわらかくてよく動き、刃が引っかかるような構造も少ないものです。
なので逃げてしまって、そう簡単には切れないのです。
ハサミ系の工具も、ワイヤーを切る方法としては微妙です。
まあ、紙を切る普通のハサミを使おうなんて、思われないでしょうが・・
世の中には「大ばさみ」と言えるような、ごついサイズのハサミもあります。
例えば園芸用の枝切りバサミとか、代表的ですね。
なのでそういった工具でも、ワイヤーロックは切れるのでは?
そう思われる場合はありそうですが・・基本的には、難しいと思われます。
なぜならハサミ系は「柔らかいものを切る」のに特化しているからですね。
ハサミの刃はやわらかいものをカットするために、薄く鋭く作ってあるもので・・
ワイヤーは細いものをより合わせてあるとはいえ、「硬い金属」です。
なのでワイヤーやハサミの質にもよるのですが、基本的には「刃が立たない」結果になると思われます。
逆にボルトクリッパーといった工具は、もともと「硬いものを切る」のに特化していますので・・
刃の構造もハサミ系に比べると、圧倒的に分厚く頑丈になっています。
なのでワイヤーロックを壊したいなら「ハサミ系」は避け、より向いた工具を選ぶのがおすすめです。
ワイヤーロックの破壊を「防ぐ」方法
ワイヤーロックの壊し方について、いろいろ書いてはみましたが・・
この記事に書いた方法は正直、悪用できてしまいます。
なので書くかどうか、少しだけ迷ったのですが・・笑
しかしワイヤーロックを壊し、自転車を盗もう!とする人は・・
この記事に書いているような方法はそもそも、普通に使ってくるものです。
なのでワイヤーロックを壊されないよう防ぐためには、この記事で書いた破壊方法を無効化するよう考えるのが有効です。
まあ、鍵をなくしたりした時に自分で壊すのも難しくなるのですが・・
そこはまあ、トレードオフだったりします。笑
ワイヤーロックの破壊を防ぐには、どんな方法を使えばいいのか?
以下、解説してみます。
「頑丈なワイヤーロック」を使う
ワイヤーロックを破壊から防ぐために、いちばん有効なのは・・
とりあえず「頑丈なワイヤーロック」を使うことです。
防御力が低くて破壊されてしまうのなら、とりあえず頑丈にしておこう!
これは基本的な考えですし、それゆえに有効です。
じゃあ、頑丈なワイヤーロックって具体的にどんなもの?
この記事を書いている時点で「いちばん頑丈なワイヤーロック」は・・
上の記事で紹介した「ABUS 840 KEY」という製品になると思われます。
このワイヤーロックは、頑丈な鍵を作る定番メーカー「ABUS」の製品ですし・・
ケーブルの直径が「2cm」もあるので、ボルトクリッパーで挟み込みにくいです。
そして金属の鎧に覆われた「アーマードロック」タイプなので、防御力はワイヤーロックの中では最高クラスだと思います。
これ以外にも、頑丈な鍵の定番メーカー「ABUS」のワイヤーロックは、
上の記事で書いていますが・・
こういったところから選べば、自転車ショップで安く売られているワイヤーロックとは雲泥の差の防御力が得られるでしょう。
「より頑丈なタイプの鍵」を使う
と、頑丈なワイヤーロックを使うのも有効なのですが・・
そもそも「ワイヤーロック」というのは、自転車鍵の中ではいちばん脆い鍵カテゴリだったりします。
なのでその中で、最強クラスのものを選んだとしても・・
実は「自転車鍵全体」から見ると、そこまで頑丈でもなかったりするのです。
じゃあ、さらに頑丈な鍵ってどんなものがあるの?
例えば、
上の記事で紹介した「クリプトナイト エボリューション ミニ 7」というのは、頑丈な鍵としてはド定番です。
私自身、何年も使っているものですね。
これは「U字ロック」という、トップクラスに頑丈なタイプの鍵で・・
しかも「クリプトナイト」という、これまたド定番の鍵メーカーの製品です。
そして特にこの鍵の強さは、いろいろな動画などでテストされているのですが・・
大型のボルトクリッパーでも破壊できないと言えるくらいの強さがあるようです。
なのでこの記事で書いた「ワイヤーロックの破壊方法」は、鍵にこれを使えばほぼ完全に無効化してしまえます。
逆に考えると、ボルトクリッパーといった強力な工具を完全に防ぐためには・・
ここまで頑丈な鍵を使うしかないんだ、とも言えるでしょう。
「ボルトクリッパーでの破壊が難しい、ワイヤーロックより頑丈な鍵」については、
上の記事たちでも紹介しています。
それぞれ「クリプトナイト」「ABUS」といった、トップクラスに頑丈な鍵を作るメーカーたちの・・
「U字ロック」「ブレードロック」「チェーンロック」といった、ワイヤーロックより頑丈なタイプの鍵たちとなっています。
と、いろいろ書いてはみましたが・・
ワイヤーロックは「ボルトクリッパー」といった工具を使えば、基本的にざっくり切れるものです。
なので壊したい場合は、そういったものを調達すればいいですし・・
壊されてしまうのを防ぎたい場合は「ボルトクリッパーが効かない鍵」といったものを使うしかないかな、と思われます。
今回は自転車のワイヤーロックの壊し方をお話ししました。