ロードバイクで走るとき、
ケイデンスは、毎分「90」回転が良い!!
・・・というのは、雑誌・ネットなど問わず、
けっこう言われていることだと思います。
どんな負荷、どんな斜度の状況でも90回転を保つため、
高性能な変速機を導入し、こまめに変速するべし・・
ケイデンスを平均的に、90に保つことで、
いちばん速く走ることができたり、最高のエネルギー効率で走ることができたりする・・・
そういった話ですね。
私自身、ロードバイクを始めたばかりのころは、
この「90回転」を守ろう!としていました。
ケイデンスを測れるサイクルコンピューターを買って、
数字がいつも90になるよう、脚の動きを調整したり・・・
風の強さが、地面の傾斜が、すこし変わるたびにギアを変え、
いつでも一定の回転数で、足が回るよう工夫したり・・・
しかし結局、ケイデンスは、もっと柔軟に変えていいのではないか・・・と思うようになり、
結局はケイデンスのことを、ほとんど、気にしなくなりました。
なので現在は、ケイデンスがいつの間にか、
70になっていたり、80になっていたり、100になっていたり・・
という、状態になっていると思います。
ケイデンスは90回転にこだわらず、柔軟に変化させてもいいと思う、
理由なのですが・・・
ケイデンスは、高ければ高いほど、心肺機能への負担がアップします。
そしてケイデンスは、低ければ低いほど、足腰への負担が増え、
かわりに、心肺への負荷は減ります。
これは、よく言われていますし、基本的にその通りでしょう。
すばやく脚を回せば、たくさん呼吸が必要になって、
重いギアをゆっくり回せば、脚がパンパンになりやすい・・というのは、
イメージ的にもわかりやすいところだと思います。
そして・・そうであるならば、
適切なケイデンスはそもそも、人によって大きく変わってくると思います。
心肺機能が強いのか、脚などの筋力が強いのか・・というのは、
バリバリに、個人差があるところだと思います。
たとえばこれまでに、マラソンをやりこんできた人であれば、
心肺機能のほうに強みがあるでしょうし・・・
逆に、ウェイトリフティングなどパワー系の競技をしてきた人であれば、
筋力に、強みがあるでしょう。
そして心肺機能が高い人であれば、心肺をより強く活用した、
ハイケイデンスな乗り方に向くでしょうし・・・
筋力がしっかりしているのであれば、そのパワーをフルに使った、
低ケイデンスで、高トルクな乗り方が向くでしょう。
なので、必要なケイデンスは、これまでやってきたスポーツとか、
心臓や肺の強さとか、筋肉の強さとか・・によって、
いくらでも変わってくるものだと思うのです。
70回転くらいが、いちばん違和感なく乗れる人もいるでしょうし、
100回転くらいで回しまくるほうが、うまくいく人もいるでしょう。
もちろん、たまたま、90回転がベスト!となる人もいるでしょう。
ちなみに、たとえば私自身は学生時代、力の強さを要求される競技をしていたこともあってか、
心肺機能はさほど強くはなく、かわりに筋力が強い傾向があるようです。
あくまで、素人レベルの話ですが・・・
なので私はいつも、ケイデンスは「70」程度に抑えることが多くなり、
上りでも、くるくる回すというよりは、
ゆっくりとペダルを運んでいく「休むダンシング」みたいな乗り方を、多用するようになっていきました。
そしてそのほうが、90回転/分で回すよりも、
自分に向いているなぁ・・と、思うようになりました。
そして・・・ケイデンスは、「心拍数」とか、「疲れやすさ」とか、「回しやすさ」とかを軸に、
もっとリアルタイムで、柔軟に変えてもいい・・とも、思います。
基本的には、ケイデンスを下げれば、心臓への負担が下がって、心拍数も下がりますので、
心拍数が明らかに上がっている!・・と思った場合は、
ギアを重くしてゆっくり回し、いちど心肺を休めてやる・・といった感じです。
場合によっては、心拍計を使って、心拍数をマネジメントするのも、有効かもしれません。
もしくは走っていて、疲れやすいなぁ・・とか、脚を回しにくいなぁ・・とか思ったら、
ケイデンスをすこし増やして、もしくは減らしてみます。
そして回転数の変化にともなって、疲れにくくなったり、回しやすくなったりするなら・・・
その回転数のほうが、その状況での「正解」に近いと言えるでしょう。
ケイデンスの工夫で最終的に得たいものは、スピードとか、負担の低下とか、そういうもののはずですので、
「90」とか「80」とか、ケイデンスそのものを絶対的な基準にするのではなく、
そういった「パフォーマンス」のほうを基準にしていくほうがいいのではないか・・とも、思います
ケイデンスは「90回転」が良い!と、よく聞きますし、
そういった視点が不要とまでは、思わないのですが・・・
実際にはそこにこだわることなく、心肺が強い・・とかいった自分の「強み」とか、
この回転数だと疲れやすい・・といった「身体の状態」とかのほうを軸にするほうが、うまくいくのではないか・・と、思います。