折りたたみ自転車で100km、走れますか?
②:いやいや、意外と余裕だよ?
・・どちらも、よく言われることだと思います。
実際、折りたたみ自転車で100kmくらいのロングライドって、どうなの?
どのくらいきついの?可能なの?走るときの注意点とかあるの?
というのは、よく持たれる疑問のようです。
私自身は折りたたみ自転車で100km走ってみたことが、過去に何度もありますので・・
折りたたみ自転車で長距離って、実際どんな感じなの?
この記事では、そんな疑問に答えていきます。
目次
折りたたみ自転車で100kmは、どのくらいきつい?疲れる?
「ロードバイク」で100km走るのは、けっこう簡単だ・・と多くの人が言いますし、
実際、私もそのとおりだと思います。
100kmといえば、クルマでも大変な距離ですので、
自転車で走り抜くなんてとんでもない!と、私も思っていたのですが・・・
自転車でありながら、原付並みのスピードが出る「ロードバイク」の力を借りれば、
特に鍛えているわけでもない私でも、意外とかんたんに、達成することができました。
初めて100km走って、地図を見返したときの、
「自分の脚だけで、こんなところまで来たのか・・」という感動は、なかなかのものでした。
しかし・・・これが「折りたたみ自転車で」となると、話がかなり、違ってきます。
折りたたみ自転車は、その輪行能力と引き換えに、
ロードバイクやクロスバイクといったフルサイズ自転車と比べるとだいぶ、走行能力が下がってしまいます。
これは、15万円とか20万円とかする、性能のいい折りたたみ自転車でも同じです。
私は愛車として、折りたたみ自転車の「ブロンプトン」を所有しているのですが・・・
個人的な感覚で、ざっくりと走行能力をロードバイクと比べると、
だいたい7-8割くらいかな・・と感じます。
Birdy(旧BD-1)、DAHONといった、ハイレベルな折りたたみ自転車メーカーの自転車だと、
だいたい、同じような感じだと思います。
ホームセンターで、1万円とかで買える折りたたみ自転車は・・・
以前、私も使っていたのですが、
ちょっと、話にならないくらい走行性能が低いですので・・・
ここでは、話から省かせていただきます。
それでは、ブロンプトンなどといった折りたたみ自転車で・・・
100kmという距離は、どの程度のものでしょうか?
これも、個人的な感覚にはなってしまうのですが・・・
だいたい、ロードバイクの1.2倍くらいのエネルギーを使えば、走りきれる・・と、感じました。
折りたたみ自転車で100km走るのは、ロードバイクで100km走るよりも明らかに、きついです。
これはもう、じっくりと比べるまでもなく、はっきりと体感できます。
もちろん、どんな道を走るのか?とか、いろいろな要素の影響があるのですが・・・
ある道をロードバイクで、100km走ったときは、
「ふぅ、疲れた・・」くらいの、ぜんぜん余力がある感じだったのですが、
同じ道をブロンプトンで、同じように走ったときは、「めっちゃ疲れた・・!」といった感じの、
かなり、余力が少なくなった感じになりました。
ロードバイクに換算すると、120km走ったときくらいだと思います。
もちろん、どのくらい疲れるのかは、人によるでしょう。
200km走ろうが300km走ろうが疲れない、鉄人のような人も実際にいると思いますし、
そういう人は折りたたみ自転車でも、相当な距離を、疲れずに走れるでしょう。
しかし、ブロンプトンのような、18インチくらいの高性能な折りたたみ自転車と、
700cの、しっかりしたロードバイクとを比べたときには・・・
そのロングライド能力には「1.2倍」くらいの差があるなぁ・・というのが、
何度も乗ってみての、個人的な感想です。
逆に言えば、どこでも持ち運べる「折りたたみ自転車」であっても、
ロードバイクの8割くらいの距離は、走れてしまうんだ・・とも、
言えると思います。
折りたたみ自転車で100km・・がハードなのは、なぜ?
折りたたみ自転車がなぜ、ロングライド能力でロードバイクに、あきらかに劣ってしまうのか?
いちばんの違いは、何なのか??
・・・と言えば、これはもう「ホイールサイズ」でしょう。
折りたたみ自転車はほとんどの場合において、ホイールサイズが小さい、いわゆる「ミニベロ」となります。
折りたたみサイズを小さくするために、どうしても、小さくせざるを得ないんですね。。
しっかりした折りたたみ自転車は、折りたたみフレームといえどちゃんと剛性があり、
その「しっかり度」は、ロードバイクフレームにも劣らないほどなのですが・・
ホイールサイズの差は、物理的に、どうしようもありません。
14インチ、16インチ、18インチ、20インチ・・などなど、ホイールサイズによって劇的な差は出るのですが・・・
ホイールサイズが小さいと、
ホイールが回転し続けることで、自転車を安定させる能力・・
つまり「フライホイール効果」が、すごく小さくなります。
折りたたみ自転車でも、ふらついて事故に結びつくほどには、
不安定にはならないものですが・・・
それでも、ロードバイクはこのフライホイール効果が強いので、
折りたたみ自転車よりも圧倒的に安定性が高くなり・・・
その不安定さを、からだの動きで補う必要がないですので、
ロードバイクは疲れにくい・・と、言えるのだと思います。
逆に言えば、しっかりした折りたたみ自転車ならフレーム強度とかの「その他の要素」は、そんなには変わりないです。
なので折りたたみ自転車でもロードバイクとかと比べて、そんなに、ものすごく変わる!とはならないのかな・・とも思います。
100kmライドは「パーツ選び」でもラクにできる
折りたたみ自転車で100km走る・・は、「パーツ」の選び方を工夫することでもかなり、楽になります。
パーツの選び方で具体的に、なにを改善するの?
身体へのダメージを和らげる
これがいちばん大事だと思います。
折りたたみ自転車はホイールが小さいですので、ロードバイク・クロスバイクといった自転車と比べると、
どうしても振動がガンガン、身体にきてしまいます。
実際に折りたたみ自転車に乗っている方であれば、段差を越えたり、ガタガタ道を走ったりするときの振動が、
圧倒的に大きい・・というのは、おわかりいだたけると思います。
そして当然、100kmもの距離を走るあいだじゅうずっと、強い振動を受けまくっていれば・・
疲れたり、手やお尻が痛くなったり・・となりますし、
場合によってはそれで途中までしか走れなかったり・・となる可能性もあります。
そして身体へのダメージは例えば、衝撃の吸収力が高い「サドル」「グリップ」といったものを使えば、かなりラクになります。
例えば私自身は上の記事たちで解説するように、サドルに「ブルックスの革サドル」、グリップに「エルゴングリップ」を使っているのですが・・
それぞれ振動吸収性に特化したようなパーツで、私の場合は折りたたみ自転車に最初からついていたパーツと比べると、
乗っていてはっきりとわかるくらいには、身体へのダメージが軽減しました。
特にブルックスサドルによる「おしりの痛み」の軽減と、エルゴングリップによる「手の痛み」の軽減については、劇的な効果があったと思います。
長距離におすすめの「車種」は、これ!
折りたたみ自転車には、長距離に向いた「車種」もあります。
折りたたみ自転車はもともと、長距離がきつい自転車ですが・・
その中でもロングライド向きタイプを選べば、そのきつさはかなりマシになります。
じゃあ、長距離向き折りたたみ自転車の条件は?
- ホイールベースが長い
- 重い
このふたつが筆頭だと思います。
理由は、このふたつがあれば「安定性」が増すからですね。
ホイールベースは、ホイール同士の距離のことで・・
人間でいう足幅にあたり、基本的に広いほうが自転車は安定します。
そして自転車は軽いほうが、スピードや加速性については有利ですが・・
「安定性」が欲しいなら、重い自転車に軍配があがります。
そして安定性が高い自転車は、長距離でも疲れにくいです。
安定性が高ければ、ホイールが小さい折りたたみ自転車でも、ふらつきにくくなりますので・・
「ふらつきによる体力の消耗」といったものが減るからですね。
なので長距離性能を狙うなら、軽さや俊敏さといったものより、安定性を重視するほうがいいのです。
じゃあ、長距離に向いた具体的な車種は?
ここは、私自身が乗っているものになってしまいますが・・
「ブロンプトン」は、なかなか悪くないのではと思います。
ブロンプトンの「ホイールベース」と「重さ」がどのくらいなのか?を、上の記事たちで解説しているのですが・・
ブロンプトンは私の知る限り、トップクラスにホイールベースが長く、そして重いです。
なので乗っていても、ホイールが小さい折りたたみ自転車にしては、かなりの安定感があります。
そのかわりもちろん、走りの「軽快さ」「機敏さ」といったものは低いのですが・・
長距離ライドを重視するのなら、ブロンプトンをはじめ「ホイールベースが長く、重い」ものを選ぶことをおすすめしておきます。
長距離に向いた「乗り方」は?
折りたたみ自転車で長距離を走るときの、「乗り方」はどうする?
身体の負担を最小限にしつつ、ラクに長い距離をクリアするコツとか無いの?
というのも気になるところかもしれません。
そしてここは、私自身としては「腰を落ち着けて、しっかり乗る」のが大事!
と、これまでの経験から思いました。
折りたたみ自転車はロードバイクなどと比べて、不安定です。
ロードバイクなら、サドルに軽くおしりをつけて「ふわっと」乗る感じでも問題ないです。
なので「しっかり乗る」ということに力を使わず、ペダリングだけにパワーを集中できます。
しかし折りたたみ自転車で「ふわっと」乗ってしまうと、安定性が足りず疲れやすくなるように感じます。
なので折りたたみ自転車だと、もうちょっと腰をサドルに落ち着けて、しっかり自転車を安定させる!
このほうが特に長距離においては疲れにくく、ライドが快適になるように思います。
もしくは折りたたみ自転車はホイールサイズが小さく、慣性不足になりやすいですので・・
「体重を活かしてペダルを回す」乗り方というのも、ロードバイクよりもっと重要になると思います。
体重をちゃんと使う方法については、上の記事で詳しく解説していますが・・
ロングライドに不利な折りたたみ自転車でも、こういった工夫をしていけば、そう悪くないライドができるなと思いました。
折りたたみ自転車はロードバイクなどと比べると、さすがに走行能力はかなり水をあけられるのですが・・
それでも絶望的に走れない、とかそんなことは全然ないです。
頑張れば、ふつうに100kmとか走れてしまうものですね。
さらに折りたたみ自転車だと行きだけ自走し、帰りは輪行・・が簡単にできるのも嬉しいポイントかもしれません。
折りたたみ自転車で長距離!とは、なかなか思わないかもしれませんが・・
「折りたたみ自転車で走りきった!」というのが意外と、達成感を味わわせてくれたりもします。
なので興味があれば、ぜひチャレンジしてみては・・と思います。
今回は折りたたみ自転車で長距離を走るをテーマにお話ししました。