平均速度30km/h・・というのは、ロードバイク趣味の人にとってひとつの目安です。
平均速度30km/hを越えれば初心者は脱却!とか、
平均速度30km/hでの巡航なんて簡単!とか、
いやいや、平均速度30km/hって意外と難しいよ?・・とか。
ロードバイク趣味の人たちのあいだで、この「平均速度30km」が話題の軸になることはけっこう、多かったりします。
場合によっては「巡航速度」と言われることもありますね。
しかし・・実はこの平均速度、けっこういろいろな捉え方ができてしまうので、
見方をすこし変えるだけで、速度の数字はぜんぜん違ってきてしまいます。
たとえば、信号などで止まっているときを計算に入れるのか?入れないのか?によって、
数字は2-3kmぶんは平気で変わってきます。
一般的にサイクルコンピューターは、信号などで停車しているときは計算に入れないようになっているのですが、
機種によっては計算に入れる場合もあるので、ここで大きく変わってきます。
サイクリングロードや郊外の道など、走りやすい場所を飛ばしているときだけのデータなのか?
それとも、街中など混んだ場所を走っているときも含むのか?によっても、2-3km変わってきます。
走ったなかで、いちばん早かった区間だけを切り取って「平均速度」と言うこともあるみたいです。
何km走ったときの平均速度なのか、によっても、ぜんぜん違ってくるでしょう。
たとえば100km走った場合と、20km走った場合とでは、
走る距離が短いときのほうが当然、体力がたくさん使えますので、速度は上がるでしょう。
そしてもちろん、風とか、雨とか、坂とかによっても違ってきます。
ある程度長距離を走れば坂に遭うことはありますし、
すこしでも坂の区間を走ったなら、平均速度は劇的に落ちます。
そして、たとえば追い風のときを選んでデータを取れば、平均速度は当然上がります。
・・・と、「ロードバイクの平均速度」とひとくちに言っても、厳密に定義されているわけではないのですので、
考え方によって平気で、5kmとか7km/hとか違ってくることもあるのです。
自分の平均速度は30km/hだ!・・と思っていたら、
実は、一般的な見方からすると、23km/hがせいぜいだった・・ということもあるかもしれません。
私自身、ロードバイクを始めたばかりのころに、
平均速度?・・・40km/hくらいだよ?とか、平気で言っていた時期があります。
なんのことはなく、一時的にびゅんと飛ばして車道を走り、
そのときのサイクルコンピューターが40kmくらいを示すことが多かったので、40kmだ・・とか言っていたわけです。。
見方にもよりますが、実際の平均速度はがんばっても25km/hとか、そんなものだったでしょう。
もし本当に平均速度が40km/hなら、それはもうプロのロードレーサーレベルです(笑)。
・・・と、平均速度というものは、見方によってまったく変わってきますので、
「平均速度?30km/hくらいだよ!」というのは、条件をがっつり定義したりしないかぎりは、
まったくアテにならないのです。
そのためまあ、つまり、「平均速度の自己申告」は聞き流すくらいでいいと思いますし、
逆に自分が「平均速度はこれくらいだよ」と言うときは、しっかり前提条件を考えてから言わないと、
実力をはるかに越えた速度を言ってしまって、恥をかくかも・・と思うのです。
ちなみになのですが、平均速度の「人間の限界」は、だいたい50km/hくらいだと思われます。
「アワーレコード」という競技があり、
これはロードバイク系の決まった基準を満たす自転車で、
無風のトラック内を1時間走り、何km進んだかを競う、という競技です。
そしてこれの世界記録が、ちょうど50kmをすこし下回るくらいなのです。
つまり、ざっくり言うと、50km/hのスピードで1時間走り続けることができれば、世界記録!・・と言えるのです。
・・・とまあ、平均時速というのは見方によってぜんぜん変わってきてしまいますので、
厳密に定義していない「平均速度の自己申告」なんてのは、まあ、まったくアテにならないよなぁ・・というお話でした。