クロスバイクを卒業し、ロードバイクに乗り換える!!
というのはスポーツ自転車における、王道とも言えるアップグレードですよね。
今まさに買い換えよう!としている人も、もしかしたら居るかもしれません。
クロスバイクを買ったとしても、すぐロードバイクが欲しくなるよ!とか・・
いっそ、最初からロードバイクを買ってしまっては?とかも、よく言われていると思います。
私も例のごとく、最初のスポーツ自転車としてクロスバイクを購入し・・
数年間乗ったあと「卒業」して、ロードバイクに乗り換えました。
初めて乗るロードバイクは、確かに、良いものだったのですが・・・
実際のところ、クロスバイクにも、ロードバイクより優れた点がたくさんあり、
ロードバイクに乗り換えたことを後悔するポイントも、けっこう、ありました。
そして結局は、クロスバイクも確保することになりました。
その後・・意外にも生活の中で、私がメインで乗り回しているのは結局、
「クロスバイク」のほう、だったりします。
なのでこの記事では、クロスバイクからロードバイクに乗り換えると後悔する?
どんな場合は乗り換えたほうが良くて、どんな場合はやめとくほうがいいの?
そんなところを解説していきます。
目次
クロスバイクは「小回り性能」が高い
まず、クロスバイクは圧倒的に、小回り性能が高いです。
というより、ロードバイクの小回り性能が低いんですね。
ドロップハンドルの自転車に乗ったことがない方であれば、感覚ではわかりにくいかもしれませんが・・・
ドロップハンドルというのは「直進特化」のハンドルです。
場合によっては、何時間も連続で・・
もしくは50km/hを超えるような速度で、「まっすぐに」走り続けるためのハンドルなのです。
ロードレースやトラックレースでよく使われるハンドルですので、当たり前かもしれませんが・・・
対してクロスバイクに使われるバーハンドルは、
もともと、マウンテンバイクに使われていたタイプのハンドルです。
マウンテンバイクは当然、ものすごい速度で直進するというよりは・・
障害物をすばやく避けたり、衝撃をいなしたりするほうが重要です。
なので、そのバーハンドルを装備しているクロスバイクは・・
ロードバイクと比べて「街中での機動性」といったものが、圧倒的に高くなります。
歩行者やクルマをひらひら避けたり、すばやく方向転換したり、が得意なわけですね。
逆に、ロードバイクに乗り換えると・・
狭い場所での方向転換が難しくなるので、走りにくい!!となるかもしれません。
「ブレーキ性能」も、クロスバイクのほうが高い
ブレーキ性能も基本的に、クロスバイクのほうが高いです。
単純にバーハンドルのほうが、ブレーキを強力に握りやすいからですね。
これはもう、握り比べればすぐ分かるのですが・・
バーハンドルのほうがドロップハンドルより明らかに、握力を発揮しやすい形になります。
腕の向きとか手の角度とか、おそらくそのあたりが影響するのでしょう。
バーハンドルのほうが「テコ」的にも有利ですね。
そしてブレーキの制動力は基本的に、握力に比例します。
ブレーキシューで挟み込んで、摩擦力で止めるという原理上、これも当然ですね。
なので、ロードバイクに乗り換えると・・
クロスバイクなら軽い握力でギュッ!と止まっていたのに、ロードバイクはかなり止めにくい。。
クロスバイクのほうが、乗りやすいやん。。
そんなことになる可能性も、あるとは思います。
「巡航速度」は、さほど変わらない
そして・・・肝心のスピードそのものも、大して変わらないです。
クロスバイクでは25km/hで巡航していたところを、ロードバイクに乗り換えたら30km/hに上がった!
・・・とか、そんなことは起きません。
ハンドルがドロップハンドルに変わろうと、タイヤが28cくらいから23cくらいに細くなろうと・・
それで劇的にスピードが変わったりは、しないのです。。
なので・・・もし、ロードバイクは特別!
クロスバイクからロードバイクに乗り換えれば、めっちゃ速くなれるんだ!!
・・・とか思っていると、拍子抜け・後悔することになります。
(ちなみに、私もそのクチです)
ロードバイクは確かに、速く走っていることも多いのですが・・・
それは結局、乗る人が速いだけで「ロードバイクの能力」ではありません。
ドロップハンドルだから速い!超軽量だから速い!100万円もしたから速い!
自転車の世界では、そんなことは無いんですね。
プロのロードレース選手が、5万円クロスバイクに乗ったとしたら・・・
200万円のロードバイクに、私のような素人が乗ったとしても、ぜったいに勝てないでしょう。
バイクとかのモータースポーツであれば、お金でエンジンの性能が上がることもあるようで、
「マシン性能で勝てる」という場合もあるようなのですが・・・
「ロングライドなら」スピードはアップする
ロードバイクは速い!と、よく言われているはずだけど・・
じゃあ、ロードバイクにアップグレードしても、クロスバイクと速度は変わらないの?
スピード的なメリットは無いの??
そういうことではないです。
ロードバイクは「ロングライド」での全体的なスピードで、クロスバイクを上回ります。
ロードバイクの良さを、ひとことで言うと・・
「エネルギー効率」が良い、というところだと思います。
ロードバイクはクロスバイクと比べると、前傾が深くなり空気抵抗が減ったり、軽くなったり、
タイヤが細くなったり・・という違いは確かに、あります。
このあたりでスピード自体が、劇的に変わりはしないわけですが・・・
走るときの「走行抵抗」はけっこう、変わります。
走行抵抗が減ると・・長距離を走ったときの「疲れやすさ」が、減ります。
つまり、たくさん走ってもエネルギーが余る状態になるんですね。
そしてこの「エネルギー効率」の要素は、ロングライドになればなるほど、効いてきます。
長距離を走って疲れてきたときに、はじめてロードバイクの恩恵を感じる・・
ということが私は多かったですし、そう言う方は多いと思います。
ドロップハンドルで握り方を自由に変えられることで、
腕まわりの疲れやすさが減る・・といったところも、効いてきますね。
クロスバイクからロードバイクに乗り換えたところで、いきなり「お、速くなった!」みたいなことは起きないのですが・・
ロングライドで初めて気づくような、「エネルギー効率が良くなった結果の速さ」はアップする!
というのが、クロスバイクからロードバイクの乗り換えたときの、スピード的な変化だと思います。
楽しさ・満足度は、こんな場合にアップする
クロスバイクからロードバイクに乗り換えると、より「楽しく」なるの?
ここは、あなたの「走り方」によって変わってきます。
もしいつも、田舎の広い道をかっ飛ばすとか、
郊外の、クルマが少なく走りやすい道をがんがん走るとか・・・
そういう「スピードを出した巡航」を、よくやるのなら、
ロードバイクという自転車は、あなたにベストマッチすると思います。
反対に例えば、日頃は街乗りメインだとか、
買い物などの日常移動によく使うとか、
旅先の混雑した観光地を、ふらふらする目的に使うとか・・・
そういった走り方なのなら、むしろクロスバイクのほうが優れていますので、
ロードバイクに乗り換えると逆に、走りにくくなると思います。
なのでそういう、「スピードを出した巡航」をあまりしない自転車生活をしているのなら、
ロードバイクに乗り換えたけど、楽しくない・・・
と、なってしまうと思います。
ロードバイクを買うと後悔するタイプの人、という考え方もあるのですが・・・・
ロードバイクは決して、どんなときも優秀な最強自転車!
なんてものでは、ないです。
むしろ、ハイスピードでの巡航だけに特化した、
ピーキーな自転車だと言えるでしょう。
なので、クロスバイクからロードバイク・・を検討するのなら、
自分の乗り方に本当に、ロードバイクは向くのかな?
というところに注目して、考えておくほうがいいと思います。
値段は、「用途」を狙って決めるほうがいい
そして、クロスバイクだけを持っていて、ロードバイクを狙う場合・・・
すごく大事な要素が、「値段」です。
クロスバイクは、GIANTなどしっかりしたメーカーだと、
いちばん安いものでだいたい、5万円くらい・・・
高いものでもせいぜい、10万円くらいです。
対してロードバイクだと、いちばん安いもので10万円くらいで、
そこから20万円、30万円、50万円、100万円・・と、
まあ、青天井なわけですね・・笑
もちろん、高価なほうが一般的に、性能が良いわけですが・・・
そのぶん財布のダメージ大きい、というのはもちろんですし、
高いロードバイクならではのデメリット、というのもあったりします。
一番は、高ければ高いほど、盗難が怖くなります。
まあ、言うまでもなく、
10万円の自転車を盗まれるのと、50万円の自転車を盗まれるのとでは、
ダメージが違いすぎますよね。
そして例えば、100万円とかのロードバイクだと、
たとえ頑丈な鍵を使っていたとしても、一瞬たりとも目を離したくないはずです。
なので、高価なロードバイクは、
レースの練習とか、どこにも寄らないライドとかの、
「ロードバイクで走る以外のことはしない」乗り方にしか、使えなくなってくるんですね。
逆に、10万円くらいのロードバイクだと、
高価なものほどの性能は無いかわりに・・・
頑丈な鍵さえ使っていれば、長時間の、それこそ一晩を越えるような駐輪もまあ、可能です。
実際、私は10万円台のロードバイクを持っていて、
自転車旅などで、ひと晩を越える長時間駐輪もよくやるのですが・・・
これが、30万円とか50万円とかのロードバイクで、同じことができるか・・
というと、できないです。。
と、ロードバイクは「値段」によって、メイン用途がだいたい決まってきますので・・
自分自身がロードバイクをどんなふうに使いたいのか?
を考えてから、値段を選ぶほうがいいと思います。
「クロスバイク」で後悔するのは、こんなケース!
「ロードバイクに乗り換えて」後悔するケースもあれば・・
「クロスバイクを選び続けて」後悔する、という場合ももちろんあります。
両方の視点があったほうが、公平だと思うので・・
以下、「クロスバイクで後悔」のほうに注目して、お話ししてみます。
クロスバイクで後悔する条件を、ひとことで言ってみると・・
自転車を、なにかの役割に「特化」させたい場合
ですね。
例えば・・・
「速さ」を追求したい!
「オフロードでの快適さ」が、できるだけ高いほうがいい!
輪行のしやすさを上げて、旅に役立てたい!
そういった「特別な目的」がはっきりしているなら、クロスバイクは中途半端です。
例えば速さが欲しいなら、ふつうにロードバイクを買うべきですし・・・
林道とかのオフロードをガンガン走るなら、マウンテンバイクのほうがはるかに有利です。
小さく折りたたんで、電車でラクラク持ち運びたい・・というなら、折りたたみ自転車ですね。
そしてクロスバイクは、良くも悪くも「オールラウンダー」ですので・・
自転車になにか突出した性能を求めるなら、微妙なのです。。
例えば前傾の度合いは、ロードバイクほど深くなく、ママチャリのように浅くもない中途半端ですし・・・
タイヤの太さも28Cとかいう、ロードバイクの23Cとか、マウンテンバイクの50Cくらいとかに比べると、中途半端です。
軽さてきにもロードバイクほど振り切っているわけではなく、かといって軽くないわけではない・・みたいな、微妙なかんじです。
しかし・・この中途半端さ、良く言えばオールラウンダーさは、時にメリットにもなります。
上でも触れましたが・・「街乗り」だと、クロスバイク最強ですね。
ロードバイクほどは細くないタイヤ、マウンテンバイクほどは広くないハンドル・・と、街を走り回るのにベストな「バランス」になると思います。
と、クロスバイクを買うときは、特化していない「オーラウンダー」タイプの自転車なんだな・・
ここを理解したうえで選ぶと、後悔しないのではないかと思います。
「ロードバイクはクロスバイクより上!」みたいに言われることは多いものです。
特に自転車趣味を始めたばかりだと、早くクロスからロードに!みたいになることは多いのですが・・・
実際のところ、ロードバイクというのは「ロードレース用」の自転車です。
なのでふつうの一般人が、ふつうの日常生活の中で使う!
そういういうときには、意外に使いにくいことも多いのです。
そして、クロスバイクにも優れたポイントはたくさんあって・・
日常生活の中で、ちょっと速い移動手段として使う!
そういう場合は、実は意外とクロスバイクのほうが上だった・・ということも、よくあることだと思います。
なので、なんとしてもロードバイクにアップグレード!!
・・・というよりは、いろいろと試乗などして、検討してみるほうがいいかもしれないです。